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急・異種獣人同士で子づくり!?ノァズァークのヒミツ編

55.求婚★(※スパンキングの描写があります)

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 リリィはゴズメルの指を噛まない。

 ゴズメルのほうから、親指を奥歯に当てに行くと、ピチャピチャと濡れた音を立てて舌で包み込む。

 ひとの指を丹念に舐めながら、瞳を潤ませていた。

 口から引き抜いても、無抵抗だ。ゴズメルにくったりとよりかかり、糸を引く唾液を見つめている。

 濡れた指を胸になすりつけてやって、やっとあえかな声を漏らした。

「ゴズメル……」

「なにさ……」

「好き……」

 リリィにつられて、ゴズメルも小声になった。

 ふたりきりだとわかっていても、リリィのかすれた声を、ほかの誰にも聞かせたくないと思う。

 リリィはうわごとのように繰り返した。

「好きよ……あなたのことが、好き……あ、あん……」

 ゴズメルはリリィの胸を指の腹で撫でていた。

 バスルームでリリィがしてくれた優しい手つきを真似ようとするのだが、太い指では器用にできない。

 リリィが柔らかすぎるのだ。触り心地がよすぎて、手が本能的に追いかけてしまう。

 結局は、がさついた手でいつものように揉みしだいた。感情が昂ぶって、力を制御できない。

 うまく愛せないもどかしさに、ゴズメルは泣きたくなった。

「あたしの方が、あんたを好きだよ……!」

「ほんとう? ゴズメル……」

「あたしの気持ちを疑うのかい! こんなに好きで好きでたまらないのに……!」

 服が邪魔だ。もっと全身でリリィにわからせてやりたい。

 はぁはぁとシャツを脱ごうとするゴズメルを、リリィは手伝った。

 小さな手で靴下をはぎとったかと思うと、ズボンのホックをゆるめはじめる。

「立って……」

「うん……リリィ……」

 目が合うと、お互いに吸い寄せられるように唇が重なる。

 ゴズメルは足でズボンを脱ぎ捨てながらリリィに覆いかぶさった。

 リリィが正面から抱きつくようにゴズメルのブラジャーを外す。

 ぼよんと前にこぼれた巨乳が、リリィのバストを押しつぶした。

 柔らかい胸がつぶされると、真っ赤に充血した乳首の硬さを感じる。リリィはぷるんぷるんと胸を揺らして、ゴズメルの胸に乳首をこすりつけた。

「あぁ、あん、ゴズメル、ゴズメルぅ……アッ!」

 ゴズメルも、同じようにしてリリィの背中に手を回していた。

 魔封じのアミュレットがシャラシャラと鳴る。リリィは身もだえして嫌がった。

「やぁ、それ、ヤ、取らないでぇ、えぁっ、あっ」

「リリィ……」

「取っちゃダメなの、お願い、やだ、嫌ぁ……!」

「取らないと大変なんだよ、わかってるだろう」

「やだ、やめて……私、ゴズメルを操りたくない……!」

 リリィは、ゴズメルの胸に向かって泣き叫んだ。

 ゴズメルには、その悲鳴が、とても小さな女の子の声のように聞こえた。

「みんな、この翅のせいで私を好きになるの……。あなたもきっとそうよ。私、これを外されると、いつもおかしくなってしまうの。わからないうちに、あなたの気持ちを自分のいいように操ってしまっているんだわ!」

「……リリィ」

「私だってそんなことしたくないの! でも、この翅のせいで……」

「リリィ!」

「ひゃんっ」

 パァンと尻を強く張ると、リリィはぎゅっと目を閉じた。目蓋に涙がにじんでいる。

「……バカな子だね。そんなこと気にしてたのかい」

 ゴズメルは、叩いたばかりのリリィの尻を優しく撫でた。

「そんなに言うなら、後でもっかい尻を叩いてやるよ。思いっきり強くひっぱたいてやる」

「えっ……」

「あんたの鱗粉は、まわりに自分を守らせようとするんだろ? あたしが鱗粉でイカれてたら、ケツひっぱたいたりなんかできるもんか」

 目をみはるリリィの頬を、涙がひとすじ伝った。

 温かい涙がゴズメルの胸に落ちる。まるで霧深い森のように、濡れた瞳だった。

「……ね、翅を見せとくれよ。あんたの翅、好きなんだ」

「で、でも……」

「ほら、横向いてさ。あんたの可愛い顔と、綺麗な翅がちゃんとよく見えるように」

 向きの指定までされて、リリィは戸惑った様子だった。

 だがもたもたと横を向き、手を背中に回す。

 自分で外すのは、初めてだったに違いない。

 花が咲くようにあらわれた翅に、ゴズメルは目を細めた。

「……前に見た時より、色が鮮やかになったね」

「えっ?」

「それに、ひとまわり大きくなってる。産卵の影響かな。……『見て、見て』って誘ってるみたいだ」

 リリィは翅と同じくらい頬を赤らめた。

 胸の前で手を落ち着きなく動かし、ぽふぽふと鱗粉を振りまいている。

「ゴズメル……」

「ん?」

「あ、あの……お尻を、叩いてくださる……?」

 耳に入ってくる言葉の物凄さに、ゴズメルはグラッと来た。

 尻を叩くのは別に初めてではないが、いつもその場の勢いでやっている。改まって叩くとなると背徳感がすごい。

「……ン。いいよ。来な」

 リリィは叱られる子どものように膝へ来た。

 犬のように四つん這いになり、ゴズメルの右手に向かって尻を差し上げる。

「あ……」

 押さえるもののない乳房が、重力に従って重そうに垂れ下がる。

 ゴズメルの目に、それはよく熟した果物のように見えた。

「痛いだろ……もっと、伏せなよ……」

「あぁ、はい……っ」

 ぺたんと胸をベッドにつけると、雌豹が誘っているかのようになる。

 ゴズメルは息をのんだ。リリィの翅と白いからだが、その痴態にもかかわらず美しかったからだ。

 自分でもわけがわからなかった。

 こんなに美しくて愛おしいものを、もっと辱めたくてたまらないのだ。

 ゴズメルは尻を撫でていた手を、前にずらした。

「あぁああんっ!」

 リリィの背筋がびりびりとしなる。ゴズメルはトロリと濡れた股に手を触れさせていた。

 手のひらを行き来させるだけだ。

 リリィは勃起した乳首もタオルのキメにこすりつけているらしい。ぶるぶると震えて悦んでいた。

「そんなにケツ叩いてほしいんだね? リリィ……」

 ゴズメルは声がうわずっていた。リリィもわかっているはずだ。

「はい……はい……」

 リリィは、罰を与える手に自分から腰をこすりつけてねだった。

「お願い、ゴズメル……私を叩いて……。いやらしいリリィのお尻を、ぶってください……」

 リリィが言い終えると同時に、ゴズメルはノータイムで打った。

「っ、あ、ひぁぁっ、んゃぁあんっ」

 二発、三発と繰り返すと、リリィの声がますます甘く、高くなる。

 ゴズメルは分厚い手のひらで容赦なくリリィの尻を張った。

「あたしがあんたをちゃんと愛してるって、これでやっとわかったか!」

 叩いても叩き足りなかった。リリィときたら、なんというわからずやだろう。

 狂おしいほど愛しているのに、なぜこんなにも伝わらないのか。

「なにが翅の力だ。ふざけんなっ。あんたが可愛くていい子で、あたしのことを死ぬほど好いてくれたから、こっちはこんな変態みたいな真似してんだよっ」

「あんっ! あんっ、あんっ」

「ひとの性癖をバキバキに歪めやがって! なんで惚れた女をぶって興奮しなきゃいけないんだっ、あたしを欲情させた責任をとれ!」

「ごめんなさい、ごめんなさいぃっ、責任とるからぁっ……!」

「じゃあ結婚して」

 時間が止まったかのようだった。

 ゴズメルは右手でリリィの尻から背中を撫で上げて・・・四つん這いの恋人を、抱きしめた。

「責任とるってんなら、あたしと結婚してくれよ……。死ぬまでずっと、あたしだけの、お嫁さんになっとくれよ。リリィ……」
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