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序・童貞喪失精子ゲット編

10.採取★

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 女ふたりが放つ噎せ返るような性の匂いが部屋に充満していた。

 射精の激しさにリリィはくったりと脱力しているが、ゴズメルの興奮はまだおさまらない。

 食いしばった歯の間から、フーッフーッと漏らす吐息は、まるで殺気立った獣のようだ。

 ゴズメルはリリィの体の奥に精液を塗り込めるかのように、とちゅっとちゅっと腰を前後に振っていた。

「オ……ッ、まだ、出る……ッ金玉から精子、あがってくるっ……」

 太くてハリのある巨尻をぞくぞくと予感に震わせると、リリィに覆いかぶさって、ほとんど押しつぶす勢いで射精する。

 三度目の射精だというのにゴズメルの精液は濃く、量も多かった。

 すっかり消耗していたリリィが、無意識に腰を跳ねさせるほどだ。

「あぁぁ……」

 リリィがか細く漏らした哀れな声さえ、ゴズメルは大きな口で飲み込んだ。

 もはやゴズメルはリリィのすべてが愛しかった。

 人形のように力の抜けた体を抱きしめて、小さな口いっぱいに自分の唾を飲ませる。 

「んっ、んっ……」

 リリィは涙にかすんだ目を細めながら、ゴズメルの乱暴な口づけを受け入れた。

 注ぎ込まれる唾液を喉を上下させて飲み込む。

 やがて音を立ててゴズメルが口を離す。

 リリィは膝をキュッと閉じて、ゴズメルの腰を締め付けた。

「わるいひと……わたし、あなたで溺れてしまうわ……」

「んっ……」

 かすれた声でささやかれると、ゴズメルはたまらない気持ちになる。

 思わずもう一度キスして、すぐに顔を離した。

「だって、あんたがこんなに魅力的で……あたし、すごく……」

 言い訳しようとして、ゴズメルは慌てて口を閉じる。

 魅了バフが強力なあまり、目的を忘れかけていたことに気づいたのだ。

 親切なリリィは、ゴズメルを気の毒に思って協力してくれたにすぎない。

 リリィは、冒険者協会の仲間だ。

 たまたま体を重ねた勢いで仲間を口説くなんて、どうかしている。

「……な、なんでもない。やっと頭が落ち着いてきたよ。素材採取するね」

「あっ……」

 ゴズメルが身を起こすとつながった二人の性器が濡れた音を立てる。

 後ろに手をついて胸を反らすリリィは、感じているのだろう。

 悩ましい声と締め付けられる感覚に、ゴズメルの萎えた男根は、また固くなってしまいそうだった。

「……っ、《アイテムボックス・オープン》」

 素材をドロップすると、採取容器がアイテムボックスに自動で追加される。

 傍目にはゴズメルの手のなかに光が結晶化したように見えるだろう。

 今回の採取容器は、試験管(小)だった。

「……抜くよ、リリィ」

「ん……っ、ああ……っ」

 ゴズメルがゆっくりと腰をひくと、リリィはシーツをギュッと掴んで喘いだ。

 精を吐きつくした長大な巨根が、リリィの股からゆっくりと現れる。

 泡立って粘ついているのは、ゴズメルの精子とリリィの愛液だろう。

 もわっと立ち上る湯気が、恐ろしく卑猥だ。

 倒錯的な眺めに、ゴズメルは頭がくらくらする。

(あ、あたし、本当にリリィとヤッたんだ……こんなにデカいチンポで、こんなに小さくて可愛いリリィを……)

 まだ離れきらないリリィの女性器から、こぽっと空気の漏れる音がした。

 大きすぎる男根を逃がすまいと、ぱくぱくと名残惜しそうに開閉している。

「あっ……ゴズメル、だめ、そんなに、ゆっくり擦っちゃイヤ……」

「クソ、やめろぉ、まんこでちんぽ吸うなぁ……」

 敏感な亀頭を刺激されたゴズメルは、危うく四度目の射精をしてしまいそうだった。

 だが、腹筋に力をこめて一息に引き抜く。

「あぁあっ」

 浮こうとするリリィの腰を、ゴズメルはベッドに押さえつける。

 とろっと漏れ出した『童貞喪失精子』を、すかさず試験管のふちで掬うが、粘度が高くて、うまく採取できない。

「……掻き出すから。膝をもっと開いて」

 リリィが従うより先に、ゴズメルは彼女の股を大きく割り開いた。

 焦りと、妙に収まりの悪い興奮とで、頭に血が上っていた。

 片手で試験管をあてがい、もう片方の手をリリィの女性器に添える。

「あ……あぁ……ゴズメル……っ」

 指を二本挿し入れると、リリィは喜悦に身震いする。

 リリィの乳房が吸ってくれとばかりに大きく揺れて、ゴズメルは試験管を放り出したくなるほどだった。

 自然と、くちゅくちゅと出し入れする手指の動きも早くなる。

「はぁ……はぁ……だめ、ゴズメル、指でわたしのおまんこを気持ちよくしないで」

 泣きそうな声で懇願されて、ゴズメルはぶわっと総毛だった。

 するなと言われると、したくなるのだ。

「へぇ……」

 もっと、いじめたくなる。

「リリィは素材採取されるだけで、おまんこ感じちゃうんだ? どんだけスケベなんだよ」

「はうあ……っ、あっ」

「言え。こんなにびしょびしょにして、処女喪失で何回アクメしたんだ」

「……っ、やら、や、やぁっ」

「数えられないくらい? じゃあ、これからはイくって宣言してからイきな。あたしが数えといてやる」

 漏れ出てくる童貞喪失精子の粘度がゆるくなり、香りも酸味に寄ってきている。

 リリィがゴズメルの指と言葉で感じて、今も愛液を垂らしているからだ。

「おいこらリリィ、どうしてくれんだよ」

 ゴズメルは試験管の蓋を片手で締め、見せつけるようにリリィの顔の前にかざした。

 特殊な試験管の中は、白い精液と、半透明な愛液の二層にくっきりと分かれて――愛液のほうが量が多い。

「これじゃ『童貞喪失精子』じゃなくて、『淫乱妖精マン汁』じゃないか」

 舌打ちして凄んでみせると、リリィは耳まで赤くなった。きゅんっとゴズメルの指を締め付けてくる。

 鼻で笑ったゴズメルはますます指の動きを激しくして、リリィに追い打ちをかけた。

「んゃぁあっ」

「おら、ぐちゅぐちゅ手マンされて、イくの、イかないの。どっち」

「あっ、あっ、イく、イくぅ、ゴズメルの指で、おまんこイく……!」

 許しを求めるように宣言して、リリィは絶頂した。

 ふやけた指を引き抜いた時、ゴズメルの胸は大きく高鳴っていた。

 胸がどきどきして、頬が熱くなって、同時にとても驚いていた。

 指でリリィに奉仕し、彼女を絶頂に導く。それだけでなぜかゴズメルは、天にも昇るような心地だったからだ。

 快楽を得ているのはリリィなのに、ゴズメルは自分の性器には触ってもないのに、なぜかとても気持ちよくて、感じる。

 セックスを、子づくりかストレス発散のためにやるものだと思っていたゴズメルは、不意に与えられた多幸感にすっかり驚いてしまった。
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