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序・童貞喪失精子ゲット編

6.おしべ★

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 ゴズメルは自分の体の変化に驚いていた。

 満月の晩にはいつも感じているめまいと気持ち悪さが、今夜はなにか違っている。

 リリィは鱗粉のついた指で、ゴズメルの唇をそっとなぞった。

 ゴズメルの分厚い唇が、光沢を帯びたピンク色に染まる。

「効果が強すぎて魔物バグを引き寄せるし、周りがおかしくなってしまうから、子供の時からずっと封印していたのよ。上手く翅が使えるかわからなかったのだけど……」

 リリィの言葉を、ゴズメルは最後まで聞けなかった。

 彼女の小ぶりな柔い唇を、自分の口でふさいでいたからだ。

 突然のゴズメルの行動に、リリィは大きく瞳を見開く。だが、拒むことはしなかった。

 激しく吸い立てられるのを、目を閉じて受け入れている。

「ふ、……ん……はぁ……はっ」

 せわしなく息を継ぐリリィの手が、ゴズメルの背中に回る。

 ベッドの上で唇を合わせるだけで、ふたりは興奮しきっていた。

 鱗粉の効果だ。長らく翅を使っていなかったリリィは、すっかり自分の鱗粉への耐性が落ちていた。

 リリィの優美な肉体にさかりつくゴズメルと同じくらい、もしくはそれ以上に彼女は発情していた。

「あぁ……ゴズメル……」

「なんだよ、その声……」

 ゴズメルの頭は性欲でぐつぐつと煮え立っている。

 リリィの身じろぎや眼差しのひとつひとつが、自分を誘う媚態に思えて仕方ないのだ。

「甘えるネコみたいだぜ。いつもの澄まし顔は、どうしたんだよ……」

「やん、だって……あぁんっ」

 つんと尖った乳首を軽くつねると、リリィは高く鳴いた。

 ゴズメルはひときわ甘く匂う首筋に歯を立てた。

「この、やらしい服も、あたしを興奮させようと思って着てきたのか?」

「ひゃううんっ」

 両手の指先できゅっきゅっと乳首をつねりながら、かぷりと首を噛むと、リリィは大げさすぎるほど反応した。

「ああ、いけないわ、噛んじゃだめ、やめて」

「どうなんだよ、なぁ」

 リリィが抵抗すればするほど、ゴズメルの加虐心は燃え立った。

 ミノタウロス族は力が強い。

 ものにもひとにも、普段は細心の注意を払って触れるのに、今は本能に突き動かされて加減ができない。

 リリィも、口では「だめぇ、いじめないで」と言っているが、その肢体は未知の快楽に打ち震えている。

 彼女は熱い息を吐いて身もだえした。

「ああっ、そう、そうよ、ゴズメル。ごめんなさい、私、たっぷり鱗粉を塗り付けてあなたを、誘って……っ」

 翅は情動と連動するように羽ばたいて、今も鱗粉を振りまいている。

 リリィは羞恥に赤くなった顔を、ゴズメルの胸に押し付けて隠した。

「あなたに辞めてほしくないから、抱かれに来たの……」

 ゴズメルは荒く呼吸しながら、目を細めた。

 ぽっぽっと頬を紅潮させるリリィを見ていると、それだけで胸に温かいものが湧く。

「リリィ……あんたって可愛くて優しい子だね」

 ゴズメルは、リリィのとがった耳に唇をつけた。

「それに、とんでもなくスケベだ」

 そのまま、耳に舌を這わせる。

 噛むよりも舐めて柔らかくして、この可愛い妖精をとろかしたいと思ったのだ。

「やん、だめ、ゴズメル、だめだったら。そんなにしないで」

 リリィが顔を上げて、ゴズメルの舌を自分の唇へ引き取る。

 ちゅ、と軽くキスしながら、ゴズメルの手を自分の腿へと引き寄せた。

「私があなたを気持ちよくしに来たのよ。あなたが私を気持ちよくするなんていけないわ……」

 そう言って、レースワンピースの裾をちらっとまくってみせる。

 露わになった白い腿に、ゴズメルの目は釘付けだった。

 視線に嬲られたリリィは、ぞくぞくと身を震わせる。

「私ばっかりじゃ嫌だわ。あなたも見せて……」

「……あたしのなにを見たいって?」

「んっ……わかるでしょ……だ、大事なところ……」

「どこ? ハッキリ言えって」

 ゴズメルのからかいには、はっきりした欲情がこもっていた。

 太ももをさすりながら責められて、リリィはぷるぷると震えた。

「あぁ……お、お股の……っ、雄蕊……っ」

 おしべ。

 リリィの斜め上の語彙に、ゴズメルは不覚にも笑ってしまった。

 笑えば笑うほど、腹がゆるむからなのか、鱗粉を吸い込むからなのか、陰茎が勃起してしまう。

 ゴズメルは勢いよくリリィをベッドへ押し倒した。

「きゃんっ」

 背中から寝台に倒れると、透明な翅がフッと消える。

 ゴズメルは頓着しなかった。大きくて重い胸と、バキバキに勃起した男根で、リリィの小さな体を圧し潰す。

 そのうえ、獣が水をむさぼるような激しいキスをされて、リリィは息も絶え絶えだった。

 ゴズメルは口が大きくて舌が長い。

 じゅぷじゅぷと淫らな音を立ててリリィの愛らしい唇を犯し、しゃぶりつくす。

 同じようにリリィのスカートの中の雌蕊にも、自分を受け入れさせたかった。

 とじた瞼に苦しげな涙を滲ませて、ゴズメルの唾を必死に飲むリリィの股を、ぐちゃぐちゃにしてしまいたいのだ。
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