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ハイパー孫疲れおばあさんの愚痴(?)を聞く。

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少し前の話になるが、孫の世話で疲労困憊しているおばあさんの話を聞いたことがある。

外出した際、バスの到着まで時間があるので息子らを公園で遊ばせていると、通りすがりの見知らぬおばあさんに声をかけられた。

「こんにちは」の挨拶の後、私の相槌も間に合わないくらいに彼女は喋る喋る。

要約するとこんな感じ。

毎週土日、3人の娘とその子たち、孫は合わせて6人、つまり合計9人が家に泊まりに来る。

その度に遊んでやり食事を作ってやり布団を敷いてやり、で土日が全て潰れる上にすごく疲れる。旦那は何もしない。

特にご飯は泊まりに来る9人と自分たち夫婦の11人分だから大変。

とうとうこの前倒れてしまって、病院で言われたのは「疲労」だと。

そこでバスの時間が迫ってきたため立ち去ったので、彼女が倒れた後のことは不明である。が、こうして元気良く喋っているので回復したのであろう。

疑問なのは、自分の娘なのだから何故断らないのかである。

なんか弱みでも握られてんの?

おそらく優しい人なのだろうが、倒れるくらい頑張ってしまうのは大問題なのではないか。

私に愚痴ったことをそのまま娘たちに言えば良かったろうて。

そう言えば前に住んでいた家の近くのおばあさんも同じようなことを話していた。

こちらは3人ではなく娘のうち1人の子2人だが、毎日保育園に送迎してやり土日も食事に連れて行ってやったり、と大忙しだったとのこと。

近所の人だから良く鉢合わせ、その度に同じ話を延々と聞かされたものである。

多忙な娘夫婦はお金があるのか近所に広い庭付きの立派な家を建てたがおばあさんは私と同じボロアパート住まい。

「あれだけしてやったのに一緒に住ませてくれない」と悲しそうに口にしたその足で、大学生の孫のためにご飯を作りに行ったのだから、もう理解できません!

思うに彼女らの愚痴と思しきものは、実は自慢話だったのかもしれない。

子や孫に囲まれ老後まで頼られて幸せな私! を、私に大いに自慢していたのかもしれない。

私は羨ましい。いつでも何でも頼れる親が近くにいることもそうだが、親を気兼ねなくコキ使える関係性が何より羨ましいのである。
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