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王都編

第3話 諸々順調に進みまして

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正直勉強はかなりちょろかった

3ヶ月で履修しなきゃいけないところは完璧にした
まず地理歴史は浅い、とにかく浅い
前世の地理に比べたら1回の定期考査の範囲くらいだ

古典は難しいが前世の英語に比べたらものすごく楽だ
文法も単純、多義語は少ないし言い回しも少ない

算術なんてもう20分で終えた
こちとら前世で数学担当にしごかれてたんだ
毎回毎回
「もちろん分かるよね」
みたいな雰囲気で笑顔で指してくるヤバいやつに

まあ学園の試験はあくまで教養の度合いを図るものであって科目は沢山ある中から3つ選ぶそうだ
その中には剣術や芸術、音楽などさまざまだ

平民枠で受ける人は大半が基礎科目である地理歴史古典数学から3つ選ぶそうだ
なんせ平民で芸術を修めるなんてほぼ不可能だからだ
貴族は家庭教師がこれらを教えるのに対し平民は独学である
しかも倍率が高いとなるとそりゃ難しい訳だ
貴族は得意な基礎科目だけを選んであとは芸術で点を取ればいい
だがそれがかなり甘いらしく貴族枠の倍率は非常に低い
というか余程酷い点数を取らなければみんな受かるそうだ

「お前かなり頭いいらしいな
予定前倒しで明日から王城で使用人見習いだからな」

「りょーかいしやしたー」

「お前絶対御前でその言葉使うなよ?……」

「…
そのくらいは弁えてますよ……」

この3ヶ月、勉強と並行して5人ほど殺した
その内訳は山賊の長だったり横領を行っている使用人など様々だ
やはり黒確定だが表立った調査では立件できない場合にここに依頼が来るようだ
そしてその間に夢想力で作った魔法は3つ

Shadow xafra影の刃
単純に僕の影を実態化させる魔法だ
かなり力技だけど影を切り離してトラップに使うみたいな応用ができる

Id-dinja ordinarja tiegħi唯の世界
世の理を破壊する、単純に時を止める魔法である
時間が止まっている最中はいかなる魔法も使えない
そして指定すれば止まった時間の中で動くことができる
だが今まで創ってきた魔法は35000ある僕の魔力をほぼ食わないのに対しこれは1秒につき200消費する
そのため時間が止まった世界での行動時間は最高175秒
しかし魔力全てを使い切る訳にはいかないし他のためにも残さなきゃいけないから実質100秒ほど
他人をこの世界で動けるようにすると単純に消費魔力2倍

Sitt tort六つの咎め
単純に魔力によって具現化された6本の鎖が全身に巻き付き動きを止める
魔力でできているので込める魔力量によって硬度が変わる
ある程度魔力を吸収することが可能

王城に入るといかにも執事のような格好をした人に案内され、部屋に入ると中には女性の使用人と思われる人が数人いた

「オランジェさん、その子が例の子ですか?」

「そうですよ
さ、この子を大変身させてあげてください」

「「「かしこまりました!!!」」」

そうすると10代後半から20代前半の女性がぞろぞろと集まって来た

「お名前は?」

「シズキです」

「シズキくん、よろしくね
私はメイド長のラモンドーラ、ラムって呼んでね
さ、シズキくん!格好を整えるわよ!!」

「それからというもの服を取っかえ引っ変え着せられ、髪を少し切って整えられた」

そして数時間が経ちましたとさ

……………………

「やだこの子綺麗な顔してるわね~」
周りで感嘆の声がいくつも上がっていた

というか鏡を見て自分でも驚いた
前世でも自分の容姿はそれなりにいい方だと思っていたが着飾ったりするだけでこんなに綺麗になるとは
1番はやっぱり目だ
黒髪に黒い燕尾服だと左右の色鮮やかなオッドアイがとても際立つ

「ではシズキくん
殿下の元へ参りましょう」

そうしてオランジェさんの横に立ち部屋の扉を開ける
部屋に入り跪き

「お初にお目にかかります、ラファエル・リー・ドルシェア殿下」

「君が僕の命を預ける相手だね
よろしく、シズキ」
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