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第3話 その頃学園では
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ルークスがあれよあれよとローラント行きが決まっている時、学園の方ではルークス退学の話で盛り上がっていた。
調子に乗っていたルークスは数多くの悪事を働いていたから、多くの学生から嫌われていた。
反抗しようにも公爵家という立場の人間だから誰も反抗できずにいたから、今回の件は学生たちにとっては最高の話題なのだ。
しかし、中には喜べない者もいる。それはルークスに付き従っていた者達だ。
今回はルークスのみが学園を退学となっているが、ルークスに従って悪事を働いていた学生達は後ろ盾が無くなったので次は自分達も危ないのではと危惧している。
「どうする、これから?」
「どうするもこうするも俺達は悪くないんだ! 全部、ルークス様の所為にしとけばいいんだよ!」
などと言っているが自ら進んで悪事を働いた者達もいる。ルークス一人に全ての罪をなすりつけようとするが、果たして上手くいくかは分からない。
「ごめんなさい。私の所為でアルガス君に迷惑を掛けちゃって……」
「謝る事なんてないさ! 悪全部ルークスの所為だから、ラファが謝る必要なんてない!」
「でも、私の所為でアルガス君は争う羽目になったんだし、やっぱり私の所為だよ」
「もう! ラファ。貴方のそういうところはダメよ。アルガスの言うとおり、全部ルークスが原因なの。そもそも、あいつが貴方に酷い事をしたのがいけないんだから」
謝ってばかりのラファをアルガスとシーラは慰める。そんな二人の甲斐もあってラファも落ち着いた。
「それよりもルークスが学園を追放になったって本当か?」
「ええ、本当よ。噂になっているけど事実で間違いないわ」
「そうか……悪いことをしちまったな」
「何を言ってるのよ! あんな屑は追放になって当然よ! むしろ、私は貴方がルークスと争うと聞いた時はついにあの豚が死ぬのね――って思ったんだから」
「流石に俺は殺さないさ。そこまで憎い相手でもなかったし。」
「いや、確かに俺が決闘で戦って勝ったけど、被害にあってたのはラファだろ? だから、ラファが望むようにしてあげればよかったなって」
「別にいいよ。私はもう何の関係もなくなったから、それだけで十分だよ」
「優しいわね、ラファはー!」
そう言ったシーラがラファを抱きしめる。庇護欲を刺激するラファにシーラは我慢が出来なかったようだ。
「まあ、あの豚には勿体ないのよ。豚は豚らしく豚と結婚でもしてればいいのよ」
「随分な言い様だな~。昔、なにかあったのか?」
「ほら、一応豚でも公爵家でしょ? 多少の交流はあったのよ」
「あー、そういうことか」
シーラとルークスは過去に何度か社交界で会っているが知人という関係である。
かつて神童と呼ばれた頃のルークスを知っているが、聡明なシーラは子供の頃からルークスの人間性を見抜いていたので知人という関係から進展させなかったのだ。
「この話は終わりにしましょ。今度、授業で行われる野外研修の話でもしましょう」
「そうだな。いつまでも同じ話題じゃ飽きるしな」
「私、野外研修で野営をするって聞いたんですが――」
学園は平和であった。今のところは……。
調子に乗っていたルークスは数多くの悪事を働いていたから、多くの学生から嫌われていた。
反抗しようにも公爵家という立場の人間だから誰も反抗できずにいたから、今回の件は学生たちにとっては最高の話題なのだ。
しかし、中には喜べない者もいる。それはルークスに付き従っていた者達だ。
今回はルークスのみが学園を退学となっているが、ルークスに従って悪事を働いていた学生達は後ろ盾が無くなったので次は自分達も危ないのではと危惧している。
「どうする、これから?」
「どうするもこうするも俺達は悪くないんだ! 全部、ルークス様の所為にしとけばいいんだよ!」
などと言っているが自ら進んで悪事を働いた者達もいる。ルークス一人に全ての罪をなすりつけようとするが、果たして上手くいくかは分からない。
「ごめんなさい。私の所為でアルガス君に迷惑を掛けちゃって……」
「謝る事なんてないさ! 悪全部ルークスの所為だから、ラファが謝る必要なんてない!」
「でも、私の所為でアルガス君は争う羽目になったんだし、やっぱり私の所為だよ」
「もう! ラファ。貴方のそういうところはダメよ。アルガスの言うとおり、全部ルークスが原因なの。そもそも、あいつが貴方に酷い事をしたのがいけないんだから」
謝ってばかりのラファをアルガスとシーラは慰める。そんな二人の甲斐もあってラファも落ち着いた。
「それよりもルークスが学園を追放になったって本当か?」
「ええ、本当よ。噂になっているけど事実で間違いないわ」
「そうか……悪いことをしちまったな」
「何を言ってるのよ! あんな屑は追放になって当然よ! むしろ、私は貴方がルークスと争うと聞いた時はついにあの豚が死ぬのね――って思ったんだから」
「流石に俺は殺さないさ。そこまで憎い相手でもなかったし。」
「いや、確かに俺が決闘で戦って勝ったけど、被害にあってたのはラファだろ? だから、ラファが望むようにしてあげればよかったなって」
「別にいいよ。私はもう何の関係もなくなったから、それだけで十分だよ」
「優しいわね、ラファはー!」
そう言ったシーラがラファを抱きしめる。庇護欲を刺激するラファにシーラは我慢が出来なかったようだ。
「まあ、あの豚には勿体ないのよ。豚は豚らしく豚と結婚でもしてればいいのよ」
「随分な言い様だな~。昔、なにかあったのか?」
「ほら、一応豚でも公爵家でしょ? 多少の交流はあったのよ」
「あー、そういうことか」
シーラとルークスは過去に何度か社交界で会っているが知人という関係である。
かつて神童と呼ばれた頃のルークスを知っているが、聡明なシーラは子供の頃からルークスの人間性を見抜いていたので知人という関係から進展させなかったのだ。
「この話は終わりにしましょ。今度、授業で行われる野外研修の話でもしましょう」
「そうだな。いつまでも同じ話題じゃ飽きるしな」
「私、野外研修で野営をするって聞いたんですが――」
学園は平和であった。今のところは……。
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