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学園 高等部2年 校外実習編

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 少し豪華な昼食を食べた後、日が完全に落ち切る前に目的地の村へと到着することが出来た。

「この村に持ってきたのは、香辛料とかなんだよね?」
「そうよ。行商人もどきをしてるようなものね」

 学園を卒業後、そういった道に進む生徒もいるため、これはいい予行練習ともなっているのだ。

「ようこそ、学園の皆さん。歓迎いたしますぞ」
 
 白髪の老人がクーリア達を出迎える。村のまとめ役。村長だ。

「わたしがこの班の班長、サラです。頼まれていた物の確認をお願いします」
「はい、分かりました」

 村長ともう1人の若い男。それとサラ、ヴィクターが馬車へと乗り込み、リストを見ながら積荷の確認をしていく。その間クーリア達は待機だ。

「暇だなぁ…」
「ははっ。まぁこの村には何もねぇからな」

 思わずクーリアが呟き、その言葉を聞いた村の男が笑いながらそう返した。

「あっ、すいません…」
「別にいい。事実だからな。悪意があった訳じゃねぇだろ?」
「それはもちろん」

 ちなみに何も無いとはいうが、大きい店などがないだけであり、小さな店は3軒ほど点在している。その店を含め、村の建物はしっかりとした造りになっており、寂れた様子もない。

「まぁうちの村の特産のおかげだな。それがなきゃ、今頃とっくにこの村は無人になってただろうよ」
「ここの織物は貴族などにも有名ですしね」
「そうなの?」
「……お姉ちゃん。そこら辺の知識はからっきしだよね」
「だって興味無いし」

 服やアクセサリー。つまり、ファッションに関して、クーリアは興味が全く無いのだ。

「むぅ…ぜったい綺麗な服似合うのに」
「俺もそう思うがな。……この村には特産の織物から作った服を売ってるところもある。寄ってみたらどうだ?」
「是非っ!」

 リーフィアが食い気味に返事をする。それだけ興味をそそられる情報だったのだ。

「じゃあわたしも見てみようかしら」
「あ、終わったの?」
「ええ」
「リスト確認は完了です。お疲れでしょう。食事の用意はもう出来ています。それと泊まる用意も」
「何から何まですいません」
「いえいえ。この村には若い者は少ないので。皆喜んで準備を行っておりましたよ」

 確かに、今見た限りで村にクーリア達と同じ年齢の子供は見当たらない。単に学園に通っているだけという可能性もあるが、王都で一人暮らしするしか学園に通う手段は無い。王都に住むにはそれなりの費用がかかる為、その可能性は低いだろう。
 つまり、言葉通りこの村には若い衆がいないのだろう。

「とりあえず服を見るのは明日ね。今日は食事を食べて寝ましょう」

 リストの確認に時間を取られた訳では無いものの、もう既に日は落ちてしまっている。日程には余裕があるので、別に半日から1日ほどこの村で過ごし、疲れを癒しても問題は無い。

「では案内しましょう。こちらです」

 そう言って歩き出した村長の後ろを、クーリア達がついて行った。


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