転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに

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第6章 王都編

第134話 パチンコは立派な武器

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 とりあえず反応が消えてしまったので、新しい反応を探す。

「……いた」

 いたよ。いたんだけどさぁ……

「…多いわね」

 どうやらマリアも確認したらしい。
 気配察知と世界地図ワールドマップで確認したから間違いない。森の奥に、あまりにも多すぎる反応があった。それも多いだけじゃなくて……

「…王都に近すぎる」

 そう。森の奥なんだけど、それが王都に近いほうなんだよ……

「どうする、フィリア?」
「…なんで私に聞くの?」

 これは恐らく、スタンピードの前兆。
 スタンピードの前兆、もしくそのものを確認した場合、ギルドに報告しないといけない義務が存在する。だから一旦帰るしかないんだけど…

「あなたなら倒せそう?」
「…義務はどうするの?」
「確かに報告は必要。でも、それってでもいいのよ」

 ……いいのかそれで。

「で。どうする?」
「…帰るしかないでしょ」
「本当にいいの?」
「……なにが?」
「だって、絶対注目浴びるわよ?あなたと私で報告することになるし。Cランクからはスタンピード発生時は絶対参加。やらかさないって自信、ある?」
「…………」

 そういうことか……確かに私だけの報告より、マリアとの報告のほうが信ぴょう性がでるし、対応が迅速になる。
 ロックゴーレムのスタンピードは危険度が高い。なので迅速な対応は必須。つまり迅速な対応をするには、マリアが報告するしかない。ここで私が一緒にいる必要はないので、そこはあまり問題ではない。
 だから私にとって問題なのは、その後。つまり、ロックゴーレムのスタンピードの討伐に参加する時だ。
 ………正直心配しかない。やらかしちゃわないかってね。ただでさえ今の力を把握できてないんだからねぇ……

「……サボれば」
「無理ねぇ。あなたギルドでだいぶ期待されてるみたいだし」

 ここにきてその期待が恨めしい…

「……やるかぁ」
「そもそも自分がやらかさないって思わないのね…」
「…私は信じれない」
「今だけじゃなくて前からだと思うけど…」

 うるさいやい!

「ママはどうするの?」
「もちろん行くわよ?いくらあなたが強くても、私の大切な娘なんだから。1人で行かせる訳ないでしょう」
「……じゃあ、私が何をやっても叱らない?」
「そもそも何をやろうとしているのかによるのだけれど……まぁ、いいわ。そう出し惜しみしてられる相手でも数でもないし。周りに被害さえなければだけど」

 ……とりあえず言質はとった。周りの被害は…まぁ、善処する。

「先行するよ」
「ええ。フィリアの本気について行く自信はないもの。後から追いかけるわ」

 これは好都合かも。マリアが来る前に終わらせれば…

「私がいないからって、無理しないでね?」
「………」
「返事は?」
「………はーい」

 とりあえず身体強化をする。……あ、だめだ。強すぎる。

「フィ、フィリア。もう少し抑えて…」
「ご、ごめん」

 空気中にかなりの魔力が漏れてしまった。それだけ制御が甘くなってるってことだよね…ちゃんと訓練しとかなきゃ。
 ………人がいないとこでね。

「…こんなくらいかな」
「…もうそのままロックゴーレムに突っ込んだら終わりそうなんだけど」
「あ、その手があったか」
「やらないでね!?絶対周りの被害が凄いから!」
「むぅ……」

 はぁ…まぁ、元々考えてた方法でやりますか。
 軽くジャンプしてから足に力を入れ、一気に走り出す。ちょ!はやっ!?
















 ちょっと思ったよりも速すぎて、止まれなくてぶつかって木をへし折っちゃった。………後でドライアドから怒られそうだな。

「木に思いっきりぶち当たったのに、そこまで痛くないのは身体強化の影響なのかなぁ……」

 とりあえず気配察知……うわぁ。さっきより増えてる気がする。しかも世界地図ワールドマップで見ると、王都にどんどん近付いている。

「とりあえず……あ。そっか、出来ないんだ……」

 今更になって気付いた……考えてたこと使えない。
 いや、使えないこともないんだけど……絶対大変なことなる。その方法が……あれだよ、熱して冷やすんだよ。その熱するってのがね…絶対火事になるよね……なんで気付かなかったんだか……

「どうしよっかなぁ…」

 とりあえず今私はロックゴーレムの進行上にいる。あともう少しで姿が見えてくるはずだ。
 ………そうだ。方法使おう。確かアイテムボックスに……あ、あったあった。これをここに括り付けて……よし。




「……きた」

 土埃が舞い、地響きが鳴る。目に見えるだけでもすごい数だ。
 ……でも。の前ではそれも無力だろう。

 魔法で創り出した2本の支柱に括り付けられた、黒い、幅広の紐。その紐は中央から後ろに限界まで引き伸ばされている。そして、引き伸ばされた紐の前には……大きな丸い岩。

「巨大パチンコ。いっきまぁーす!」

 さっきまで持っていた岩を手放す。すると紐がみるみる縮んでいき……その縮む力で加速された岩が、真っ直ぐにロックゴーレムへと飛んでいく。

 ズゴーンっ!

「ストライク!」

 ガッツポーズ!
 ………うん。遊んでないでちゃんと説明しよう。さっきアイテムボックスから取り出したのは、所謂ゴム。それをパチンコのように使って、岩を発射したんだよ。
 その発射された岩は見事に命中して、まるでボウリングのピンのようにドタドタとロックゴーレムが倒れていく。こいつら、重心が上にあるんだよね。だから見事に倒れた。まだ倒せてはないけど、密集してたから、起き上がるのも大変だろう。

「上出来」
「なぁにが上出来よっ!」

 ガシッと頭を捕まえられた。あ、あれぇ?

「はぁぁ……ほんと予想の斜め上いくわね、フィリアは」
「ありがとう?」
「褒めてないわよ!」




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