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第6章 王都編
第129話 キャサリンの家族
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しばらくキャサリンの部屋で読書を楽しんでいると……
ドタドタドタッ!!
貴族の屋敷ではまず聞かないであろう騒がしい足音が、下から聞こえた。
「……なに、いまの足音」
思わずキャサリンに問いかける。問いかけられたキャサリンは……かなり呆れた顔をしていた。
「はぁ……絶対お父様ですわ」
「あ、そうなんだ…で、なんでそんな顔?」
「……大方ロビン様とマリア様がいると執事に聞き、走ってきたのでしょうけど、貴族の行動ではありませんもの。呆れますわよ……」
お、おう。なるほど。でもさぁ、それって盛大なブーメ…いや、なんでもないです。
言葉に出てないのにキャサリンに睨まれたので、それ以上は心の中で言うのをやめた。
「下、行きましょうか」
「分かった」
「はーい!」
散らかしていた本を仕舞い、部屋を出て下へと降りる。
「うぉぉぉぉ!!もう私は明日、いや今日死んでもかまわんっ!」
………やばい人がいた。泣きながらロビンの手を握って叫んでる。
「……あのさ。もしかして……」
「……はい。あれがわたくしのお父様ですわ……」
うわぁ…娘にあれ呼ばわりだよ。確かにキャサリンはあそこまでではないので、呆れるのもわかる。
「はぁ……あなたっ!ちょっとは落ち着きなさいっ!」
ゴンッ!
ゴン…ゴンッ!?え、いや大丈夫?!頭殴って、え?!
「よろしくね」
「はい」
どこからともなく現れた執事さんが、気を失ったキャサリンのお父さんを連れ去って行った。
えっとー…?
「すいませんでした。お騒がせして……」
「いいのよ別に。まぁ、あそこまでだとは思わなかったけどね」
「本当にすいませんでした……」
深深と頭を下げた女性。多分キャサリンのお母さんだろう。
「お母様」
キャサリンがそう言って女性に近付く。やっぱりそうか。
「あら、キャサリン。それと……お友達かしら?」
そう疑問に思うのも無理はない。だってキャサリンの屋敷に来たことは結構あるんだけど、キャサリンの両親にあったのは今日が初めてなのよね。なんか忙しいらしい。何をしてるのかは知らないし、知りたいとも思わないけどさ。
『思わないんだ……』
だって聞いてどうするの。「へぇー」で終わりじゃない。だから別に興味はない。
「はい。そちらのオッドアイの子がフィリアさん。茶髪の子がベルさんですわ」
「あら、あなた達がそうなのね。聞いてはいたけど、会うのは初めてね」
「はい。初めまして」
「初めまして!」
2人揃ってぺこりと頭を下げる。
「ふふっ。そんなに畏まらなくてもいいわよ。でも、礼儀正しいのはいいことね。……あの人にも見習って欲しいわ」
それはキャサリンのお父さんのことかな?見習うって……貴族なんだから礼儀くらいしっかりしてるでしょうに。
………あ、でもさっきのはないな。そのことか。
「でも、どうして2人が?」
「あっ、そうなんです!フィリアさん、実はロビン様とマリア様の養子だったんですよ!」
「あらそうなの?」
「まぁ、そうですね」
私がそう答えると、ロビンとマリアがキャサリン達に見えないように顔を俯かせた。責任を感じているのかな…。
「私は大丈夫だよ」
「「…っ!」」
風魔法に声を乗せて2人だけに届ける。驚いたのか顔をこちらへと向けたので、微笑んでおいた。
「…ええ。私たちがしっかりしないとね」
「そうだな……」
うん。これで2人は大丈夫だろう。
「ベルちゃんは?」
「たまたま近くにいたので、わたくしが誘いましたら了承して下さったので、フィリアさんと一緒に来てくださいました」
たまたま、ねぇ……あれをたまたまと言えるのかは疑問だ。
「たまたま……」
「……ここは黙っておこう」
「……うん」
たまたま、キャサリンがベルの家の前に着いて、たまたま、呼んだらベルが出てきただけだ。うん。
『それはたまたまではないのではないか……?』
気にしたら負けだよ、ガルマ。
『そ、そうか……』
若干ガルマが引いていたように感じたのは気のせいだ。うん。
「それにしても、フィリアちゃんとベルちゃん。可愛いわねぇ」
「あ、ありがとうございます…」
面と向かって言われると恥ずかしいな……例えお世辞でも。
「あ、そうだわ!うん、それがいいわ!じゃあフィリアちゃんとベルちゃん。一緒に来てちょうだい!もちろんキャサリンもよ」
何故だろう。急に悪寒が……それに一瞬だけキャサリンのお母さんの瞳が怪しく光ったような……
「はぁ……こっちのことを失念していましたわ」
「え、なにがどういうこと?」
「えっとですね……」
「さぁ行くわよ!」
「「「えっ!?」」」
いきなり3人の腕を掴んで引っ張られた。わぁお。キャサリンのお母さん、意外とあぐれっしぶ……
「ちょっ!?お母様!?」
「キャサリンも可愛くするわよー!」
だめだこれ。聞いてない。
「はぁ……」
「キャサリン。もしかして……」
「はい…フィリアさんの想像通りだと思いますわ」
「え、どういうこと?」
「……お母様は可愛いものに目がないのですわ。特に可愛い女の子を飾り付けることが大好きで……」
私は思った。
…………この家族大丈夫か?
ドタドタドタッ!!
貴族の屋敷ではまず聞かないであろう騒がしい足音が、下から聞こえた。
「……なに、いまの足音」
思わずキャサリンに問いかける。問いかけられたキャサリンは……かなり呆れた顔をしていた。
「はぁ……絶対お父様ですわ」
「あ、そうなんだ…で、なんでそんな顔?」
「……大方ロビン様とマリア様がいると執事に聞き、走ってきたのでしょうけど、貴族の行動ではありませんもの。呆れますわよ……」
お、おう。なるほど。でもさぁ、それって盛大なブーメ…いや、なんでもないです。
言葉に出てないのにキャサリンに睨まれたので、それ以上は心の中で言うのをやめた。
「下、行きましょうか」
「分かった」
「はーい!」
散らかしていた本を仕舞い、部屋を出て下へと降りる。
「うぉぉぉぉ!!もう私は明日、いや今日死んでもかまわんっ!」
………やばい人がいた。泣きながらロビンの手を握って叫んでる。
「……あのさ。もしかして……」
「……はい。あれがわたくしのお父様ですわ……」
うわぁ…娘にあれ呼ばわりだよ。確かにキャサリンはあそこまでではないので、呆れるのもわかる。
「はぁ……あなたっ!ちょっとは落ち着きなさいっ!」
ゴンッ!
ゴン…ゴンッ!?え、いや大丈夫?!頭殴って、え?!
「よろしくね」
「はい」
どこからともなく現れた執事さんが、気を失ったキャサリンのお父さんを連れ去って行った。
えっとー…?
「すいませんでした。お騒がせして……」
「いいのよ別に。まぁ、あそこまでだとは思わなかったけどね」
「本当にすいませんでした……」
深深と頭を下げた女性。多分キャサリンのお母さんだろう。
「お母様」
キャサリンがそう言って女性に近付く。やっぱりそうか。
「あら、キャサリン。それと……お友達かしら?」
そう疑問に思うのも無理はない。だってキャサリンの屋敷に来たことは結構あるんだけど、キャサリンの両親にあったのは今日が初めてなのよね。なんか忙しいらしい。何をしてるのかは知らないし、知りたいとも思わないけどさ。
『思わないんだ……』
だって聞いてどうするの。「へぇー」で終わりじゃない。だから別に興味はない。
「はい。そちらのオッドアイの子がフィリアさん。茶髪の子がベルさんですわ」
「あら、あなた達がそうなのね。聞いてはいたけど、会うのは初めてね」
「はい。初めまして」
「初めまして!」
2人揃ってぺこりと頭を下げる。
「ふふっ。そんなに畏まらなくてもいいわよ。でも、礼儀正しいのはいいことね。……あの人にも見習って欲しいわ」
それはキャサリンのお父さんのことかな?見習うって……貴族なんだから礼儀くらいしっかりしてるでしょうに。
………あ、でもさっきのはないな。そのことか。
「でも、どうして2人が?」
「あっ、そうなんです!フィリアさん、実はロビン様とマリア様の養子だったんですよ!」
「あらそうなの?」
「まぁ、そうですね」
私がそう答えると、ロビンとマリアがキャサリン達に見えないように顔を俯かせた。責任を感じているのかな…。
「私は大丈夫だよ」
「「…っ!」」
風魔法に声を乗せて2人だけに届ける。驚いたのか顔をこちらへと向けたので、微笑んでおいた。
「…ええ。私たちがしっかりしないとね」
「そうだな……」
うん。これで2人は大丈夫だろう。
「ベルちゃんは?」
「たまたま近くにいたので、わたくしが誘いましたら了承して下さったので、フィリアさんと一緒に来てくださいました」
たまたま、ねぇ……あれをたまたまと言えるのかは疑問だ。
「たまたま……」
「……ここは黙っておこう」
「……うん」
たまたま、キャサリンがベルの家の前に着いて、たまたま、呼んだらベルが出てきただけだ。うん。
『それはたまたまではないのではないか……?』
気にしたら負けだよ、ガルマ。
『そ、そうか……』
若干ガルマが引いていたように感じたのは気のせいだ。うん。
「それにしても、フィリアちゃんとベルちゃん。可愛いわねぇ」
「あ、ありがとうございます…」
面と向かって言われると恥ずかしいな……例えお世辞でも。
「あ、そうだわ!うん、それがいいわ!じゃあフィリアちゃんとベルちゃん。一緒に来てちょうだい!もちろんキャサリンもよ」
何故だろう。急に悪寒が……それに一瞬だけキャサリンのお母さんの瞳が怪しく光ったような……
「はぁ……こっちのことを失念していましたわ」
「え、なにがどういうこと?」
「えっとですね……」
「さぁ行くわよ!」
「「「えっ!?」」」
いきなり3人の腕を掴んで引っ張られた。わぁお。キャサリンのお母さん、意外とあぐれっしぶ……
「ちょっ!?お母様!?」
「キャサリンも可愛くするわよー!」
だめだこれ。聞いてない。
「はぁ……」
「キャサリン。もしかして……」
「はい…フィリアさんの想像通りだと思いますわ」
「え、どういうこと?」
「……お母様は可愛いものに目がないのですわ。特に可愛い女の子を飾り付けることが大好きで……」
私は思った。
…………この家族大丈夫か?
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