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第4章 王都 学園高等部生活編
第76話 会議
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遅れてしまってほんとにすいません……
───────────────────────────────────
「とりあえず、今回の事件については魔道具で伝わってるわよね?」
リーナが周りを見ながらそう尋ねると、全員が頷いた。予め魔道具で連絡はしてたのね。
「聞いてはいるが、どうやって解決するのかは聞いてないぞ?」
ロビンが口を開いた。詳しい話は集まってからするつもりだったみたい。
「簡単に言えば、ダンジョンに入るだけよ?」
「だが、今あのダンジョンは少し変質してしまっているようなんだ」
リーナの説明をレビンさんが引き継いだ。
「変質?」
不思議そうにそう尋ねたのはマリアだった。私も知りたい。
「そうだ。詳しく言うなら……安全機能が解除されている」
「安全機能が!?」
なんか驚いてるけど、それってなに?
私が理解出来ていないことに気づいたのか、リーナが補足説明してくれた。
「安全機能っていうのは、あの死なない機能のことよ」
なるほど。そういえば、そんな効果というか機能あったね。死んだことないからすっかり忘れてたよ。
「でも、どうして?」
「分からん。だが、あの機能はダンジョンの最奥。さらに関係者しか入れないところでしか設定できない。今回職員用の扉がロックされていることを考えれば……」
「犯人が解除した可能性が高いのね?」
マリアが確認するようにそう言うと、レビンさんは静かに頷いた。
そんなことが出来る犯人って……
「……学園の関係者」
「その可能性もある。が、そうと決まった訳じゃない」
思わず吹いた言葉を、レビンさんが肯定しつつ否定した。確かにそうだね。まだ分からない。もしかしたら、職員が脅されたなんて可能性もあるんだから。
「とにかく行ってみないと分からないってことね」
「ああ。そういうことだ」
そういえばマルティエナさんとか、ドノバンさんが会話に参加してないけど、どうしたんだろ?
そう思って見てみると……
「……寝てる」
マルティエナさんはぐっすり眠っていた。こんな状況で寝れるって逆に凄いと思うよ……
「ああ。いつもの事よ。マルティエナはこういうこと苦手だから」
英雄にも苦手なことってあるんだね。いや、英雄として苦手じゃダメなことだとは思うけどね?!
まぁマルティエナさんがそういうこと苦手だとしても、他の人がサポートできるから許されてるんだろうね。こういう人もいるからこそ、円滑に事が運ぶとも思うしね。
ドノバンさんは起きていたけど、静観してるって感じ。
「ドノバンは口数がすくないのよ」
私がドノバンさんを見つめていると、リーナがそう言った。あれ?学園ではそんなことなかったような…?
私が違和感を感じていることに気づいたのか、またしてもリーナが説明してくれる。ダンジョンの説明はレビンさんに任せたようだ。
「学園ではよく喋ってるけど、あれはかなり無理してるのよ。これが本来のドノバンなの」
「そんなに無理するならしなきゃいいんじゃないの?」
だって無理してまで学園長する必要ってなくない?
「そうなんだけど…ドノバンの家系に関係してるのよ」
「家系?」
「ええ。ドノバンの家系は代々学園長をしているのよ」
そうなんだ。家系って大変だねー。
「え?!ちょっとそれってどういうことよ!?」
おっと。マリアの大声がいきなり響いたので、思わずそっちに目を向けると、レビンさんに大声を上げながら突っかかっていた。ど、どうしたの?!
「ちょっと、どうしたの?」
「だって学園のダンジョンなのに一階層からオークが出てくるっていうのよ!?」
およ?
「でも私が入った時はゴブリンだけだったよ?」
「ああ。本来ならそうだ。だが、どうも設定を弄られたようでな。試しに潜ってみたんだが、一階層からオークが出てきたんだ」
出てくる魔物まで設定できるんだ……でも、そこまで驚くかな?
その疑問を持ったのは私だけじゃないらしく、リーナがマリアに詳しい説明を求めていた。
「そこまで驚くの?」
「だって生徒が危険じゃない!」
あ、なるほど。確かにオークは普通の生徒なら厳しい相手かもね。生憎私は普通ではないのだけれどね……
「大丈夫よ。生徒は立ち入り禁止にしているわ」
「あ、そうだったの…」
これはレビンさんの説明不足だね。
「すまんかったな。そのことを言うのを忘れていた」
「まったく…レビンは昔から説明を端折る癖があるんだから」
「すまんすまん」
昔からだったのね……
ま、それはともかくダンジョンは今、かなり危険だということだよね。何処にどの魔物が出るかまったく分からないんだから。
「魔物の配置が変わったのも十分異常なんだが…」
と、そこで言葉を切った。見ると苦虫を噛み潰したような顔になっていた。
「…続きは?」
「……ダンジョンの構造も変わっているようなんだ」
「「「「え?!」」」」
こればかりはドノバンさんも声を上げた。ちなみにマルティエナさんは未だ寝てる……うん。それは尊敬に値すると思うよ…
と、話が逸れた。でも、魔物を設定できるんだから構造を変えれても不思議じゃないんじゃ?
そう思って尋ねてみると……
「確かに魔物は設定できるが……構造は変えられないんだ」
……はい?だとしたらどうやって?
「ダンジョンの構造は変えられるはずがない…っていう常識を変えないといけないかもしれないわね」
「ダンジョンの構造を変える方法なんて…私は知らないわよ?」
どうやらダンジョンは構造が変わらないっていうのが常識みたいだね。
でも、それなら余計混乱するんだけど?
「それも含めての調査……ってとこかしら?」
「そうなるな……そして戻す方法の調査も、だな」
ひとまずはそれでまとまった。
どうやらこの事件。一筋縄ではいかないようだね……
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「とりあえず、今回の事件については魔道具で伝わってるわよね?」
リーナが周りを見ながらそう尋ねると、全員が頷いた。予め魔道具で連絡はしてたのね。
「聞いてはいるが、どうやって解決するのかは聞いてないぞ?」
ロビンが口を開いた。詳しい話は集まってからするつもりだったみたい。
「簡単に言えば、ダンジョンに入るだけよ?」
「だが、今あのダンジョンは少し変質してしまっているようなんだ」
リーナの説明をレビンさんが引き継いだ。
「変質?」
不思議そうにそう尋ねたのはマリアだった。私も知りたい。
「そうだ。詳しく言うなら……安全機能が解除されている」
「安全機能が!?」
なんか驚いてるけど、それってなに?
私が理解出来ていないことに気づいたのか、リーナが補足説明してくれた。
「安全機能っていうのは、あの死なない機能のことよ」
なるほど。そういえば、そんな効果というか機能あったね。死んだことないからすっかり忘れてたよ。
「でも、どうして?」
「分からん。だが、あの機能はダンジョンの最奥。さらに関係者しか入れないところでしか設定できない。今回職員用の扉がロックされていることを考えれば……」
「犯人が解除した可能性が高いのね?」
マリアが確認するようにそう言うと、レビンさんは静かに頷いた。
そんなことが出来る犯人って……
「……学園の関係者」
「その可能性もある。が、そうと決まった訳じゃない」
思わず吹いた言葉を、レビンさんが肯定しつつ否定した。確かにそうだね。まだ分からない。もしかしたら、職員が脅されたなんて可能性もあるんだから。
「とにかく行ってみないと分からないってことね」
「ああ。そういうことだ」
そういえばマルティエナさんとか、ドノバンさんが会話に参加してないけど、どうしたんだろ?
そう思って見てみると……
「……寝てる」
マルティエナさんはぐっすり眠っていた。こんな状況で寝れるって逆に凄いと思うよ……
「ああ。いつもの事よ。マルティエナはこういうこと苦手だから」
英雄にも苦手なことってあるんだね。いや、英雄として苦手じゃダメなことだとは思うけどね?!
まぁマルティエナさんがそういうこと苦手だとしても、他の人がサポートできるから許されてるんだろうね。こういう人もいるからこそ、円滑に事が運ぶとも思うしね。
ドノバンさんは起きていたけど、静観してるって感じ。
「ドノバンは口数がすくないのよ」
私がドノバンさんを見つめていると、リーナがそう言った。あれ?学園ではそんなことなかったような…?
私が違和感を感じていることに気づいたのか、またしてもリーナが説明してくれる。ダンジョンの説明はレビンさんに任せたようだ。
「学園ではよく喋ってるけど、あれはかなり無理してるのよ。これが本来のドノバンなの」
「そんなに無理するならしなきゃいいんじゃないの?」
だって無理してまで学園長する必要ってなくない?
「そうなんだけど…ドノバンの家系に関係してるのよ」
「家系?」
「ええ。ドノバンの家系は代々学園長をしているのよ」
そうなんだ。家系って大変だねー。
「え?!ちょっとそれってどういうことよ!?」
おっと。マリアの大声がいきなり響いたので、思わずそっちに目を向けると、レビンさんに大声を上げながら突っかかっていた。ど、どうしたの?!
「ちょっと、どうしたの?」
「だって学園のダンジョンなのに一階層からオークが出てくるっていうのよ!?」
およ?
「でも私が入った時はゴブリンだけだったよ?」
「ああ。本来ならそうだ。だが、どうも設定を弄られたようでな。試しに潜ってみたんだが、一階層からオークが出てきたんだ」
出てくる魔物まで設定できるんだ……でも、そこまで驚くかな?
その疑問を持ったのは私だけじゃないらしく、リーナがマリアに詳しい説明を求めていた。
「そこまで驚くの?」
「だって生徒が危険じゃない!」
あ、なるほど。確かにオークは普通の生徒なら厳しい相手かもね。生憎私は普通ではないのだけれどね……
「大丈夫よ。生徒は立ち入り禁止にしているわ」
「あ、そうだったの…」
これはレビンさんの説明不足だね。
「すまんかったな。そのことを言うのを忘れていた」
「まったく…レビンは昔から説明を端折る癖があるんだから」
「すまんすまん」
昔からだったのね……
ま、それはともかくダンジョンは今、かなり危険だということだよね。何処にどの魔物が出るかまったく分からないんだから。
「魔物の配置が変わったのも十分異常なんだが…」
と、そこで言葉を切った。見ると苦虫を噛み潰したような顔になっていた。
「…続きは?」
「……ダンジョンの構造も変わっているようなんだ」
「「「「え?!」」」」
こればかりはドノバンさんも声を上げた。ちなみにマルティエナさんは未だ寝てる……うん。それは尊敬に値すると思うよ…
と、話が逸れた。でも、魔物を設定できるんだから構造を変えれても不思議じゃないんじゃ?
そう思って尋ねてみると……
「確かに魔物は設定できるが……構造は変えられないんだ」
……はい?だとしたらどうやって?
「ダンジョンの構造は変えられるはずがない…っていう常識を変えないといけないかもしれないわね」
「ダンジョンの構造を変える方法なんて…私は知らないわよ?」
どうやらダンジョンは構造が変わらないっていうのが常識みたいだね。
でも、それなら余計混乱するんだけど?
「それも含めての調査……ってとこかしら?」
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