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第3章 王都 学園中等部生活編

第62話 久しぶりの依頼

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お風呂から出て、いつも食事をする部屋に行った。

「あら、来たわね。じゃあお・は・な・し、しましょうか?」
「は、はい...」

こっぴどく叱られました。前にもこんな時間に帰ってきたことはあったので、問題ないと思ったんだけどなぁ~。

「ちょっと!話きいてる!?」
「あ、う、うん」

だって話長いんだもん。

「とにかく!今後、門が閉まる1時間前には帰ってくること。分かった?!」
「は、はい!」

思わず了承しちゃったよ...まぁ確かに10歳の女の子が1人でこんな時間まで出かけるのは心配させるよね。地球の日本ほど、治安がいいとは言えないんだから。

...それでも少し過保護な気がする。

「ね、ベルと一緒なら今日の時間でもいい?」
「はぁ...分かったわ。ただし!絶対2人一緒に帰ってくるのよ!」
「う、うん。もちろん!」

釘刺されたよ...ま、いっか。ベルと一緒ならいいんだもんね。

「その顔...全く反省してないわね」
「え?!そ、そうかなぁ?」

反省してますよ!...多分。

「さぁ、ベルちゃんを呼んできて?食事にしましょ」
「はーい」

日本食を振る舞うのは、私が納得できる食材が手に入ったときかなぁ?半端な料理を食べさせたくないしね。

2階に上がってベルの部屋の扉をノックする。

「ベル~。ご飯~」
「あ、はーい!今行く!」

その後ご飯を食べて、早々に就寝した。

◇◆◇◆◇◆◇◆

朝起きると晴天でした。いい日だなぁ...なんて思ってると、ドアがノックされた。

コンコン

「フィリアちゃん、今いい?」

この声はベルかな?ベルがこの時間に起きてるなんて珍しいね。

「いいよー」

返事を返すと、ベルがドアを開けて入ってきた。

「どうしたの?」
「久しぶりに一緒に依頼受けたいなぁーって思って...だめかな?」

そう言って首を傾げてくる...うん、多分男の子が見たら鼻血出るくらい可愛い。

「だめじゃないけど...どうしてこんな朝早くに?」
「だって昨日朝早くに1人で行っちゃったでしょ?今日は置いて行かれたくなかったんだもん!」

置いていくつもりは無かったんだけど...

「ごめんね?今日はちゃんと一緒に行くから」
「うん!約束だよ!」

ベルは満面の笑みを浮かべ、私の部屋を出ていった。

「さて、と。着替えをしないとね」

明日から学園だし、多分ミシャちゃんとの模擬戦もあるだろうから特訓したかったけど、こればっかりは仕方ないよね。私もベルと最近依頼受けてないって思ってたし。

着替えを済まして下に降りる。いつもの部屋へ向かうと、今日はリーナとベルがいた。

「おはよ」
「おはよー!」
「ええ、おはよう」

ベルは私のことを待っていたらしく、まだ朝ごはんを食べていなかった。

「ごめんね。待った?」
「ううん。別に大丈夫だよ!」

朝ごはんをベルと一緒に食べ終わると、セバスチャンさんがサンドイッチを3人分持ってきてくれた。

「あれ、なんで3人分?」
「シリル君の分だよ!」

あー、すっかり忘れてた。てか今日くるのね。

「シリル君って...フィリアちゃんの弟子になったあの子?」
「成り行きというか...私はもう師匠と呼ばれたくないんだけどねぇ...」

シリルは私のことを未だに師匠と呼んでくる。流石にギルド内では自重してくれるようになったけど、普通に一緒に依頼を受けたりしてるときは師匠って呼んでくる。もうほんと、恥ずかしいからやめて欲しい。

「そういえば、なんでリーナは昨日朝早く出かけたの?」
「あー、フィリアちゃんの病気についてマリアとかと話してたのよ」

病気とは多分魔力内包症のことだろうけど...村まで昨日のうちに行ったの?

「そんなに早く行けるの?」
「あの村には行ったことがあるから、転移でいけるのよ」

あ、そういえばリーナは転移魔法使えたね。転移魔法は1回行ったことがある場所にしかいけないんだよね。

「じゃあ行ってきます」
「行ってきます!」
「いってらっしゃい。約束守りなさいよ?」
「わ、わかってます...」
「うん?なになに?」

そういえばベルには言ってなかったね。

「早く帰ってくるっていう約束だよ」
「ふーん。まぁ大丈夫だよ!」

どこからその自信がくるのか知りたい。まぁ私も大丈夫だと思うけどね。

屋敷を後にして、孤児院に向かう。私はベルにシリルを呼ぶ仕事を任せた。なんでかって言うと...子供って容赦ないんだよ。私の容姿、特にオッドアイに関して気持ち悪いだの、悪魔だの散々言われたんだよ...だから近づきたくない。

「おーい、師匠!」

そうこうしているとシリルが孤児院から走ってきた。

「久しぶり、シリル...それと、もうそろそろ師匠とは言わないで欲しい」

ただでさえ身長差があるのに、これを誰かに聞かれたらなんか変な勘違いされそうなんだよ。

「そう言われてもなぁ...師匠は師匠だし」
「じゃあせめて名前で」
「うーん...なんかしっくりこないんだよなぁ」
「こっちがしっくりこないんだよ!」
「うっ...ご、ごめん」

おっと、つい声を荒らげてしまった。反省反省。

「2人ともそれくらいにして、そろそろ行こ?」
「あ、そうだね」

早くしないと依頼無くなっちゃうもんね。

ギルドに向かって歩く。途中シリルに私の名前を呼ばせて慣れさせたり、どんな依頼を受けるのか話したりした。

そしてギルドに到着し、中に入る。

「うわぁ...」
「混んでるねー」

中は人でごった返していた。ちょうど混雑する時間帯だったらしい。

人混みを抜け、なんとかボードまでたどり着いた。

「うーん、どれがいいかなぁ?」
「これは?」

ベルが指さしたのは、オーク五体の討伐。

「うん、シリルにも、ちょうどいいかな」
「し、師匠が俺のことを考えてくれた...!?」
「人聞きの悪いことを言うな」

身長差があるので、ジャンプしてシリルの頭をスパーン!と叩いた。

「いって!なにすんだよ?!」
「じゃあ受注してくるね」
「無視?!」

ぎゃいのぎゃいの言ってるシリルを置いて、受付へ向かう。

「すいません、これおねがいします」
「はいよ。おや、久しぶりだね」

受付にいたのは、またまたチェルシーさんだった。

「そうですね。あんまり来てなかったですね」
「期待の星なんだから、ちょくちょく顔を出してくれると有難いよ」
「期待の星だなんて...」

そんな言われ方されてたんだ...まぁ理由は分からんでもないが。

「じゃあギルドカードを出しな」
「はい、これです」

私はギルドカードを3枚出した。あらかじめ2人からギルドカードは預かっていたのだ。

「はい、受付完了だよ」
「はい。ありがとうございます」

チェルシーさんからギルドカードを3枚受け取る。そして2人のもとに戻った。

「受注完了だよ。じゃあいこっか」
「うん!」
「おう!」

私たちはギルドを後にして、門へと歩き出した。






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