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第3章 王都 学園中等部生活編
第41話 その後と準備
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あれから時は流れ、私たちは10歳になりました。
え、早いって?仕方ないじゃん。面白いことなんも無かったんだから。ローブ男の情報はあれから分からないし、ベル誘拐事件の黒幕は見つからずじまいで、さすがにこれ以上村を空けることも出来ないということで、マリアとロビンは帰っていった。
「さすがにレミナにこれ以上アッシュを任せておけないし...悔しいけど、ここまでね」
と、本当に悔しそうに帰っていった。
ちなみに、私はアッシュとは学校の長期休暇などの時に村に帰って会っている。村を出た時は1歳だったのに、今では4歳。あと1年で洗礼だ。
...だた、
「アッシュー、久しぶり!」
「............」
「どうしたの?」
「............」
とまぁこんな風に、いつからか話してくれなくなった。反抗期かなって思ったんだけど、
「ごめんね、フィリア。アッシュには養子のお姉ちゃんとしか説明してなくて、本物のお姉ちゃんじゃないって言い出して...」
てことらしい。私は死んだことにされてるし、本物じゃないと言われても仕方ないとは思う。まだ4歳だし、もし本当の事を教えて、その事を言わないで守れるかは多分難しい。
......寂しいけど。
「多分本当のことを言えるのは10歳くらいじゃないかしら...」
と言われて、私がいかに異常なのかが分かった気がする。その頃までに関係を修復できたらいいな。
「...さん、フィリアさん!」
「うぇ?!」
おっといけない。思考の海に沈んでしまっていたみたい。
「もう、ちゃんと聞いてくださいな!」
「ごめんごめん」
今私たちはキャサリンの屋敷に来てお茶会をしている。
「美味しー!」
そしてベルは茶菓子を食べてご満悦だ。
「で、今度の校外学習のことですけど...」
そう、私たちは10歳になったので今中等部になった。それで、7歳の時に言っていた『トルメヤ大陸』に行くことになっている。しばらく学園は休みで、その準備をしている訳だ。
ここ3年の間に色々なことがあった。ゴブリンジェネラルを見つけたり、ベルが誘拐されたり、マリアやロビンがその事で押しかけてきたり、弟子にしてくれと言われたり...あ、シリルの虐...ゲフンゲフン!訓練ね?中々いい感じなんだよね。わたしのサポート無しでもうゴブリンとか狩れるようになった。ゴブリンは雑魚だけど、戦う術を持っていない弱い人にとっては強敵だからね。まぁそんな甲斐あって見事ハンターになった。今ではベルとも一緒に依頼に行っている。まだランクはGだけどね。
あ、あと今回の校外学習の班わけの際に...
「フィリアさん!俺たちの班にこないか?」
「だめ!フィリアさんはこっちの班にはいるの!」
「いや、僕達の班に...」
とまあこんな風に色々なとこから勧誘を受けた。班の人数に決まりはなくて、何故か私は引っ張りだこだった。キャサリンに聞いたら
「それはフィリアさんがすごいからですわ!」
とのこと。どこが凄いのか?それは成績だ。常にテストでは1位、魔法の試験も1位、それなのにそれを誇ることもなく、お淑やかで優しい......らしい。私自身はそんな人間ではないんだけどね。単純に巻き込まれるのが嫌だから自慢しないだけだし、ていうか誇れる程のものでも無いというか...。その結果モテ期です。だが残念ながら私が惚れるような人はいなかった。というか私って子供産めるのかな?
「フィリアさん!!聞いていますか?!」
「あ、うん」
また思考の海に沈んでしまっていた。
「とにかく!班はわたくしとフィリアさんとベルさんでいいですわね?」
「うん。私はそれでいいよ」
「私もー!」
リーナからは3人でも大丈夫と許可を貰っているから、この人数でいける。他は5人とか多いところで10人くらい。街の観光とか体験授業とかは、その決まった班で行動する。泊まりなんだけど、さすがに人数にばらつきがあるので、部屋はその班じゃない。大体5人部屋。私たちの班は3人なので、あと2人別の班の人がくるはず。無論男子とは別部屋。
「では明日、準備をするために買い物に行きますわよ!」
とキャサリンがノリノリなので、付き合うことに。
「何を買えばいいの?」
「そうですわね...着替えの服に体験授業で使うもの...あと水着...」
そう、水着が必要なのだ。この大陸は海がない訳じゃない。でもこの王都は大陸の中心なので、海まではとんでもなく遠いのだ。え?じゃあトルメヤ大陸までどうやって行くのかって?なんでもリーナが言うには学校の地下に転移門があるらしい。転移門は転移門同士を繋いで、一瞬で行ったり来たりできる魔道具なんだって。ただ、起動するにはかなりの魔力が必要で、そう簡単には使えないし、新しく作ることも出来ない。なんでも古代の遺物らしい。古代の方が魔法は進んでいたのかもね。ならなんで衰退したのだろうか?
......だめだ。これ以上思考の海に沈んでは行けない。またキャサリンに怒られるところだった。
「...という訳ですので、明日、9の鐘に学園前に集合でよろしくて?」
「あ、うん」
やば、大分聴き逃したっぽい。まぁ集合時間はちゃんと聞いてたし!良かった良かった。
ちなみに9の鐘というのは、村にあったような時刻を知らせる物だ。この王都はとんでもなく広いので、4つの区画に分けられていて、それぞれの区画に1つ、鐘の塔がある。朝一番の鐘が5の鐘で、大体1時間おきになる。夜中に鐘を鳴らすのはうるさいからね。5の鐘はそのまま朝5時くらいだ。
「ではもう時間のようですわ...」
「あれ?もう?」
時間が経つのは本当に早いね。
「ええ...残念ですわ」
「また明日も会えるんだし、勉強頑張ってね」
「うぅぅ...フィリアさんに言われても嬉しくありませんわ!」
「うっ!...ごめん」
私的にはキャサリンの方が努力家だし、成績優秀だし、優しいし、モテると思うんだけどねぇ~...まぁ本人に言ったら顔を真っ赤にして照れ隠しで怒るだろうから言わないけど。
「バイバ~イ、キャサリンさん!」
「またね」
「ええ、お気をつけて」
また執事の人が馬車で送ってくれた。この馬車一体どうなっているんだろう?全然酔わないんだよね。やっぱりさすとか、車輪が違うのかな?
......乗り合い馬車にもつけて欲しいと思うフィリアなのだった...
え、早いって?仕方ないじゃん。面白いことなんも無かったんだから。ローブ男の情報はあれから分からないし、ベル誘拐事件の黒幕は見つからずじまいで、さすがにこれ以上村を空けることも出来ないということで、マリアとロビンは帰っていった。
「さすがにレミナにこれ以上アッシュを任せておけないし...悔しいけど、ここまでね」
と、本当に悔しそうに帰っていった。
ちなみに、私はアッシュとは学校の長期休暇などの時に村に帰って会っている。村を出た時は1歳だったのに、今では4歳。あと1年で洗礼だ。
...だた、
「アッシュー、久しぶり!」
「............」
「どうしたの?」
「............」
とまぁこんな風に、いつからか話してくれなくなった。反抗期かなって思ったんだけど、
「ごめんね、フィリア。アッシュには養子のお姉ちゃんとしか説明してなくて、本物のお姉ちゃんじゃないって言い出して...」
てことらしい。私は死んだことにされてるし、本物じゃないと言われても仕方ないとは思う。まだ4歳だし、もし本当の事を教えて、その事を言わないで守れるかは多分難しい。
......寂しいけど。
「多分本当のことを言えるのは10歳くらいじゃないかしら...」
と言われて、私がいかに異常なのかが分かった気がする。その頃までに関係を修復できたらいいな。
「...さん、フィリアさん!」
「うぇ?!」
おっといけない。思考の海に沈んでしまっていたみたい。
「もう、ちゃんと聞いてくださいな!」
「ごめんごめん」
今私たちはキャサリンの屋敷に来てお茶会をしている。
「美味しー!」
そしてベルは茶菓子を食べてご満悦だ。
「で、今度の校外学習のことですけど...」
そう、私たちは10歳になったので今中等部になった。それで、7歳の時に言っていた『トルメヤ大陸』に行くことになっている。しばらく学園は休みで、その準備をしている訳だ。
ここ3年の間に色々なことがあった。ゴブリンジェネラルを見つけたり、ベルが誘拐されたり、マリアやロビンがその事で押しかけてきたり、弟子にしてくれと言われたり...あ、シリルの虐...ゲフンゲフン!訓練ね?中々いい感じなんだよね。わたしのサポート無しでもうゴブリンとか狩れるようになった。ゴブリンは雑魚だけど、戦う術を持っていない弱い人にとっては強敵だからね。まぁそんな甲斐あって見事ハンターになった。今ではベルとも一緒に依頼に行っている。まだランクはGだけどね。
あ、あと今回の校外学習の班わけの際に...
「フィリアさん!俺たちの班にこないか?」
「だめ!フィリアさんはこっちの班にはいるの!」
「いや、僕達の班に...」
とまあこんな風に色々なとこから勧誘を受けた。班の人数に決まりはなくて、何故か私は引っ張りだこだった。キャサリンに聞いたら
「それはフィリアさんがすごいからですわ!」
とのこと。どこが凄いのか?それは成績だ。常にテストでは1位、魔法の試験も1位、それなのにそれを誇ることもなく、お淑やかで優しい......らしい。私自身はそんな人間ではないんだけどね。単純に巻き込まれるのが嫌だから自慢しないだけだし、ていうか誇れる程のものでも無いというか...。その結果モテ期です。だが残念ながら私が惚れるような人はいなかった。というか私って子供産めるのかな?
「フィリアさん!!聞いていますか?!」
「あ、うん」
また思考の海に沈んでしまっていた。
「とにかく!班はわたくしとフィリアさんとベルさんでいいですわね?」
「うん。私はそれでいいよ」
「私もー!」
リーナからは3人でも大丈夫と許可を貰っているから、この人数でいける。他は5人とか多いところで10人くらい。街の観光とか体験授業とかは、その決まった班で行動する。泊まりなんだけど、さすがに人数にばらつきがあるので、部屋はその班じゃない。大体5人部屋。私たちの班は3人なので、あと2人別の班の人がくるはず。無論男子とは別部屋。
「では明日、準備をするために買い物に行きますわよ!」
とキャサリンがノリノリなので、付き合うことに。
「何を買えばいいの?」
「そうですわね...着替えの服に体験授業で使うもの...あと水着...」
そう、水着が必要なのだ。この大陸は海がない訳じゃない。でもこの王都は大陸の中心なので、海まではとんでもなく遠いのだ。え?じゃあトルメヤ大陸までどうやって行くのかって?なんでもリーナが言うには学校の地下に転移門があるらしい。転移門は転移門同士を繋いで、一瞬で行ったり来たりできる魔道具なんだって。ただ、起動するにはかなりの魔力が必要で、そう簡単には使えないし、新しく作ることも出来ない。なんでも古代の遺物らしい。古代の方が魔法は進んでいたのかもね。ならなんで衰退したのだろうか?
......だめだ。これ以上思考の海に沈んでは行けない。またキャサリンに怒られるところだった。
「...という訳ですので、明日、9の鐘に学園前に集合でよろしくて?」
「あ、うん」
やば、大分聴き逃したっぽい。まぁ集合時間はちゃんと聞いてたし!良かった良かった。
ちなみに9の鐘というのは、村にあったような時刻を知らせる物だ。この王都はとんでもなく広いので、4つの区画に分けられていて、それぞれの区画に1つ、鐘の塔がある。朝一番の鐘が5の鐘で、大体1時間おきになる。夜中に鐘を鳴らすのはうるさいからね。5の鐘はそのまま朝5時くらいだ。
「ではもう時間のようですわ...」
「あれ?もう?」
時間が経つのは本当に早いね。
「ええ...残念ですわ」
「また明日も会えるんだし、勉強頑張ってね」
「うぅぅ...フィリアさんに言われても嬉しくありませんわ!」
「うっ!...ごめん」
私的にはキャサリンの方が努力家だし、成績優秀だし、優しいし、モテると思うんだけどねぇ~...まぁ本人に言ったら顔を真っ赤にして照れ隠しで怒るだろうから言わないけど。
「バイバ~イ、キャサリンさん!」
「またね」
「ええ、お気をつけて」
また執事の人が馬車で送ってくれた。この馬車一体どうなっているんだろう?全然酔わないんだよね。やっぱりさすとか、車輪が違うのかな?
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