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第1章 幼少期編

第20話 いざ、王都へ

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私は日が昇る前に目が覚めた。

「ちょっと早すぎたかな...」

私は待ちきれなくて早起きした自分に苦笑しつつ、着替えを済ませた。

服は比較的動きやすいようにズボンを履いた。なぜ、動きやすいようにかと言うと、王都まで馬車で約5日かかるからである。その間何が起こるか分からないので、動きやすい服装にした。

私はまだ早いと思いつつも下に降りた。すると、もう2は起きていた。マリアとレミナだ。ロビンはというと、まだ帰ってきていない。心配はしていないが、なにをしているのだろうか?

「あら?おはよう、フィリア。ふふふっ、待ちきれなかった?」
「うーん、多分?」
「では、朝ごはんを食べておきましょう。あまり遅くたべると馬車で揺られて気持ち悪くなってしまいますから」
「うん」

...多分、今の私のステータスだったら乗り物酔いはしないと思う。まぁ、それが状態異常ならの話だけどね。

「あ、そうそう。フィリア達の馬車の護衛はシャガルがやってくれるそうよ。覚えてる?」

シャガルって...あ!思い出した。確かスタンピードの時にきたハンターだっけ?

「確か...ハンターの人?」
「ええ。まだ3歳のときだったのによく覚えてたわね」

そうか、もう4年ほど前の話か。すっかり忘れてたよ。

「朝ごはんが出来ました」
「うん。ありがと、レミナ」

思えばこのいつも変わらない朝ごはんも今日でしばらくお別れだね。じっくり味わって食べよう。

ドドドドド!!
バーン!!

「フィリア!いるか!!」
「ふぇ!?どうしたの、パパ?」

ビックリしたー。いきなり扉を開けてロビンが帰ってきたんだもの。

「あなた、どうしたのよ?いきなり出かけたりして」

そう、それは気になる。

「あ、ああ。"あいつ"と話をするのに魔道具を使おうと思ったんだが、傍受される可能性があったから直接会って話してきたんだよ」

な、なるほど。でもそれって前々からやっとけばよかったことじゃない?というか、"あいつ"って誰?それと王都まで3日で往復してきたの?やばくね?

「...あなた、それはあくまで表向きの理由でしょう?」
「...」

...図星か。でも本当の理由ってなに?

「なんなの?本当の理由って?」

私はコテンと首を傾げてきいてみた。

「フィリアかわいい(ボソ)」
「聞こえてるわよ...はぁ、で?早く答えてくれない?」
「...は!そうだな。それはこれだよ」

そう言って背中に背負っていた包を下ろした。

「これは?」
「ああ。フィリアの剣だよ」
「え!?」

まさかこれを買うためだけに王都に行ったっていうの?...バカ?いや、親バカか。

「実は1日で帰ってくる予定だったんだが、中々いいのがなくてな。だいぶ時間がかかってしまったんだよ」

...まさかの半日で王都を往復できるとは...というか剣自体はあるんだけど中々人前で使えるような物じゃないし、これはありがたいのかな?

「ほら、フィリア」

そういって包んでいた布を取り、中身を渡してきた。私はそれを受け取る。

「あ、軽い」

思わず声に出てしまうほど軽かった。鞘は青色で、刀身は銀色というか白色というか、その間の色だった。両刃の剣で、長さは70センチほどで、幅は7センチほどの綺麗な剣だ。

「どうだ?気に入ったか?」
「うん!とっても!」
「...ねぇ、あなた?この剣の材料って...」
「ああ、俺が採ってきた"オリハルコン"だ」
「は!?」

オリハルコンってあの?ラノベとかでよくある伝説の金属とかいうやつ?

「はぁ...子供になんてもの持たせるのよ」
「怪我をしてからでは遅いだろ?」
「まぁそんなんだけど...フィリア、扱いには気をつけなさいよ?」
「う、うん」

普通に使える剣かと思ったけど無理っぽい?

コンコン

「マリア様、馬車の用意が出来ました」

この声は久しぶりに聞くシャガルの声かな?

「あら、もうそんな時間?じゃあフィリア、ベルちゃんの所行ってきてくれる?」
「うん」

私は剣をアイテムボックスに仕舞うと家をでた。そのまま真っ直ぐにベルの家に行き、ドアをノック...しようとした。

バァン!

「おはよう!フィリアちゃん!」
「う、うん。じゃ、じゃあ行こうか」
「うん!」

どんだけたのしみだったのだか。
私は例の如くベルに手を引かれながら家に戻った。




「フィリア、ベルちゃん。忘れ物はない?」
「うん」
「はい!」
「シャガル、2人を頼んだぞ!」
「任せてぐださい!」

護衛の人は全部で3人。スタンピードの時に見たシャガルとビーン、それから、

「初めまして。私はミーナというの。よろしくね?」
「はい、よろしくお願いします」

という、エルフの女の人だった。恐らく、この3人はパーティを組んでいるのだろう。パーティとはハンター同士で作るチームのような、そんな感じだ。

「気をつけてね?いつでも帰ってきていいからね?」

マリアが、いや、ママがここまで心配しているのを顔に出すのは珍しいな。

「うん、分かってる。行ってくるね」
「ええ...行ってらっしゃい」

その言葉を合図に馬車は動き出した。
目指すは王都レガント。

私たちは遠ざかっていく村を、いつまでも眺めていた...
















あ!ちなみに村の名前はロビン村らしい。何故かは言わなくても分かるだろう。中々恥ずかしい名前だとつい最近知った。

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