転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに

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第1章 幼少期編

第19話 最終目標達成

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朝だ。私はいつもより早く目が覚めた。

「ううーん...よし!」

何故こんなに気合いが入っているかというと、いよいよ学校に行くことになったからである。

「今日ホーンボアを倒して、王都にいく!」

学校は王都にある。そして、今日は今までの特訓の成果を発揮する日だ。というのも、マリアが、

「ホーンボアくらい狩れないと、王都にはいかせないからね!」

と言い出したからである。それはさすがにやばいので、今日終わらせる予定なのだ。

コンコン

「フィリア様、おはようございます」
「うん、おはよー」

レミナが部屋に入ってきた。そういえばレミナがこの部屋に朝入ってくるのは随分久しぶりな気がする。

「どうしたの?」
「はい。もう既にベル様が外でお待ちになっておりますので、その事を伝えに来ました」
「え?!もうきたの?」

何がなんでも早すぎだよ、ベル...。まぁ、私も早く終わらせたいし、よかったかな?

「分かった。すぐに準備する」
「はい...それとロビン様が早朝お出かけになられました」
「うん?どうして?」
「さぁ?なんでもフィリア様のためだとかなんとか...」

...ロビン、なんかやばいことしないだろうな。まあ、多分明日には帰ってくると思うから、気にしないでおこう。

私は着替えを済ませて朝食を食べてすぐに外にでた。

「あ、おはよ!フィリアちゃん!」
「うん、おはよ...でも早くない?」
「だって待ちきれないんだもん!」

まぁその気持ちはわからんでもないけどね。

「ベルちゃん?待ちきれないのはいいけど、もう少し落ち着かないと痛い目を見るわよ?」

確かに今までよりハイテンションなベルはなにをするかわかんないしね。

「はい!」
「ほんとに分かってるのかしら...」

仕方ない。それがベルだもの。

私たちはそのまま森へ向かった。

「今日は私が敵を見つける!」
「じゃあまかせるね」
「任せて!」

と言いつつ私もちゃんと索敵はするけどね。ちょっと本気を出して探知してみると、森の中心ら辺に反応があった。

「ちょっと遠いか...」
「うん?何か言った?」
「ううん、なにも?」

危ない危ない。思わず口に出してしまう癖はなんとかしないといけないかもね。さて、とりあえずベルをそれとなく誘導していこう。




...前言撤回。不可能です。だってね?

「こっちにいそうだよ?」

って、さりげなく誘導しようとしたら、

「えー、私はこっちだと思う。今日は私が担当なんだから私が決める!」

という訳だ。無理じゃん、こんなの。

しかも行く方反対だしね。まぁある意味そっちにもいるにはいるんだよ?ホーンボアより強いやつが。

「あ、待って!」
「へ?どうしたんですか?」

マリアから待ったがかかった。そらね?この先ホーンベアっていうホーンボアより強いやつがいるんだもん。倒せないことはないかもだけど、あくまで目的はホーンボアだから戦う必要はないもんね。

「そっちにはちょっと強いやつがいるのよ」
「え!?そうなんですか?...危なかった」

もうちょっと気配探知を鍛えたほうがいいかもね。

「はぁ...フィリア、あなたはもう分かってるわよね?」
「え?!」

いきなりだったから思わず声が出ちゃったけど、なんでわかったの?

...いや、ただのカマかけの場合だってある。あ!こんなときこそ読心眼だ。

読心眼:相手の心の中の考えが見える。ただし、ステータスで劣っている場合は見えない。

早速使ってみる。

ーフィリアの察知能力は今まで見てきたけど、とても高い。森に入った時も、遠いと声に出ていたし、恐らくもうホーンボアを見つけているわねー

...バレバレでした。やっぱり口にでる癖は直さないといつか大変なことになりそうだね。さて、ここまでバレてるのならもう言っちゃっていいよね?

「...うん」
「え!?だったら教えて欲しかったよー!」
「いや、それとなく教えてたんだけどベルがことごとく反対にいくものだから」
「うう...」
「はいはい、そこまでよ。じゃあホーンボアのとこまで案内して?」
「はーい」

私は気配察知を使いながら森を進み、およそ10分後に発見した。本当にイノシシみたいな見た目で、頭の上に1本の角がある。

「いた...」
「ええ、さぁここからは2人だけでやるのよ?」
「うん」

マリアは少し離れたとこで待機するようだ。さて、どうしようか?

「ホーンボアは真っ直ぐ突っ込んでくるって言ってたから、かわすのは簡単だと思うけど...」
「私はかわせないかも」

そうだよね。となるとコボルトの時みたいに私が前にでる必要があるね。

「じゃあ私が前にでて気を引くから、狙ってくれる?」
「うーん...動いてるのを当てるのは難しいかも...」

確かにね。どれくらいのスピードかわかんないけど多分かなり速いと思う。

「...じゃあ壁にぶつけてみよう」
「え?できるの?」
「できるじゃなくて、やる」

方法は至ってシンプル。土属性魔法で壁をつくり、そこに誘導するだけだ。ただ、知能は多少なりともあるから、壁をつくるのはぶつかる寸前でないといけないかもしれない。まぁ、臨機応変に対応しよう。

「...分かった。気をつけてね?」
「もちろん」

私はコボルトの時と同じように、気配隠蔽を軽くかけて近づく。そして、ベルが矢を放つと同時に草むらから飛び出す。

ヒュ!ブス!

音からしてあまり深くない。実際ホーンボアは気にした様子もなく現れた私をロックオンしていた。

ブモォォォォ!

突進してきた。中々の速度だ。私はまず2メートルほどの土壁を私の後ろにつくり、反応を見た。すると、ホーンボアは急停止して回り込み、横から突進してきた。

「くっ!」

私はジャンプして壁の上に乗りこれを回避する。

ブモォォォォ!

私のことを見失い、雄叫びを上げている。

「さて、知能は結構高いね」

止まるだけでなく、横から突進してきたということからそのことがわかる。

「とすると直前に壁を作らないとかな」

私は魔法を解除すると地面に降り立つ。

ブモォォォォ!!

私の事を視界に捉えた瞬間突進してきた。
私はぶつかる寸前まで待ち、私とホーンボアの間に壁を作った。貫通する可能性もあったので、作った瞬間横っ飛びをした。

ドガァァァァァァァァン!!

お、おう。貫通はしなかったけど厚さ50センチの壁にめり込んでるわ。
ピクピクしてるとこを見ると気絶してるらしい。

「これは、私がトドメを刺したほうが楽だけど...それだと実質私1人でやっことになっちゃうよね」

なので私はベルを呼び、トドメを刺させた。

「やったー!やったよ!フィリアちゃん」
「うん。そうだね」
「まったく、あれだけのことをしながら息ひとつ上げないとはね...」

あんまり動いてないしね。

「ま、そのことは置いといて、フィリア、これ収納できる?」
「出来るよ」
「じゃあお願い。グランに頼んで解体してもらいましょ」
「解体なら私もできますよ?」

そういえば解体スキルLv10だっけ?

「ここで解体する訳にもいかないでしょ?血まみれになっちゃうし。それに今日は休みなさい。3日後には王都に行くんだからその準備もしなきゃね?」
「あ、そうでした。ううー!とってもたのしみ!」

3日後にはこの村ともしばらくお別れだね。それと弟とも。弟は去年生まれたばかりだ。名前はアッシュ。ロビンの赤髪と赤目を引き継いでいる。

「さあ、もう帰りましょう。今日は肉パーティよ。ベルちゃんもいらっしゃい」
「いいんですか!ありがとうございます!」

私たちは森をでてベルの家にいき、そこでホーンボアを解体してもらった。
そして、その解体した肉を使って、肉尽くしだった。意外とさっぱりとした味で、沢山食べてしまった。

お腹がいっぱいになったからなのか、そのまま寝てしまった。



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