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湖の領主は王都から来る人たちの相談と子供たちを迎えに来ていたのでした。

「これを貸しだそう。持っていってくれないか」

お父様は一番小さなしずくの珠を湖の領主に貸しました。

「私にとっては目の毒なのよね。私にもいい人いないかなぁ」

お姉様のお友達はずっとお姉様に当てられっぱなしだったようです。
笑いながらお友達は湖の領主と帰って行きました。

男の子は残りました。
まだ女の子と離れるのが不安だったのと、女の子が心配だったのです。
女の子は元気になった子供たちの人気を集めているのですから。


噂が噂を呼び、領地に人が増えていきます。
領地も拡げていきますが追いつきません。

病気の人たちは優先的に領地で治療を行います。
女の子と触れ合うことで良くなるので女の子は大忙しです。

領地に入りきらない人たちもいます。
この領地と湖の領地とを結ぶ馬車道近くに何か所も集落を作っているそうです。

そして聞こえてきた噂がありました。

「王都から王族がいなくなった」
「王都は滅んだ」


お父様はこの領地を都にし、国を建てる事に決めました。
周りの領主たちも皆賛成しました。


『ここがいいの』
『あそこにはもどらないよ』
『すてきなばしょはここだよ』
『『『おいしいばしょはここだよ』』』




女の子は王都から来た妖精たちに聞きました。

「王都でおいしいものはなかったの?」

王都の話はしたくないのでしょう。
妖精たちは素早く逃げてしまいます。
いろいろな妖精たちに聞いたのですが全て逃げてしまいます。
一度も答えを聞くことはありませんでした。



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