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1 姉の卒業式典

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幼い頃、年の離れた姉の学園卒業式典に行った。

姉は朝からめかしこんでとてもとても綺麗だった。
私もちょっとだけよそ行きの格好をした。

学園は大きな所で、私は迷子にならないように侍女に手を繋いで貰った。

式典の退屈な長い話と卒業生の紹介が終わり、やっとパーティへ移行した。
周りでは美味しそうな匂いがする食べ物がたっぷり運ばれてきて、私は夢中になって見つめていた。
両親に「何時食べられるのか」と繰り返し聞いた。

準備が整いパーティが始まるのかと思った時、それは突然始まった。


「公爵令嬢。貴様との婚約を破棄し、愛しの女性と結婚する。私は真実の愛を見つけたんだ」

一組の男女の前にとても綺麗な女性がいた。
周りの大人達は驚愕し、パーティ会場が劇場の様に一点に視線が集中した。

男性にべったり張り付いた女性は、淑女教育を始めたばかりの私でも違和感のあるもので。
それに対し、対面している女性は背筋を伸ばし堂々としていた。
色々騒いでいる男性に静かに対面の女性は言った。

「かしこまりました」

綺麗なお手本になる様な見事なカーテシーを披露して、早速と去って行った女性を私は今でも思い出すことが出来る。

それ程までに印象に残った出来事だった。


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感想 3

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