1 / 22
1 姉の卒業式典
しおりを挟む
幼い頃、年の離れた姉の学園卒業式典に行った。
姉は朝から粧しこんでとてもとても綺麗だった。
私もちょっとだけよそ行きの格好をした。
学園は大きな所で、私は迷子にならないように侍女に手を繋いで貰った。
式典の退屈な長い話と卒業生の紹介が終わり、やっとパーティへ移行した。
周りでは美味しそうな匂いがする食べ物がたっぷり運ばれてきて、私は夢中になって見つめていた。
両親に「何時食べられるのか」と繰り返し聞いた。
準備が整いパーティが始まるのかと思った時、それは突然始まった。
「公爵令嬢。貴様との婚約を破棄し、愛しの女性と結婚する。私は真実の愛を見つけたんだ」
一組の男女の前にとても綺麗な女性がいた。
周りの大人達は驚愕し、パーティ会場が劇場の様に一点に視線が集中した。
男性にべったり張り付いた女性は、淑女教育を始めたばかりの私でも違和感のあるもので。
それに対し、対面している女性は背筋を伸ばし堂々としていた。
色々騒いでいる男性に静かに対面の女性は言った。
「かしこまりました」
綺麗なお手本になる様な見事なカーテシーを披露して、早速と去って行った女性を私は今でも思い出すことが出来る。
それ程までに印象に残った出来事だった。
姉は朝から粧しこんでとてもとても綺麗だった。
私もちょっとだけよそ行きの格好をした。
学園は大きな所で、私は迷子にならないように侍女に手を繋いで貰った。
式典の退屈な長い話と卒業生の紹介が終わり、やっとパーティへ移行した。
周りでは美味しそうな匂いがする食べ物がたっぷり運ばれてきて、私は夢中になって見つめていた。
両親に「何時食べられるのか」と繰り返し聞いた。
準備が整いパーティが始まるのかと思った時、それは突然始まった。
「公爵令嬢。貴様との婚約を破棄し、愛しの女性と結婚する。私は真実の愛を見つけたんだ」
一組の男女の前にとても綺麗な女性がいた。
周りの大人達は驚愕し、パーティ会場が劇場の様に一点に視線が集中した。
男性にべったり張り付いた女性は、淑女教育を始めたばかりの私でも違和感のあるもので。
それに対し、対面している女性は背筋を伸ばし堂々としていた。
色々騒いでいる男性に静かに対面の女性は言った。
「かしこまりました」
綺麗なお手本になる様な見事なカーテシーを披露して、早速と去って行った女性を私は今でも思い出すことが出来る。
それ程までに印象に残った出来事だった。
14
お気に入りに追加
338
あなたにおすすめの小説
聖女の力を失ったと言われて王太子様から婚約破棄の上国外追放を命じられましたが、恐ろしい魔獣の国だと聞かされていた隣国で溺愛されています
綾森れん
恋愛
「力を失った聖女などいらない。お前との婚約は破棄する!」
代々、聖女が王太子と結婚してきた聖ラピースラ王国。
現在の聖女レイチェルの祈りが役に立たないから聖騎士たちが勝てないのだと責められ、レイチェルは国外追放を命じられてしまった。
聖堂を出ると王都の民衆に石を投げられる。
「お願い、やめて!」
レイチェルが懇願したとき不思議な光が彼女を取り巻き、レイチェルは転移魔法で隣国に移動してしまう。
恐ろしい魔獣の国だと聞かされていた隣国で、レイチェルはなぜか竜人の盟主から溺愛される。
(本作は小説家になろう様に掲載中の別作品『精霊王の末裔』と同一世界観ですが、200年前の物語なので未読でも一切問題ありません!)
愚者(バカ)は不要ですから、お好きになさって?
海野真珠
恋愛
「ついにアレは捨てられたか」嘲笑を隠さない言葉は、一体誰が発したのか。
「救いようがないな」救う気もないが、と漏れた本音。
「早く消えればよろしいのですわ」コレでやっと解放されるのですもの。
「女神の承認が下りたか」白銀に輝く光が降り注ぐ。
婚約破棄を申し込まれたので快諾したら、信じられないとばかりに逆ギレされました。
香取鞠里
恋愛
婚約者のマークと結婚を前提に一緒に住み始めたクレアだが、マークにより嫌がらせのような扱いを受け、結婚前からうんざりしていた。
このまま結婚して、永遠にこの生活が続くようになるのかと悲観していたある日、マークから婚約破棄の書面を突きつけられる。
内心嬉々としてサインするクレアだが、そんなクレアにマークは逆ギレしてきて!?
あなたが言ったから私はここにサインしたんですよ?
【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる