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第二章
王子様のキスですわ
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「私の馬鹿親がアイラにかけた黒魔術、今は使われていない古いモノだと知ってどうやって調べたらいいのか分からなかったの。普通の黒魔術でさえ殆ど資料が無いのに古いのなんて本にさえ記載されていないのよ。でもこの島の人達が古い魔力を使っているのを知ってここの図書館に行ってみたわ」
私を含め皆様静かにシャーロットの話を聞いていますわ。
「そしたらあるわ、あるわ、魔力の本の中に黒魔術が記載されているやつが沢山。きっとこの島では黒魔術のやり方を知ったとしても悪用する人なんていないのよね。ここに住んでみて分かったわ。いい島よね」
私もこの島の人達はそんなことしないと思いますわ。石やカビたパンを人にぶつける奴はいますけれど。
「で、私が見つけたのがコレ!『黒魔術の解除方法アレコレ』です。大体はこの黒魔術にはコレ、と、いった感じでかける方法と解除方法が対になっているのですけれどアイラにかけた術の解除方法はかけた人が設定すればどの黒魔術の解除にも使える特殊なやつでした」
しーん。
で?その方法の名前は何ですの?
しーん。
中々シャーロットが解除方法の名前を言いませんわ。
「......『王子様のキス』って解除方法」
シャーロットが照れながら言いましたわ。ええ⁉︎あのシャーロットが照れてますの?
「貴方でも照れる事があるのですね」
ダリル様が意地悪な顔でシャーロットを揶揄う様に言いましたわ。
「うるさいわ。私はあの馬鹿親にこんなロマンチックな面があったなんてって驚いてるだけよ」
シャーロットが直ぐにふん!といった感じで反論していますわ。
「それはどういった解除方法なんだい?」
キルジーさんが早く聞かせておくれとシャーロットを急かしていますわ。
「言葉通りに王子様がキスをすれば解除されるのよ。今回は王子っていうか、ルカがキスをしたけど。殺す......」
シャーロットから殺気が出てますわ。
って、キス⁉︎
「え?あ?キスですの⁉︎」
私は慌てましたわ。
「あ、いや、アレはその、実は俺の魔力は人を治療出来るんだ。逆に言えば治療しか出来ない。それでアミーが倒れたのは魔力を使い過ぎた『魔力不足』だって直ぐに分かって俺の魔力を分けたんだ。それで、キスをする感じになってしまって......」
ルカさんが一気に早口で説明をしてくれましたの。
「殺すか」
「そうですね、魔力を分ける、それって治療っていいます?それなら私でも出来ますよ?殺しましょう。即殺しましょう」
お兄様とダリル様もシャーロットと同じく殺気立ってきましたわ。
「でも、魔力を分けるといっても同じ種類の魔力でないと駄目ですよね?治療しか出来ない魔力って......」
ミカエル様がハッとしましたわ。
そんなミカエル様を無視してシャーロットが話を続けていますわ。
「で、ここからも少し気になる事があるの。この『王子様のキス』は王子と書かれているけれど本当はそうではなく神子限定なのよ。馬鹿親はここ何百年と生まれていない神子に目を付けたんだと思うわ。あの顔になったアイラにキスをしたがる男なんていないだろうと思っていたのだろうけど更に条件としてその男が神子じゃないと駄目なら絶対に解除出来ないと思ったのかしら?だって神子なんて今となっては伝説的な存在だし」
「て、事は⁉︎」
ミカエル様が驚いたように言いましたわ。
「そう、ルカは神子である確率が高いわ。聖騎士団長様は私とは違った視点からルカが神子かもしれないって思っていますわよね?」
シャーロットがお父様を見ましたわ。
「ああ。ルカくん。君はアイラにずっと『命の契約』をかけているね?結構長い間だと思うのだが」
お父様がルカさんに優しく問いかけますわ。
「......はい。出会った2年前からです。分かるのですか?それにこの術に名前があるのですね。俺は術の勉強なんてした事がないから自分の感覚だけで使っているので」
「自分の命をかける術だとは分かっているよね?それなのに何故?」
「はい。知っています。でもこの術だと離れていてもアミーに危険が迫った時に直ぐ分かりますから」
「そうだね。でもアイラが怪我をしたり命を落とした時は君が全て受ける事になるのに?」
「それでもいいと思いました。アミーと出会った瞬間に彼女は俺にとってもの凄く大切な人だと感じたんです。心がとても綺麗で......一目惚れでした」
えぇぇーーー!知りませんでしたわ!!
「そうか。やはり君は神子かもしれない。この術は神子しか使えないのだよ。私達、聖騎士は聖女様にと神子様に使える身。だから聖女様と神子様が使える力の知識は持っているのだがその中に『命の契約』があるのだ」
「そんな、俺が神子様なんて.......」
「王都に来てもらって神子の検査を受けてもらいたい。いや、嫌だと言っても受けてもらわないと駄目なのだが。もしも君が神子様なら保護しなければいけないのだ」
「それは神子様の存在が今、不在で稀有な存在だからですか?」
「確かに君が神子様ならば何百年ぶりに現れた神子様だ。それもあるのだか......」
お父様が言葉を切りましたわ。
「お父様?何かありましたの?」
「うん......。このような場で言ってもいいものなのか......。ここに来る前日に神託が降りたのだよ」
神託!!!
そうでしたわ!私が12歳の時にあのふざけた神託が降るのでしたわ!
記憶無くしてたので阻止出来ませんでしたわぁぁぁ!!
私を含め皆様静かにシャーロットの話を聞いていますわ。
「そしたらあるわ、あるわ、魔力の本の中に黒魔術が記載されているやつが沢山。きっとこの島では黒魔術のやり方を知ったとしても悪用する人なんていないのよね。ここに住んでみて分かったわ。いい島よね」
私もこの島の人達はそんなことしないと思いますわ。石やカビたパンを人にぶつける奴はいますけれど。
「で、私が見つけたのがコレ!『黒魔術の解除方法アレコレ』です。大体はこの黒魔術にはコレ、と、いった感じでかける方法と解除方法が対になっているのですけれどアイラにかけた術の解除方法はかけた人が設定すればどの黒魔術の解除にも使える特殊なやつでした」
しーん。
で?その方法の名前は何ですの?
しーん。
中々シャーロットが解除方法の名前を言いませんわ。
「......『王子様のキス』って解除方法」
シャーロットが照れながら言いましたわ。ええ⁉︎あのシャーロットが照れてますの?
「貴方でも照れる事があるのですね」
ダリル様が意地悪な顔でシャーロットを揶揄う様に言いましたわ。
「うるさいわ。私はあの馬鹿親にこんなロマンチックな面があったなんてって驚いてるだけよ」
シャーロットが直ぐにふん!といった感じで反論していますわ。
「それはどういった解除方法なんだい?」
キルジーさんが早く聞かせておくれとシャーロットを急かしていますわ。
「言葉通りに王子様がキスをすれば解除されるのよ。今回は王子っていうか、ルカがキスをしたけど。殺す......」
シャーロットから殺気が出てますわ。
って、キス⁉︎
「え?あ?キスですの⁉︎」
私は慌てましたわ。
「あ、いや、アレはその、実は俺の魔力は人を治療出来るんだ。逆に言えば治療しか出来ない。それでアミーが倒れたのは魔力を使い過ぎた『魔力不足』だって直ぐに分かって俺の魔力を分けたんだ。それで、キスをする感じになってしまって......」
ルカさんが一気に早口で説明をしてくれましたの。
「殺すか」
「そうですね、魔力を分ける、それって治療っていいます?それなら私でも出来ますよ?殺しましょう。即殺しましょう」
お兄様とダリル様もシャーロットと同じく殺気立ってきましたわ。
「でも、魔力を分けるといっても同じ種類の魔力でないと駄目ですよね?治療しか出来ない魔力って......」
ミカエル様がハッとしましたわ。
そんなミカエル様を無視してシャーロットが話を続けていますわ。
「で、ここからも少し気になる事があるの。この『王子様のキス』は王子と書かれているけれど本当はそうではなく神子限定なのよ。馬鹿親はここ何百年と生まれていない神子に目を付けたんだと思うわ。あの顔になったアイラにキスをしたがる男なんていないだろうと思っていたのだろうけど更に条件としてその男が神子じゃないと駄目なら絶対に解除出来ないと思ったのかしら?だって神子なんて今となっては伝説的な存在だし」
「て、事は⁉︎」
ミカエル様が驚いたように言いましたわ。
「そう、ルカは神子である確率が高いわ。聖騎士団長様は私とは違った視点からルカが神子かもしれないって思っていますわよね?」
シャーロットがお父様を見ましたわ。
「ああ。ルカくん。君はアイラにずっと『命の契約』をかけているね?結構長い間だと思うのだが」
お父様がルカさんに優しく問いかけますわ。
「......はい。出会った2年前からです。分かるのですか?それにこの術に名前があるのですね。俺は術の勉強なんてした事がないから自分の感覚だけで使っているので」
「自分の命をかける術だとは分かっているよね?それなのに何故?」
「はい。知っています。でもこの術だと離れていてもアミーに危険が迫った時に直ぐ分かりますから」
「そうだね。でもアイラが怪我をしたり命を落とした時は君が全て受ける事になるのに?」
「それでもいいと思いました。アミーと出会った瞬間に彼女は俺にとってもの凄く大切な人だと感じたんです。心がとても綺麗で......一目惚れでした」
えぇぇーーー!知りませんでしたわ!!
「そうか。やはり君は神子かもしれない。この術は神子しか使えないのだよ。私達、聖騎士は聖女様にと神子様に使える身。だから聖女様と神子様が使える力の知識は持っているのだがその中に『命の契約』があるのだ」
「そんな、俺が神子様なんて.......」
「王都に来てもらって神子の検査を受けてもらいたい。いや、嫌だと言っても受けてもらわないと駄目なのだが。もしも君が神子様なら保護しなければいけないのだ」
「それは神子様の存在が今、不在で稀有な存在だからですか?」
「確かに君が神子様ならば何百年ぶりに現れた神子様だ。それもあるのだか......」
お父様が言葉を切りましたわ。
「お父様?何かありましたの?」
「うん......。このような場で言ってもいいものなのか......。ここに来る前日に神託が降りたのだよ」
神託!!!
そうでしたわ!私が12歳の時にあのふざけた神託が降るのでしたわ!
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