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第二章
お兄様ですわ
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その男性はキラキラな銀髪を後ろで縛り瞳はアメジストのように綺麗な紫色だ。そして信じられないぐらい美少年。
あわわ!って思っていたらその美少年が自分の顔と私の顔が同じくらいになるよう膝を曲げた。
間近で見ると肌がきめ細かい!まつ毛長い!唇がぷるぷる!
眩し過ぎて見てられない。
「あああーーー!アイラだ!ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっっっ......ぐふっ......」
ずっと、何?最後噛んだ?
その美少年の鬼気迫るオーラに私を含めてその場に居た全員が怯える。
怯えてる私のスカーフを一瞬で美少年は取りそして私の腰を引き寄せていたルカさんを押し退けてヒョイっとお姫様抱っこをしてきた。
「え?え?」
慌てる私。
慌てるルカさん。
「相変わらず可愛い。いや、12歳になった分可愛さに綺麗が混ざってきて神秘的になった。よく今まで誰の餌食にもならず無事だった!神に感謝だ!ん?ん?でも12歳にしては体があまり育ってないが?私と別れた時の6歳から成長が止まっているのか?いや、少しは成長したのか?これもあの女の黒魔術のせい!許さぬ......。この体ではあれも、これも、それもまだ出来ないではないか!!」
半分ぐらい意味が分からないが私と黒魔術の事を知っているみたいなので......。
「ルネ様?この方がアイラ嬢ですか?少々ルネ様の気迫に戸惑っておいでですので少し抑えて下さい。そして言ってはいけない心の声も出ていますのでご注意を」
美少年の肩越しにヒョイっと私を覗いてくるこれまた美青年だ。
「あぁ、そうか。そうだな。少し落ち着かなくては。アイラを探し出せた嬉しさで頭が一瞬おかしくなってしまったようだ。この子が私の最愛の妹アイラだ。お前も一目惚れだろう?分かっているよ。このような天使、女神、もう人間ではない領域に入っているアイラを見たら惚れないわけがない」
はい。確かにこの化け物顔は人間ではない領域ですが。
この人が私のお兄さん⁉︎
あの変態のお兄さん⁉︎
この人には私は化け物顔に見えてないの⁉︎
「一瞬ではなくいつもおかしいですけどね。それと大変申し訳ないのですが僕にはまだ黒魔術がかかったままのアイラ嬢にしか見えませんので......」
「そうか!それは助かった!本当のアイラを見たら正気を保てないぞ?ははは!」
私はずっとお姫様抱っこのままだ。
「さぁ!アイラ!帰ろう」
「え?何処に⁉︎」
私は慌てる。
「やっと可愛い声を聞かせてくれたな!やはり変わらず小鳥が囀るような可愛い声だ!何処に帰るかって?勿論私達の家にだ!」
「アイラ嬢は記憶も無いのでしょう?きちんと説明してあげないと駄目ですよ?きっとこちらでの生活もあるでしょうし。先ずは自己紹介をして下さい」
こちらの美青年はとても落ち着いていて常識人だ。ホッとする。
「アイラ、私の事も忘れてしまっているのかい?悲しいことだ。私はアイラの兄でルネ・エバンズだ。アイラと会うのは6年ぶりとなる。さぁ、これでいいか?」
「良くねーよ!アミーの兄貴だぁ?本当にそうだとしてもちょっと常識無さすぎだろう⁉︎まずはアミーを降ろしてもらおうか?」
ルカさんがこめかみに青スジを立てて怒ってる。
「はぁ?アミーて誰だ?そしてお前は誰だ?」
「アミーは今、お前が拉致しようとしてる娘だよ!そして俺はアミーの彼氏だ!」
え⁉︎は⁉︎えー?私達いつの間に⁉︎
あっ、そうか、とりあえずこの場をどうにかする為の嘘だよね。
私ったら少し嬉しがっちゃって。
恥ずかしい。
「おい、ミカエル、こいつ頭がおかしいのか?まず名前からして違うしアイラの彼氏は私だが?」
え?この人さっきアイラのお兄さんって自己紹介してなかった⁉︎
その場に居た皆んなもそう思ったようで一斉に『?』マークだ。
「はい、はい。皆さんすいません。この方、聖騎士団の将来の団長候補でとても優秀なのですがアイラ嬢の事になるとかなり頭がおかしくなります。あ、僕はこの方の補佐役でミカエルといいます」
ミカエルさんが頭を下げた。
皆んなもそれにつられて頭を下げる。
「頭はおかしくないぞ!」
「はい、はい」
ミカエルさんはルネさんの扱いに慣れているのか軽くあしらう。
「何をしているのですか?余りにも遅いので様子を見に......え⁉︎ルネ様⁉︎」
ダリルさんがいつの間にか近くに居た。
「お前は確か......宰相とこの長男か!アイラの婚約者だ何だとふざけた事を言っていた奴だな?」
「貴方こそ、血のつながった兄妹なのにアイラ嬢を嫁にするとかほざいていましたねぇ?」
あっ。きちんとお兄さんなんだ。
って事はやはりかなりの変態とみた!
シャーロットさんやダリルさんなんてまだ可愛い変態なのでは?
「あ~、すいません。僕、ミカエルと言います。この方の補佐役でして、とりあえずゆっくり話せる場所に移動してもいいですか?アイラ嬢は今どこに住んでおられるのでしょうか?出来ればそこへ一旦行かせていただいて......」
後から来たダリルさんにきちんと自己紹介している。本当に常識人だ。
「おし!分かった!キルジーさんのとこに行ってバシッと言ってもらおう!」
ルカさんが叫んだ。
あわわ!って思っていたらその美少年が自分の顔と私の顔が同じくらいになるよう膝を曲げた。
間近で見ると肌がきめ細かい!まつ毛長い!唇がぷるぷる!
眩し過ぎて見てられない。
「あああーーー!アイラだ!ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっっっ......ぐふっ......」
ずっと、何?最後噛んだ?
その美少年の鬼気迫るオーラに私を含めてその場に居た全員が怯える。
怯えてる私のスカーフを一瞬で美少年は取りそして私の腰を引き寄せていたルカさんを押し退けてヒョイっとお姫様抱っこをしてきた。
「え?え?」
慌てる私。
慌てるルカさん。
「相変わらず可愛い。いや、12歳になった分可愛さに綺麗が混ざってきて神秘的になった。よく今まで誰の餌食にもならず無事だった!神に感謝だ!ん?ん?でも12歳にしては体があまり育ってないが?私と別れた時の6歳から成長が止まっているのか?いや、少しは成長したのか?これもあの女の黒魔術のせい!許さぬ......。この体ではあれも、これも、それもまだ出来ないではないか!!」
半分ぐらい意味が分からないが私と黒魔術の事を知っているみたいなので......。
「ルネ様?この方がアイラ嬢ですか?少々ルネ様の気迫に戸惑っておいでですので少し抑えて下さい。そして言ってはいけない心の声も出ていますのでご注意を」
美少年の肩越しにヒョイっと私を覗いてくるこれまた美青年だ。
「あぁ、そうか。そうだな。少し落ち着かなくては。アイラを探し出せた嬉しさで頭が一瞬おかしくなってしまったようだ。この子が私の最愛の妹アイラだ。お前も一目惚れだろう?分かっているよ。このような天使、女神、もう人間ではない領域に入っているアイラを見たら惚れないわけがない」
はい。確かにこの化け物顔は人間ではない領域ですが。
この人が私のお兄さん⁉︎
あの変態のお兄さん⁉︎
この人には私は化け物顔に見えてないの⁉︎
「一瞬ではなくいつもおかしいですけどね。それと大変申し訳ないのですが僕にはまだ黒魔術がかかったままのアイラ嬢にしか見えませんので......」
「そうか!それは助かった!本当のアイラを見たら正気を保てないぞ?ははは!」
私はずっとお姫様抱っこのままだ。
「さぁ!アイラ!帰ろう」
「え?何処に⁉︎」
私は慌てる。
「やっと可愛い声を聞かせてくれたな!やはり変わらず小鳥が囀るような可愛い声だ!何処に帰るかって?勿論私達の家にだ!」
「アイラ嬢は記憶も無いのでしょう?きちんと説明してあげないと駄目ですよ?きっとこちらでの生活もあるでしょうし。先ずは自己紹介をして下さい」
こちらの美青年はとても落ち着いていて常識人だ。ホッとする。
「アイラ、私の事も忘れてしまっているのかい?悲しいことだ。私はアイラの兄でルネ・エバンズだ。アイラと会うのは6年ぶりとなる。さぁ、これでいいか?」
「良くねーよ!アミーの兄貴だぁ?本当にそうだとしてもちょっと常識無さすぎだろう⁉︎まずはアミーを降ろしてもらおうか?」
ルカさんがこめかみに青スジを立てて怒ってる。
「はぁ?アミーて誰だ?そしてお前は誰だ?」
「アミーは今、お前が拉致しようとしてる娘だよ!そして俺はアミーの彼氏だ!」
え⁉︎は⁉︎えー?私達いつの間に⁉︎
あっ、そうか、とりあえずこの場をどうにかする為の嘘だよね。
私ったら少し嬉しがっちゃって。
恥ずかしい。
「おい、ミカエル、こいつ頭がおかしいのか?まず名前からして違うしアイラの彼氏は私だが?」
え?この人さっきアイラのお兄さんって自己紹介してなかった⁉︎
その場に居た皆んなもそう思ったようで一斉に『?』マークだ。
「はい、はい。皆さんすいません。この方、聖騎士団の将来の団長候補でとても優秀なのですがアイラ嬢の事になるとかなり頭がおかしくなります。あ、僕はこの方の補佐役でミカエルといいます」
ミカエルさんが頭を下げた。
皆んなもそれにつられて頭を下げる。
「頭はおかしくないぞ!」
「はい、はい」
ミカエルさんはルネさんの扱いに慣れているのか軽くあしらう。
「何をしているのですか?余りにも遅いので様子を見に......え⁉︎ルネ様⁉︎」
ダリルさんがいつの間にか近くに居た。
「お前は確か......宰相とこの長男か!アイラの婚約者だ何だとふざけた事を言っていた奴だな?」
「貴方こそ、血のつながった兄妹なのにアイラ嬢を嫁にするとかほざいていましたねぇ?」
あっ。きちんとお兄さんなんだ。
って事はやはりかなりの変態とみた!
シャーロットさんやダリルさんなんてまだ可愛い変態なのでは?
「あ~、すいません。僕、ミカエルと言います。この方の補佐役でして、とりあえずゆっくり話せる場所に移動してもいいですか?アイラ嬢は今どこに住んでおられるのでしょうか?出来ればそこへ一旦行かせていただいて......」
後から来たダリルさんにきちんと自己紹介している。本当に常識人だ。
「おし!分かった!キルジーさんのとこに行ってバシッと言ってもらおう!」
ルカさんが叫んだ。
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