52 / 103
第二章
信じられないですわ
しおりを挟む
全て聞き終わって私達は静かなままだ。
聞いても何だかひと事みたいで自分がそのんな人生を歩んでいたとは思えない。
「えっと、その話からアミーは今は12歳ってことかい?」
「そうです」
一気に3人の視線が私に集中した。
ええ。言いたい事は分かっている。
12歳になんて見えないんでしよう?
「そして見目も変えられてしまって力も封印されているってんだね?」
「はい。体が10歳からあまり成長していないのは力を封印されているからかもしれません。年齢と共に力も大きくなるはずがそれを抑えられているので」
「なるほど」
キルジーさんは小さく頷いた。
「で、私は馬鹿親を探し出してアイラの居場所を訊きましたがちろん教えてはくれなかったので殺しました」
「「「「はい?」」」」
4人でハモった。
だってそんな簡単に親を殺せる?
聞き間違いか?
「あ、もう随分前に馬鹿親とは縁を切ってるんで問題はないです。それに黒魔術を使う親なんて親とは思えない。私は白魔術で戦いそして勝ちました」
「そ、そうですか」
私はとりあえずそれしか言えなかった。
「で、生前の馬鹿親からは聞き出せなかったので直接脳に訊こうと思い馬鹿親の頭をカチ割り......」
「わーーー!わーーー!その続きは嫌な予感しかしないから話さなくていい。遅くなったけど夕食にしないか?今までの話も整理したいし」
ルカさんがシャーロットさんの話を遮って提案してきました。
賛成です。大賛成!
ダンさんが作ってくれたハーブとエビのパスタを食べながら私は頭の中を整理した。
私の両親は聖騎士様のお父さんと元聖女様のお母さんで聖騎士様を目指しているお兄さんがいる。ちなみにそのお兄さんは変態である。シャーロットさんが何回も言っていたのでそこ重要なんだな。そして家柄的には王族の次に偉いらしい。
私の聖女認定の2年前にシャーロットさんのお母さん率いる黒魔術の宗教団体に襲われた。
理由は私の両親絡みだそうだ。
そして黒魔術によって顔を変えられ力も封印されてこの島に飛ばされた。
私の力は聖力だと。結局、認定には行っていないのでシャーロットさんの見立てだけれど。
元々のはとてつもない美少女だそうだ。
これが1番信じられないのだ。
こんな化け物が美少女?黒魔術とはそこまで顔を変えられるものなのか?
「ねぇ、アイラ。そのずっと被ってるスカーフを取って顔を見せてもらえないかしら?2年ぶりなんだもの。顔が見たいわ」
シャーロットさんが私のスカーフに触ろうとした。
「ちょっと待って。シャーロットさんの話が本当なら元々の私は美少女なんですよね?だったら今の顔は見ない方がいいかと思います......」
「そんな外見なんて関係ない。アイラがどんなになっていても愛している気持ちは変わらないから。でもその術を解く為には見てみないと細かいところまで分からないの」
へ⁉︎愛してるってハッキリ言っちゃってますがそれはどういった感じの?幼馴染的な?そうですよね?そうであってほしい。ちょっと戸惑ったけどそれは置いといて。
「この術は解けるのですか?」
「かけた本人が死んでしまっているから解除方法が分からないの。でも絶対に解除してみせるわ。だから、ね?」
「分かりました。術を解いてもらえるのなら私も協力します」
私はスカーフを取ってシャーロットさんに向き直る。
「......我が馬鹿親ながら中々のものね。人間の原型ギリギリってとこかしら」
「おい!何だ?その言い方!俺達はアミーをそんな風に思った事なんて無いぞ?反対にこんな綺麗な心を持っている人間を見た事ない!」
ルカさんが激怒してる。
いや、シャーロットさんの意見が普通だよ。きっと。
「はい。はい。ルカっていったかしら?今はあなたの気持ちや意見を聞いてる時ではないのよ。少し黙って」
「な、なんだと⁉︎」
今にもシャーロットさんに掴みかかりそうなルカさんをダンさんが止めた。
「なぁ?ルカ、今頼れるのはシャーロットさんしかいないんだ。もう少し協力的になれないか?」
「この女が嘘をついていたら?アミーが傷つくだろう?そんなの俺は嫌だ!」
「アミーの為にもシャーロットさんを信じてみないか?話は全て辻褄が合ってるよ?な?でも怪しい素振りを見せたその時は容赦しない、でいいかな?シャーロットさん」
ダンさんがシャーロットさんを見た。
「ええ。いいわよ。じゃあ、夕食を食べたら一緒に宿に......」
「いや、お前さんもここの2階においで。アミーはあたしと寝るから今までアミーが使っていた部屋を使うといいよ。そしてアミーの術を解いてやってくれないかい?」
「それはいいですけど私、アイラと同じ部屋で......」
「「「それは駄目だ。アミーの身に危険を感じる」」」
3人一緒にハモった。
私の危険って。
「え⁉︎嫌だわ。何を想像していますの?」
「お前が想像してる事だよ!この変態女!」
ルカさんが怒鳴る。
変態女......。
『変態その2め!』
ん?今、何か頭を男の人の声がした様な気がしたけど......?
今日は色々あって疲れているんだよね。
いっぺんに情報が頭に入ってきて。
でも、やっぱり私はシャーロットさんが教えてくれた話を信じる事が出来ずにいる。
聞いても何だかひと事みたいで自分がそのんな人生を歩んでいたとは思えない。
「えっと、その話からアミーは今は12歳ってことかい?」
「そうです」
一気に3人の視線が私に集中した。
ええ。言いたい事は分かっている。
12歳になんて見えないんでしよう?
「そして見目も変えられてしまって力も封印されているってんだね?」
「はい。体が10歳からあまり成長していないのは力を封印されているからかもしれません。年齢と共に力も大きくなるはずがそれを抑えられているので」
「なるほど」
キルジーさんは小さく頷いた。
「で、私は馬鹿親を探し出してアイラの居場所を訊きましたがちろん教えてはくれなかったので殺しました」
「「「「はい?」」」」
4人でハモった。
だってそんな簡単に親を殺せる?
聞き間違いか?
「あ、もう随分前に馬鹿親とは縁を切ってるんで問題はないです。それに黒魔術を使う親なんて親とは思えない。私は白魔術で戦いそして勝ちました」
「そ、そうですか」
私はとりあえずそれしか言えなかった。
「で、生前の馬鹿親からは聞き出せなかったので直接脳に訊こうと思い馬鹿親の頭をカチ割り......」
「わーーー!わーーー!その続きは嫌な予感しかしないから話さなくていい。遅くなったけど夕食にしないか?今までの話も整理したいし」
ルカさんがシャーロットさんの話を遮って提案してきました。
賛成です。大賛成!
ダンさんが作ってくれたハーブとエビのパスタを食べながら私は頭の中を整理した。
私の両親は聖騎士様のお父さんと元聖女様のお母さんで聖騎士様を目指しているお兄さんがいる。ちなみにそのお兄さんは変態である。シャーロットさんが何回も言っていたのでそこ重要なんだな。そして家柄的には王族の次に偉いらしい。
私の聖女認定の2年前にシャーロットさんのお母さん率いる黒魔術の宗教団体に襲われた。
理由は私の両親絡みだそうだ。
そして黒魔術によって顔を変えられ力も封印されてこの島に飛ばされた。
私の力は聖力だと。結局、認定には行っていないのでシャーロットさんの見立てだけれど。
元々のはとてつもない美少女だそうだ。
これが1番信じられないのだ。
こんな化け物が美少女?黒魔術とはそこまで顔を変えられるものなのか?
「ねぇ、アイラ。そのずっと被ってるスカーフを取って顔を見せてもらえないかしら?2年ぶりなんだもの。顔が見たいわ」
シャーロットさんが私のスカーフに触ろうとした。
「ちょっと待って。シャーロットさんの話が本当なら元々の私は美少女なんですよね?だったら今の顔は見ない方がいいかと思います......」
「そんな外見なんて関係ない。アイラがどんなになっていても愛している気持ちは変わらないから。でもその術を解く為には見てみないと細かいところまで分からないの」
へ⁉︎愛してるってハッキリ言っちゃってますがそれはどういった感じの?幼馴染的な?そうですよね?そうであってほしい。ちょっと戸惑ったけどそれは置いといて。
「この術は解けるのですか?」
「かけた本人が死んでしまっているから解除方法が分からないの。でも絶対に解除してみせるわ。だから、ね?」
「分かりました。術を解いてもらえるのなら私も協力します」
私はスカーフを取ってシャーロットさんに向き直る。
「......我が馬鹿親ながら中々のものね。人間の原型ギリギリってとこかしら」
「おい!何だ?その言い方!俺達はアミーをそんな風に思った事なんて無いぞ?反対にこんな綺麗な心を持っている人間を見た事ない!」
ルカさんが激怒してる。
いや、シャーロットさんの意見が普通だよ。きっと。
「はい。はい。ルカっていったかしら?今はあなたの気持ちや意見を聞いてる時ではないのよ。少し黙って」
「な、なんだと⁉︎」
今にもシャーロットさんに掴みかかりそうなルカさんをダンさんが止めた。
「なぁ?ルカ、今頼れるのはシャーロットさんしかいないんだ。もう少し協力的になれないか?」
「この女が嘘をついていたら?アミーが傷つくだろう?そんなの俺は嫌だ!」
「アミーの為にもシャーロットさんを信じてみないか?話は全て辻褄が合ってるよ?な?でも怪しい素振りを見せたその時は容赦しない、でいいかな?シャーロットさん」
ダンさんがシャーロットさんを見た。
「ええ。いいわよ。じゃあ、夕食を食べたら一緒に宿に......」
「いや、お前さんもここの2階においで。アミーはあたしと寝るから今までアミーが使っていた部屋を使うといいよ。そしてアミーの術を解いてやってくれないかい?」
「それはいいですけど私、アイラと同じ部屋で......」
「「「それは駄目だ。アミーの身に危険を感じる」」」
3人一緒にハモった。
私の危険って。
「え⁉︎嫌だわ。何を想像していますの?」
「お前が想像してる事だよ!この変態女!」
ルカさんが怒鳴る。
変態女......。
『変態その2め!』
ん?今、何か頭を男の人の声がした様な気がしたけど......?
今日は色々あって疲れているんだよね。
いっぺんに情報が頭に入ってきて。
でも、やっぱり私はシャーロットさんが教えてくれた話を信じる事が出来ずにいる。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
前世を思い出したので、最愛の夫に会いに行きます!
お好み焼き
恋愛
ずっと辛かった。幼き頃から努力を重ね、ずっとお慕いしていたアーカイム様の婚約者になった後も、アーカイム様はわたくしの従姉妹のマーガレットしか見ていなかったから。だから精霊王様に頼んだ。アーカイム様をお慕いするわたくしを全て消して下さい、と。
……。
…………。
「レオくぅーん!いま会いに行きます!」
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる