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第二章:旅立
第25話:護衛
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「僕らと同じ……転生……者……だって?」
「はい」
悪意の欠片も見られない笑顔だが、アーメット村の出来事が尾を引いているからか、どうにも素直な感覚で彼女――クリスとやらを見る事が出来ない。
「うそ、まさか? …………さま……?」
「どうした? シーナ」
最初にクリスを見た時から少し様子がおかしかった気はしたが、今はあからさまに不審な様子のシーナ。
「クリス……姫様?」
「……は?」
そんな彼女の何気無い呟きは、ユートに新たな驚愕を与えていた。
「はい。クリス・ティア・フォルディア。フォルディア王国の第二王女です」
御歳にして一二歳になるから、ユート達と同じくで王立学院に通う筈。
学院は貴族家や王家など嫡子は免除されるのだが、それ以外では王族や貴族や庶人の身分には関係無く、入学する事が義務付けられていたりする。
従って王女様であれど、第二王女クリス・ティア・フォルディアは、王立学院に入学するべく準備も進めている筈だった。
そんなお姫様がこの辺境――アーメット村なんていう寒村くらいしか人里が無い場所に居るのか?
「そもそも、お姫様は」
「あ、クリスと呼んで下さって結構ですよ」
「は? けど……」
「私は貴方のパーティに入りたくて、アーメット村にまで迎えに行ったんです」
「僕のパーティ?」
「きっと冒険者になりますよね?」
「えっと……」
「お父様の跡を継がないのでしょうか?」
「いや、継ぐ継がないの話なのか? 冒険者って」
ユートも話が急過ぎて、どうにも混乱気味だ。
「まあ、ゆっくり話しましょう。私達は出逢ったばかりなのですし。馬車に乗りませんか? 辻馬車を使うより快適ですよ」
確かにお姫様が乗っている馬車なら、普通の馬車よりは快適に走る様な造りであろうし、余計な客が乗っていないからそこら辺も含めて快適だろう。
「お言葉に甘えるけど……お姫様なのに護衛とかは居ないのか?」
国を継ぐ程ではないにしても王族、ならば普通だと護衛の一人や二人は付いていそうなもの。
「居ますよ。馭者をしているスケさんと、先の街へと偵察に出ているカクさん」
「す、すけさんにかくさんって……」
貴女は前の中納言か? と叫びたい。
転生者なら確かにそんな知識も有るのだろう。
「スケさんは見ての通りに女性騎士。そしてカクさんは男性騎士ですよ」
「エリシア・リーム・スケイルです。スケイル子爵家の三女に当たりますね……宜しくお願いします」
女性騎士が名乗る。
「あ、ユートです」
「シーナです」
それに名乗り返す二人。
「にしても、エリシア・リーム・スケイルって事は、ファミリーネームがスケイルだからスケさん?」
「そうですよ」
「普通、ソコは個人名の方じゃないかな?」
「スケ何とかさんとか何とかスケさんとか居なかったんです。ギリギリで彼女のファミリーネームがスケイルだったくらいで」
「というか、何でそれに拘っちゃった訳?」
「何と無く……ですね」
諸国漫遊という訳でも無かったが、クリスは謂わばアホ貴族の矯正を行っていた為に、自然とスケさんとカクさんを捜したのだ。
「因みに、スケさんは単純なレベルだけでも60を越えています」
「60!?」
「82になっています」
「そうでしたか」
レベル的にはサリュートの半分にも満たないけど、これはある意味で仕方がないとも云えた。
彼女は飽く迄も騎士。
まさか勝手気儘に魔物の退治には出掛けられない。
サリュートなら依頼を受けて様々な魔物を討つし、下手をすれば伝説クラスの魔物にも出会う。
そんなのを討伐すれば、自然と経験値が高くなるからレベルも上昇し、今現在のレベル:186なんていうとんでもない数値にだって成ってしまう。
ユートのレベルも年齢を鑑みれば、22と割かし高めにも成っているのだが、スケさんやサリュートに比べてしまうとやはり子供。
一応、レベル20越えはヒト種族のみならず魔物でさえも、一種の分水嶺だと云われている程である為、これを越えるのが難しくなっているのは確か。
既にレベル20を越えたユートは、一端の冒険者と呼ばれても良いくらいだ。
単純にレベルだけなら。
スケさんとやらは年齢的に三〇はいってないから、それなりに戦っているとは思われるが、問題はレベルと無関係な部分だろう。
レベルレベルと云うが、レベルは飽く迄も目安。
このレベルならこれだけ強い――程度のもの。
事実として目安的にならレベルも200がSランクなのに、サリュートの場合は170を越えた辺りから既にS昇格が囁かれた。
十代後半から二十代前半までにどれだけレベルアップを図れるか、どんな魔物や人間を討ってきたかなども昇格の目安だからだ。
一五歳の成人から正式な冒険者となり、二五歳までの十年間が正にランク昇格に視られるのである。
無論、それ以降も重要な情報足り得るのだが……
尚、これは霊人属に限っての話であって他の種族はまた別となる。
「カクさんとやらは?」
「確か……98でしたね。もうすぐ大台に乗ります」
「騎士ですから魔物退治をするのも仕事。レベルだって上がるんですよ」
「ん? スケさんカクさんってクリスの専属護衛とかじゃないのか?」
まるで護衛を外れて任務に就いてるみたいだ。
「一応、専属です。だけど強い魔物が現れたら兵士では話になりません。騎士の中でも上位な二人が出るのは仕方がないでしょうね」
勝手気侭には無理だが、騎士の仕事として魔物討伐は殺っていた。
特に魔王が出現してしまったら大事になる。
魔物が進化をした果てが即ち魔王だというのなら、進化をし切る前に討滅してしまえば良い。
そう、魔王の出現は早い話が各国の魔物間引き怠慢の証しでもあり、魔王が現れるのは怠慢をしていたという恥晒しでもあった。
「なぁ、クリス?」
「何ですか?」
「スケさんって二十歳は過ぎてるよな?」
「女性の年齢は訊くものじゃありませんよ」
「いや、貴族なんだろ? 結婚とかしなくて大丈夫なのか? 三女とはいっても政略的なあれこれが……」
「……婚約はしてますよ」
「――へ?」
お姫様の専属騎士なら、出逢いは少なそうだ。
だから嫁き遅れるのでは……とも思ったユートではあるが、クリスからは意外な答えが返ってくる。
「珍しくも恋愛結婚……はまだですけど、カクさんとデキちゃいまして」
「職場結婚……か」
然もありなん。
スケさんは可成りの美女であるし、カクさんだって貴族なら美男の可能性大。
同じ独身で職場が同じ、ならば自然と良い所も悪い所も見えてくるだろうし、惹かれ合う事も有り得ない話ではない。
「ユートさん」
「――?」
「今みたいな不躾な質問、他所でやっちゃダメですからね?」
「お、応……」
流石にユートも、ジト目なクリスにちょっと引きながら答えたと云う。
「因みにスケさんは二四歳ですよ」
「ぶふっ!」
「ちょっ、姫様!?」
クリスの言葉に噴き出すユートと、年齢をバラされて叫ぶスケさん。
とはいえ、生前のユートの年齢を鑑みれば若い。
多分、並べばカップルに見えてもおかしくない程度には……言い過ぎか?
スケさんくらい美女で、フツメンなユートでは釣り合い的に。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ガタガタと音を響かせ、馬車は街道らしきを進む。
魔素から湧出する魔物は街道にはそうも出ないし、平和な感じで次の街を目指して走らせていた。
辻馬車にはお金が少なからず掛かるし、無料で乗せて貰えたのはラッキー。
シーナが曰く、確か次の街まで行くのに銀貨にして五枚だった筈。
五〇アウルムは際立って高い訳でもなかったけど、謂わば庶人とか平民と呼ばれる一般階層にはちょっと痛い価格設定だ。
「そう言えばクリスって、お姫様なのよね……」
「そうですけど、余り強調されたり利用されたりとか面白くありませんよ?」
釘を刺してくるクリスではあるが、シーナとしては少し大事な部分である。
「利用とか思ってないよ。だけど王族……後ろ楯には充分な感じかなって」
「はぁ、後ろ楯ですか? それはいったい誰の?」
クリスは疑問に思うが、シーナの言葉にユートの方は反応をしていた。
そう、錬金術や魔導具や魔導薬や魔導器造りには、大きな後ろ楯がないと難しいと話し合ったから。
「シーナ、ひょっとして」
「うん、クリスなら上手く後ろ楯になって貰えるかも知れないよ」
「それは……」
当たり前だが王族というのは貴族の元締めであり、こういう世界に於いてなら絶大なる権力者。
しかも同い年なクリス、後ろ楯というか国王を動かして貰うには、可成り都合が良い存在であろう。
「ああ、何かしらあるんですか? 利用されるのとかは嫌ですけど、パーティに入れて貰いたい都合上とかあるので、少しくらいなら頑張らせて貰いますが?」
こそこそ耳打ちとかで話を始めた二人を見つめて、ジト目になりながら妥協案として言ってみる。
「実はユートって変わった技術を持っていて……」
「変わった技術ですか? それはいったいどんな?」
「錬金術」
「――へ? れんきん……じゅつ……ですか?」
呆けるクリスに対して、真面目に頷いた。
「はい」
悪意の欠片も見られない笑顔だが、アーメット村の出来事が尾を引いているからか、どうにも素直な感覚で彼女――クリスとやらを見る事が出来ない。
「うそ、まさか? …………さま……?」
「どうした? シーナ」
最初にクリスを見た時から少し様子がおかしかった気はしたが、今はあからさまに不審な様子のシーナ。
「クリス……姫様?」
「……は?」
そんな彼女の何気無い呟きは、ユートに新たな驚愕を与えていた。
「はい。クリス・ティア・フォルディア。フォルディア王国の第二王女です」
御歳にして一二歳になるから、ユート達と同じくで王立学院に通う筈。
学院は貴族家や王家など嫡子は免除されるのだが、それ以外では王族や貴族や庶人の身分には関係無く、入学する事が義務付けられていたりする。
従って王女様であれど、第二王女クリス・ティア・フォルディアは、王立学院に入学するべく準備も進めている筈だった。
そんなお姫様がこの辺境――アーメット村なんていう寒村くらいしか人里が無い場所に居るのか?
「そもそも、お姫様は」
「あ、クリスと呼んで下さって結構ですよ」
「は? けど……」
「私は貴方のパーティに入りたくて、アーメット村にまで迎えに行ったんです」
「僕のパーティ?」
「きっと冒険者になりますよね?」
「えっと……」
「お父様の跡を継がないのでしょうか?」
「いや、継ぐ継がないの話なのか? 冒険者って」
ユートも話が急過ぎて、どうにも混乱気味だ。
「まあ、ゆっくり話しましょう。私達は出逢ったばかりなのですし。馬車に乗りませんか? 辻馬車を使うより快適ですよ」
確かにお姫様が乗っている馬車なら、普通の馬車よりは快適に走る様な造りであろうし、余計な客が乗っていないからそこら辺も含めて快適だろう。
「お言葉に甘えるけど……お姫様なのに護衛とかは居ないのか?」
国を継ぐ程ではないにしても王族、ならば普通だと護衛の一人や二人は付いていそうなもの。
「居ますよ。馭者をしているスケさんと、先の街へと偵察に出ているカクさん」
「す、すけさんにかくさんって……」
貴女は前の中納言か? と叫びたい。
転生者なら確かにそんな知識も有るのだろう。
「スケさんは見ての通りに女性騎士。そしてカクさんは男性騎士ですよ」
「エリシア・リーム・スケイルです。スケイル子爵家の三女に当たりますね……宜しくお願いします」
女性騎士が名乗る。
「あ、ユートです」
「シーナです」
それに名乗り返す二人。
「にしても、エリシア・リーム・スケイルって事は、ファミリーネームがスケイルだからスケさん?」
「そうですよ」
「普通、ソコは個人名の方じゃないかな?」
「スケ何とかさんとか何とかスケさんとか居なかったんです。ギリギリで彼女のファミリーネームがスケイルだったくらいで」
「というか、何でそれに拘っちゃった訳?」
「何と無く……ですね」
諸国漫遊という訳でも無かったが、クリスは謂わばアホ貴族の矯正を行っていた為に、自然とスケさんとカクさんを捜したのだ。
「因みに、スケさんは単純なレベルだけでも60を越えています」
「60!?」
「82になっています」
「そうでしたか」
レベル的にはサリュートの半分にも満たないけど、これはある意味で仕方がないとも云えた。
彼女は飽く迄も騎士。
まさか勝手気儘に魔物の退治には出掛けられない。
サリュートなら依頼を受けて様々な魔物を討つし、下手をすれば伝説クラスの魔物にも出会う。
そんなのを討伐すれば、自然と経験値が高くなるからレベルも上昇し、今現在のレベル:186なんていうとんでもない数値にだって成ってしまう。
ユートのレベルも年齢を鑑みれば、22と割かし高めにも成っているのだが、スケさんやサリュートに比べてしまうとやはり子供。
一応、レベル20越えはヒト種族のみならず魔物でさえも、一種の分水嶺だと云われている程である為、これを越えるのが難しくなっているのは確か。
既にレベル20を越えたユートは、一端の冒険者と呼ばれても良いくらいだ。
単純にレベルだけなら。
スケさんとやらは年齢的に三〇はいってないから、それなりに戦っているとは思われるが、問題はレベルと無関係な部分だろう。
レベルレベルと云うが、レベルは飽く迄も目安。
このレベルならこれだけ強い――程度のもの。
事実として目安的にならレベルも200がSランクなのに、サリュートの場合は170を越えた辺りから既にS昇格が囁かれた。
十代後半から二十代前半までにどれだけレベルアップを図れるか、どんな魔物や人間を討ってきたかなども昇格の目安だからだ。
一五歳の成人から正式な冒険者となり、二五歳までの十年間が正にランク昇格に視られるのである。
無論、それ以降も重要な情報足り得るのだが……
尚、これは霊人属に限っての話であって他の種族はまた別となる。
「カクさんとやらは?」
「確か……98でしたね。もうすぐ大台に乗ります」
「騎士ですから魔物退治をするのも仕事。レベルだって上がるんですよ」
「ん? スケさんカクさんってクリスの専属護衛とかじゃないのか?」
まるで護衛を外れて任務に就いてるみたいだ。
「一応、専属です。だけど強い魔物が現れたら兵士では話になりません。騎士の中でも上位な二人が出るのは仕方がないでしょうね」
勝手気侭には無理だが、騎士の仕事として魔物討伐は殺っていた。
特に魔王が出現してしまったら大事になる。
魔物が進化をした果てが即ち魔王だというのなら、進化をし切る前に討滅してしまえば良い。
そう、魔王の出現は早い話が各国の魔物間引き怠慢の証しでもあり、魔王が現れるのは怠慢をしていたという恥晒しでもあった。
「なぁ、クリス?」
「何ですか?」
「スケさんって二十歳は過ぎてるよな?」
「女性の年齢は訊くものじゃありませんよ」
「いや、貴族なんだろ? 結婚とかしなくて大丈夫なのか? 三女とはいっても政略的なあれこれが……」
「……婚約はしてますよ」
「――へ?」
お姫様の専属騎士なら、出逢いは少なそうだ。
だから嫁き遅れるのでは……とも思ったユートではあるが、クリスからは意外な答えが返ってくる。
「珍しくも恋愛結婚……はまだですけど、カクさんとデキちゃいまして」
「職場結婚……か」
然もありなん。
スケさんは可成りの美女であるし、カクさんだって貴族なら美男の可能性大。
同じ独身で職場が同じ、ならば自然と良い所も悪い所も見えてくるだろうし、惹かれ合う事も有り得ない話ではない。
「ユートさん」
「――?」
「今みたいな不躾な質問、他所でやっちゃダメですからね?」
「お、応……」
流石にユートも、ジト目なクリスにちょっと引きながら答えたと云う。
「因みにスケさんは二四歳ですよ」
「ぶふっ!」
「ちょっ、姫様!?」
クリスの言葉に噴き出すユートと、年齢をバラされて叫ぶスケさん。
とはいえ、生前のユートの年齢を鑑みれば若い。
多分、並べばカップルに見えてもおかしくない程度には……言い過ぎか?
スケさんくらい美女で、フツメンなユートでは釣り合い的に。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ガタガタと音を響かせ、馬車は街道らしきを進む。
魔素から湧出する魔物は街道にはそうも出ないし、平和な感じで次の街を目指して走らせていた。
辻馬車にはお金が少なからず掛かるし、無料で乗せて貰えたのはラッキー。
シーナが曰く、確か次の街まで行くのに銀貨にして五枚だった筈。
五〇アウルムは際立って高い訳でもなかったけど、謂わば庶人とか平民と呼ばれる一般階層にはちょっと痛い価格設定だ。
「そう言えばクリスって、お姫様なのよね……」
「そうですけど、余り強調されたり利用されたりとか面白くありませんよ?」
釘を刺してくるクリスではあるが、シーナとしては少し大事な部分である。
「利用とか思ってないよ。だけど王族……後ろ楯には充分な感じかなって」
「はぁ、後ろ楯ですか? それはいったい誰の?」
クリスは疑問に思うが、シーナの言葉にユートの方は反応をしていた。
そう、錬金術や魔導具や魔導薬や魔導器造りには、大きな後ろ楯がないと難しいと話し合ったから。
「シーナ、ひょっとして」
「うん、クリスなら上手く後ろ楯になって貰えるかも知れないよ」
「それは……」
当たり前だが王族というのは貴族の元締めであり、こういう世界に於いてなら絶大なる権力者。
しかも同い年なクリス、後ろ楯というか国王を動かして貰うには、可成り都合が良い存在であろう。
「ああ、何かしらあるんですか? 利用されるのとかは嫌ですけど、パーティに入れて貰いたい都合上とかあるので、少しくらいなら頑張らせて貰いますが?」
こそこそ耳打ちとかで話を始めた二人を見つめて、ジト目になりながら妥協案として言ってみる。
「実はユートって変わった技術を持っていて……」
「変わった技術ですか? それはいったいどんな?」
「錬金術」
「――へ? れんきん……じゅつ……ですか?」
呆けるクリスに対して、真面目に頷いた。
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