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第二部 ~アルポート王国独立編~

タイイケンの反論

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 玉座の間の中央で、モンテニ王国の宰相ケンソン・セイソンとアルポート王国大将軍タイイケン・シンギが真っ向から対立して立っていた。

 タイイケンはその巨躯の全身から威圧を放ち、亀のように縮こまるケンソンを見下し続けている。

 ケンソンの一族はケンソンの希望により既に他の客室に移動させられていた。

 だが、今ケンソンは孤立無援。いつ目の前の大男に斬り殺されるかわからないという緊張の糸が、命の緒と繋がって張り詰めている。

 諸侯たちも失意と困惑の色を見せながら小人と大丈夫を交互に見ていた。

「まず始めに、モンテニの2万の兵力とアルポートの3万5000の兵力で同盟を組むという話だ。それを合わせれば5万5000の兵力になり、覇王の11万の軍と互角に渡り合えると貴様は言っていたな? だがそれは全くの出鱈目だ。モンテニの兵力2万がアルポートに加わったところで、覇王の軍には勝てない」

 タイイケンの断言に臣下たちはどよめく。先程の勝戦の雰囲気が今では敗戦の雰囲気に成り代わろうとしていた。

「そ、そんなはずはない! 兵法の基本的概念に則れば、敵の総戦力の半分である5万5000の兵力があれば、アルポート王国の城は守ることが可能になるはずです!」

「馬鹿がッ! 貴様は机上の数字などという実態もないものを当てにしているのかッ! 貴様はアルポートと同盟を組んだ後、山猿の兵隊どもをどうするつもりだ!?」

 タイイケンの有無を言わさぬ詰問にケンソンは怯む。だが、ここで引き下がるわけには行かない。この同盟はモンテニ王国の命運もかかっているのだから。

「も、もちろん我々もアルポート王国で城の防衛をするつもりです。我々の軍隊もアルポート王国の城守に就き、覇王の襲来に備えるつもりです。

 もしや貴公は我々が信用ならないのでしょうか? 我々の軍が内側からアルポート王国を攻め滅ぼすのではないかと懸念しているのでございましょうか?

 それなら杞憂でございます。我々は決してアルポート王国を乗っ取ろうなどという邪念はなく、その信頼の証として、私たち一族を人質として差し出そうと――」

「馬鹿者がッ! 貴様らの信頼以前の問題だッ!! 貴様らの兵など木偶の坊の集まりに過ぎんッ!!」

 そのモンテニ王国の威信に抵触してしまうほどの罵倒にケンソンは身をたじろがせる。目の前の男は傍若無人であり、もはや何を言っても怒鳴りつけられる。だがケンソンは負けじと反論した。

「そ、そんなことはないッ! 我々の兵も常日頃鍛錬を行っている精強な強者たちだ。現に覇王のモンテニ王国への幾度にも渡る侵略戦では、ほとんど犠牲者を出さず覇王を追い払うことができている。我々の守りは鉄壁であり、覇王にモンテニ王国の城塞まで攻められたことすらない!」

「それだッ! 貴様らは山に引き篭もっていたから城の防衛戦の経験など殆どない。つまりアルポート城の防衛戦にも全く役に立たないということだッ! 貴様らが覇王に勝てたのは貴様自身らが強いからではない。貴様らの土地が強かっただけだ!」

 タイイケンの歯に衣着せぬ豪語に、ケンソンは怖気づく。自信満々だった山守王の同盟戦略にもヒビが入り始めている。

「で、ですが、それはアルポート王国で兵の訓練を積めばいいのです! アルポート王国の城守の戦略を学び、アルポート兵と肩を並べられるだけ強くなる。覇王との決戦に備え、我々も城の守りの鍛錬を――」

「そんな暇があるかッ! アルポート王国が貴様らと同盟を結ぶということは、覇王に宣戦布告することと同じだぞッ! 明日にでも覇王はアルポート王国に向けて大軍を遠征してくるぞッ! そうなったらアルポート王国は、穀を潰すだけの足手まとい2万の兵を抱えながら戦わねばならんのだぞッ!

 そんな役立たずの兵をアルポートに置くぐらいなら、貴様ら全員皆殺しにした方がマシだッ!」

 タイイケンの殺気立った失言に諸侯たちにもざわめきが宿る。顔を見合わせ、この同盟にはっきりと疑問を持ち始めている。モンテニ王国の兵が役に立たないとなると、それはアルポート兵3万5000で覇王の大軍と戦うのと同じだ。結局戦況が全く変わらないということである。

「し、しかし我々にはまだモンテニ王国の3万の軍が残っているっ! 覇王が大軍でアルポート王国を攻めている隙にボヘミティリア王国を攻めれば、覇王は補給のできない野盗の軍となる。そうなれば覇王の軍は弱体化し、アルポート王国を攻略することも困難になるはずです!」

「貴様は地図の距離の計算もできないのか! モンテニ王国からボヘミティリア王国の遠征には8日間、アルポート王国からボヘミティリア王国への遠征は5日間かかる。つまりアルポート王国を攻めている覇王のほうが、貴様らの軍より3日速くボヘミティリア王国へ帰れるということだ。貴様らの遠征を覇王の早馬が伝令する1日間の時間差を考慮したとしても、覇王は貴様らより2日間早く帰れることになる。

 アルポート王国からボヘミティリア王国へ転進した覇王の屈強な大軍が、3万の兵力しか持たない貴様ら弱卒と戦ってみろ! 一瞬で貴様らは全滅するぞッ! 覇王の城を攻城するためにのこのこやって来た地の利もない貴様らが、陸地戦最強の覇王の大軍と戦えば成すすべもなく返り討ちにされるのがオチだ! 貴様らの城攻めの奇襲など、ただの自殺行為でしかないということだッ!」

 タイイケンの論破にケンソンは「......ぐぬぅ」と言って唸る。山芋に垂れた顔の皺が渋面を作って更に大きくなる。

「何がぐぬぅだッ! 貴様はこんな戦局すら読めずに覇王と戦いを挑もうとしていたのかッ!? ついでにもう一つ質問してやる! 貴様は覇王の城を攻め落としたら、そのまま城を守り続けて覇王が自滅するのを待つといったな? なら聞くが、貴様らはどうやって攻略した後のボヘミティリア城を、覇王の軍勢から守ろうとしていたのだ?」

「そ、それはもちろん、攻略したボヘミティリア王国に兵を駐屯させて......」

「貴様は阿呆かッ! モンテニから3万しか兵力を出さぬということは、ボヘミティリア城にも3万の兵力しか置けぬということだッ! そんな弱小な軍隊しか持たぬ、しかも素性もよくわかっていない敵の城に、覇王の大軍が戻ってきたらどうする!? 覇王は当然根城であるボヘミティリア王国の防備についても熟知しており、そしてその弱点についても見抜いている。。安々とまた覇王の手にボヘミティリア王国が落ちるぞッ!

 それにモンテニから3万の兵を出すということは、モンテニはもぬけの空になるということだ。覇王はボヘミティリアを無視してモンテニを攻めるやもしれない。そうなればモンテニは何も抵抗できず覇王の手に落ちることになるぞッ!」

 ケンソンがわなわなとたじろぎながらタイイケンの獰猛な瞳を見上げ続ける。それはまるで今自分の前に覇王が迫っているかのような恐怖だった。

「モ、モンテニ王国が、覇王の手に落ちるっ!?」

「ああそうだ。貴様らが50年間引き篭もっていた巣穴がなくなるということだ。それからもう一つ付け加えて言ってやろう。例え5万の兵力があるモンテニ王国といえど、絶対的な鉄壁の守りがあるというわけではない。貴様らは地の利の上に胡座をかいて、平和ボケしているようだから忠告しておいてやる。アルポート王国にとってもモンテニ王国の存亡は他人事ではないからな」

 タイイケンの絵空事とは思えぬ脅迫に、ケンソンは身震いする。今まで自分の国が滅ぶことなど考えたこともなかったのだ。

「俺とて山守王がここまでボンクラでなければこんな忠告などしない。俺も山守王が絶対的な城守の名君だと思って買いかぶり過ぎていた。山守王が城を守るのが上手いのではなく、単に今まで誰も攻めてこなかっただけだ。貴様ら自慢の3つの関門など砂上の楼閣に過ぎん。それを今から説明してやる」

 タイイケンの山守王の罵りに、弟のケンソンは反駁することすらできない。覇王によって自分の故郷がなくなることで頭がいっぱいだった。

「まず第一関門の山脈についてだ。これは森林が密集した険しい山道だ。だがそれはつまり、火で焼かれれば一瞬で山脈全体に燃え広がるという弱点を持つことになる。そうなれば山脈は障害物のないただの丘になり、そんな禿山に軍を分散させる必要はなくなる。覇王は真正面からモンテニ王国に向かって軍を行進できるようになるということだ。

 次に第二関門の湖についてだ。貴様らはこの湖上の回流を自慢にしているが、果たして湖の深さはどれくらいある? 先程焼いた禿山の土や灰でそこを埋め立てられたとしたら、立派な陸地の出来上がりだ。そうなれば覇王は苦手な水上戦などせずとも真っ直ぐに軍隊を進めることができる。そして貴様らモンテニ王国には覇王の大軍が雪崩込むことになるということだ。

 そして最後の第三関門の岬からの岩攻めについてだ。この岩攻めに対しては実際に対抗できる兵器がある。それは人の背丈の2倍ほどある横幅に広い大盾を、複数人の兵士が全員で構えて岩を防ぐ”岩流しの盾”と呼ばれるものだ。

 この”岩流しの盾”はまず半円上の横長の鉄の大盾を2つ用意し、さらにその盾の間に羽毛などの緩衝材を挟んで、それら3つを鎖で巻きつけて1つの盾とした防御兵器だ。この球体による丸みと羽毛による緩衝作用によって、転がる岩の威力を極限まで落とし、左右に岩を受け流すことができる。

 その大盾部隊を岬の前衛に立たせ、その後衛の攻城部隊を守りながら前進する。これによって城門まで兵を進ませることができ、モンテニ城を真正面から攻略することが可能になるということだ。

 貴様ら山猿はずっと城に引き篭もっていたからわからんだろうが、貴様らの関門を突破する手立てなど、このアーシュマハ大陸ではいくらでも転がっているということだ。戦の天才の覇王ならとっくに、これぐらいの戦略など思いついているだろう」

 タイイケンのモンテニ王国攻略の方法を聞かされ、ケンソンは膝が崩れ落ちそうなほどガクガクと足を震わせていた。

「そ、そんな戦術があったとは......」

 ケンソンは驚きと恐怖を抱きながら、モンテニ王国の落城の瞬間を夢想する。その安全神話が破壊され、今からでも2万の軍を引き返したい気持ちになっている。

 諸侯たちもモンテニ王国が完全な鉄壁ではないことを知り、意気消沈していた。

「さあ、亀芋。これで貴様もこの同盟が如何に無意味で自分の国が危険なのかわかっただろう。それがわかったら、さっさと山猿の軍を連れてアルポート王国から失せろッ! おいっ! そこの親殺しッ!」

 タイイケンがもはやケンソンの存在などなくなったかのように無視して、ユーグリッドに振り返る。

「以上がこの俺のアルポート・モンテニ同盟に対する反対意見だ。この俺の話を聞いてもなお、山守の阿呆王と同盟を組みたいのなら好きにしろ。俺の首を刎ねたって構わん。

 だがその時は、アルポートもモンテニも覇王に侵略され、仲良く心中するものだと覚えておけッ!!」

 タイイケンの大喝が玉座の間にこだまする。

 誰もタイイケンの意見に逆らえない。

 ユーグリッド自身も項垂れており、この同盟への希望を失っている。

「......タイイケン、済まない。先程はお主に向かって剣など抜こうとして。お主の言う通り俺はキョウナンのことで少し焦っていた。この非礼は例え王であっても、侘びても侘びきれぬものだ。本当に済まない......」

 ユーグリッドはタイイケンに心の底から深謝する。大切な家臣を殺そうとした自分の愚かさが、やっと今になって身に沁みて分からせられたのだ。

 だがその王が誠実に謝る態度にも、タイイケンはそっぽを向いて皮肉を言う。

「フン、貴様が本気で俺に侘びたいのなら、覇王の首でも持ってこい。俺は貴様にそれしか期待しとらんのだからな」

 ユーグリッドは沈黙する。それはタイイケンの本音であり、ユーグリッドの望みであった。だがそれを覇王に悟られるわけにはいかない。ユーグリッドは元通り、覇王に媚びを売る属国の王となった。

「......というわけです、ケンソン殿。我々があなた方と同盟を組んでも覇王は倒せない。この同盟の件はなかったことにさせていただきます」

 ユーグリッドは静やかにケンソンに交渉の無効を宣言する。

「で、ですがユーグリッド王。我々も命がけで、この同盟を結びに遠路遥々......」

「お帰りください! あなた方は今2万の軍の引き連れてこのアルポート王国の国境を超えています! 3時間内にこの地より軍を撤退させなかった場合、我々はあなた方を侵略者と見なし攻撃を開始します!」

 ケンソンはその王の最後通牒を聞かされしばらく黙っていたが、やがてすごすごと首を俯けながら謁見間から出ていってしまった。

 玉座の間は早朝の秋空のように寒々しい沈静を迎えていた。

 諸侯たちは膝を折り、王への無礼も気にせず脱力する。もはやまた、覇王の属国としての地位を甘んじるしかなかったのだ。

 そうして、アルポート王国の臣下たちにはまた王への離心が起こり始めていたのである。
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