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第二部 ~アルポート王国独立編~

デンガハクの警告

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 10月に入ってから1週間が経ったその日、アルポート王国の全国民に激震が走っていた。アルポート王国の東の城壁で警備をする兵士たちの眼前には今、覇王のボヘミティリア王国よりやって来た5000にも上る軍隊が映っている。

 その軍陣は防柵を前方に立て、部隊を何重にも渡って整列させ、そして投石機や連弩れんどといった兵器も後陣で備えられている。その物々しい光景はまさにこれから戦が始まろうとしているのだと誰もが予想できるものだった。

 今、覇王の軍はまだ動いていない。だがいついかなる時にその猛虎の大群が放たれるのかは一触即発の状況である。

 城壁の番兵たちは瞬きする暇もなく、覇王の軍勢を見張り続けていたのである。


 そしてここはアルポート王国国内の玉座の間。その王が鎮座する神聖な場も、今まさに血で汚されようとしていた。その謁見間の中央に立つ男の名はデンガハク。覇王デンガダイの次弟であり”三剣のデンガハク”の異名を持つ万夫不当の猛将である。

 デンガハクは今武装した30人の部下たちと共に王の間の絨毯を踏み荒らし、帯剣したアルポート王国の諸侯たちによって取り囲まれている。

「何用ですかッ、デンガハク殿!? かように軍を率いて我々のアルポート王国に来訪してくるとは! 例え我々があなた方の属国といえど、これは少々度が過ぎた越境行為ではありませぬか!?」

 中央に立つデンガハクに向かって、玉座に座るユーグリッドが叫ぶ。

 それに呼応するように臣下たちも一斉にデンガハクににじり寄る。

「まあ、そう慌てふためく必要はない。貴殿らは我々が戦争を仕掛けにきた思っているようだが、我々は別の用事があってこの国に来たのだ」

 殺伐とする謁見間の中、デンガハクは鷹揚に手を振り、取り乱す王を落ち着かせようとする。だがその口唇は小馬鹿にするかのように緩んでおり、その王を舐め切った態度に臣下たちはますます殺意を高めている。

「もっとも、今のところ我々が戦争を仕掛けないつもりであっても、心変わりして戦争を仕掛ける可能性は十分ある。俺であれば、こんな城5000の兵もあれば落とせる。戦争が起こるかはどうかは貴殿らの返答次第だ」

 その宣戦布告とも取れる言葉に、一斉に諸侯たちが剣を抜く。

 デンガハクの部下たちも抜剣し、デンガハクを守るように円状に立つ。

 玉座の間は今にも血に塗れようとしていた。

「やめよ皆の者ッ! 剣を収めよッ! ここは戦争をする場ではない! 談義を行う場だ! 引けッ! 引けッ! デンガハク殿から離れよ! これではデンガハク殿と話し合いができん!」

 王の命令に臣下たちは剣を収め、引き潮のように2つに分かれて引き下がる。だがその警戒の色は一切解かれていない。

 王の隣に立つ重鎮ソキンも、目に殺気を秘めてデンガハクを威圧していたのである。

「お前たちも剣を収めよ。俺はユーグリッド王の言う通り話をしに来たのだ。剣を収めて俺の後ろに並べ!」

 そのデンガハクの号令とともに部下たちは一斉に剣を収め、駆け足で素早く10人ずつの3つの隊に並ぶ。その統率の取れた動きは、やはりデンガハクの将としての器をうかがわせるものだった。

「さて、ユーグリッド王。とんだ茶番が入ったが、早速本題に入るとしよう。今日アルポート王国に来たのは我々が貴殿らに警告を行うためだ」

 デンガハクは王を射すくめるようにして睨む。その視線は絶対的なものであり、まるで蛇が蛙を服従させているような力の差があった。

「警告? 何でございましょう? 来年の1月の100万金両の上納にはまだ早いはずですが?」

 ユーグリッドは不可解そうな素振りで言う。

 だがその王の素知らぬ態度にデンガハクは声を荒げる。

「とぼけるなっ! 貴殿らとて我々が何故、軍隊を率いてアルポート王国へやって来たのかわかっているだろう!? 貴殿らは今、我々ボヘミティリア王国に攻め入ろうと画策している!」

 そのデンガハクの怒号に諸侯たち全員に緊張が走る。その諸侯たちの図星は己たちの希望であり、それをもぎ取られるということは国の滅亡を意味していた。

 だが焦る臣下たちとは対極的にユーグリッドは冷静だった。

「それはとんでもない誤解でございます。我々アルポート王国は覇王と戦う気など毛頭もありません。そもそもアルポート王国は3万の軍しか保有していないのに、11万の大軍を持つあなた方の国に攻めても勝てるはずがありません。

 そんな兵士たちや臣下たちの命を無駄にするような愚行は、俺には到底できません」

「フン、飽くまでシラを切るつもりか。とんだ狸山の大将だな」

 デンガハクは毒蛇のように王に毒づく。その蛇の牙は今、蛙の腹の中を裂きその腹黒いはらわたを探り出そうとしている。

「ならはっきり言ってやろう! 貴殿らは我々ボヘミティリア王国が、モンテニ王国への遠征で留守になっている所を攻めるつもりだろう!? そんな古典的な兵法を我々が気づいていないとでも思っていたかっ!

 我々は今モンテニ王国と戦争をしている。その勝利のためには我々覇王軍が大軍を遠征させなければならない。

 だが大軍を遠征させるということは、ボヘミティリア王国の守備兵力を空にするということだ。その城守の備えのない国であれば、アルポート王国3万の軍隊でもボヘミティリア王国を攻め落とすことができる。

 そう貴殿らは考えているのだろう!?」

 デンガハクはユーグリッドに力強く指を差し指摘する。

 敵のその看破に臣下たちの心臓の早鐘が止まらない。

 だがユーグリッドは飽くまで悠長な口ぶりだった。

「一体何のことを言ってるのでしょう? 俺は武家の生まれですが、あいにく戦争に出たことはないので兵法のことはよくわかりません。

 あなた方は我々アルポート王国が攻めてくることを恐れているようですが、それなら戦争をもうお止めなさったらいかがでしょうか? 前にも提案させていただきましたが、ボヘミティリア王国とモンテニ王国で和平を結ぶのです。

 そうすればもう軍を遠征する必要もなくなるし、我々アルポート王国が攻めてくる心配もなくなります」

 ユーグリッドがのんびりと構えて提言する。

 だがデンガハクはその言葉を聞くと突然体を震わせて、拳を握りしめた。わなわなと極寒の中で毛皮を剥がされた熊のように、無防備にもその感情を露わにする。

「戦争を止めろだと!? そんなことができるものかッ!......レンが......レンが殺されたのだぞッ!」

 デンガハクは今にも泣き喚きそうな勢いで叫び散らす。そしてその激情の勢いのままに弟のデンガレンについて語り始めた。

「我々バウワー家の三男、デンガレンはとても純朴な男だった。子供の頃はいつも『兄上、兄上』と言って我々兄たちを追い駆け回していたのだ。成長して我々が戦場へ出征するようになった時も、いつも我々兄弟たちを気遣って最前線に出ることを望んでいた。

 その勇敢で、優しかったレンが、レンが、モンテニ王国との戦争の中で死んでしまったのだぞ! それも暗殺でだ! 奴らは卑劣にもレンが森の中で一人でいた所に暗殺者をけしかけたのだ!

 朝になって見つかった時には、もうレンの首さえなかった! だがレンの得物であった槍と身につけていた赤い鎧だけが確かにそこに残っていた! 俺は死体を見た時すぐにそれがレンだと気づいたのだ!

 俺は、俺たちは、弟の死に顔さえ見ることができなかったのだぞッ!!」

 デンガハクはまるで喘息を患ったかのように肩を上下させ呼吸する。その暗殺の心得があるのに暗殺に激昂する男は、己の私憤を憤懣ふんまんに曝け出していた。

 ユーグリッドは暴れ馬を落ち着かせるようにしてデンガハクを慰める。

「どうか落ち着いてください。戦争というものはそういうものです。戦争という場に立たされれば、例え兵卒であろうと、将であろうと、王であろうと、誰でも平等に死ぬ可能性が訪れるということです。

 戦って死ぬだけでなく、食料がなくて餓死することだってあるし、病気にかかって死ぬことだってある。いわば戦争とは人が起こす天災のようなものです。人間の力では到底止めることのできない厄災でございます。

 お気の毒だとは思いますが、デンガレン殿もその天災に巻き込まれてしまったのです」

「黙れぇッ!! 自分の保身のために父親を殺した貴様に何がわかるぅッ!? 天災などという言葉で、レンの死を認めることなどできるものかぁッ!!」

 悲劇の主人公のように叫ぶデンガハクの言葉に、流石にユーグリッドも頭に血が上ってしまう。その父を死に追いやった原因は、貴様ら覇王軍のせいだろうと言ってやりたくなる。だがユーグリッドは堪忍袋の緒を締め直して、冷静に対話を続ける。

「......話を戻しましょう。我々アルポート王国がボヘミティリア王国に攻めようとしている疑いがあるという話です。先程もいいましたが、それはデンガハク殿の誤解でございます。我々に覇王の軍に逆らおうなどという意志はございません」

 ユーグリッドは再度平伏した意思表示を見せる。

 デンガハクは荒々しい息を整えながら、その王の従順な態度を蛇が睨むように疑ってかかる。

「ハアハア......フン、相変わらずぬけぬけと言ってのけるものだな。だがユーグリッド王、貴殿のその間抜けを装った能面顔が演技であることは見抜いている。我々には貴殿らが反乱を起こそうとしている証拠を掴んでいるのだからな」

 デンガハクは感情の高ぶりを抑えながらズバリと宣言する。

 臣下たちは皆ひやひやとして王の仏顔を見守ることしかできない。

「証拠といいますと? それは、あなた方の思い過ごしではないのですか? 俺はアルポート王国の王として日々政務を全うしているだけです。何もやましいことなどございません」

「フン、いけしゃあしゃあと。ならばその理由を言ってやろう。まず1つ、貴殿はこの国の大将軍タイイケンの元で剣闘士のような真似事をして武術の訓練をしているそうだな。市井の噂だと毎日のように囚人と殺し合いをしているとか」

「ええ、そうでございますが。俺も武家の生まれの者。常日頃自分の武術の腕を磨きたいと考えております故。それが何か問題でも?」

 その殺伐とした稽古の実情とは裏腹に、飽くまで柔和な顔をユーグリッドは見せる。

 その気持ちの悪い微笑みにデンガハクは薄ら寒さすら感じていた。

「貴殿は我々覇王の属国となっても、逆らうつもりのない平和主義者を気取っているな。その平和に準じる男が何故、わざわざ自分の命を危険に晒してまで決闘などという野蛮な真似をしている?

 貴殿は近々戦争が起こることを予見し、そのための備えをしているのではないか?」

「国の政務と己の主義とは別個のものです。アルポート王国を治めるには平和を保つことが一番良い道ですから、平和な道を選んでいるのです。海城王である父も王として在任していた10年間、どこの国とも争わず平和を保ち続けていました。俺はそれに倣って今この国の統治をしているのです」

 デンガハクの追求をのらりくらりとかわしながらユーグリッドは答え続ける。

「そして同時に俺は武名高き海城王の息子です。父はかつて皇帝陛下の元で数多くの武功を上げてきました。俺はその父の武人として誉れ高い姿に憧れており、一歩でもその背中に近づきたいと考えているのです。

 ですが先程申し上げた通りアルポート王国は平和を目指す国。戦争がないので自分の腕を試す機会もありません。ですから実戦的な訓練を重んじるタイイケンの元に弟子入りし、本当の自分の実力を試しているのでございます」

「......父親を殺した貴殿が父親に憧れているだと? フン、何とも涙ぐましい巡り合わせであるな」

 デンガハクは王に嫌味を言う。

 だがユーグリッドはもはや父親のことでいびられることなど聞き慣れてしまっていた。

「ええ、これは父への贖罪でもあるのです。俺があの日あなた方がアルポート王国を取り囲んだ時、父を説得することができませんでした。もっと言葉を尽くせば、父も降伏を選んでくださっていたはずなのに、俺は冷静さを欠いて最悪の選択をしてしまったのです。

 だからこの国を父に代わって平和に治め、父の名誉に少しでも近づけるよう日々努力しているのです」

「......貴殿の話によると、やはり海城王は開戦を望んでいたというわけか。海城王自身は我々覇王軍に逆らおうとしていた。

 フン、だがまあいい。どうせ死人に力などない。海城王の一騎当千の武名など、もはや恐れるに足らぬ遺物だということだ。

 それに息子の貴殿一人がいくら鍛錬を積もうとも、覇王軍には足元にも及ばないだろうしな」

「ええ、俺が武芸を嗜んでいるのは覇王と戦うためではございません。己の自己満足のためです」

 ユーグリッドとデンガハクの柔と剛の会話が続く。二人の話者が持つ舌戦の剣は、互いにぶつからない距離で平行線を辿り続けている。デンガハクが剣を交えようとすれば、ユーグリッドはひらりとそれを躱す。火花など起こさぬようにと王は懸命に弁舌を振るい続けていた。

 刃が合わさらぬアルポートの王とボヘミティリアの使者は、なおもそのドス黒く濁った水面下で、喰うか喰われるかの鮫と稚魚の戦いを繰り広げていく。
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