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終章 この世界でも幸せに!

アップルパイの完成

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 「ただいま~!」
『魔法全集』を持った心温は、またもや元気な声を上げてリビングに行った。
手も、【ウォーター】を控えめにやって洗い済みだ。
「あらおかえり、心温ちゃん! アップルパイ出来てるわよ~」
ジュリエットの声に、心温は首を傾げる。
そんなに、商店街で悩んでいたかな? と。
「えっとあたし、どれくらいお出かけしてました?」
「一時間くらいね」
えええ!? そんなに悩んでたの!? と心温は思った。
この優柔不断、魔法でどうにかできないかな、とも思った。
「さあ、アップルパイを食べましょ」
「じゃなくて、この世界についていろいろ教えてくださいっ」
「あ、忘れてたわ」
ジュリエットは、アップルパイを運ぶ足を止めた。
説明してくれないと、この世界で暮らせません……、と心温は脳内でツッコんだ。
 「えっとまず質問ですが、人間が月に探索してきたとき見つからないんですか?」
心温は、アップルパイを手に取りながらそう聞いた。
「大丈夫よ。探索しに来るところは家無いし、居住区域に入れないように【バリア】張ってて入れないのよ~」
へー、入れないのかあ、と心温は意外な気持ちだった。
魔法で隠しているとかの答えを期待していたのだ。
 そう考えながら、心温はアップルパイを頬張る。
甘いリンゴとシナモンのアクセントが丁度良くておいしい、と心温は思った。
 食べ終わったら、あの本を開こう。
心温は、そう考えた。
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