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1章 聖女の意味を知らない国王についていく気はありませんので!
聖女の名において、この地を守る結界を張る
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「わかりました。二人で聖女を勤める件、謹んでお受けいたしますわ」
私は微笑んで答える。
エイミは、無言で頷いている。
陛下の顔が、どんどん明るくなった。
顔が明るくなるの、何回目かしら……?
「そうか! ありがたい‼ では早速、結界を張ってくれないか」
陛下はそう催促する。
それくらいわかってますよ……けれど、結界を張るのは多量の魔力がいるし、そこそこの時間がかかる。
エイミと私の二人だから、半減するかしら……?
「なるべく早く張れるようにします」
私はあまり大きくない声で言った。
「プーモア・ウッチーリー ラー ベニディクション・ションシー デ ヴェットモンズ」
これはたしか、生活魔法系統の呪文ね。きっと着替えの呪文だわ。
魔法を使えるという“光の加護”を使って生活に関わることをする……というもの。
私はそれによっての体力低下や怠け防止のために、一回も使ったことなかったけれど……。
着替えくらいなら使ってもいいかもね。
私の読みは当たったみたいで――エイミの体が光に包まれ、白いノースリーブワンピースから聖女のワンピースに変わっていた。
白銀の髪とベージュの皮の胸元の空いたワンピースは、エイミがとても偉大に見える……。
マントもあるから、さらに偉大に見える……。
じゃなくて、結界を張らなくちゃ。
私はそっと、隣に並んだエイミに目くばせする。
深呼吸してから、呪文を唱え始める。
「「オノジュサント・クリーンバッイェププディジセットテ」」
唱えると――清らかな風が流れ始めた。
何かしら……っ!?
この風に魔力を感じる!
ってことは、成功!?
凄い……一回の詠唱で成功することなんて、前例があるのかしら!?
私とエイミ、二人分の聖魔力ってすごいのね‼
「いやあ~、君たちはきっと最強聖女だよ~。なんなら今度、僕主催のパーティーにティラー伯爵家で来てほしいんだけど……どうかな?」
……えっ?
私は微笑んで答える。
エイミは、無言で頷いている。
陛下の顔が、どんどん明るくなった。
顔が明るくなるの、何回目かしら……?
「そうか! ありがたい‼ では早速、結界を張ってくれないか」
陛下はそう催促する。
それくらいわかってますよ……けれど、結界を張るのは多量の魔力がいるし、そこそこの時間がかかる。
エイミと私の二人だから、半減するかしら……?
「なるべく早く張れるようにします」
私はあまり大きくない声で言った。
「プーモア・ウッチーリー ラー ベニディクション・ションシー デ ヴェットモンズ」
これはたしか、生活魔法系統の呪文ね。きっと着替えの呪文だわ。
魔法を使えるという“光の加護”を使って生活に関わることをする……というもの。
私はそれによっての体力低下や怠け防止のために、一回も使ったことなかったけれど……。
着替えくらいなら使ってもいいかもね。
私の読みは当たったみたいで――エイミの体が光に包まれ、白いノースリーブワンピースから聖女のワンピースに変わっていた。
白銀の髪とベージュの皮の胸元の空いたワンピースは、エイミがとても偉大に見える……。
マントもあるから、さらに偉大に見える……。
じゃなくて、結界を張らなくちゃ。
私はそっと、隣に並んだエイミに目くばせする。
深呼吸してから、呪文を唱え始める。
「「オノジュサント・クリーンバッイェププディジセットテ」」
唱えると――清らかな風が流れ始めた。
何かしら……っ!?
この風に魔力を感じる!
ってことは、成功!?
凄い……一回の詠唱で成功することなんて、前例があるのかしら!?
私とエイミ、二人分の聖魔力ってすごいのね‼
「いやあ~、君たちはきっと最強聖女だよ~。なんなら今度、僕主催のパーティーにティラー伯爵家で来てほしいんだけど……どうかな?」
……えっ?
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