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第3部 木蓮 チャクラとレインボーカラー
第3部 第5話 黄色いチャクラ ピクニック 後半
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お天道様の光を一杯に浴び、暖かさをひとしきり味わって、おしゃべりしていたら、お腹が空いてきた。
みんな、子どものように、お腹がすくと不機嫌になってしまうから、食事の時間となった。
順子「すんごく美味しいわ。」
私「ね。ケンちゃんのお米。」
ケン「事業所で仲間が作った稲だよ。」
順子「ありがとね。」
ケン「こちらこそ有難いよ。仲間と作ったお米を、人様に美味しいといって食べて貰えてさ。ほんと有難いよ。」
(ここから後半)
おむすびを食べながら、ケンちゃんは青空を見上げた。
ケン「青空っていいよなあ。」
私「日本の空は青くなきゃ。」
ケン「ん?」
私「何でもない。」
ケン「永井龍雲さんの「道標ない旅」って知ってる?」ケンちゃんが歌う
順子「知ってる!CMでも流れてた!」
ケン「いい歌でさ、今聞くと泣けてくる。同じころ流行ってたのが「順子」でさ。俺の初恋の相手が順子ちゃんて名前だった。」
順子「やだー!恥ずかしい。」
ケン「バカ、違うよ!」
順子「バカっていう奴がバカ!」
ケン「バーカ、バーカ笑」
順子「ぶ、ぶ、ぶぁーか!」
順子は夜勤明けで、ケンちゃんは販促イベントが終わり、来月から東京で別事業が展開するらしい。
陽射しの中で、二人がはしゃいでいるのは、半分は私への思いやりだということが分かった。あとの半分は、このひとときを素直に、精一杯楽しもうとしている。じゃれあって子犬のようでもある。
「小学生みたーい。」
という私の口調も又、子どもに返っていた。
私はもう一度、青空を見上げ、胸を広げて大きく深呼吸をした。
ケン「そういう比呂ちゃんは、青空を見て浮かぶ歌って何?」
私「私は最近、谷本賢一郎さんの「青空」が浮かぶのよ。」といって口ずさんだ。
私「いいでしょ。みんな心の中に青空があるっていうのが。」
ケン「比呂ちゃんらしいね。」
順子「それ、上々颱風も歌ってたよね。いい歌ね。」
順子「いま、いい歌が浮かんじゃった。」
私「なになに?」
順子「ピクニックよ。」
ケン「?」
順子「これよ。♪丘を越え行こうよ口笛ふきつーつ♪」
ケン「あー、それ「ピクニック」っていうんだ!順ちゃんっぽい!」
順子「ありがと!ねえ、みんなで歌おうよ!」
♪
丘を越え行こうよ
口笛ふきつつ
空は澄み 青空
牧場をさして
歌おう ほがらに
ともに手を取り
ララララ ララララ
ララララ あひるさん
ガアガア
ララララララ ヤギさんも
メーエ
ララ 歌声あわせよ
足並みそろえよ
きょうは ゆかいだ♪
ほんと、愉快ね。
私はテンション上がっちゃった。
私「今度みんなで日帰り旅行にでも行こうか?」
ケン「いいね。俺さ、簡単な旅のしおり作るから。」
順子「わー懐かしい!」
ケン「「旅のしおり」に歌も載せようっと。
「ピクニック」と、あと「今日の日はさようなら」はいるよな。」
順子「そうね。それは外せないわ。」
ケン「じゃあ、それ歌って、今日はそろそろ、うちへ帰ろうよ。」
ケンちゃんがいたずらっ子の顔で私を見るから、私は冗談めかして言ってやった。
「やだー!店つぶす気―?
「木蓮」にも顔出してよー。」
皆が笑って、今度は本当に足並みそろえて御苑を後にした。
まるで、黄色い帽子をかぶっていたあの頃に戻って、一緒に下校するみたいに。
夕暮れ時の空に、「夕焼け小焼け」の無線放送が、カラスと一緒に帰りましょうと優しく声をかけてくれた。
みんな、子どものように、お腹がすくと不機嫌になってしまうから、食事の時間となった。
順子「すんごく美味しいわ。」
私「ね。ケンちゃんのお米。」
ケン「事業所で仲間が作った稲だよ。」
順子「ありがとね。」
ケン「こちらこそ有難いよ。仲間と作ったお米を、人様に美味しいといって食べて貰えてさ。ほんと有難いよ。」
(ここから後半)
おむすびを食べながら、ケンちゃんは青空を見上げた。
ケン「青空っていいよなあ。」
私「日本の空は青くなきゃ。」
ケン「ん?」
私「何でもない。」
ケン「永井龍雲さんの「道標ない旅」って知ってる?」ケンちゃんが歌う
順子「知ってる!CMでも流れてた!」
ケン「いい歌でさ、今聞くと泣けてくる。同じころ流行ってたのが「順子」でさ。俺の初恋の相手が順子ちゃんて名前だった。」
順子「やだー!恥ずかしい。」
ケン「バカ、違うよ!」
順子「バカっていう奴がバカ!」
ケン「バーカ、バーカ笑」
順子「ぶ、ぶ、ぶぁーか!」
順子は夜勤明けで、ケンちゃんは販促イベントが終わり、来月から東京で別事業が展開するらしい。
陽射しの中で、二人がはしゃいでいるのは、半分は私への思いやりだということが分かった。あとの半分は、このひとときを素直に、精一杯楽しもうとしている。じゃれあって子犬のようでもある。
「小学生みたーい。」
という私の口調も又、子どもに返っていた。
私はもう一度、青空を見上げ、胸を広げて大きく深呼吸をした。
ケン「そういう比呂ちゃんは、青空を見て浮かぶ歌って何?」
私「私は最近、谷本賢一郎さんの「青空」が浮かぶのよ。」といって口ずさんだ。
私「いいでしょ。みんな心の中に青空があるっていうのが。」
ケン「比呂ちゃんらしいね。」
順子「それ、上々颱風も歌ってたよね。いい歌ね。」
順子「いま、いい歌が浮かんじゃった。」
私「なになに?」
順子「ピクニックよ。」
ケン「?」
順子「これよ。♪丘を越え行こうよ口笛ふきつーつ♪」
ケン「あー、それ「ピクニック」っていうんだ!順ちゃんっぽい!」
順子「ありがと!ねえ、みんなで歌おうよ!」
♪
丘を越え行こうよ
口笛ふきつつ
空は澄み 青空
牧場をさして
歌おう ほがらに
ともに手を取り
ララララ ララララ
ララララ あひるさん
ガアガア
ララララララ ヤギさんも
メーエ
ララ 歌声あわせよ
足並みそろえよ
きょうは ゆかいだ♪
ほんと、愉快ね。
私はテンション上がっちゃった。
私「今度みんなで日帰り旅行にでも行こうか?」
ケン「いいね。俺さ、簡単な旅のしおり作るから。」
順子「わー懐かしい!」
ケン「「旅のしおり」に歌も載せようっと。
「ピクニック」と、あと「今日の日はさようなら」はいるよな。」
順子「そうね。それは外せないわ。」
ケン「じゃあ、それ歌って、今日はそろそろ、うちへ帰ろうよ。」
ケンちゃんがいたずらっ子の顔で私を見るから、私は冗談めかして言ってやった。
「やだー!店つぶす気―?
「木蓮」にも顔出してよー。」
皆が笑って、今度は本当に足並みそろえて御苑を後にした。
まるで、黄色い帽子をかぶっていたあの頃に戻って、一緒に下校するみたいに。
夕暮れ時の空に、「夕焼け小焼け」の無線放送が、カラスと一緒に帰りましょうと優しく声をかけてくれた。
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