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United Japanese tea varieties of Iratsuko(12)
暗黒山脈(10)
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衛星写真によると、廃都“キャピタル”から出現したU.J.Iの一行は、暗黒山脈までの旅路を進んだ後、またも姿を消した。
山脈へと侵入したコトで姿を消す瞬間をFBU局長代行、アンナ・ライトは、手首の端末によってリアルタイムで見ていた。
廃都は衛星写真から見ても、真っ黒な四角いスペースとしか写らない。
国はタキオン粒子の時間遡行作用による、光学的観測手段の時束的吸収によるものだという全くもってわかりやすい見解を示している。
要は、光の粒子さえも逆行しているため人工衛星にも捉えられないのだというコトだろうが、ソレならば肉眼では何故“キャピタル”を目視できるのかがわからない。
そのため、国の“黒塗り写真”には疑惑の念を呈する人間も少なくなかった。
いずれにせよ、その真っ黒なスペースから旅の一行が出現した時、アンナはかなり安心した。
彼らが時間の逆流する廃都を無事に通過できるかは勿論大いに心配ではあったのだが、何よりもそもそもその彼らは、まだ旅に出発もしていなかったからである。
U.J.Iの一行の旅への出立は遅れていた。
国土規模の環境汚染によって茶園……いやCS園の生育が年々遅れているコトがその原因の一つだった。
やがて、アンナとその周囲の上層部の面々たちも、旅には廃都の通過に伴う“時間遡行効果”が不可欠だと考えるようになったが、その危険性を鑑みるとなかなか決断はだせずにいた。
そんな折、廃都からの特殊伝送通信を受け取ったのである。
特殊伝送通信は廃都内外での意思疎通を可能にする、唯一の技術だ。
コレまでに数度行われた廃都調査において、開発された技術だった。
特殊伝送通信は逆流する廃都内の時間と、外部の通常の時間との交差点から一日ほどの前後タイムラグを作った上で送信できる。
文章にすると複雑な言い回しとなるが、詰まるトコロ、廃都内からのメッセージは、廃都内の旅の一行が廃都を脱出する一日前に届けられた。
その内容は、旅の一行は“これから”廃都に侵入するコト、そしてその指令はアンナよりジュディにのみ伝え、旅の一行にはジュディから伝えさせるコト、廃都内での出来事については一切を知らせるコトができないという旨の三つだった。
今思えばコレらの内容は、やはりタイムパラドックスを避けるための内容だった。
差しだしてきたのは、廃都内のジュディだ。
無事に廃都を脱出できたとはいえ、その中で負ったであろう苦労について未来から先に知らせるコトができる中で、ソレをあえて伝えられないのは心苦しかろうにと、アンナは少し思わないでもなかった。
山脈へと侵入したコトで姿を消す瞬間をFBU局長代行、アンナ・ライトは、手首の端末によってリアルタイムで見ていた。
廃都は衛星写真から見ても、真っ黒な四角いスペースとしか写らない。
国はタキオン粒子の時間遡行作用による、光学的観測手段の時束的吸収によるものだという全くもってわかりやすい見解を示している。
要は、光の粒子さえも逆行しているため人工衛星にも捉えられないのだというコトだろうが、ソレならば肉眼では何故“キャピタル”を目視できるのかがわからない。
そのため、国の“黒塗り写真”には疑惑の念を呈する人間も少なくなかった。
いずれにせよ、その真っ黒なスペースから旅の一行が出現した時、アンナはかなり安心した。
彼らが時間の逆流する廃都を無事に通過できるかは勿論大いに心配ではあったのだが、何よりもそもそもその彼らは、まだ旅に出発もしていなかったからである。
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やがて、アンナとその周囲の上層部の面々たちも、旅には廃都の通過に伴う“時間遡行効果”が不可欠だと考えるようになったが、その危険性を鑑みるとなかなか決断はだせずにいた。
そんな折、廃都からの特殊伝送通信を受け取ったのである。
特殊伝送通信は廃都内外での意思疎通を可能にする、唯一の技術だ。
コレまでに数度行われた廃都調査において、開発された技術だった。
特殊伝送通信は逆流する廃都内の時間と、外部の通常の時間との交差点から一日ほどの前後タイムラグを作った上で送信できる。
文章にすると複雑な言い回しとなるが、詰まるトコロ、廃都内からのメッセージは、廃都内の旅の一行が廃都を脱出する一日前に届けられた。
その内容は、旅の一行は“これから”廃都に侵入するコト、そしてその指令はアンナよりジュディにのみ伝え、旅の一行にはジュディから伝えさせるコト、廃都内での出来事については一切を知らせるコトができないという旨の三つだった。
今思えばコレらの内容は、やはりタイムパラドックスを避けるための内容だった。
差しだしてきたのは、廃都内のジュディだ。
無事に廃都を脱出できたとはいえ、その中で負ったであろう苦労について未来から先に知らせるコトができる中で、ソレをあえて伝えられないのは心苦しかろうにと、アンナは少し思わないでもなかった。
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