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テラ・ドス・ヴェルメロス(11)

地図にない王国(13)

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「なんだ!?」

オクルスが目を覚ました。
アルマージュはまだ唸っていたが、ララとレインスも既に目を覚ましている。

目的地である“山脈”が近づいてきて、気温も涼しくなり虫のたぐいが少なくなってきた。
彼らは簡易的なテントで焚き火を囲み、休んでいたのだった。

光が漏れにくいよう焚き火を囲んだため、周囲は漆黒の森だった。
しかしわずかに照らされた木々が、その身を揺らしている。
風によるものではないらしい。

もう一度、オクルスが目を覚ました原因が響いた。
流石のアルマージュも完全に起こされてしまった。

「……何だ?」

大きな地鳴り。
音の後に、地面から震動が伝わってきた。

「とりあえず火を消すわよ」

レインスが焚き火に砂をかける。
真っ暗な中、各自は装備している懐中電灯を点けた。
光の拡散が少ないタイプの物で、皆は光源を手で覆って、不必要に明かりが漏れないようにする。

と、オクルスにとっては三回目の地響きが起こった。

「いつから起きてたんだ。ララさんにレインス」

「わ、私が一番最初だったかと思います。すぐにレインスさんを起こしたんですが……」

「ララさんはコレでもう何回、この地響きを聞いてる?」

「コレで五回目です」

「おい、皆」

アルマージュが言った。
三人が顔を向けると、アルマージュは少し離れた場所に立っていた。

「コッチの方角から聞こえてるが、少し進めば森が開けてるみたいだ。百聞は一見に如かずじゃあないか?」

皆は頷くと、その方向に進んだ。
進むうちにも数回、地響きが轟く。
大きくなるソレが、その音源に近づいているコトを示していた。

森が開ける。アルマージュは体勢を崩した。

「おい!」

レインスが思わず、アルマージュの腕を掴む。
森が開けたと同時に眼前に現れたのは崖だった。

「あっぶねぇ……。サンキュー、レインス」

「体重軽すぎ、アンタ」

「女の子に簡単に引っ張り戻されるってコトは、そうだろうな」

「やっぱ落としといた方がよかったかな」

眼下に広がる世界も漆黒に閉ざされていた。
月でも出ていてほしいトコロだったが、生憎の夜空だ。
アルマージュがオクルスに言った。

「お前、あの試作品持って来てないのか? あの、U.J.Iのパクリとか言ってたヤツ」

「何だっけ」

「真っ暗でも見えるヤツだよ」

「ああ、暗視望遠鏡か」

オクルスは小さな筒を取りだし、引き延ばして望遠鏡にした。
そして四角い箱を続いて取りだすと、望遠鏡の先端に被せて、起動した。
機械音が響き、何らかの調整が完了したようだ。

望遠鏡を覗き込む。音のする方向へ向けた。
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