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United Japanese tea varieties of Iratsuko(4)

ギャザリング(2)

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「よ、よろしくお願いします」

「それで? フランシス」

「何だ」

「この子には、アレは渡したのか」

「アレ?」

ムサシは会話の途中だったが、通りかかったボーイに指を鳴らした。

「なあ、この娘がトイレに行きたいってさ」

右隣の女性は、怪訝な顔をする。別に行きたくもないらしい。ムサシがその女性に、耳打ちをする。
女性はそれを聞くと、喜んでボーイについていった。

「とびきりデカいのを待ってな!」

ムサシが二人の背中に呼びかける。
アサヒはジュディの方を向く。ジュディは優しく微笑んだ。

「彼女がコレから頭にぶち込まれるのに、同じアレを使うだろ?」

「単刀直入に言ってもらいたいね」

「おいおい、これは別に駆け引きじゃあないぜ。その子に気を使って隠語を使ってんだ」

「……いや、まだ支給されてない」

「なるほど、じゃあ俺がいきなりぶち込まれる心配もないってわけだ」

「もう話は済んだでしょ、契約成立でね。フランシス、帰りましょう」

ジュディが話を切り上げようとする。アサヒも少しホッとした。

「ああ、そうだな。悪いなムサシ、お前との会話は本当に楽しいんだが」

「ああ、俺も本当に残念だ。見送りをつけようか」

「いや、必要ない」

「飲み代は心配すんな、コイツから払っとく」

ムサシがクリアプレートをヒラヒラと掲げる。


◇◇◇


三人は店の外の車に乗り込み、離陸した。

「アサヒ、悪いな。まあ大人の世界っちゃあ大人の世界なんだが」

フランシスがアサヒの方を向き、謝る。

「私からも謝っておくわ、ごめんねアサヒ」

「いえ……」

ジュディは謝りつつも、実はアサヒを連れていくことに関しては、フランシス以上には反対していなかった。
このクソな世界には、どちらにせよある程度慣れていってもらった方が良い。

それに、アサヒは割と既に慣れているはずだ。

「まあとにかく、アイツとも旅をすることになる」

フランシスが会話を続ける。

「アサヒには慣れておいてもらわなくっちゃあな」

「そうね、色んな意味で」

「アンナさんは、何故あの人を旅団に入れるように言ったんですか?」

「ああ、やっぱそう思うよな。アイツは元々は、特捜6課のメンバーだったんだよ」

「そうなんですか?」

「驚きだろ。今では、判明している限りではギリギリ合法ラインで、フリーランスしてるみたいだがね」

アサヒは、さっきまで自分がいた店を振り返った。
裏路地の不健康そうな煙に、店の紫のネオンが煌めいていた。
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