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シュロッス・イン・デル・ゾーネ(3)
オートラグ口頭試問(3)
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一連の質問が終わり、ツヅキはほっとした。
口であれこれ考えて答えなくていいのはありがたいが、頭の中を覗かれるのはあまり気持ちのいいものではない。
でも、メイの時はそういう風にはあんまり思わなかったな、とツヅキは気づいた。
メイは何か、読むタイミングとか読む内容を取捨選択してる感があった。
「貴公がいた世界は魔術的に成熟したものではなかったようだが……貴公には素質がある。
貴公をゼルテーネと認めよう。ツヅキ殿」
またも申し訳程度の拍手。
「認められない、なんてことがあるんですか?」
「まあ……滅多にない。過去に5回このような“召喚”事象があり、4回目に我が国に召喚された者は、認められなかったらしいが」
「認められないとどうなるんです?」
「ゼルテーネは発見から13日以内に消滅させられる。13日以内であれば、代わりのゼルテーネの召喚が可能なのだ」
「……認められて良かったです」
ララの方をちらりと見る。
目が合うと、ララはぱち、ぱちと、二回だけ拍手して微笑んだ。
試問の結果次第ではどうなるか言っとけよ、とツヅキは思ったが、よくよく考えると無意識を読まれるんだから準備のしようがないか、と考え直した。いや、心の準備はできるだろ。
「では、貴公の役割だが」
ツヅキは前を向き直した。
「此度の危機において鍵となる技術が“キョート”の東に、暗黒山脈を越えて到着する。およそ3か月後だ。
貴公はそれの回収のため、貴公を含めて4人のメンバーで構成される“旅団”を率いて、暗黒山脈へと向かってもらいたい。
他の国々も同様の“旅団”を派遣するだろう。どの“旅団”よりも先に鍵を回収する必要があるのだ」
「察するに、危険な旅程ですよね?」
「そうだ。もちろん、貴公には選択肢があるが、選択の余地はほぼない」
「……“再召喚”か、了承かですか?」
「その通り」
少し斜め下を向いて考えるフリをするツヅキ。
「それが終わったら、俺は帰れるんですか?」
「鍵を手に入れられれば、帰路は開かれるはずだ」
「危険な旅なんですよね? 俺の一生がかかるかもしれないのに、その報酬については“はず”ですか?」
「貴公が帰れるかどうかというのは、ほぼ天命に近いことなのだ。とは言え、これまでの5回の召喚事象では、その時々の“鍵”を手に入れた人物には、帰還が許されている」
「手に入れられなかった人物は?」
「残念ながら、戻ることは叶わないだろう」
ツヅキは、聞きたかったことを全て聞くことができた。既に答えはほぼ決まっていたのだ。
「承知しました。受けましょう」
口であれこれ考えて答えなくていいのはありがたいが、頭の中を覗かれるのはあまり気持ちのいいものではない。
でも、メイの時はそういう風にはあんまり思わなかったな、とツヅキは気づいた。
メイは何か、読むタイミングとか読む内容を取捨選択してる感があった。
「貴公がいた世界は魔術的に成熟したものではなかったようだが……貴公には素質がある。
貴公をゼルテーネと認めよう。ツヅキ殿」
またも申し訳程度の拍手。
「認められない、なんてことがあるんですか?」
「まあ……滅多にない。過去に5回このような“召喚”事象があり、4回目に我が国に召喚された者は、認められなかったらしいが」
「認められないとどうなるんです?」
「ゼルテーネは発見から13日以内に消滅させられる。13日以内であれば、代わりのゼルテーネの召喚が可能なのだ」
「……認められて良かったです」
ララの方をちらりと見る。
目が合うと、ララはぱち、ぱちと、二回だけ拍手して微笑んだ。
試問の結果次第ではどうなるか言っとけよ、とツヅキは思ったが、よくよく考えると無意識を読まれるんだから準備のしようがないか、と考え直した。いや、心の準備はできるだろ。
「では、貴公の役割だが」
ツヅキは前を向き直した。
「此度の危機において鍵となる技術が“キョート”の東に、暗黒山脈を越えて到着する。およそ3か月後だ。
貴公はそれの回収のため、貴公を含めて4人のメンバーで構成される“旅団”を率いて、暗黒山脈へと向かってもらいたい。
他の国々も同様の“旅団”を派遣するだろう。どの“旅団”よりも先に鍵を回収する必要があるのだ」
「察するに、危険な旅程ですよね?」
「そうだ。もちろん、貴公には選択肢があるが、選択の余地はほぼない」
「……“再召喚”か、了承かですか?」
「その通り」
少し斜め下を向いて考えるフリをするツヅキ。
「それが終わったら、俺は帰れるんですか?」
「鍵を手に入れられれば、帰路は開かれるはずだ」
「危険な旅なんですよね? 俺の一生がかかるかもしれないのに、その報酬については“はず”ですか?」
「貴公が帰れるかどうかというのは、ほぼ天命に近いことなのだ。とは言え、これまでの5回の召喚事象では、その時々の“鍵”を手に入れた人物には、帰還が許されている」
「手に入れられなかった人物は?」
「残念ながら、戻ることは叶わないだろう」
ツヅキは、聞きたかったことを全て聞くことができた。既に答えはほぼ決まっていたのだ。
「承知しました。受けましょう」
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