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United Japanese tea varieties of Iratsuko(2)
レア・ストランディング
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「ここ、United Japanese tea varieties of Iratsuko、通称U.J.Iは周辺の4か国と比べて、最先端の科学技術を誇っている。
まあ、自然現象の一つとして魔術を利用しないこともないけど……非効率かつ再現性への信頼度が低いと、この国では判断されているわ。
そこへ“レア”として召喚されたのが少年、あなたというわけ。名前を聞かせてもらっていいかしら?」
「巨椋(おぐら)アサヒです」
「アサヒか! こいつは幸先良い名前だ!」
運転席の、がっしりとした体格の男性が大きな声で笑った。
助手席の女性は、その声を鬱陶しそうに見やると、もう一度アサヒの方を向いた。
「ごめんなさいね。この声量がこの人、標準なのよ」
「あ、大丈夫です」
アサヒは、目が覚めると車の中にいた。
窓には大粒の雨玉が打ちつけており、それを透過して、ケバケバしいネオンライトが横に流れては消えていった。
思わず窓に近づいて下を見て、車が宙に浮いていることに気づき、そういえばあまり地面の振動を感じなかったな、とアサヒは思ったのだった。
そう思っていた時、前の男性が「お目覚めだぞ、少年」と言って、そこから先ほどの一連の説明が始まったのだ。
ワケがわからなかったけど、今のところアサヒは、ワクワクしていた。
「ここはさっき僕がいたのとは別の世界って言われましたけど、なんで僕が呼ばれたんですか?」
「良い質問だ、少年。いや失礼、アサヒ君。
我々の世界では国家規模の危機の際、異世界より“レア”が5人召喚される。我々の国と、周辺の4か国にね。まあ他の国では“ララ”とか……デル・ゾーネではなんて言ってたかしら?」
「“ゼルテーネ”」
「そう、ゼルテーネ。まあ、意味は南山城国の言葉が一番わかりやすいわね、“まれびと”よ。よその世界の人って意味。
これでその“まれびと”もとい“レア”が召喚されるのは6度目。その6度目のU.J.Iに召喚されたのがアサヒ君、あなたよ」
少し考える仕草をするアサヒ。だが、すぐに考えていることがバレてしまった。
「わかってるわ。なぜあなたが呼ばれたかには答えていないわね。正直それについては、私たちもわからない。
一説によると、地震の前に海から生物が座礁するように、この世界には国家規模の危機の際、異世界から“レア”が座礁するのではないかと言われている。
まあ、実証するのが難しい説よね。それに何故アサヒ君なのか、という問いの根本には相変わらず答えていない。私が何故私で、横にいる筋骨隆々のオッサンではないかという哲学的な問いに、最終的にはなってくるんじゃあないかしら」
「『筋骨隆々のオッサン』でもいいが、一応名前を表明しとくぞ。フランシス・コロッサスだ」
「私もまだだったわね。ジュディ・ホロフェルネスよ」
「ジュディさんと、フランシスさんですね」
言い終わるが早いか、エレベーターが下りてきて静止する時のような浮遊感とともに、車が着陸した。
「行きましょうか、ジュディ“さん”」
フランシスがわざとらしく言う。
「ですって。行こうかアサヒ君」
まあ、自然現象の一つとして魔術を利用しないこともないけど……非効率かつ再現性への信頼度が低いと、この国では判断されているわ。
そこへ“レア”として召喚されたのが少年、あなたというわけ。名前を聞かせてもらっていいかしら?」
「巨椋(おぐら)アサヒです」
「アサヒか! こいつは幸先良い名前だ!」
運転席の、がっしりとした体格の男性が大きな声で笑った。
助手席の女性は、その声を鬱陶しそうに見やると、もう一度アサヒの方を向いた。
「ごめんなさいね。この声量がこの人、標準なのよ」
「あ、大丈夫です」
アサヒは、目が覚めると車の中にいた。
窓には大粒の雨玉が打ちつけており、それを透過して、ケバケバしいネオンライトが横に流れては消えていった。
思わず窓に近づいて下を見て、車が宙に浮いていることに気づき、そういえばあまり地面の振動を感じなかったな、とアサヒは思ったのだった。
そう思っていた時、前の男性が「お目覚めだぞ、少年」と言って、そこから先ほどの一連の説明が始まったのだ。
ワケがわからなかったけど、今のところアサヒは、ワクワクしていた。
「ここはさっき僕がいたのとは別の世界って言われましたけど、なんで僕が呼ばれたんですか?」
「良い質問だ、少年。いや失礼、アサヒ君。
我々の世界では国家規模の危機の際、異世界より“レア”が5人召喚される。我々の国と、周辺の4か国にね。まあ他の国では“ララ”とか……デル・ゾーネではなんて言ってたかしら?」
「“ゼルテーネ”」
「そう、ゼルテーネ。まあ、意味は南山城国の言葉が一番わかりやすいわね、“まれびと”よ。よその世界の人って意味。
これでその“まれびと”もとい“レア”が召喚されるのは6度目。その6度目のU.J.Iに召喚されたのがアサヒ君、あなたよ」
少し考える仕草をするアサヒ。だが、すぐに考えていることがバレてしまった。
「わかってるわ。なぜあなたが呼ばれたかには答えていないわね。正直それについては、私たちもわからない。
一説によると、地震の前に海から生物が座礁するように、この世界には国家規模の危機の際、異世界から“レア”が座礁するのではないかと言われている。
まあ、実証するのが難しい説よね。それに何故アサヒ君なのか、という問いの根本には相変わらず答えていない。私が何故私で、横にいる筋骨隆々のオッサンではないかという哲学的な問いに、最終的にはなってくるんじゃあないかしら」
「『筋骨隆々のオッサン』でもいいが、一応名前を表明しとくぞ。フランシス・コロッサスだ」
「私もまだだったわね。ジュディ・ホロフェルネスよ」
「ジュディさんと、フランシスさんですね」
言い終わるが早いか、エレベーターが下りてきて静止する時のような浮遊感とともに、車が着陸した。
「行きましょうか、ジュディ“さん”」
フランシスがわざとらしく言う。
「ですって。行こうかアサヒ君」
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