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「ライ様は、女子力が低くてもいいんですか」
未だにアリーナの何がライの琴線に引っ掛かったのかはアリーナには分からない。
「アリーナの言う女子力でアリーナの魅力を語れないのであれば必要ありませんね。女子力が低くて何が悪いんでしょうか?」
女子力が低くて何が悪いんでしょうか。
このライの言葉に、アリーナは救われた気がした。
でも、まだどこかで、この国の常識がアリーナを苛む。
「…家事はほとんどできませんよ」
「そんなの、私ができるからいいでしょう?足りないならハウスキーパーを雇えばいい。」
「それに料理の腕は最悪だわ。今朝作ったカレーはカレーじゃない食べ物になるくらいだし。」
アリーナの言葉にライが目を見開く。
「作ったんですか」
「ええ。」
アリーナは気まずくて目をそらす。
「どうして私に持ってきてくれなかったんです」
勿論、アリーナだって上手くできていればライに突きつけるつもりだった。
「…あれは駄目よ」
「どうして? アリーナの作った食べ物なら、一口だけでも味わいたいと思うのが普通でしょ」
それはライだけの普通に違いないとアリーナにも分かる。アリーナは首を横にふる。
「…あれを食べたら…後悔しかしないわ」
アリーナだって今朝作ったカレーが人の口には入れてはいけないものだと理解している。
ただ朝は寝不足で判断力が鈍っていたことと、これをかき混ぜ続けたら知っているカレーになるんじゃないかという淡い期待がどこかにあった。でもその淡い期待はミナによって却下された。
「後悔すら美味しいスパイスですよ」
首をかしげるライは、きっと本当の後悔を知らないらしいとアリーナは思う。
トイレと友達になるのなんてアリーナは御免だ。
いつか作ったチキンソテーのことを思い出す。スパイスをつけて焼くだけだからと言われたけれど、回りは真っ黒、中身は生焼け。香ばしいスパイスの香りに誘われて止められるのも構わず試しに味を見てみたら、焦げた味と、生々しい肉の味しかしなくて、流石に飲み込めなかった。二度と思い出したくない味だ。
しかも、その夜アリーナはトイレとお友達になった。あのときからマナが口にしてはいけないと言ったら口にしないことにしている。それほどの後悔をしたことがライにはないらしい。
「やめた方がいいわ」
アリーナはそれくらいしか忠告できない。
「次は是非一緒に作りましょうね」
そう言われて、アリーナはちょっとムッとする。
「ライ様が約束を守ってくれさえすれば…。」
そこまで言って、ハッとする。
案の定、ライは嬉しそうに頬を緩めている。アリーナはライを喜ばせるようなつもりはなかったのに、と思う。
「そんなに楽しみにしていてくれたんですね」
「…ライ様が思わせぶりなことを言うからでしょ」
ライが眉を挙げる。
「おや、一体どういうことを話しましたか」
「次の休みに一緒に作ろうって…。」
「次の休みとは言いましたが、今日だとは言った気がしないんですが」
ふ、とライに笑われて、アリーナの機嫌はまた落ちた。
「アリーナ? 機嫌を悪くしないでください。今日は仕事みたいなものじゃないですか? だから休日には含まないんです」
確かに貴族たちのとっては外せない行事で、仕事と言われれば仕事と言ってもいいのかもしれない。かもしれない、だが。
「…それ、屁理屈って言うのよ」
「そうですか」
ライににっこりと笑われて、アリーナは脱力するほかない。
力を抜いたとしても、ライの手はアリーナの腰に回ったままだから、支えてはくれるだろうと体を預ける。
「どうして私に体を預けたんですか」
「…脱力したからよ。本当にもう、ライ様と話していると勝てる気はしないわ」
「そんな可愛いことを言われると、このまま家に連れて帰りたくなってしまいますね」
ふ、と耳に息を吹きかけられて、アリーナはキッとライを睨む。
「大人しく私の体を預かって」
「はい。仰せのままに。」
クスリと笑うライに、アリーナはふい、と顔をそむけた。
「副団長。」
ライが声をかけられて、アリーナもそちらを見れば、騎士団だとわかる騎士服を着た男性が顔をこわばらせながら立っていた。
その騎士とアリーナは一瞬目があった気がしたが、それと同じく一瞬で目が反らされた。失礼な気もしたが、ライにいらない誤解を与えないためにそうしているのかもしれないとアリーナは思う。
ライの嫉妬は…面倒そうだと思える。
「呼ばれたか」
ライの返事から、どうやら声をかけられたのは予定のあることだったのだとわかる。
「はい。案内します」
「先にアリーナを連れていくから、待っておいてくれ。」
連れていく?
アリーナが疑問に思うまもなく、ライがアリーナの腰を抱いたまま誘導し始める。
「どちらに?」
「私は用事がありますから、アリーナが嫌だと言っても、私は女性と話をしておいてもらいたいですから、ファリス妃殿下と歓談しておいてくださいね」
どうやら逃れられそうにないとアリーナも分かる。他の家族の所に、と思っても、ライにしっかり抱き止められるようにしていて周りをみまわすことが出来ない。
「…どうやらアリーナの知り合いのようですね」
ファリスに近付くと、気付いたファリスが声をかけたのか、ファリスの周りの数人が振り向いて手をふってくる。
アリーナも懐かしい顔に驚いて手を振り返す。
既に皆結婚していて、女官の仕事をしていた時のように顔を合わすこともなかった。
ファリスとは長年会っていなかったが、その他の友人たちが独身だったころには、食堂で一緒にご飯を食べることもあったのだ。結婚してからはお茶会や晩餐会の類は断っていたが、手紙のやり取りはしていたりした。勿論アリーナの手紙は質実剛健な内容だったが。
アリーナは、あっさりアリーナを置いていくライに、少しだけ物足りなさを感じつつも、久しぶりに会った友人たちの中に入ると、すっかりその気持ちは忘れてしまった。
未だにアリーナの何がライの琴線に引っ掛かったのかはアリーナには分からない。
「アリーナの言う女子力でアリーナの魅力を語れないのであれば必要ありませんね。女子力が低くて何が悪いんでしょうか?」
女子力が低くて何が悪いんでしょうか。
このライの言葉に、アリーナは救われた気がした。
でも、まだどこかで、この国の常識がアリーナを苛む。
「…家事はほとんどできませんよ」
「そんなの、私ができるからいいでしょう?足りないならハウスキーパーを雇えばいい。」
「それに料理の腕は最悪だわ。今朝作ったカレーはカレーじゃない食べ物になるくらいだし。」
アリーナの言葉にライが目を見開く。
「作ったんですか」
「ええ。」
アリーナは気まずくて目をそらす。
「どうして私に持ってきてくれなかったんです」
勿論、アリーナだって上手くできていればライに突きつけるつもりだった。
「…あれは駄目よ」
「どうして? アリーナの作った食べ物なら、一口だけでも味わいたいと思うのが普通でしょ」
それはライだけの普通に違いないとアリーナにも分かる。アリーナは首を横にふる。
「…あれを食べたら…後悔しかしないわ」
アリーナだって今朝作ったカレーが人の口には入れてはいけないものだと理解している。
ただ朝は寝不足で判断力が鈍っていたことと、これをかき混ぜ続けたら知っているカレーになるんじゃないかという淡い期待がどこかにあった。でもその淡い期待はミナによって却下された。
「後悔すら美味しいスパイスですよ」
首をかしげるライは、きっと本当の後悔を知らないらしいとアリーナは思う。
トイレと友達になるのなんてアリーナは御免だ。
いつか作ったチキンソテーのことを思い出す。スパイスをつけて焼くだけだからと言われたけれど、回りは真っ黒、中身は生焼け。香ばしいスパイスの香りに誘われて止められるのも構わず試しに味を見てみたら、焦げた味と、生々しい肉の味しかしなくて、流石に飲み込めなかった。二度と思い出したくない味だ。
しかも、その夜アリーナはトイレとお友達になった。あのときからマナが口にしてはいけないと言ったら口にしないことにしている。それほどの後悔をしたことがライにはないらしい。
「やめた方がいいわ」
アリーナはそれくらいしか忠告できない。
「次は是非一緒に作りましょうね」
そう言われて、アリーナはちょっとムッとする。
「ライ様が約束を守ってくれさえすれば…。」
そこまで言って、ハッとする。
案の定、ライは嬉しそうに頬を緩めている。アリーナはライを喜ばせるようなつもりはなかったのに、と思う。
「そんなに楽しみにしていてくれたんですね」
「…ライ様が思わせぶりなことを言うからでしょ」
ライが眉を挙げる。
「おや、一体どういうことを話しましたか」
「次の休みに一緒に作ろうって…。」
「次の休みとは言いましたが、今日だとは言った気がしないんですが」
ふ、とライに笑われて、アリーナの機嫌はまた落ちた。
「アリーナ? 機嫌を悪くしないでください。今日は仕事みたいなものじゃないですか? だから休日には含まないんです」
確かに貴族たちのとっては外せない行事で、仕事と言われれば仕事と言ってもいいのかもしれない。かもしれない、だが。
「…それ、屁理屈って言うのよ」
「そうですか」
ライににっこりと笑われて、アリーナは脱力するほかない。
力を抜いたとしても、ライの手はアリーナの腰に回ったままだから、支えてはくれるだろうと体を預ける。
「どうして私に体を預けたんですか」
「…脱力したからよ。本当にもう、ライ様と話していると勝てる気はしないわ」
「そんな可愛いことを言われると、このまま家に連れて帰りたくなってしまいますね」
ふ、と耳に息を吹きかけられて、アリーナはキッとライを睨む。
「大人しく私の体を預かって」
「はい。仰せのままに。」
クスリと笑うライに、アリーナはふい、と顔をそむけた。
「副団長。」
ライが声をかけられて、アリーナもそちらを見れば、騎士団だとわかる騎士服を着た男性が顔をこわばらせながら立っていた。
その騎士とアリーナは一瞬目があった気がしたが、それと同じく一瞬で目が反らされた。失礼な気もしたが、ライにいらない誤解を与えないためにそうしているのかもしれないとアリーナは思う。
ライの嫉妬は…面倒そうだと思える。
「呼ばれたか」
ライの返事から、どうやら声をかけられたのは予定のあることだったのだとわかる。
「はい。案内します」
「先にアリーナを連れていくから、待っておいてくれ。」
連れていく?
アリーナが疑問に思うまもなく、ライがアリーナの腰を抱いたまま誘導し始める。
「どちらに?」
「私は用事がありますから、アリーナが嫌だと言っても、私は女性と話をしておいてもらいたいですから、ファリス妃殿下と歓談しておいてくださいね」
どうやら逃れられそうにないとアリーナも分かる。他の家族の所に、と思っても、ライにしっかり抱き止められるようにしていて周りをみまわすことが出来ない。
「…どうやらアリーナの知り合いのようですね」
ファリスに近付くと、気付いたファリスが声をかけたのか、ファリスの周りの数人が振り向いて手をふってくる。
アリーナも懐かしい顔に驚いて手を振り返す。
既に皆結婚していて、女官の仕事をしていた時のように顔を合わすこともなかった。
ファリスとは長年会っていなかったが、その他の友人たちが独身だったころには、食堂で一緒にご飯を食べることもあったのだ。結婚してからはお茶会や晩餐会の類は断っていたが、手紙のやり取りはしていたりした。勿論アリーナの手紙は質実剛健な内容だったが。
アリーナは、あっさりアリーナを置いていくライに、少しだけ物足りなさを感じつつも、久しぶりに会った友人たちの中に入ると、すっかりその気持ちは忘れてしまった。
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