グリモワールな異世界転移

クー

文字の大きさ
上 下
38 / 62
第一章 全ての始まり 『種族の集まる国 ガイア』

第三十七話『初めての調合~前編~』

しおりを挟む
(さて、まずは俺が持っていたモンスターのドロップアイテムを使って調合をするか。)


 俺はそう思いアイテムボックスを取り出そうといつも通りの呪文を唱える。

「『アイテムボックス』」

 そう言うと目の前に大きな箱が現れる。


(本当にアイテムボックスは便利だな。中に入れた物は生物であっても入れている間は絶対に腐らないし、同じものならいくらでも入るし。でも一つだけ難点があるとすれば箱の大きさが自分のレベルに比例することかなー。まぁ俺はレベルが結構高くなっているからそれも解決出来てるけど。)


  そんな事を考えながら俺はモンスターのドロップアイテムを全て取り出した。


(まず、どれから調合しようかな。まぁ、あせる必要ない。どうやらこの付近にはモンスターが湧かないようだしな。とりあえず最初の方のページの調合でもするか。)


  そう思い俺は最初の方のページを開いた。


(お、これはアイテムが集まってるし調合出来るな。)


 俺がそう思って選んだのは、回復薬だった。
 材料は薬草と精霊水だ。俺は持ってなかったけど先ほどの宝箱に入っていたので、幸いだった。


「おおっ──」 


(他にもなんかアイテムを入れて見るか……)


  俺はそう思って、ゴブリンの核を手に取った。ゴブリンの核と言うのはゴブリンから稀にドロップするレアアイテムだ。


「よし! 初めての調合だ! 行くぞ《プラポレーション》」


  そう唱えるとアイテムが光、1つになった。


(これはどんなアイテムかな?)


  俺はアイテムステータスを開いた。


───────────────────────

〈Name〉 ゴブリン族の秘薬


〈レアリティ〉☆☆☆☆☆☆☆☆


 ゴブリン族秘伝の丸薬。これを飲むと大抵の傷は回復する。

〈効果〉 HP、MPの全回復&数時間自動回復

───────────────────────



(え? なにこれ? い、異常、強すぎるよな。ここまで強いと笑えてくる)


「ユウ様。何ができましたか?」

「スカーレットか。これが出来たんだが。ちょっと俺の感覚が麻痺しているのかも知れないから確認してくれないか?」


  そう言って俺はゴブリン族の秘薬を手渡した。秘薬を受け取ったスカーレットはステータス画面を開き確認する。その直後スカーレットは驚きの声を上げた。


「な、なんですかユウ様!? この普通ではありえないくらい質の高い回復薬は!?」


 どうやらこの回復薬は現地の人から見ても異常なほど高性能なものらしい。


「あぁ、やっぱり俺の感覚が可笑おかしい訳ではなかったんだな。よかった」

「安心してる場合じゃありませんよ!?」

「その回復薬か。それはな回復薬を作るための材料にゴブリンの核を足して作ったら出来たぞ」

「たったそれだけの事でですか? 本当にそうだとしたらこれ一本だけでも10万ユルドくらいしますよ!」

「な、なんだとぅ!?」

「そもそも素材の『精霊水』がとても貴重なんです!!」

「ふぁい!?」

「ユウ様、それボク見たことありますよ」

「どこでだ!!」


 そしてライムは語る────

 それはライムがまだ1人だった頃の出来事………









「はあぁー暇だなー」


 今日も今日とて暇をするライム。そんなとき、ある物を見つける。


「フフフーン♪……あれ、なんだろ……」


 温泉風に囲ってある場所に蒼く神々しく輝く物を見つける。そしてライムは………


「わぁ……美味しそう! いっただっきまーす!」


 しょくした。


 そしてライムの身体に変化が起こる。


「うっ………なんか……身体が熱い……」


 そしてあの輝く物同様にライムの身体が蒼く輝き始める。


「ぁ………くぅ…………んっ………あぁ……っ…………はぁ………」

 
 ………何か……ボクの中で何かが変わった気がする……それは……


「STRが上がってる?」


 ステータスが1上がったようだ。






「……と言う事があったんですよ。」


 まじかよ! あと3つしかねぇじゃねか!!

 まぁ過ぎた事だ。次からアイテム説明も見てからやろ。


(よし! 気を取り直して次は何を作ろうかな)


 俺はそう思いページをめくった。


(お。これがいいかな)


 俺の目に止まったのは本を作るためのレシピのページだった。


「これがあれば秘伝書的な物が作れるかも知れないな。なら、早速材料もの紙あることだし、《プラポレーション》」


 すると、アイテムが光だし一つになった。


(出来た……かな。)


 俺はアイテムステータスを開いた。

───────────────────────

〈Name〉 何も書いてない本


〈レアリティ〉☆☆

 ただの白紙の本。色々な内容を書くことができる。

〈効果〉なし

───────────────────────


(出来たな。よし! 次は……)


 さらに俺はページをめくる。

 
(これを本と一緒に調合すると……)


「《プラポレーション》っと」


  すると、またアイテムが出来る。

───────────────────────


〈Name〉秘伝書の巻物

〈レアリティ〉☆☆☆☆☆

 秘伝書の元となるもの。これに自分の思った技を書くとそれをスキルや流派として覚えることが出来る。

〈効果〉オリジナルスキル習得・流派設立


───────────────────────

(作れた。と、言うことはこれに技を書き込んで読めば技を使えれるようになるのか。どんな技にしようかな。でも、流派が作れるらしいし流派を作るかな。)


 俺は悩んで悩んで一ついい技を思いついた。


 《~♪称号:師範代を取得しました》


(………………いいなこれ。よし! これに決めた!)


 それとは─────!


「ユウ様、これは一体何と書いてあるのですか?」

「ふっふー、これはな………ヒ・ミ・ツ☆」

「…………」

「…………」


 こんなこと二度とやらない。俺は固く心に誓った。


「ま、まぁそんなことはさて置き、俺はこんな物を作ってみたぞ!」


 そう言って俺は青い猫型のヤツっぽくアイテムを取り出した。


「テレレレッテテーン。帰還の結晶~」

「「帰還の結晶?」」

「ふふふふふふっ」


 これは俺がこの世界がまだゲームだと思っていた最初の頃、欲しいと思っていた物だ。


「聞いて驚け! これさえあればダンジョンの帰りがとーーっても早くなるんだぞ!! もう一瞬だからね!」

「ユウ様、それ、既にありますよ」

「そうだろ、すごいだr────え?」

「転移などの類はありませんがダンジョンや洞窟脱出用の結晶なら既に各国で売っています」

「まじか…………………」
 
「もしかしてユウ様……ご存知なかったたですか?」

「ないよ! 戴冠式のときこの世界の事は判らないっていったじゃーーん! ぅゎぁぁあん!!」

「「ユウ様ーー!」」


 ユウ、びっくり。
 ユウ、かなしい。
 ユウ、でもなかない。つよいこになるもん。


 俺はあまりのショックで人格破綻していた。


 そして沢山、フテたユウちゃんでした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

落ちこぼれ[☆1]魔法使いは、今日も無意識にチートを使う

右薙光介
ファンタジー
領主お抱えの立派な冒険者となるべく『バーグナー冒険者予備学校』へ通っていた成績優秀な少年、アストル。 しかし、アストルに宿った『アルカナ』は最低クラスの☆1だった!? 『アルカナ』の☆の数がモノを言う世界『レムシリア』で少年は己が生きる術を見つけていく。 先天的に授かった☆に関わらない【魔法】のスキルによって! 「よし、今日も稼げたな……貯金しておかないと」 ☆1の烙印を押された少年が図太く、そして逞しく成長していく冒険ファンタジー。

魔力が無いと言われたので独学で最強無双の大賢者になりました!

雪華慧太
ファンタジー
若き数学者、七神裕哉は異世界に転生した。転生先は、強い魔力を持つ者のみが将来を約束される世界。だが彼は生まれつき魔力を持っていなかった。その為、名門公爵家の跡取りだったはずの彼は、侮蔑され追放される。だが彼の魔力は皆無なわけではなく、人が使いこなすことが出来ない劣等魔力と呼ばれる物だった。それを知った彼は劣等魔力を制御する数学的魔導術式、神言語(しんげんご)を作り上げ、世界を揺るがす存在となっていく。※このたび本作品の第二巻がアルファポリス様から発売されることになりました。発売は10月下旬になります。これもいつも応援して下さる皆様のお蔭です、ありがとうございます!

(新)師匠、弟子にして下さい!〜その魔女、最強につき〜

ハルン
恋愛
その世界では、何千年も前から魔王と勇者の戦いが続いていた。 ーー世界を手に入れようと魔を従える魔王。 ーー人類の、世界の最後の希望である勇者。 ある時は魔王が、またある時は勇者が。 両者は長き時の中で、倒し倒されを繰り返して来た。 そうしてまた、新たな魔王と勇者の戦いが始まろうとしていた。 ーーしかし、今回の戦いはこれまでと違った。 勇者の側には一人の魔女がいた。 「何なのだ…何なのだ、その女はっ!?」 「師匠をその女呼ばわりするなっ!」 「……いや、そもそも何で仲間でも無い私をここに連れて来たの?」 これは、今代の勇者の師匠(無理矢理?)になったとある魔女の物語である。

科学チートで江戸大改革! 俺は田沼意次のブレーンで現代と江戸を行ったり来たり

中七七三
ファンタジー
■■アルファポリス 第3回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■ 天明六年(1786年)五月一五日―― 失脚の瀬戸際にあった田沼意次が祈祷を行った。 その願いが「大元帥明王」に届く。 結果、21世紀の現代に住む俺は江戸時代に召喚された。 俺は、江戸時代と現代を自由に行き来できるスキルをもらった。 その力で田沼意次の政治を助けるのが俺の役目となった。 しかも、それで得た報酬は俺のモノだ。 21世紀の科学で俺は江戸時代を変える。 いや近代の歴史を変えるのである。 2017/9/19 プロ編集者の評価を自分なりに消化して、主人公の説得力強化を狙いました。 時代選定が「地味」は、これからの展開でカバーするとしてですね。 冒頭で主人公が選ばれるのが唐突なので、その辺りつながるような話を0話プロローグで追加しました。 失敗の場合、消して元に戻します。

最強の職業は勇者でも賢者でもなく鑑定士(仮)らしいですよ?

あてきち
ファンタジー
★2019年3月22日★第6巻発売予定!! 小説1~5巻、マンガ1~2巻★絶賛発売中です♪  気が付いたら異世界にいた男子高校生「真名部響生(まなべひびき)」。草原にいた彼は自身に『鑑定』というスキルがあることに気が付く。 そして職業は『鑑定士(仮)』だった。(仮)って……。 エルフのエマリアの案内で冒険者となった響生は、元最強勇者の獣人クロード、未来の最強賢者少女リリアン、白ネコ聖獣のヴェネを仲間にして少しずつ強くなりながら元の世界に帰る方法を探す。……が、巻き込まれ系主人公は自分の意思とは関係ないところで面倒ごとに関わっていろいろ大変です。 4人の勇者、7人の賢者、8人の魔王、そして11人の神様がいる異世界から、彼は無事に元の世界に帰還できるのか? あと、タイトル通り最強になる日は来るのか!? 【注意】 この作品はBLではありませんが、一部BL風味な表現があります。一時的に主人公が女体化する予定があります。 これらの表現を絶対に読みたくない! という方はご注意ください。

【創造魔法】を覚えて、万能で最強になりました。 クラスから追放した奴らは、そこらへんの草でも食ってろ!

久乃川あずき
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ『面白スキル賞』受賞しました。 2022年9月20日より、コミカライズ連載開始です(アルファポリスのサイトで読めます) 単行本は現在2巻まで出ています。 高校二年の水沢優樹は、不思議な地震に巻き込まれ、クラスメイト三十五人といっしょに異世界に転移してしまう。 三ヶ月後、ケガをした優樹は、クラスメイトから役立たずと言われて追放される。 絶望的な状況だったが、ふとしたきっかけで、【創造魔法】が使えるようになる。 【創造魔法】は素材さえあれば、どんなものでも作ることができる究極の魔法で、優樹は幼馴染みの由那と快適な暮らしを始める。 一方、優樹を追放したクラスメイトたちは、木の実や野草を食べて、ぎりぎりの生活をしていた。優樹が元の世界の食べ物を魔法で作れることを知り、追放を撤回しようとするが、その判断は遅かった。 優樹は自分を追放したクラスメイトたちを助ける気などなくなっていた。 あいつらは、そこらへんの草でも食ってればいいんだ。 異世界で活躍する優樹と悲惨な展開になるクラスメイトたちの物語です。

一度目は勇者、二度目は魔王だった俺の、三度目の異世界転生

染井トリノ
ファンタジー
この度、アルファポリス様から書籍化されることになりました。 それに伴ってタイトルが変更になります。 旧題:一度目は勇者、二度目は魔王だった俺は、三度目の人生をどう生きればいいですか?  勇者として異世界を救った青年は、二度目の転生で魔王となって討伐された。そして三度目の転生。普通の村人レイブとして新たな生を受けた彼は、悩みながらものんびり生きることを志す。三度目の転生から十五年後。才能がありすぎるのを理由に村から出ていくことを勧められたレイブは、この際、世界を見て回ろうと決意する。そして、王都の魔法学園に入学したり、幻獣に乗ったり、果ては、謎の皇女に頼られたり!? 一度目・二度目の人生では経験できなかった、ほのぼのしつつも楽しい異世界ライフを満喫していくのだった。

生産スキルで国作り! 領民0の土地を押し付けられた俺、最強国家を作り上げる

未来人A
ファンタジー
主人公、鳥島善治はクラスメイト全員と共に異世界に転移することになった。 転移させた神を名乗る存在は、クラス全員にそれぞれ領地をやるからそこの領主になれという。 神は、クラス全員に領地の情報が書かれている紙をランダムに配った。 その紙に書かれている領地を治めることになる。 善治が治めることになったのはSランクの最高領地。 一方クラスで1番の人気者、坂宮徹の治める土地は領民0の最低の領地であった。 持っている紙を交換すれば、治める領地も交換されるというルールがあり、坂宮徹は善治のSランクの土地を強引に取り上げる。 そして自分が持っていた領民0の土地の情報が書かれた紙を善治に押し付けた。 そのせいで、人っ子一人いない草原に飛ばされた善治。 物凄く苦労するが、神から貰った生産スキルの力を使い、徐々に生活を安定させていき、何もないところに領地を作り出していく。 最高の土地へと行った坂宮は、最初は悠々自適の生活を送るが、その領地にはとんでもない地雷があり…… ※ なろう カクヨム ハーメルンでも投稿しています。

処理中です...