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ケリーとロザンナ
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とある病院ーー。
「娘さんは順調に回復なさっていますよ」
Dr.フジサワは言った。
その娘は14歳で、何らかの神経系の病をわずらっているようだ。
「そうですか」
両親のうち母親がそう答えた。
「ケリー」
父が娘の名を呼ぶ。
「ケリー?いや、私はロザンナよ?」
「何だ、またこれだ…」
そう、この娘、ケリー、またはロザンナは、解離性人格障害に悩まされていたのである。
ケリーは「ロザンナ」という別人格を、いまの両親からの積み重なる虐待により、作りだしたのだと、両親は薄々気づいていた。
だから、そのことをDr.フジサワには伏せていた。
ケリーは女の子らしい性格で、人見知りをする、ファンタジー小説が好きな、おとなしい子だった。しかし、第二人格、ロザンナは、ケリーとは逆で男まさり、友だちと遊ぶのも、男友だちばかりであった。もちろん、本も読まない。
Dr.フジサワによる、退行催眠療法で、時々、本来の人格、ケリーが姿を現す。
Dr.フジサワ「今日はここまでにしておきましょう」
ーー事実、以前虐待をしていた、両親は犯罪を犯していた訳だーー
そしてついに、すべてのケリが着く日がやってきたーー。
Dr.フジサワ「では、退行催眠に入りますよ?」
両親は首を縦に振った。
ロザンナは目を閉じた。
そして核心的なひらめき、変化を感じた。
「私、今まで先生の治療、ただひたすら嫌がってたけど、今日ですべてが解決する気がするー」
Dr.フジサワ「ほう」
両親は少し焦った。
そしてーー
………………
Dr.フジサワ「ケリーかい?」
「……そうよ」
「おお、ケリー、君はいま、ロザンナという君がつくり出した別人格に犯されている。どうか、ロザンナに言って、君の中から出ていくように、言ってくれないか?」
「え…?ロザンナはとても良い子よ。それに、さっき、勇気もくれた…、っうう!!」
Dr.フジサワ「どうしたね、ケリー!!」
「私の両親は私に虐待をした!!今すぐ警察に言って、捕まえて!!」
「妄言だ。」父は言った。
Dr.フジサワ「ケリー?!」
「うわぁぁ」
父はケリーに首を絞められた。
それも物凄い力で、
「やめなさいケリー!!」
Dr.フジサワと母は必死に止めた。
父の首はちぎれていた。
「次は……、お前だァっ!!」
ケリーは母に照準を向けた。
「キャアアア!!来ないで!!」
「やめなさい、ケリー!!」Dr.フジサワは叫んだ。
そう、この人格はケリーでも、ロザンナでもなく、虐待のトラウマから産まれた、もっとも凶悪な人格、『キラー』だったのだ。
そして、その場にいた両親は殺され、ケリー、または(ロザンナ、キラー)は、少年院に入れられた。
現在も世界中で起こっている児童虐待ーー。
それが、このような悲劇になる事もあることをみなさまには覚えておいてほしい。
因果応報としてーー。
「娘さんは順調に回復なさっていますよ」
Dr.フジサワは言った。
その娘は14歳で、何らかの神経系の病をわずらっているようだ。
「そうですか」
両親のうち母親がそう答えた。
「ケリー」
父が娘の名を呼ぶ。
「ケリー?いや、私はロザンナよ?」
「何だ、またこれだ…」
そう、この娘、ケリー、またはロザンナは、解離性人格障害に悩まされていたのである。
ケリーは「ロザンナ」という別人格を、いまの両親からの積み重なる虐待により、作りだしたのだと、両親は薄々気づいていた。
だから、そのことをDr.フジサワには伏せていた。
ケリーは女の子らしい性格で、人見知りをする、ファンタジー小説が好きな、おとなしい子だった。しかし、第二人格、ロザンナは、ケリーとは逆で男まさり、友だちと遊ぶのも、男友だちばかりであった。もちろん、本も読まない。
Dr.フジサワによる、退行催眠療法で、時々、本来の人格、ケリーが姿を現す。
Dr.フジサワ「今日はここまでにしておきましょう」
ーー事実、以前虐待をしていた、両親は犯罪を犯していた訳だーー
そしてついに、すべてのケリが着く日がやってきたーー。
Dr.フジサワ「では、退行催眠に入りますよ?」
両親は首を縦に振った。
ロザンナは目を閉じた。
そして核心的なひらめき、変化を感じた。
「私、今まで先生の治療、ただひたすら嫌がってたけど、今日ですべてが解決する気がするー」
Dr.フジサワ「ほう」
両親は少し焦った。
そしてーー
………………
Dr.フジサワ「ケリーかい?」
「……そうよ」
「おお、ケリー、君はいま、ロザンナという君がつくり出した別人格に犯されている。どうか、ロザンナに言って、君の中から出ていくように、言ってくれないか?」
「え…?ロザンナはとても良い子よ。それに、さっき、勇気もくれた…、っうう!!」
Dr.フジサワ「どうしたね、ケリー!!」
「私の両親は私に虐待をした!!今すぐ警察に言って、捕まえて!!」
「妄言だ。」父は言った。
Dr.フジサワ「ケリー?!」
「うわぁぁ」
父はケリーに首を絞められた。
それも物凄い力で、
「やめなさいケリー!!」
Dr.フジサワと母は必死に止めた。
父の首はちぎれていた。
「次は……、お前だァっ!!」
ケリーは母に照準を向けた。
「キャアアア!!来ないで!!」
「やめなさい、ケリー!!」Dr.フジサワは叫んだ。
そう、この人格はケリーでも、ロザンナでもなく、虐待のトラウマから産まれた、もっとも凶悪な人格、『キラー』だったのだ。
そして、その場にいた両親は殺され、ケリー、または(ロザンナ、キラー)は、少年院に入れられた。
現在も世界中で起こっている児童虐待ーー。
それが、このような悲劇になる事もあることをみなさまには覚えておいてほしい。
因果応報としてーー。
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