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合宿編:最終日
アーサー、モニカ、ダフvsカミーユ、リアーナ、ジル
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生徒vs生徒が終了し、怪我を癒すために休息時間を挟んだ。アーサーが一番重傷だったが、エリクサーと回復魔法、リンクスの指輪(対戦中は外している)で、ザックリ裂けた横腹も、ひび割れた骨もすっかり完治した。次に重症だったのはダフだったが、彼もエリクサーと回復魔法ですっかり元気になった。
休憩が終わると双子、ダフvsカミーユ、リアーナ、ジルの対戦を行った。S級同士の対戦ではアーサーの魔法液の使用が認められているのでやりたい放題暴れていた。リアーナはモニカの魔法とアーサーの魔法液を打ち消すことに集中しなければならず、攻撃する暇をなかなか与えてもらえなかった。しかもアーサーが複数の魔法瓶を同時に使うので、リアーナでもところどころ打ち消せない魔法が生じてしまう。
それだけならまだカミーユとジルでも対処できたのだが、リアーナの弱点を掴まれている双子に毒魔法とバジリスクの毒を多用され、彼らは序盤からずっと強い毒におかされていた。その上アーサーは上達した剣術と弓術も織り交ぜてくるので、珍しくジルが押されている。
「ほんと…っ、誰なのアーサーに魔法液使う練習させたの…っ。厄介にもほどがあるでしょ…」
「テメェだっつーの!!」
「あ、僕か」
「もーーー!!モニカだけでも大変だってのにアーサーの魔法液まで相手にしなきゃいけないあたしの身にもなれっての!!」
観戦していたカトリナと貴族生徒たちは、リアーナとジルの会話にクスクス笑っていた。クラリッサは声を落としてカトリナに尋ねる。
「カトリナさん。お仕事の時もリアーナさんとジルさんってあんな感じなんですか?」
「ええそうねェ。ジルは意外と天然だから、ああして真顔でツッコミ待ちとしか思えないことを言っちゃったりするのよ。癒されるわァ」
「そうなんですね。ジルさんって根暗で無口で真面目なイメージだったから余計面白くって」
「ふふ。基本はそのイメージで合ってるわよォ」
「全部聞こえてるんだけどね」
ジルはアーサーの攻撃を受け流しながらジトっとした目で呟いた。
「根暗で無口で真面目なのは合ってるけど天然ではないよ。天然っていうのはアーサーとかモニカのことを指すんだから。僕は普通」
その独り言を聞いていたアーサーはぼんやりと思った。
(普通ってなんだっけ…)
双子とダフのタッグはS級が予想していたよりも手ごわかった。ダフの守りは猛毒におかされたカミーユでは打ち崩すのが難しい。ダフに手間取っている間に、彼のうしろに潜んでいるモニカが追い打ちの毒魔法をかけてくる。カミーユは鼻や口からボタボタ血を落としながら毒づいた。
「ったく…!誰だよダフに防御術教えたやつはよぉ…!ダフとモニカの組み合わせはえげつねえぜ…!」
「ほんと、誰だろうね」
「それもテメェだよ!!」
「あ、それも僕か」
「もーーー!!モニカだけでも大変だってのにダフの鉄壁まで相手にしなきゃいけないカミーユの身にもなれっての!!」
「どうして僕はしっかりと生徒を成長させて怒られてるんだろう」
「ボロボロなのに余裕綽々ですね、カミーユさんたち」
コントかと思う会話をS級がちょくちょく挟むのでシリルが苦笑いをしている。それにカトリナが返事をした。
「ダンジョンに潜ったらあの程度のダメージよくあることだから。それにカミーユたち、あんなこと言いながら負ける気は毛頭ないみたいよォ。今は3人の成長を実感して楽しんでる」
「ええ…楽しんでるんですか…血反吐はいてますけど…」
「変人の集まりよねェ」
(…他人事みたいに言ってますけど、あなたもたいがいですよ、カトリナさん)
S級3人を劣勢に追い込んだ双子・ダフチームだったが、カトリナが言った通りやはり最終日も勝ち星は上げさせてもらえなかった。これ以上毒を食らってはそろそろヤバイというところまで楽しんだあと、S級はリアーナに反属性魔法を打たせることをやめた。その代わりにリアーナの攻撃魔法が生徒たちに降りかかる。リアーナはまず全属性の攻撃魔法で心行くまで暴れ、モニカの目を逸らした隙にダフの盾に雷魔法を放った。それは落雷という形ではなく、盾に直接雷を流し込んだように見えた。モニカにはそれを察知することができず反属性魔法を打つことができなかった。盾を伝って感電したダフは思わず盾を手放してしまう。それを見計らって振り上げられていたカミーユの剣がダフの両腕輪にガツンと衝撃を与えた。
ダフという盾を失ったモニカを倒すことは容易かった。アーサーが助けに行こうとしたがリアーナとジルに邪魔されてしまう。カミーユはモニカの首輪にコツンと剣先を当てた。
最後に残ったアーサーはしぶとかった。リアーナの魔法を直にくらっても一瞬白目をむくだけですぐに意識を取り戻す。カミーユとジルが彼の鉄輪や鎧を狙うもギリギリで躱される(その代わり体に深い傷を負った)。結局ジルとカミーユに同時に攻められて鎧と首輪に傷をつけられリタイアとなったが、大戦終了時にはS級冒険者もアーサーと同じくらいボロボロだった。
「いい感じに成長したじゃねえかおまえら!!」
「うん、いいね。これから先は君たちの練習量にかかってるよ」
「合宿終わってもサボんじゃねーぞ!!」
「「「はい!!ありがとうございました!!」」」
休憩が終わると双子、ダフvsカミーユ、リアーナ、ジルの対戦を行った。S級同士の対戦ではアーサーの魔法液の使用が認められているのでやりたい放題暴れていた。リアーナはモニカの魔法とアーサーの魔法液を打ち消すことに集中しなければならず、攻撃する暇をなかなか与えてもらえなかった。しかもアーサーが複数の魔法瓶を同時に使うので、リアーナでもところどころ打ち消せない魔法が生じてしまう。
それだけならまだカミーユとジルでも対処できたのだが、リアーナの弱点を掴まれている双子に毒魔法とバジリスクの毒を多用され、彼らは序盤からずっと強い毒におかされていた。その上アーサーは上達した剣術と弓術も織り交ぜてくるので、珍しくジルが押されている。
「ほんと…っ、誰なのアーサーに魔法液使う練習させたの…っ。厄介にもほどがあるでしょ…」
「テメェだっつーの!!」
「あ、僕か」
「もーーー!!モニカだけでも大変だってのにアーサーの魔法液まで相手にしなきゃいけないあたしの身にもなれっての!!」
観戦していたカトリナと貴族生徒たちは、リアーナとジルの会話にクスクス笑っていた。クラリッサは声を落としてカトリナに尋ねる。
「カトリナさん。お仕事の時もリアーナさんとジルさんってあんな感じなんですか?」
「ええそうねェ。ジルは意外と天然だから、ああして真顔でツッコミ待ちとしか思えないことを言っちゃったりするのよ。癒されるわァ」
「そうなんですね。ジルさんって根暗で無口で真面目なイメージだったから余計面白くって」
「ふふ。基本はそのイメージで合ってるわよォ」
「全部聞こえてるんだけどね」
ジルはアーサーの攻撃を受け流しながらジトっとした目で呟いた。
「根暗で無口で真面目なのは合ってるけど天然ではないよ。天然っていうのはアーサーとかモニカのことを指すんだから。僕は普通」
その独り言を聞いていたアーサーはぼんやりと思った。
(普通ってなんだっけ…)
双子とダフのタッグはS級が予想していたよりも手ごわかった。ダフの守りは猛毒におかされたカミーユでは打ち崩すのが難しい。ダフに手間取っている間に、彼のうしろに潜んでいるモニカが追い打ちの毒魔法をかけてくる。カミーユは鼻や口からボタボタ血を落としながら毒づいた。
「ったく…!誰だよダフに防御術教えたやつはよぉ…!ダフとモニカの組み合わせはえげつねえぜ…!」
「ほんと、誰だろうね」
「それもテメェだよ!!」
「あ、それも僕か」
「もーーー!!モニカだけでも大変だってのにダフの鉄壁まで相手にしなきゃいけないカミーユの身にもなれっての!!」
「どうして僕はしっかりと生徒を成長させて怒られてるんだろう」
「ボロボロなのに余裕綽々ですね、カミーユさんたち」
コントかと思う会話をS級がちょくちょく挟むのでシリルが苦笑いをしている。それにカトリナが返事をした。
「ダンジョンに潜ったらあの程度のダメージよくあることだから。それにカミーユたち、あんなこと言いながら負ける気は毛頭ないみたいよォ。今は3人の成長を実感して楽しんでる」
「ええ…楽しんでるんですか…血反吐はいてますけど…」
「変人の集まりよねェ」
(…他人事みたいに言ってますけど、あなたもたいがいですよ、カトリナさん)
S級3人を劣勢に追い込んだ双子・ダフチームだったが、カトリナが言った通りやはり最終日も勝ち星は上げさせてもらえなかった。これ以上毒を食らってはそろそろヤバイというところまで楽しんだあと、S級はリアーナに反属性魔法を打たせることをやめた。その代わりにリアーナの攻撃魔法が生徒たちに降りかかる。リアーナはまず全属性の攻撃魔法で心行くまで暴れ、モニカの目を逸らした隙にダフの盾に雷魔法を放った。それは落雷という形ではなく、盾に直接雷を流し込んだように見えた。モニカにはそれを察知することができず反属性魔法を打つことができなかった。盾を伝って感電したダフは思わず盾を手放してしまう。それを見計らって振り上げられていたカミーユの剣がダフの両腕輪にガツンと衝撃を与えた。
ダフという盾を失ったモニカを倒すことは容易かった。アーサーが助けに行こうとしたがリアーナとジルに邪魔されてしまう。カミーユはモニカの首輪にコツンと剣先を当てた。
最後に残ったアーサーはしぶとかった。リアーナの魔法を直にくらっても一瞬白目をむくだけですぐに意識を取り戻す。カミーユとジルが彼の鉄輪や鎧を狙うもギリギリで躱される(その代わり体に深い傷を負った)。結局ジルとカミーユに同時に攻められて鎧と首輪に傷をつけられリタイアとなったが、大戦終了時にはS級冒険者もアーサーと同じくらいボロボロだった。
「いい感じに成長したじゃねえかおまえら!!」
「うん、いいね。これから先は君たちの練習量にかかってるよ」
「合宿終わってもサボんじゃねーぞ!!」
「「「はい!!ありがとうございました!!」」」
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