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合宿編:二週目・基礎特訓
【411話】ムキムキにならないために
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放心状態から目を覚ましたジルは、おもむろにアイテムボックスから分厚い本を取り出した。パラパラとページをめくり何かを探している。モニカがそんなジルをちらちら見ながら筋トレをしていると、「これだ!!」とジルががたりと立ちあがった。
「え!?もう思いついたの?!」
「うーん、それっぽいものは見つけたけど。僕の専門外だ。モニカ、リアーナのところへ行くよ」
「リアーナ!?いくー!!」
ジルとモニカは早速森へ向かった。森の奥でライラに回復魔法を教えているリアーナを見つけ、キリがいいところまでジルたちは筋トレをして待っていた。手があいたリアーナは、笑いをかみ殺しながら二人に近づいてくる。
「ぷぷぷ…っ、モニカが筋トレしてるっ…ぷーーーーっ」
「全然笑い堪えきれてないよリアーナ!」
「わがままばかりで困ってる。なにに困ってるって、甘やかすなって言ったカミーユに困ってる」
「そっちかよ!甘やかしたくてしょーがねえんじゃん!!」
「甘やかしたいよ。モニカの言うことはなんでも聞いてあげたい」
「そこまで来たら危ないおっさんだぜジル…。で?なんの用だぁ?」
「結論から言うね。リアーナ、モニカに身体強化魔法は使えると思う?」
「身体強化魔法かー!シャナが得意だよなそういうの!あたしは苦手だ!がはは!」
「リアーナはバフよりデバフが得意だよね」
「おう!デバフは得意だ!ちなみにシャナはデバフが苦手だ!」
「モニカは?」
「うーん…。バフとかデバフの魔法ってかなり高度だからなあ…。使えるのS級レベルだけだろー?呪文が難解だし、加減が難しいし…。モニカの魔力量からしたら使えそうなんだけど、なんせ繊細な魔法だからなあ…。それにモニカは呪文じゃなくて歌じゃないといけねーし…。んー…」
リアーナがぼんやりとした回答しかしないので、ジルもモニカも困ったように目を見合わせた。
「…つまり、魔力量は問題ないけど、コントロールのスキルがまだ足りてないってこと?」
「おー!さすがジル!!そういうことだ!!」
「ついでにモニカの魔法発動条件が特殊だから、リアーナが教えられるか不安ってことだね」
「そのとおりだ!ぎゃはは!」
「えー…じゃあ使えないのぉ…?」
「使えないならムキムキになるしかないよ、モニカ」
「それはいやぁ!!」
「あん?なんだモニカ、ムキムキになりたくねえから筋肉つけるより身体強化魔法覚えようと思ったのかぁ?」
「うん!!」
「アーサーよりムキムキになったら、アーサーがかわいそうだからだって」
「ぎゃはははは!!!確かにそうなったらアーサーが泣くな!!」
「リアーナ。モニカが身体強化魔法を習得するまでどのくらい時間がかかると思う?」
「分かんねえ!こいつは聖魔法をたった半日で使えるようになるようなやつだ!一瞬で習得する可能性は大いにあるな!でも、実用できるようになるまではかなりかかると思う。なんせこいつはコントロールが…」
「分かった。モニカ。合宿が終わるまでに習得して。使い物にならなくてもいい。とりあえず身体強化魔法を打てるようになって。できなかったらムキムキになってもらうよ」
「分かった!!頑張ってみる!!」
「じゃあ残りの時間はリアーナに教えてもらって。モニカ、だからと言って筋トレはサボらないでね。今までの4分の1でいいから毎日筋トレして。基礎能力を上げてて損はないからね。安心して。その程度なら筋肉ががっしりつくことはないから」
「はぁい…」
筋トレからは逃げられないのか…とモニカは少し残念そうな顔をした。彼女をリアーナに預け、ジルは庭に戻って行った。モニカと特訓ができなくなったのが悲しいのか、いつもより猫背でトボトボと去っていく姿はとてもS級冒険者には見えなかった。
「え!?もう思いついたの?!」
「うーん、それっぽいものは見つけたけど。僕の専門外だ。モニカ、リアーナのところへ行くよ」
「リアーナ!?いくー!!」
ジルとモニカは早速森へ向かった。森の奥でライラに回復魔法を教えているリアーナを見つけ、キリがいいところまでジルたちは筋トレをして待っていた。手があいたリアーナは、笑いをかみ殺しながら二人に近づいてくる。
「ぷぷぷ…っ、モニカが筋トレしてるっ…ぷーーーーっ」
「全然笑い堪えきれてないよリアーナ!」
「わがままばかりで困ってる。なにに困ってるって、甘やかすなって言ったカミーユに困ってる」
「そっちかよ!甘やかしたくてしょーがねえんじゃん!!」
「甘やかしたいよ。モニカの言うことはなんでも聞いてあげたい」
「そこまで来たら危ないおっさんだぜジル…。で?なんの用だぁ?」
「結論から言うね。リアーナ、モニカに身体強化魔法は使えると思う?」
「身体強化魔法かー!シャナが得意だよなそういうの!あたしは苦手だ!がはは!」
「リアーナはバフよりデバフが得意だよね」
「おう!デバフは得意だ!ちなみにシャナはデバフが苦手だ!」
「モニカは?」
「うーん…。バフとかデバフの魔法ってかなり高度だからなあ…。使えるのS級レベルだけだろー?呪文が難解だし、加減が難しいし…。モニカの魔力量からしたら使えそうなんだけど、なんせ繊細な魔法だからなあ…。それにモニカは呪文じゃなくて歌じゃないといけねーし…。んー…」
リアーナがぼんやりとした回答しかしないので、ジルもモニカも困ったように目を見合わせた。
「…つまり、魔力量は問題ないけど、コントロールのスキルがまだ足りてないってこと?」
「おー!さすがジル!!そういうことだ!!」
「ついでにモニカの魔法発動条件が特殊だから、リアーナが教えられるか不安ってことだね」
「そのとおりだ!ぎゃはは!」
「えー…じゃあ使えないのぉ…?」
「使えないならムキムキになるしかないよ、モニカ」
「それはいやぁ!!」
「あん?なんだモニカ、ムキムキになりたくねえから筋肉つけるより身体強化魔法覚えようと思ったのかぁ?」
「うん!!」
「アーサーよりムキムキになったら、アーサーがかわいそうだからだって」
「ぎゃはははは!!!確かにそうなったらアーサーが泣くな!!」
「リアーナ。モニカが身体強化魔法を習得するまでどのくらい時間がかかると思う?」
「分かんねえ!こいつは聖魔法をたった半日で使えるようになるようなやつだ!一瞬で習得する可能性は大いにあるな!でも、実用できるようになるまではかなりかかると思う。なんせこいつはコントロールが…」
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「じゃあ残りの時間はリアーナに教えてもらって。モニカ、だからと言って筋トレはサボらないでね。今までの4分の1でいいから毎日筋トレして。基礎能力を上げてて損はないからね。安心して。その程度なら筋肉ががっしりつくことはないから」
「はぁい…」
筋トレからは逃げられないのか…とモニカは少し残念そうな顔をした。彼女をリアーナに預け、ジルは庭に戻って行った。モニカと特訓ができなくなったのが悲しいのか、いつもより猫背でトボトボと去っていく姿はとてもS級冒険者には見えなかった。
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