236 / 718
異国編:ジッピン前編:出会い
【256話】お礼に願いを叶えましょう(叶えられる範囲で)
しおりを挟む
「起きて」
「起きて」
「ん~…」
よろず屋へ行った次の日の明朝。兄とひとつの布団で眠っていたモニカは肩を揺らされ目が覚めた。しかめた顔で寝がえりを打つと、少女二人がモニカを覗き込んでいる。驚いたモニカは「きゃっ!」と声をあげながら飛び起きた。少女は口に指を当てて「しー」と仕草をした。モニカはハッと口に手を当ててアーサーの様子を伺う。兄はまだぐっすり眠っていた。
「レンゲ、ムクゲ。ど、どうしたの?」
「ヌシサマが呼んでる」
「来て」
「えっ、こんな時間に…?」
「もう朝」
「夜じゃなくなった」
「そうだけどぉ…。もうちょっと寝たいんだけど…」
「来て」
「ヌシサマが呼んでる」
「うぅぅ~…」
レンゲとムクゲはぐずるモニカの手をぐいぐい引っ張り布団から引きずり出そうとする。観念したモニカは「分かったわよぉもう…」といやいや起き上がった。
「またあの森に行くの?」
「うん」
「じゃあ一応杖と…えへへ、ワキザシも持って行っちゃおうっと。森は危険だもんね~」
モニカは寝衣のままベルトを腰に巻き、そこに杖とワキザシを挿した。杖とワキザシを持っている自分がかっこよく見え、少女二人に見せびらかした。
「ねえ見て。かっこいいでしょぉ?わたし、魔法使いなのにワキザシを持ってるんだよ~。いつか魔法を使いながらシュッてワキザシを振って魔物をビシィってやっつけられるようになりたいなー!」
「来て」
「ヌシサマが呼んでる」
「あ、はい…」
モニカがにこにこしながらジェスチャーをしているのを無表情で眺めたあと、レンゲとムクゲは彼女の手を引き同じことばを繰り返した。一人で盛り上がっていたことが恥ずかしくなり、赤面しながら少女たちについていく。外はまだ薄暗かった。
森の奥には、木にもたれかかって座っている薄雪がいた。生えている野花を指で優しく撫でていた彼は、モニカに気が付き顔を上げる。
「おはようございますモニカ」
「おはよう…。どうしたのウスユキ…こんな時間に」
「こんな時間とは…?もう朝ですが」
「まだ暗いよぉ!まだ夜だよこんなの!」
「そうですか?ふむ…、それは悪いことをしましたね」
「それで、どうしたの?まだどこか痛む?」
「いいえ。あなたのおかげですっかり治りましたよ」
「そっかあ。よかったよかった。…じゃなくて、どうして私をこんな時間に呼んだの?」
「別に特段理由があるわけではありません。あなたとお話したいと思ったので呼びました」
「ええー…」
意味もなく起こされ、意味もなく呼ばれたことにモニカは不満げな声を漏らした。少女たちに誘導されて薄雪の隣へ腰かけるも、じっと彼を睨んで頬を膨らませている。そんな彼女に薄雪は「おやおや」とクスクス笑った。
「どうやら怒らせてしまったようだ」
「だってぐっすり寝てるところ起こされて、呼ばれたと思ったらなにも用事がないなんて」
「すみません。久しぶりにヒトと話せて浮かれていたようです。あなたの都合も考えずに呼び立ててしまった」
「あら。あなた、おともだちが少ないの?」
「そうですね。あまりいないかな」
「そっかあ。寂しかったのね。じゃあしかたないわ」
「許してくれるのですか?」
「うん。ひとりぼっちは寂しいもの。私だってときどき無性に寂しくなって、夜中にアーサー…お兄ちゃんを起こしてお喋りしてもらうことがあるの。きっとそれと同じね」
「ふふ」
「む。なにがおかしいのよ」
「いいえ、なにも」
「でも今笑ったわ」
「笑っていません」
「笑ったわ。ねえ、レンゲ、ムクゲ。いまウスユキわらったわよね?」
「笑った」
「笑った」
「こら」
「…笑ってない」
「笑ってない」
「ちょっと!今レンゲとムクゲに圧をかけたでしょう!ちゃんと聞こえたよ!はじめ二人とも笑ったって言った!」
「言ってない」
「ヌシサマは笑ってない」
「ほら、笑っていないでしょう」
ぷるぷる震えながら少女ふたりが「笑ってない」を繰り返し、薄雪はふふんと笑いながらモニカを見た。モニカはまたぷぅと頬を膨らまし、「もうどっちでもいいわ!」とそっぽを向いた。また怒らせてしまい、困った薄雪は閉じた扇子の先でモニカの頬をつつく。
「困りましたねえ。怒らせるために呼んだのではないのに。…おや、その脇差…」
「ん?」
モニカの腰に挿している脇差を薄雪が鞘から引き抜いた。刃先に花びらのようなシンボルが小さく彫られている。
「わっ、ウスユキだめよ。急に鞘から抜くなんて。危ないよ!」
「懐かしいな。モニカ、これをどこで手に入れたのですか?」
「よろず屋のカタナ屋さんで買ってもらったの!いいでしょお?見て!ツバにね、サクラの花の模様があるんだよ!」
さきほど少女たちにスルーされてしまった脇差に興味を持ってもらったことが嬉しくて、不機嫌だったことも忘れてモニカは目をキラキラさせて自慢した。薄雪は彼女の話をにこにこ聞いたあと、脇差を眺めながら呟いた。
「よく知っていますよ。これは私が昔使っていたものなのですから」
「え!そうなのお?!」
「ええ。ここ数十年ぱたりと姿を消していたこの子をあなたが持って私の元へ訪れるなんて。…どうやらあなたは私と深い縁があるようですね」
「エニシ?」
「繋がりです」
「へー!」
「モニカ。この子の扱いには気を付けて。曲者ですよ」
「分かった!」
「…分かっていませんね。その返事」
「?」
「まあいいです。そのうち分かるでしょう。…話は変わりますが、モニカ。私があなたを呼んだ理由を見つけましたよ」
「えっなになにぃ?!」
「すっかり忘れていました。私はあなたに先日助けてもらった礼をしなければならないのでした」
「えーいいのにぃ」
「いいえ。こういうことはちゃんとしておかないといけないのです。いただいた恩は返さねば。モニカ、なにか願いはないですか」
「急に言われてもなあ…。あっ!ある!」
「なんですか?」
「アーサーをお嫁さんにしたい!」
「……」
「……」
「他にはないですか?」
「えーっと…」
薄雪は微笑んだまま代替案を求めた。どうやらその願いは叶えられないらしい。モニカは今さら自分の言ったことが恥ずかしくなり、顔を赤らめながら欲しいものを考えた。
「あっ!ある!」
「なんでしょう」
「でも…どうせこれも無理なんだろうなあ…」
「言ってごらんなさい」
「…サクラの木の枝が欲しい」
「ほう。これまた無理難題を」
「だよねえ」
ダメ元で言ってみただけなので、モニカはさほどがっかりしなかった。じゃあ次の案をと考え始めたとき、薄雪がふわりと立ち上がり少女二人に声をかけた。
「蓮華、蕣。モニカを屋敷へ」
「えっ」
「はい」
「はい」
「モニカ、屋敷へ戻ったらまた布団へ潜り込むのですか?ゆっくり寝なさい」
「ちょっと待ってよ!まだ話の途中でしょ?!」
「いいえ。もう終わりました」
「もしかして無理なことばっかり言って怒らせちゃった?ごめんね…ってレンゲ、ムクゲ!止まりなさいよ!」
モニカの言葉を無視して、レンゲとムクゲはまたずるずるとモニカを引きずって森を出ようとする。モニカよりずっと小さいのに力が強い。諦めたモニカは小さくなっていく薄雪に大声で声をかけた。
「ウスユキー!この森にはこわぁい魔物がいるんだって!襲われないように気を付けてねええぇぇぇ…」
「怖い魔物?はて…心当たりがないな…」
「起きて」
「ん~…」
よろず屋へ行った次の日の明朝。兄とひとつの布団で眠っていたモニカは肩を揺らされ目が覚めた。しかめた顔で寝がえりを打つと、少女二人がモニカを覗き込んでいる。驚いたモニカは「きゃっ!」と声をあげながら飛び起きた。少女は口に指を当てて「しー」と仕草をした。モニカはハッと口に手を当ててアーサーの様子を伺う。兄はまだぐっすり眠っていた。
「レンゲ、ムクゲ。ど、どうしたの?」
「ヌシサマが呼んでる」
「来て」
「えっ、こんな時間に…?」
「もう朝」
「夜じゃなくなった」
「そうだけどぉ…。もうちょっと寝たいんだけど…」
「来て」
「ヌシサマが呼んでる」
「うぅぅ~…」
レンゲとムクゲはぐずるモニカの手をぐいぐい引っ張り布団から引きずり出そうとする。観念したモニカは「分かったわよぉもう…」といやいや起き上がった。
「またあの森に行くの?」
「うん」
「じゃあ一応杖と…えへへ、ワキザシも持って行っちゃおうっと。森は危険だもんね~」
モニカは寝衣のままベルトを腰に巻き、そこに杖とワキザシを挿した。杖とワキザシを持っている自分がかっこよく見え、少女二人に見せびらかした。
「ねえ見て。かっこいいでしょぉ?わたし、魔法使いなのにワキザシを持ってるんだよ~。いつか魔法を使いながらシュッてワキザシを振って魔物をビシィってやっつけられるようになりたいなー!」
「来て」
「ヌシサマが呼んでる」
「あ、はい…」
モニカがにこにこしながらジェスチャーをしているのを無表情で眺めたあと、レンゲとムクゲは彼女の手を引き同じことばを繰り返した。一人で盛り上がっていたことが恥ずかしくなり、赤面しながら少女たちについていく。外はまだ薄暗かった。
森の奥には、木にもたれかかって座っている薄雪がいた。生えている野花を指で優しく撫でていた彼は、モニカに気が付き顔を上げる。
「おはようございますモニカ」
「おはよう…。どうしたのウスユキ…こんな時間に」
「こんな時間とは…?もう朝ですが」
「まだ暗いよぉ!まだ夜だよこんなの!」
「そうですか?ふむ…、それは悪いことをしましたね」
「それで、どうしたの?まだどこか痛む?」
「いいえ。あなたのおかげですっかり治りましたよ」
「そっかあ。よかったよかった。…じゃなくて、どうして私をこんな時間に呼んだの?」
「別に特段理由があるわけではありません。あなたとお話したいと思ったので呼びました」
「ええー…」
意味もなく起こされ、意味もなく呼ばれたことにモニカは不満げな声を漏らした。少女たちに誘導されて薄雪の隣へ腰かけるも、じっと彼を睨んで頬を膨らませている。そんな彼女に薄雪は「おやおや」とクスクス笑った。
「どうやら怒らせてしまったようだ」
「だってぐっすり寝てるところ起こされて、呼ばれたと思ったらなにも用事がないなんて」
「すみません。久しぶりにヒトと話せて浮かれていたようです。あなたの都合も考えずに呼び立ててしまった」
「あら。あなた、おともだちが少ないの?」
「そうですね。あまりいないかな」
「そっかあ。寂しかったのね。じゃあしかたないわ」
「許してくれるのですか?」
「うん。ひとりぼっちは寂しいもの。私だってときどき無性に寂しくなって、夜中にアーサー…お兄ちゃんを起こしてお喋りしてもらうことがあるの。きっとそれと同じね」
「ふふ」
「む。なにがおかしいのよ」
「いいえ、なにも」
「でも今笑ったわ」
「笑っていません」
「笑ったわ。ねえ、レンゲ、ムクゲ。いまウスユキわらったわよね?」
「笑った」
「笑った」
「こら」
「…笑ってない」
「笑ってない」
「ちょっと!今レンゲとムクゲに圧をかけたでしょう!ちゃんと聞こえたよ!はじめ二人とも笑ったって言った!」
「言ってない」
「ヌシサマは笑ってない」
「ほら、笑っていないでしょう」
ぷるぷる震えながら少女ふたりが「笑ってない」を繰り返し、薄雪はふふんと笑いながらモニカを見た。モニカはまたぷぅと頬を膨らまし、「もうどっちでもいいわ!」とそっぽを向いた。また怒らせてしまい、困った薄雪は閉じた扇子の先でモニカの頬をつつく。
「困りましたねえ。怒らせるために呼んだのではないのに。…おや、その脇差…」
「ん?」
モニカの腰に挿している脇差を薄雪が鞘から引き抜いた。刃先に花びらのようなシンボルが小さく彫られている。
「わっ、ウスユキだめよ。急に鞘から抜くなんて。危ないよ!」
「懐かしいな。モニカ、これをどこで手に入れたのですか?」
「よろず屋のカタナ屋さんで買ってもらったの!いいでしょお?見て!ツバにね、サクラの花の模様があるんだよ!」
さきほど少女たちにスルーされてしまった脇差に興味を持ってもらったことが嬉しくて、不機嫌だったことも忘れてモニカは目をキラキラさせて自慢した。薄雪は彼女の話をにこにこ聞いたあと、脇差を眺めながら呟いた。
「よく知っていますよ。これは私が昔使っていたものなのですから」
「え!そうなのお?!」
「ええ。ここ数十年ぱたりと姿を消していたこの子をあなたが持って私の元へ訪れるなんて。…どうやらあなたは私と深い縁があるようですね」
「エニシ?」
「繋がりです」
「へー!」
「モニカ。この子の扱いには気を付けて。曲者ですよ」
「分かった!」
「…分かっていませんね。その返事」
「?」
「まあいいです。そのうち分かるでしょう。…話は変わりますが、モニカ。私があなたを呼んだ理由を見つけましたよ」
「えっなになにぃ?!」
「すっかり忘れていました。私はあなたに先日助けてもらった礼をしなければならないのでした」
「えーいいのにぃ」
「いいえ。こういうことはちゃんとしておかないといけないのです。いただいた恩は返さねば。モニカ、なにか願いはないですか」
「急に言われてもなあ…。あっ!ある!」
「なんですか?」
「アーサーをお嫁さんにしたい!」
「……」
「……」
「他にはないですか?」
「えーっと…」
薄雪は微笑んだまま代替案を求めた。どうやらその願いは叶えられないらしい。モニカは今さら自分の言ったことが恥ずかしくなり、顔を赤らめながら欲しいものを考えた。
「あっ!ある!」
「なんでしょう」
「でも…どうせこれも無理なんだろうなあ…」
「言ってごらんなさい」
「…サクラの木の枝が欲しい」
「ほう。これまた無理難題を」
「だよねえ」
ダメ元で言ってみただけなので、モニカはさほどがっかりしなかった。じゃあ次の案をと考え始めたとき、薄雪がふわりと立ち上がり少女二人に声をかけた。
「蓮華、蕣。モニカを屋敷へ」
「えっ」
「はい」
「はい」
「モニカ、屋敷へ戻ったらまた布団へ潜り込むのですか?ゆっくり寝なさい」
「ちょっと待ってよ!まだ話の途中でしょ?!」
「いいえ。もう終わりました」
「もしかして無理なことばっかり言って怒らせちゃった?ごめんね…ってレンゲ、ムクゲ!止まりなさいよ!」
モニカの言葉を無視して、レンゲとムクゲはまたずるずるとモニカを引きずって森を出ようとする。モニカよりずっと小さいのに力が強い。諦めたモニカは小さくなっていく薄雪に大声で声をかけた。
「ウスユキー!この森にはこわぁい魔物がいるんだって!襲われないように気を付けてねええぇぇぇ…」
「怖い魔物?はて…心当たりがないな…」
12
お気に入りに追加
4,353
あなたにおすすめの小説
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!
山田みかん
ファンタジー
「貴方には剣と魔法の異世界へ行ってもらいますぅ~」
────何言ってんのコイツ?
あれ? 私に言ってるんじゃないの?
ていうか、ここはどこ?
ちょっと待てッ!私はこんなところにいる場合じゃないんだよっ!
推しに会いに行かねばならんのだよ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。