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異国編:ジッピン前編:出会い
【239話】両替完了
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「は…白金貨…100枚…?」
「?」
「えっと…なにかへんですか…?」
アーサーは不安げに尋ねた。それでも黙っているので助けを求めてヴァジーを見る。ヴァジーは笑いを堪えているためかぷるぷる震えながら「ギルドマスター」と声をかけた。
「は、はいっ」
「船を待たせているんでね。早いところ両替をお願いできるかな?」
「わ、わかりました…。…あの、この子たちはいったい…」
「エリクサーの生みの親だ。これで分かるだろう?」
「っ!」
それを聞いたギルドマスターはとたんに背筋をぴんと伸ばした。今までまったく眼中に入れていなかった子ども二人に勢いよく頭を下げる。
「?!」
「これは大変失礼いたしました!さきほどの無礼な態度お許しください!」
「そ、そんな態度とられてたのに気づかなかったよ…」
「急にどうしたの…?」
「さてさて、では早速こちらを両替させていただきますね!お二人さまはジッピンへは何度も?」
「ううん。はじめてです」
「そうですかそうか!ではご説明させていただきます!」
急に元気になったギルドマスターに戸惑った双子がこっそり目を見合わせた。「どうしたんだろうね?」「さあ…」と目で会話したあとに再びギルドマスターへ顔を向ける。
「この国のお金が"銅貨、小銀貨、大銀貨、金貨、白金貨"の5種類の単位があるのに対して、ジッピンでは"ウィン"ただ1種類しかありません」
「へー!」
「そうなんだあ!」
「ええ。そしてこれが、替えた時の金額になります」
ギルドマスターはそう言いながら、白い紙に簡単な一覧表を書いて双子に見せた。
-------------------------------
【為替相場】
銅貨1枚=10ウィン
小銀貨1枚=100ウィン
大銀貨1枚=1,000ウィン
金貨1枚=10,000ウィン
白金貨1枚=100,000ウィン
【ジッピンの貨幣】
・1ウィン硬貨
・5ウィン硬貨
・10ウィン硬貨
・50ウィン硬貨
・100ウィン硬貨
・500ウィン硬貨
・1,000ウィン紙幣
・5,000ウィン紙幣
・10,000ウィン紙幣
--------------------------------
「ゼロがいっぱい…」
「貨幣の数がたくさんある…」
双子は興味深げに紙を覗き込んでいる。ギルドマスターは「そうなんです」と頷きながら説明を続けた。
「ジッピンのお金の単位は"ウィン"で統一されていますので、桁がすごいことになっていますね。慣れれば分かりやすいですよ。…あと、両替には手数料がかかります。両替手数料は2%ですので、白金貨100枚の両替であれば白金貨2枚をいただきます。よろしいですか?」
「はい!」
「うん、妥当だね」
「なかなか良心的じゃないか」
うしろでカユボティとヴァジーがボソっと呟いた。ギルドマスターは内心(あなたがたがいらっしゃるのに下手なことはできませんよ…)と舌打ちしていた。
(このなにも知らない子たちだけであれば5%はとれたかもしれないのに…)
「マスター、悔しそうな顔をしているね」
「えっ?!いえ、そんなっ、まさか!はははは」
「?」
ギルドマスターとカユボティの会話の意味が分からずぽかんとしている双子にヴァジーが話しかけた。
「アーサー、モニカ。白金貨98枚分のお金をどう替えてもらうか決めようか。僕は1ウィンから50ウィン硬貨まではいらないと思うな」
「どうしたらいいかなあ?ヴァジー、一緒に考えてくれる?」
「もちろんいいよ。そうだな…。100ウィン硬貨はよく使うから500枚、500ウィン硬貨を100枚、1,000ウィン硬貨もよく使うから…1,000枚くらいかな?カユボティ、どう思う?」
「ああ、そのくらいでいいと思うよ。5,000ウィン紙幣は100枚くらい持ってたら充分だと思う。これで白金貨16枚か…。残り82枚は全て10,000ウィン紙幣に替えてもらおう」
「…それでいいかな?アーサーとモニカ」
「うん!分からないからそれでおねがいします!」
「かしこまりました。では用意いたしますのでしばらくお待ちください」
しばらく席を外していたギルドマスターが戻ったとき、麻袋2つと小箱を3つを抱えていた。どさりとテーブルへ置いて「どうぞご確認を」と双子に手で合図をする。アーサーとモニカはドキドキしながら麻袋と小箱を開いた。
「わぁ…!」
麻袋には"佰"と書かれた小さめの硬貨と、"伍佰"と書かれた大きめの硬貨が入っていた。小箱の中には"仟""伍仟""壱萬"と書かれた細長い紙幣が紐でまとめられて入っている。見たことがない文字に双子は「わぁぁっ!」と感嘆している。
「モニカ見て!すごいよ!僕たちの知らない文字だ!」
「ほんとうだー!!むずかしいねえ!複雑な文字だね!」
「これが100ウィンで、こっちが500ウィン。一文字の紙幣は1,000ウィンで、一番難しい文字で書かれてるのが10,000ウィン、のこりの紙幣が5,000ウィンだよ。100ウィンが小銀貨1枚と同じ価値、500ウィンが小銀貨5枚、1,000ウィンが大銀貨1枚で、5,000ウィンが大銀貨5枚。そして10,000ウィンが金貨1枚」
ヴァジーがうしろから貨幣を指さして双子に教えた。アーサーはもちろん一度で覚えたが、モニカは「うーん…?」と唸っている。
「てことは、エリクサーは1本2,000ウィン?」
「その通り」
「おおー!!」
「2,000ウィンってことは、この"仟"って書かれたお金を2枚だ!!」
「そうだね」
「おおおー!!」
「アーサー!エリクサーくださいっ」
「はーい!2,000ウィンです!」
「はい!どうぞー!」
「2,000ウィンいただきます!」
楽しくなってきた双子がお買い物ごっこを始めたので、大人たちは微笑ましげに彼らの様子を眺めた。しばらく遊ばせてあげてからカユボティが手を叩く。
「よし、両替もできたことだしそろそろ港で行こうか」
「行くー!!」
「?」
「えっと…なにかへんですか…?」
アーサーは不安げに尋ねた。それでも黙っているので助けを求めてヴァジーを見る。ヴァジーは笑いを堪えているためかぷるぷる震えながら「ギルドマスター」と声をかけた。
「は、はいっ」
「船を待たせているんでね。早いところ両替をお願いできるかな?」
「わ、わかりました…。…あの、この子たちはいったい…」
「エリクサーの生みの親だ。これで分かるだろう?」
「っ!」
それを聞いたギルドマスターはとたんに背筋をぴんと伸ばした。今までまったく眼中に入れていなかった子ども二人に勢いよく頭を下げる。
「?!」
「これは大変失礼いたしました!さきほどの無礼な態度お許しください!」
「そ、そんな態度とられてたのに気づかなかったよ…」
「急にどうしたの…?」
「さてさて、では早速こちらを両替させていただきますね!お二人さまはジッピンへは何度も?」
「ううん。はじめてです」
「そうですかそうか!ではご説明させていただきます!」
急に元気になったギルドマスターに戸惑った双子がこっそり目を見合わせた。「どうしたんだろうね?」「さあ…」と目で会話したあとに再びギルドマスターへ顔を向ける。
「この国のお金が"銅貨、小銀貨、大銀貨、金貨、白金貨"の5種類の単位があるのに対して、ジッピンでは"ウィン"ただ1種類しかありません」
「へー!」
「そうなんだあ!」
「ええ。そしてこれが、替えた時の金額になります」
ギルドマスターはそう言いながら、白い紙に簡単な一覧表を書いて双子に見せた。
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【為替相場】
銅貨1枚=10ウィン
小銀貨1枚=100ウィン
大銀貨1枚=1,000ウィン
金貨1枚=10,000ウィン
白金貨1枚=100,000ウィン
【ジッピンの貨幣】
・1ウィン硬貨
・5ウィン硬貨
・10ウィン硬貨
・50ウィン硬貨
・100ウィン硬貨
・500ウィン硬貨
・1,000ウィン紙幣
・5,000ウィン紙幣
・10,000ウィン紙幣
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「ゼロがいっぱい…」
「貨幣の数がたくさんある…」
双子は興味深げに紙を覗き込んでいる。ギルドマスターは「そうなんです」と頷きながら説明を続けた。
「ジッピンのお金の単位は"ウィン"で統一されていますので、桁がすごいことになっていますね。慣れれば分かりやすいですよ。…あと、両替には手数料がかかります。両替手数料は2%ですので、白金貨100枚の両替であれば白金貨2枚をいただきます。よろしいですか?」
「はい!」
「うん、妥当だね」
「なかなか良心的じゃないか」
うしろでカユボティとヴァジーがボソっと呟いた。ギルドマスターは内心(あなたがたがいらっしゃるのに下手なことはできませんよ…)と舌打ちしていた。
(このなにも知らない子たちだけであれば5%はとれたかもしれないのに…)
「マスター、悔しそうな顔をしているね」
「えっ?!いえ、そんなっ、まさか!はははは」
「?」
ギルドマスターとカユボティの会話の意味が分からずぽかんとしている双子にヴァジーが話しかけた。
「アーサー、モニカ。白金貨98枚分のお金をどう替えてもらうか決めようか。僕は1ウィンから50ウィン硬貨まではいらないと思うな」
「どうしたらいいかなあ?ヴァジー、一緒に考えてくれる?」
「もちろんいいよ。そうだな…。100ウィン硬貨はよく使うから500枚、500ウィン硬貨を100枚、1,000ウィン硬貨もよく使うから…1,000枚くらいかな?カユボティ、どう思う?」
「ああ、そのくらいでいいと思うよ。5,000ウィン紙幣は100枚くらい持ってたら充分だと思う。これで白金貨16枚か…。残り82枚は全て10,000ウィン紙幣に替えてもらおう」
「…それでいいかな?アーサーとモニカ」
「うん!分からないからそれでおねがいします!」
「かしこまりました。では用意いたしますのでしばらくお待ちください」
しばらく席を外していたギルドマスターが戻ったとき、麻袋2つと小箱を3つを抱えていた。どさりとテーブルへ置いて「どうぞご確認を」と双子に手で合図をする。アーサーとモニカはドキドキしながら麻袋と小箱を開いた。
「わぁ…!」
麻袋には"佰"と書かれた小さめの硬貨と、"伍佰"と書かれた大きめの硬貨が入っていた。小箱の中には"仟""伍仟""壱萬"と書かれた細長い紙幣が紐でまとめられて入っている。見たことがない文字に双子は「わぁぁっ!」と感嘆している。
「モニカ見て!すごいよ!僕たちの知らない文字だ!」
「ほんとうだー!!むずかしいねえ!複雑な文字だね!」
「これが100ウィンで、こっちが500ウィン。一文字の紙幣は1,000ウィンで、一番難しい文字で書かれてるのが10,000ウィン、のこりの紙幣が5,000ウィンだよ。100ウィンが小銀貨1枚と同じ価値、500ウィンが小銀貨5枚、1,000ウィンが大銀貨1枚で、5,000ウィンが大銀貨5枚。そして10,000ウィンが金貨1枚」
ヴァジーがうしろから貨幣を指さして双子に教えた。アーサーはもちろん一度で覚えたが、モニカは「うーん…?」と唸っている。
「てことは、エリクサーは1本2,000ウィン?」
「その通り」
「おおー!!」
「2,000ウィンってことは、この"仟"って書かれたお金を2枚だ!!」
「そうだね」
「おおおー!!」
「アーサー!エリクサーくださいっ」
「はーい!2,000ウィンです!」
「はい!どうぞー!」
「2,000ウィンいただきます!」
楽しくなってきた双子がお買い物ごっこを始めたので、大人たちは微笑ましげに彼らの様子を眺めた。しばらく遊ばせてあげてからカユボティが手を叩く。
「よし、両替もできたことだしそろそろ港で行こうか」
「行くー!!」
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