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淫魔編:1年ぶりの町巡り
【172話】エドガのアトリエ(ルアン)
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カフェからしばらく歩いたところにエドガのアトリエはあった。几帳面に整理されたキャンバスの数々、数千枚と描かせたデッサンの紙束。アトリエの中央に立っているイーゼルと椅子。ここでゲイジュツが生み出されているのかと双子はじんわり感動した。
「油絵は金貨10枚、デッサンは金貨3枚だ」
エドガはそう言ってイーゼルの前に腰かけ鉛筆を握った。耳ざわりの良い音をたてながら紙に鉛筆を滑らせている。すでに双子のことを忘れ絵に熱中しているようだ。アーサーとモニカは興味深げにエドガの後ろに立って鉛筆を目で追った。
「……」
「……」
「……」
「…おい、なんだ」
「へぁっ?!」
「そんなにじっと見られたら気が散るだろう。なんだ、気に入った絵がなかったか?だったら出てってくれ」
「ちがうよ!エドガが絵を描いてるところがかっこよくて見てたんだ!」
「ねえ、何を描いてるの?」
誰とでも仲が悪いエドガは、純粋な興味を持たれることが今までなかったのだろう。きらきら目を輝かせる双子を前にエドガは居心地が悪そうに目を泳がせ、唸るように質問に答えた。
「…線だ」
「セン?」
「線を引いている」
「?」
「尊敬する画家にもらった言葉があるんだ。たくさんの線を引けと。だから俺は線を引く。俺が描きたい線を引けるようになるまで」
そう言い終わると再び鉛筆を動かし始めた。双子にはどういう意味かさっぱり分からなかった。エドガが「いい加減あっちに行け」とイライラし始めたので、アーサーとモニカは綺麗に積み上げられたキャンバスをひとつひとつ見ていくことにした。5枚ほど絵を見て双子は首を傾げた。
「全部同じ絵?」
「踊り子の絵ばっかりだ」
「わ、ここに積み上げてあるの全部踊り子の絵だよ!」
「本当だぁ!ねえエドガ、どうして同じ絵がたくさんあるの?」
「同じじゃない。主題が同じだけだ」
「主題…?」
「それらだと、踊り子だな」
「へえ!どうして踊り子ばかり描いてるの?」
「納得のいく絵がまだ描けてないからだ」
当り前だが、アーサーやモニカからするとどの絵も素晴らしい出来栄えに見える。二人が黙って絵を眺めていると、エドガがぼそりと呟いた。
「なんとなく良い絵が描けたとか、たまたま良い作品ができたとか、センスだとか才能だとか。そんなもの俺はいらない。偶然ではなく必然的な傑作を俺は生み出してみせる。だから俺はひとつの主題を何十回と描く。そのために何百回と線を引く」
努力家なんだね、とアーサーは言おうとしたが口をつぐんだ。ちがう、努力家なんてものじゃない。絵に対する執念、世界が評価せざるを得ない作品を生み出そうとする野望で満ち溢れているのだ。まだ見ぬたったひとつの傑作を生むために彼は線を引き続けている。同じ絵を描き続けている。
「すごい…」
エドガのキャンバスに向かう背中にアーサーとモニカはうるっと来た。この小さなアトリエの中で独りぼっちで鉛筆を握るこの人は、きっといつまでもこうして絵を描き続けるのだろう。友人と喧嘩しても、親友と縁が切れても、彼はそれがどうした?といつも通り絵を描くのだろう。
口下手で、気がきつく、人嫌いで、絵のことしか考えていないエドガ。そんな不器用なエドガのことを双子はとても好きになった。アーサーは大きく頷いてエドガに声をかけた。
「ねえ、エドガ!」
「なんだ?帰るならちゃんと扉をきっちり閉めろよ」
「まだ帰らないわ。絵を買ってないもの」
「…買うのか?」
「もちろん!」
「どれだ」
「全部!」
「…は?」
「エドガの絵、全部買わせて。いいかしらエドガ?」
突拍子もない申し出にエドガは鉛筆を落とした。アーサーとモニカはニコニコしながら彼を見ている。ハッとしたエドガが顔をしかめて歯をギリギリ鳴らした。
「冗談はやめてくれ。冷やかしなら今すぐ帰れ。ああ、腹が立ってきた。クロネにイタズラしてこいとでも言われたか?くそ、あいつ」
「ちっ、ちがうよ本気!!」
「もちろんエドガが手元に置いておきたい絵は買わないわ!売っていいものを全て買わせて」
「お前たちなあ…ちゃんと見ろ。油絵は100枚、デッサンは1500枚あるんだぞ」
「油絵は金貨10枚、デッサンは金貨3枚だったよね。ってことはいくらかしらアーサー?」
「金貨5500枚だね!白金貨でもいいかなエドガ?」
エドガが答える前に、アーサーはアイテムボックスから白金貨300枚が入った袋を2つ取り出して渡した。
「白金貨600枚渡しとくね。だから、またエドガが良い絵をかけたらポントワーブに送ってよ!!余りの50枚はその分の前払い!」
「お前たち、こんなに絵を買ってどうするつもりだ。買うだけ買って埃まみれでほったらかしにするのなら俺の絵は渡せんぞ」
「実は、いいことを考えてるんだ。隣町のトロワって知ってるよね?」
「ああ。知ってる。ここ数年で貧困層がかなり発展したとところだろう」
「うん。実はそこの貧困層を今僕たちが預かってるんだけど」
「はぁ?!」
「そこに、いつか美術館を建てたいなあって思ってるんだ!エドガや、クロネ、リュノたちみたいに、僕たちがだいすきな画家たちの絵を展示する美術館!!」
「美術館…」
エドガたちの絵を見た人は、決まって顔をしかめて気分が悪そうに目を背ける。雑誌では酷評され、彼らが催す展覧会はいつもガラガラだ。そんな絵を、目の前の子どもたちは美術館を建てて飾りたいと言っている。エドガの胸がじんと熱くなり喉元が苦しくなった。
「そこに展示したいの!ねえ、いいでしょうエドガ??」
アーサーとモニカはおねだりしながらエドガに抱きついた。子どもに懐かれ慣れていないエドガは「おまえたち、離れろ!」といやがって暴れている。
「なんだお前たちは!!もう、勝手にしろ!!あとで返品したって金は返さないからな!!」
「僕たちだって、あとで絵を返せって言われたって返さないからね!!」
すべての絵を買取させてもらえて大喜びの双子は、そのあともエドガにじゃれついた。元気いっぱいの子どもに疲れ果てたエドガは、げんなりしながら呟いた。
「調子が狂う…」
「油絵は金貨10枚、デッサンは金貨3枚だ」
エドガはそう言ってイーゼルの前に腰かけ鉛筆を握った。耳ざわりの良い音をたてながら紙に鉛筆を滑らせている。すでに双子のことを忘れ絵に熱中しているようだ。アーサーとモニカは興味深げにエドガの後ろに立って鉛筆を目で追った。
「……」
「……」
「……」
「…おい、なんだ」
「へぁっ?!」
「そんなにじっと見られたら気が散るだろう。なんだ、気に入った絵がなかったか?だったら出てってくれ」
「ちがうよ!エドガが絵を描いてるところがかっこよくて見てたんだ!」
「ねえ、何を描いてるの?」
誰とでも仲が悪いエドガは、純粋な興味を持たれることが今までなかったのだろう。きらきら目を輝かせる双子を前にエドガは居心地が悪そうに目を泳がせ、唸るように質問に答えた。
「…線だ」
「セン?」
「線を引いている」
「?」
「尊敬する画家にもらった言葉があるんだ。たくさんの線を引けと。だから俺は線を引く。俺が描きたい線を引けるようになるまで」
そう言い終わると再び鉛筆を動かし始めた。双子にはどういう意味かさっぱり分からなかった。エドガが「いい加減あっちに行け」とイライラし始めたので、アーサーとモニカは綺麗に積み上げられたキャンバスをひとつひとつ見ていくことにした。5枚ほど絵を見て双子は首を傾げた。
「全部同じ絵?」
「踊り子の絵ばっかりだ」
「わ、ここに積み上げてあるの全部踊り子の絵だよ!」
「本当だぁ!ねえエドガ、どうして同じ絵がたくさんあるの?」
「同じじゃない。主題が同じだけだ」
「主題…?」
「それらだと、踊り子だな」
「へえ!どうして踊り子ばかり描いてるの?」
「納得のいく絵がまだ描けてないからだ」
当り前だが、アーサーやモニカからするとどの絵も素晴らしい出来栄えに見える。二人が黙って絵を眺めていると、エドガがぼそりと呟いた。
「なんとなく良い絵が描けたとか、たまたま良い作品ができたとか、センスだとか才能だとか。そんなもの俺はいらない。偶然ではなく必然的な傑作を俺は生み出してみせる。だから俺はひとつの主題を何十回と描く。そのために何百回と線を引く」
努力家なんだね、とアーサーは言おうとしたが口をつぐんだ。ちがう、努力家なんてものじゃない。絵に対する執念、世界が評価せざるを得ない作品を生み出そうとする野望で満ち溢れているのだ。まだ見ぬたったひとつの傑作を生むために彼は線を引き続けている。同じ絵を描き続けている。
「すごい…」
エドガのキャンバスに向かう背中にアーサーとモニカはうるっと来た。この小さなアトリエの中で独りぼっちで鉛筆を握るこの人は、きっといつまでもこうして絵を描き続けるのだろう。友人と喧嘩しても、親友と縁が切れても、彼はそれがどうした?といつも通り絵を描くのだろう。
口下手で、気がきつく、人嫌いで、絵のことしか考えていないエドガ。そんな不器用なエドガのことを双子はとても好きになった。アーサーは大きく頷いてエドガに声をかけた。
「ねえ、エドガ!」
「なんだ?帰るならちゃんと扉をきっちり閉めろよ」
「まだ帰らないわ。絵を買ってないもの」
「…買うのか?」
「もちろん!」
「どれだ」
「全部!」
「…は?」
「エドガの絵、全部買わせて。いいかしらエドガ?」
突拍子もない申し出にエドガは鉛筆を落とした。アーサーとモニカはニコニコしながら彼を見ている。ハッとしたエドガが顔をしかめて歯をギリギリ鳴らした。
「冗談はやめてくれ。冷やかしなら今すぐ帰れ。ああ、腹が立ってきた。クロネにイタズラしてこいとでも言われたか?くそ、あいつ」
「ちっ、ちがうよ本気!!」
「もちろんエドガが手元に置いておきたい絵は買わないわ!売っていいものを全て買わせて」
「お前たちなあ…ちゃんと見ろ。油絵は100枚、デッサンは1500枚あるんだぞ」
「油絵は金貨10枚、デッサンは金貨3枚だったよね。ってことはいくらかしらアーサー?」
「金貨5500枚だね!白金貨でもいいかなエドガ?」
エドガが答える前に、アーサーはアイテムボックスから白金貨300枚が入った袋を2つ取り出して渡した。
「白金貨600枚渡しとくね。だから、またエドガが良い絵をかけたらポントワーブに送ってよ!!余りの50枚はその分の前払い!」
「お前たち、こんなに絵を買ってどうするつもりだ。買うだけ買って埃まみれでほったらかしにするのなら俺の絵は渡せんぞ」
「実は、いいことを考えてるんだ。隣町のトロワって知ってるよね?」
「ああ。知ってる。ここ数年で貧困層がかなり発展したとところだろう」
「うん。実はそこの貧困層を今僕たちが預かってるんだけど」
「はぁ?!」
「そこに、いつか美術館を建てたいなあって思ってるんだ!エドガや、クロネ、リュノたちみたいに、僕たちがだいすきな画家たちの絵を展示する美術館!!」
「美術館…」
エドガたちの絵を見た人は、決まって顔をしかめて気分が悪そうに目を背ける。雑誌では酷評され、彼らが催す展覧会はいつもガラガラだ。そんな絵を、目の前の子どもたちは美術館を建てて飾りたいと言っている。エドガの胸がじんと熱くなり喉元が苦しくなった。
「そこに展示したいの!ねえ、いいでしょうエドガ??」
アーサーとモニカはおねだりしながらエドガに抱きついた。子どもに懐かれ慣れていないエドガは「おまえたち、離れろ!」といやがって暴れている。
「なんだお前たちは!!もう、勝手にしろ!!あとで返品したって金は返さないからな!!」
「僕たちだって、あとで絵を返せって言われたって返さないからね!!」
すべての絵を買取させてもらえて大喜びの双子は、そのあともエドガにじゃれついた。元気いっぱいの子どもに疲れ果てたエドガは、げんなりしながら呟いた。
「調子が狂う…」
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