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願望

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俺は神崎大輝…最近流行りのvrmmoに没頭し、中でも狩りゲーにどハマり…しかも…
田舎の中学生にして村唯一の神社の神主の家系の面汚しまっしぐらの引きニートってやつだ…
…まぁ…親も兄弟も居ねぇから…親戚の気前のいい金持ちのおっちゃんからの仕送りで仮想世界で一日中ずーっとゲームしてるだけなんだけどな…
とか1人でラノベの主人公の自己紹介的なものを妄想し、ムフフと自分でも汚いと思うような笑みを浮かべていると、明日…ではなくもう今日の予定を思い出した。おもむろに右手をかざし、メニューウィンドウを開く…と、現実世界は今ちょうど7:20、今日は家族の三回忌なので村中から知り合いが集まるので買い出しに行かなくては…と、ログアウトボタンをタップ、ヘッドギアタイプのハードを取り外す、カーテンを開け、欠伸と伸びをひとつ
「なんかいい事起きねぇかなぁ…」
気取って呟いてみた。

白い胴衣に赤い袴、黒の羽織を着込み下駄を履くという、明らかに一般常識を逸脱した格好で真冬の雪を踏みしめながら歩く、恐らく同じ中学であろう生徒の顔を横目に見つつ、白い息を吐きながら村唯一の食料品店へ向かう。必要なものと気になったものを余分に買い込み、帰りの道を、最近ネットで買ったヘッドホンをして周りの音を断絶し、急ぐ。すると前方で何やらガキ(同じ中学生)が騒いでいる、こちらを向いて何かを叫んでいるようだ…、うるせぇな…聞こえてないけど…行動がうるせぇ…、と大袈裟に肩を下げ、そっぽを向いて歩みを進めようとした途端、背中に強い衝撃が走った。
叫ぶ暇もなく顔を地面に打ち付ける、ヘッドホンは外れたようで、頭から頬へと流れる鮮血がゆっくりと、真冬の氷点下に逆らうように冷えていくのがわかる。
ここで俺がめぐらせた思考はただ1つ
(きたきたきた…待ってましたこの展開…頼んだぞ世界の理よっ…!!!)
周りのガキどもが叫ぶ声が聞こえる、が今はそんなのどうでもいい、精神異常者(俺)はこれから始まるであろう異世界生活を心待ちにしていた…。

 「んっ…」
ふと凍るような凍てつく空気から、暖かい、包まれるような空気が頬を撫で、なんともらしくない声をたてて意識が戻る、
(神様どうか病院の天井なんか目に入りませんように…!どうか…どうか巨乳お姉様の女神様が目の前にいますように!!!)と、バカ丸出しの期待を胸に目を恐る恐る開けた…そこには…

なんと俺の意志を神が汲み取ってくださったのか、超美人の巨乳お姉様が優しくこちらを見つめていた、、、。
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