筋肉があれば良くね?

はるる

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ブンッ.....ブンッ......ブンッ

規則的に聞こえてくる剣を振る音でそのひと振り一振りに重みがある

その音を作り出している本人は汗を垂らし一心不乱に剣を振っていた

冒険者という職業のあるこの世界ではありふれている光景であるが

この光景を通りすがりの人が見る目線と言葉は冷たいものばかりである

「またあの野郎、剣なんか振り回してるよ」

「危ないからやめて欲しいよ」

「呪われた子なんだから早く街から出て行けよっ!」

そこら辺に落ちていたであろう石を拾い彼に投げつけられる

これが彼にとっての日常である

だがそんなことに目もくれずに鍛錬に励んでいる

その様子も彼を敵視する要因の一つかもしれないが...

「(また来たのか、いつもいつも飽きないのかな)」

そう思いながら飛んできた石ころを剣の腹ではじく

「ちっ!弾いてんじゃね!」

飛んできた言葉に目もくれずに鍛錬を再開する

9997...9998...9999...10000

日課である素振りが終わるころには最初の頃にいた住民はいなくなっていた

「ステータス」

彼がそう唱えると手元には一枚のプレートが召喚された

名前 アレクシス

性別 男

年齢 12

使用可能スキル

【なし】

称号 鍛錬の鬼

祝福の儀を行ってから6年経過するが変わることのないステータスに負の感情は湧いてこなくなった

むしろ鍛錬に対する欲が爆発状態である

「まだ変化なしか..まあいい!俺の鍛錬が足りないだけだ!」


うおおおお!と雄たけびを上げながら今度は体力強化のために走り出してしまった


数時間後

「はあ...はあ...はあ...無理もう歩く力も残ってねえ」

「だが、今日も限界まで自分を追い込むことが出来た!今日は帰ったら筋肉トレーニングでもしてから寝よう」

町の広場で一人汗だくになりながらすがすがしい笑顔をしていたアレクシスに近づいてくる人がいた

「いつもいつもそんなに汗かいてがんばるねぇ、はいよ!これでも飲んでいきな!」

そう言ってがっしりとした体形のおばちゃんに飲み物を手渡された

「いつも助かるよフラワおばさん!」

彼は呪われた子と呼ばれているが一部の人は彼の人柄の良さを知っているため優しくしてくれるのだ

フラワおばさんもそのうちの一人である

「今日は何してたんだい?」

「朝の一万回素振りと街中全力ランニングだね!これから帰って筋トレの予定が入っている!」

「あんまり鍛錬しすぎないように気を付けるんだよ?倒れてからでは遅いからね」

少し心配そうに言うがアレクシスが素直に言うことを聞くとも思えないが一応伝えておく

「うむ!自分の体はよくわかっているので管理はしっかりするぞ。今日は体調が悪いから筋トレまでにしておくつもりだ!」

「そ、そうなんだ?わかっていればいいんだよ。私は仕事が残ってるから帰るからね」

片手をひらひらと自分に向けて歩いて帰ってしまった

「(さて、汗もだいぶ止まってきたから帰ろうかな。)」

思いついたら即行動の脳筋のアレクシスはまた走って自分の家へと帰宅するのであった


帰宅後

「ただいま!」

アレクシスの大きな声に反応する人はいないがそんなこと気にもしなかった

もともとアレクシスはスラム出身だったため親もいなければ育ててくれる人もいなかった

そのためアレクシスに常識を教えてくれるものがいなくこのような脳筋が生まれてしまったのである。

「家に着いたことだし筋トレでもするか!」

なぜかアレクシスは上半身の服を脱ぎいつも筋トレをしているであろう汗のシミが付いた床で

腹筋1000回・腕立て1000回・背筋1000回・スクワット1000回を行い始めた

気が済むまでこれを行ったアレクシスは井戸の水で体を流していた

「鍛錬の後の水浴びはたまらないなぁ!!!」

ムキムキの体をゴッシゴッシと布でこすっていた

すると手元で体をこすっていた布が悲鳴を上げてぼろ布と化してしまった

「む?最近買ったばかりのはずなのに破れてしまったな、また買いなおさなくては」

そういってアレクシスは部屋へ戻っていった。

部屋のベットの上で今日もいい鍛錬が出来たと喜んでいるとすぐにウトウトしてしまい寝てしまった

「(師匠、まだ俺はあなたみたいに強くなれていないが近づいていけるようにこれからも頑張ります...zzz)」
















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