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14.スウィーツ天国にやってきた嵐
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※今日は1話のみ更新
まるでおやつの天国。スウィーツ天国。
その店舗を見た一瞬で、ミアの目はハートになっていた。
「なんですコレ・・・!スウィーツ天国じゃないですか!あっ、涎・・・!」
予想以上に喜んでもらえたグウィンは、得意げに鼻を擦って言った。
「ま、まあな?俺のリサーチ力を舐めるんじゃねえぞ。」
「グウィン様!最高ですよ!」
「この手のひら返し苛つくなぁ。」
そんな風に言いつつ、顔を真っ赤にしてソワソワするグウィン。なんて健気なのだろうか(ミアより8歳上の25歳だが)
既にカッコつける事を忘れ始めたらしい。
「あと、呼び方。」
スウィーツが並べられているガラスケースに張り付いていたミアは間抜けな声を出した。
「はいぃ・・・?」
「うぐっ、かわっ・・・じゃなくて、その。呼び方は侯爵様じゃなくて、さっきみたいに名前で呼んでくれたら・・・良い。」
「・・・」
顔を真っ赤にさせながらそう言ったグウィンを見て、ミアは言葉を失った。
(・・・なんか、頬が熱い気がする。)
「いっ、嫌なわけないよなぁ!?俺みたいな侯爵に許しを貰えて光栄だろう?」
ファサアッと髪を触ってナルシストぶりを発揮するグウィン。
悪役ヅラでありつつ(関係ない)慣れてないその仕草を見ていると照れ隠しにしか見えなくて、ミアは笑ってしまう。
「な、なんだよ!?」
「いいえ、なんでもありませんよ。じゃあ私はお前とかじゃなくてミアと呼んでいただければ嬉しいです。」
そう言われた瞬間に変な声を漏らすグウィン。
本当にこんなヘタレな男が、社交界きっての女たらしなのだろうかと疑問に思ってしまうミアであった。
店員に勧められるまま、席に座りメニューを二人で見る。
飲み物やスウィーツ以外にも、男性のためにかツマミやらなんやらが充実していた。
「私はこのBIG抹茶ペペロンアイスクリームパフェにしますね。」
「・・・それは美味しいのか?」
ねえそのペペロンは何なの?と聞きたくなるグウィンだった。
「グウィン様もお食べになりますか?」
「いや、遠慮しとく・・・」
やいのやいの言い合ってから、店員を呼び止めて注文をした。
グウィンはパスタにするらしい。その後にコーヒーパフェを頼んだ。
「グウィン様も食べれるんですね。」
「・・・まあな。むしろなぜお前はデザートを主食としている?」
「ペペロンですから。」
注文したデザートを待っている間、雑談をする二人。
ちなみに他にも貴族はいるらしく、あのグウィンがこの店に来ていることに驚いてチラチラ見てきている。
ミアは全く気にしていないが。さすが周りに興味のないモサモサ令嬢だ。
だがそんな二人の平和な世界に嵐がやってきた。
間延びしたくどい口調の、嫌な声が聞こえてきた。
「あれぇ~~?グウィン?さまぁ?なんでこちらにいらっしゃるのです?」
軽々しく声をかけてきた相手に驚く。
だがそれ以上に、ミアはグウィンのその冷たい声色にギョッとした。
「・・・挨拶もなしに声をかけるとは、相変わらず礼儀のなっていない女だな。」
まるでおやつの天国。スウィーツ天国。
その店舗を見た一瞬で、ミアの目はハートになっていた。
「なんですコレ・・・!スウィーツ天国じゃないですか!あっ、涎・・・!」
予想以上に喜んでもらえたグウィンは、得意げに鼻を擦って言った。
「ま、まあな?俺のリサーチ力を舐めるんじゃねえぞ。」
「グウィン様!最高ですよ!」
「この手のひら返し苛つくなぁ。」
そんな風に言いつつ、顔を真っ赤にしてソワソワするグウィン。なんて健気なのだろうか(ミアより8歳上の25歳だが)
既にカッコつける事を忘れ始めたらしい。
「あと、呼び方。」
スウィーツが並べられているガラスケースに張り付いていたミアは間抜けな声を出した。
「はいぃ・・・?」
「うぐっ、かわっ・・・じゃなくて、その。呼び方は侯爵様じゃなくて、さっきみたいに名前で呼んでくれたら・・・良い。」
「・・・」
顔を真っ赤にさせながらそう言ったグウィンを見て、ミアは言葉を失った。
(・・・なんか、頬が熱い気がする。)
「いっ、嫌なわけないよなぁ!?俺みたいな侯爵に許しを貰えて光栄だろう?」
ファサアッと髪を触ってナルシストぶりを発揮するグウィン。
悪役ヅラでありつつ(関係ない)慣れてないその仕草を見ていると照れ隠しにしか見えなくて、ミアは笑ってしまう。
「な、なんだよ!?」
「いいえ、なんでもありませんよ。じゃあ私はお前とかじゃなくてミアと呼んでいただければ嬉しいです。」
そう言われた瞬間に変な声を漏らすグウィン。
本当にこんなヘタレな男が、社交界きっての女たらしなのだろうかと疑問に思ってしまうミアであった。
店員に勧められるまま、席に座りメニューを二人で見る。
飲み物やスウィーツ以外にも、男性のためにかツマミやらなんやらが充実していた。
「私はこのBIG抹茶ペペロンアイスクリームパフェにしますね。」
「・・・それは美味しいのか?」
ねえそのペペロンは何なの?と聞きたくなるグウィンだった。
「グウィン様もお食べになりますか?」
「いや、遠慮しとく・・・」
やいのやいの言い合ってから、店員を呼び止めて注文をした。
グウィンはパスタにするらしい。その後にコーヒーパフェを頼んだ。
「グウィン様も食べれるんですね。」
「・・・まあな。むしろなぜお前はデザートを主食としている?」
「ペペロンですから。」
注文したデザートを待っている間、雑談をする二人。
ちなみに他にも貴族はいるらしく、あのグウィンがこの店に来ていることに驚いてチラチラ見てきている。
ミアは全く気にしていないが。さすが周りに興味のないモサモサ令嬢だ。
だがそんな二人の平和な世界に嵐がやってきた。
間延びしたくどい口調の、嫌な声が聞こえてきた。
「あれぇ~~?グウィン?さまぁ?なんでこちらにいらっしゃるのです?」
軽々しく声をかけてきた相手に驚く。
だがそれ以上に、ミアはグウィンのその冷たい声色にギョッとした。
「・・・挨拶もなしに声をかけるとは、相変わらず礼儀のなっていない女だな。」
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