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第9章︰彼等の愛した世界
第111話
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窓から差し込むオレンジ色の光が、廊下を赤く染めていく。騎士としての務めを終えた僕は、ステラ様との約束の前にとある場所へ足を運んだ。
「お待たせルナ。遅くなってごめんね。」
僕は城の中庭を通り抜け、並べられた石碑の側に膝をついた。大きな石碑の隣に、半分程の大きさの小さな石碑が並んで立っている。その中の白っぽい石碑の前に、持ってきたお菓子の包みを添えた。
胸にそっと手を当て、目を閉じる。僕は仕事が終わると、毎日こうして祈りを捧げている。もう二度と会うことが叶わなくなった、僕の想い人に。
「あっ...テト様...!」
祈り終わってその場から立ち去ろうと、ゆっくり後ろを振り返る。すると視線の先に、ミッド王国の王の息子テトファラージ様が立っているのが見えた。僕が訪れた石碑の中に、彼の母である王妃様と従者のシグルズさん、その息子のミグルドの墓も並んでいるのだ。
僕は慌ててその場に膝をつき、彼に向かって頭を下げる。
「フラン。顔を上げて。」
僕の兄のクラーレは、テト様と古くからの知り合いで、ルナはかつてテト様の婚約者だった。そんな2人と関わりの深い僕に、彼は何度も力を貸して下さった。僕にとって彼は、恩人とも言える人物だ。
恐る恐る顔を上げると、彼は静かに微笑んだ。
「今日は少し遅かったね。仕事が忙しかったのかい?」
「沢山仕事を任せていただけて、光栄です。」
「君達のおかげで、この国は平和でいられる。いつもありがとうね。」
「...勿体ないお言葉です。」
「僕が中々来られない分、君がよく来てくれるから...ルナもきっと寂しくないね。」
彼は石碑に歩み寄り、そっと手を触れた。割れ物を触るかのように優しく、石碑の頭を撫でる。愛おしいものを見るような彼の表情に、僕の胸は締め付けられる。
「そんな事ありません。テト様に会えず、寂しかったと思います。」
「そう…だと嬉しいな。」
「すみませんテト様...。お2人の時間を邪魔する訳にもいきませんので...これで失礼します。」
「あ、うん。引き止めてごめんね。明日からもよろしく頼むよ。」
彼に向かって深くお辞儀をすると、小走りで城を後にした。
「あ、フランくん!」
孤児院を訪ねると、子供達と話をしているイルムの姿があった。ステラ様とここで待ち合わせをしているのだが、彼の姿はどこにも見当たらない。
「イルム。ステラ様は来てる?」
「うん。子供達の部屋にいると思うけど...呼んでこようか?」
「あ、ううん。忙しいだろうから、僕が呼びに行くよ。」
「そう?ごめんね。」
「いいよいいよ。僕達が勝手に待ち合わせ場所にしたんだから。」
僕は彼女の言う場所へ向かうと、本を眺めるステラ様と子供達が居た。彼の膝の上にはヴェルが座っている。
「『右も左も分からない森の中をしばらく歩いていると、川辺で水を飲むキツネの姿を見つけました。
「キツネさんキツネさん。ここは一体どこなの?」
キツネは少女の方を振り向くと、こう答えました。
「ここは森さ。それ以外、何に見えるんだい?」
不親切なキツネは、少女の事など気にもとめず、茂みの奥へと去って行ってしまいました。』」
彼は本の内容を、子供達に読み聞かせていた。その本は、僕が1番好きな絵本だった。
「ステラ様。お待たせしてすみません。」
「あっ...フラン。」
「あー!フラン兄だー!」
「おかえりー!お仕事終わったのー?」
子供達は彼の元を離れ、僕の方へ駆け寄る。あっという間に、子供達に囲まれてしまった。
「うん。今終わった所だよ。」
「ごめんねみんな。本はまた今度読んであげるね。」
「えぇー!なんでー!」
「まだ始まったばっかりじゃーん!」
「フランと一緒に出かける約束をしてたんだ。約束は守らないとでしょ?」
「約束は大事だけど...。」
「でもでも!今は絵本読んでくれる約束したもん!」
「そーだそーだ!」
「うーん...困ったなぁ。」
子供達の制止を振り切ることが出来ず、彼は苦笑いを浮かべた。すると、膝に座っていたヴェラが、その場に立ち上がって声を上げる。
「みんな!ステラとフランは、お仕事の都合があって出かけるんだよ!この間、お仕事の邪魔しないって決めたよね?」
「そうなの?」
ヴェラは、困っている彼を見かねて嘘をついたのだろう。仕事の為だと言えば、皆が従ってくれる事をわかっているのだ。
「うん...そうなんだ。ごめんねみんな。続きはまた今度でいいかな?」
「お仕事なら仕方ないね...。うん。わかったよ。」
「じゃあ行こうかフラン。」
「本はあたしが片付けておくね!」
「ありがとうヴェラ。」
彼女の頭を優しく撫でると、彼女は満面の笑みを浮かべた。
「ステラー!」
「わっ!?」
家の扉を開くと、中からウナが飛び出してきた。彼に抱きつき、嬉しそうに身体を揺らす。
血の繋がりがない彼等だが、こうして見ると本当の親子のように思える。
「遅かった。心配した。」
「ごめんねウナ。僕の仕事終わりが少し遅くなっちゃって...。」
「仕事、仕方ない。フェリ待ってる。入って。」
「お邪魔します。」
家の中に入ると、ソファーに横たわるガゼルの姿があった。ステラ様はフェリの家だと言っていたが、ガゼルとウナの3人で暮らしている。
「お。ようやく来たか。」
「お待たせガゼル。」
「全く...腹減って寝ちまう所だったぜ。」
「あら。兄さんは寝てくれてもいいのよ?」
調理場の奥から、料理を持ったフェリがやって来た。
「じょ、冗談だって...。俺にも食べさせてくれよ。」
「はいはい。運ぶの手伝ってくれたらいいわよ。」
「あ...僕も手伝うよ。」
「だめだめ!お客様は座っててくれないと。」
「2人はこっち。」
ウナは右手でステラ様の手を、左手で僕の手を握り、家の奥の方へ誘い始める。
「え?どこに行くの?」
「まずは手洗い。それからうがいも。」
「あはは。まるでお母さんみたいだね。」
「フェリの影響かな?」
「ちょっとー?私はお母さんって年齢じゃ...」
「ごめんごめん!お姉さんの間違いだったね!」
「どっちだっていいだろ?早く食べようぜー。」
用意された料理はどれも美味しく、ディオース島を初めて訪れた時の事を思い出した。
あの頃は、ウナとまともに口を聞くことも出来ず、彼女との間に大きな壁を感じていた。今ではすっかり仲良くなり、手を繋ぐことに躊躇いが無くなるほどになった。
「あ、ねぇフラン。明日は仕事?」
「いいえ。休みですけど...。」
「ほんと?なら、墓参りに行かない?」
「墓参り...ですか?」
「あらいいじゃない。マスター...じゃなかった。クラーレさんも会いたがってるわよ?きっと。」
「それもそうなんだけど...レーガもフランに会いたいかと思ってね。」
「そう...ですね。」
彼の死後、ガゼルの助けを借りてクラーレの墓の隣にラギト様の墓を作った。それが、彼の最期の希望だったからだ。
「なら、フランくんも家に泊まる?兄さんの部屋でも良ければだけど...。」
「俺は構わねぇよ?」
「ステラ様も泊まる予定だったんですか?」
「うん。僕も明日休みだし、これからイリスシティアに帰ったら朝になっちゃうしね。ウナと一緒に寝ようと思ってるんだ。ね?ウナ。」
「うん!」
「じゃあ...お言葉に甘えて泊まらせてもらおうかな。」
「そしたら、みんな順番にお風呂済ませちゃいましょ。」
「お前とウナで先入って来いよ。俺等で片付けするからさ。」
「え、でも...。」
「ご飯を作ってくれたお礼!泊めてもらうんだし、このくらいしないとね。」
「そ、そう...?じゃあウナ。先に入っちゃおうか。」
「はーい。」
食事の片付けと入浴を済ませ、僕はガゼルの部屋で寝床の準備を始めた。
「狭くて悪いな。」
「いいよいいよ。突然押しかけたのは僕の方だし。」
「なぁフラン。お前さ...。」
「ん?何?」
「なんでステラには敬語なんだよ。」
「えっ...なんでって...。」
何故かと聞かれると、恩人だからという言葉が真っ先に出てくる。彼は僕のピンチを何度も助けてくれた。テト様やクラーレも恩人に変わりないのだが、僕の中で彼は特別な存在だった。
「恩人なのはわかるけど、それ以前にダチだったはずだろ?なのに敬語なんて、変じゃね?」
確かに彼の言う通り、ルカとルナだった頃は仲のいい友人...だったと思う。しかし、ステラとなった彼は総裁と呼ばれる立場になり、僕と彼の間に権力という差が出来た。
「総裁とか言うのもさ、少し前の話だろ?今はもう違うんだから、前みたいに楽に話せばいいだろ。」
僕の中のステラは、ルカとルナとは別人の認識なのかもしれない。敬語で話す事に慣れてしまったせいもあるが、ステラとルカルナがどうしても重ならないのだ。
「まぁ...名前が変わったってのが、やっぱでかいか...。お前等の関係を、今更口出す気はねぇけどさ...。ステラの奴、ちょっと寂しそうに見えたんだよな。」
「え?寂しそうに...?」
「気のせいかもしれねぇけどな。ほら...あいつ、思ってても言わねぇ事多いし。」
「それは...そうだね。」
僕も彼の事をそれなりに知ってはいるが、ギルド設立初期から一緒に居たガゼル程、長い付き合いではない。
「明日、ディオース島行くんだろ?丁度いい機会だし、前みたいに話す練習でもしたらいいんじゃね?」
「なんか...そう考えると緊張してきた...。」
「何を今更緊張してんだよ...。ほら、灯を消すぞ?俺は明日も仕事なんでね。」
「あ、うん...!おやすみ...ガゼル。」
「お待たせルナ。遅くなってごめんね。」
僕は城の中庭を通り抜け、並べられた石碑の側に膝をついた。大きな石碑の隣に、半分程の大きさの小さな石碑が並んで立っている。その中の白っぽい石碑の前に、持ってきたお菓子の包みを添えた。
胸にそっと手を当て、目を閉じる。僕は仕事が終わると、毎日こうして祈りを捧げている。もう二度と会うことが叶わなくなった、僕の想い人に。
「あっ...テト様...!」
祈り終わってその場から立ち去ろうと、ゆっくり後ろを振り返る。すると視線の先に、ミッド王国の王の息子テトファラージ様が立っているのが見えた。僕が訪れた石碑の中に、彼の母である王妃様と従者のシグルズさん、その息子のミグルドの墓も並んでいるのだ。
僕は慌ててその場に膝をつき、彼に向かって頭を下げる。
「フラン。顔を上げて。」
僕の兄のクラーレは、テト様と古くからの知り合いで、ルナはかつてテト様の婚約者だった。そんな2人と関わりの深い僕に、彼は何度も力を貸して下さった。僕にとって彼は、恩人とも言える人物だ。
恐る恐る顔を上げると、彼は静かに微笑んだ。
「今日は少し遅かったね。仕事が忙しかったのかい?」
「沢山仕事を任せていただけて、光栄です。」
「君達のおかげで、この国は平和でいられる。いつもありがとうね。」
「...勿体ないお言葉です。」
「僕が中々来られない分、君がよく来てくれるから...ルナもきっと寂しくないね。」
彼は石碑に歩み寄り、そっと手を触れた。割れ物を触るかのように優しく、石碑の頭を撫でる。愛おしいものを見るような彼の表情に、僕の胸は締め付けられる。
「そんな事ありません。テト様に会えず、寂しかったと思います。」
「そう…だと嬉しいな。」
「すみませんテト様...。お2人の時間を邪魔する訳にもいきませんので...これで失礼します。」
「あ、うん。引き止めてごめんね。明日からもよろしく頼むよ。」
彼に向かって深くお辞儀をすると、小走りで城を後にした。
「あ、フランくん!」
孤児院を訪ねると、子供達と話をしているイルムの姿があった。ステラ様とここで待ち合わせをしているのだが、彼の姿はどこにも見当たらない。
「イルム。ステラ様は来てる?」
「うん。子供達の部屋にいると思うけど...呼んでこようか?」
「あ、ううん。忙しいだろうから、僕が呼びに行くよ。」
「そう?ごめんね。」
「いいよいいよ。僕達が勝手に待ち合わせ場所にしたんだから。」
僕は彼女の言う場所へ向かうと、本を眺めるステラ様と子供達が居た。彼の膝の上にはヴェルが座っている。
「『右も左も分からない森の中をしばらく歩いていると、川辺で水を飲むキツネの姿を見つけました。
「キツネさんキツネさん。ここは一体どこなの?」
キツネは少女の方を振り向くと、こう答えました。
「ここは森さ。それ以外、何に見えるんだい?」
不親切なキツネは、少女の事など気にもとめず、茂みの奥へと去って行ってしまいました。』」
彼は本の内容を、子供達に読み聞かせていた。その本は、僕が1番好きな絵本だった。
「ステラ様。お待たせしてすみません。」
「あっ...フラン。」
「あー!フラン兄だー!」
「おかえりー!お仕事終わったのー?」
子供達は彼の元を離れ、僕の方へ駆け寄る。あっという間に、子供達に囲まれてしまった。
「うん。今終わった所だよ。」
「ごめんねみんな。本はまた今度読んであげるね。」
「えぇー!なんでー!」
「まだ始まったばっかりじゃーん!」
「フランと一緒に出かける約束をしてたんだ。約束は守らないとでしょ?」
「約束は大事だけど...。」
「でもでも!今は絵本読んでくれる約束したもん!」
「そーだそーだ!」
「うーん...困ったなぁ。」
子供達の制止を振り切ることが出来ず、彼は苦笑いを浮かべた。すると、膝に座っていたヴェラが、その場に立ち上がって声を上げる。
「みんな!ステラとフランは、お仕事の都合があって出かけるんだよ!この間、お仕事の邪魔しないって決めたよね?」
「そうなの?」
ヴェラは、困っている彼を見かねて嘘をついたのだろう。仕事の為だと言えば、皆が従ってくれる事をわかっているのだ。
「うん...そうなんだ。ごめんねみんな。続きはまた今度でいいかな?」
「お仕事なら仕方ないね...。うん。わかったよ。」
「じゃあ行こうかフラン。」
「本はあたしが片付けておくね!」
「ありがとうヴェラ。」
彼女の頭を優しく撫でると、彼女は満面の笑みを浮かべた。
「ステラー!」
「わっ!?」
家の扉を開くと、中からウナが飛び出してきた。彼に抱きつき、嬉しそうに身体を揺らす。
血の繋がりがない彼等だが、こうして見ると本当の親子のように思える。
「遅かった。心配した。」
「ごめんねウナ。僕の仕事終わりが少し遅くなっちゃって...。」
「仕事、仕方ない。フェリ待ってる。入って。」
「お邪魔します。」
家の中に入ると、ソファーに横たわるガゼルの姿があった。ステラ様はフェリの家だと言っていたが、ガゼルとウナの3人で暮らしている。
「お。ようやく来たか。」
「お待たせガゼル。」
「全く...腹減って寝ちまう所だったぜ。」
「あら。兄さんは寝てくれてもいいのよ?」
調理場の奥から、料理を持ったフェリがやって来た。
「じょ、冗談だって...。俺にも食べさせてくれよ。」
「はいはい。運ぶの手伝ってくれたらいいわよ。」
「あ...僕も手伝うよ。」
「だめだめ!お客様は座っててくれないと。」
「2人はこっち。」
ウナは右手でステラ様の手を、左手で僕の手を握り、家の奥の方へ誘い始める。
「え?どこに行くの?」
「まずは手洗い。それからうがいも。」
「あはは。まるでお母さんみたいだね。」
「フェリの影響かな?」
「ちょっとー?私はお母さんって年齢じゃ...」
「ごめんごめん!お姉さんの間違いだったね!」
「どっちだっていいだろ?早く食べようぜー。」
用意された料理はどれも美味しく、ディオース島を初めて訪れた時の事を思い出した。
あの頃は、ウナとまともに口を聞くことも出来ず、彼女との間に大きな壁を感じていた。今ではすっかり仲良くなり、手を繋ぐことに躊躇いが無くなるほどになった。
「あ、ねぇフラン。明日は仕事?」
「いいえ。休みですけど...。」
「ほんと?なら、墓参りに行かない?」
「墓参り...ですか?」
「あらいいじゃない。マスター...じゃなかった。クラーレさんも会いたがってるわよ?きっと。」
「それもそうなんだけど...レーガもフランに会いたいかと思ってね。」
「そう...ですね。」
彼の死後、ガゼルの助けを借りてクラーレの墓の隣にラギト様の墓を作った。それが、彼の最期の希望だったからだ。
「なら、フランくんも家に泊まる?兄さんの部屋でも良ければだけど...。」
「俺は構わねぇよ?」
「ステラ様も泊まる予定だったんですか?」
「うん。僕も明日休みだし、これからイリスシティアに帰ったら朝になっちゃうしね。ウナと一緒に寝ようと思ってるんだ。ね?ウナ。」
「うん!」
「じゃあ...お言葉に甘えて泊まらせてもらおうかな。」
「そしたら、みんな順番にお風呂済ませちゃいましょ。」
「お前とウナで先入って来いよ。俺等で片付けするからさ。」
「え、でも...。」
「ご飯を作ってくれたお礼!泊めてもらうんだし、このくらいしないとね。」
「そ、そう...?じゃあウナ。先に入っちゃおうか。」
「はーい。」
食事の片付けと入浴を済ませ、僕はガゼルの部屋で寝床の準備を始めた。
「狭くて悪いな。」
「いいよいいよ。突然押しかけたのは僕の方だし。」
「なぁフラン。お前さ...。」
「ん?何?」
「なんでステラには敬語なんだよ。」
「えっ...なんでって...。」
何故かと聞かれると、恩人だからという言葉が真っ先に出てくる。彼は僕のピンチを何度も助けてくれた。テト様やクラーレも恩人に変わりないのだが、僕の中で彼は特別な存在だった。
「恩人なのはわかるけど、それ以前にダチだったはずだろ?なのに敬語なんて、変じゃね?」
確かに彼の言う通り、ルカとルナだった頃は仲のいい友人...だったと思う。しかし、ステラとなった彼は総裁と呼ばれる立場になり、僕と彼の間に権力という差が出来た。
「総裁とか言うのもさ、少し前の話だろ?今はもう違うんだから、前みたいに楽に話せばいいだろ。」
僕の中のステラは、ルカとルナとは別人の認識なのかもしれない。敬語で話す事に慣れてしまったせいもあるが、ステラとルカルナがどうしても重ならないのだ。
「まぁ...名前が変わったってのが、やっぱでかいか...。お前等の関係を、今更口出す気はねぇけどさ...。ステラの奴、ちょっと寂しそうに見えたんだよな。」
「え?寂しそうに...?」
「気のせいかもしれねぇけどな。ほら...あいつ、思ってても言わねぇ事多いし。」
「それは...そうだね。」
僕も彼の事をそれなりに知ってはいるが、ギルド設立初期から一緒に居たガゼル程、長い付き合いではない。
「明日、ディオース島行くんだろ?丁度いい機会だし、前みたいに話す練習でもしたらいいんじゃね?」
「なんか...そう考えると緊張してきた...。」
「何を今更緊張してんだよ...。ほら、灯を消すぞ?俺は明日も仕事なんでね。」
「あ、うん...!おやすみ...ガゼル。」
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