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第9章︰彼等の愛した世界
第108話
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丘の上に、心地よい風が吹く。身体いっぱいに空気を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
「フラン…!」
後を追いかけてきたシューが、僕の名前を呼んだ。息を切らしながら駆け寄り、彼と肩を並べる。
「ほ、本当に具合…悪くない?」
「うん。…ちょっと暑かったのかも。」
「もしかして…ニアと喧嘩でもしたの…?」
「…ううん。そうじゃなくて…。」
別人のように綺麗になったニアを見て、初めてルナに会った時の事を思い出したのだ。
彼女もあの日、白いドレスに似たワンピースを着ていた。運命なんてものは信じていないが、僕の心は…彼女を一目見た瞬間に囚われた。
胸が高鳴り、目が離せなくなる。息を吸う事も忘れて、時間が止まったような感覚に襲われる。
「ニアを見た時…僕が好きだった人に、初めて会った時と同じ感覚がしたんだ。」
「フランの好きな人…?」
「もう会えないけど…。彼女もいつか、あんな風に着飾ったりしたのかな…って。」
「じゃあ…ニアと何かあった訳じゃないんだね。」
「本当に、ちょっと外の空気を吸いたかっただけなんだ。そろそろ戻ろうか。せっかく来たんだから、式に参加しないと。」
「う、うん…!」
結婚式は恙無く執り行われ、心の中で静かに彼等の幸せを願った。
「結婚式、故郷と違う。新鮮。」
「パルフェの故郷では、どんな風にするの?」
式を終えた僕達は、街中にある小さなカフェで話に花を咲かせていた。風に乗って、近くの民家から料理の匂いが運ばれてくる。
「沢山、人呼ぶは同じ。料理食べたり踊ったり、とにかく賑やか。」
「へぇ~。それはすごく楽しそうだね。」
「食べるのはいいけど…踊りかぁ…。」
派手な事を好まない彼にとって、踊りというものに慣れていないようだ。
「僕は踊るの、結構好きだよ。昔友達に教えてもらったんだ。」
「そうなの…?あんまり…イメージないかも…。」
「じゃあ、ちょっと踊ってみようよ。」
「えっ…?」
「今の時間は人通りも少ないし、端の方だったら邪魔にもならないよ。行こうシュー!」
「えぇ!?ぼ、僕…!?」
彼の腕を引き、席を離れて街路樹の側に駆け寄る。彼の手をそっと握り、腰に手を添えた。
「じゃあ行くよー?1、2、3…。1、2、3…。」
「わ…わわ…!」
リズムを口ずさみながら、ゆっくりとステップを踏み出す。すっかり足元に気を取られている彼に向かって、僕は口を開いた。
「踊りって、自分達がこの世界の主役になったような気分にならない?」
「え?主役…?」
「僕の目の前にはシューがいて、シューの目の前には僕がいる。僕達は友達だけど、目の前にいるのが好きな人だったら…どう?」
「…た、確かに。今ここに…僕達しかいない…みたいな…。」
「でしょ?だから、僕は踊るの好きなんだ。2人の存在を確かめ合うような…この時間が。」
「あんた達…何やってるの?」
足を止めて声のした方を向くと、そこには普段着に着替えた後のニアが立っていた。
「わっ…!」
急に止まった反動でシューが前のめりにバランスを崩し、僕達はその場に倒れ込んだ。
ひと時の踊りを楽しんだ僕達は席に戻り、再び話し始める。
「あんたの踊りは舞踏会とかでやるやつじゃない。パルフェの故郷じゃ、舞踏会の踊りなんてしないでしょ?」
「楽しむ、同じ。でも、リズム違う。」
「ほらね?」
「でも、それなりに踊れてたでしょ?」
「すごく軽やか。踊り上手い。」
「ほらね!」
「一体何と張り合ってるのよ…。」
彼女は呆れた表情を浮かべながら、手元のカップに口をつけた。
「ねぇニア…。こんな所で…僕達と、油を売ってていいの…?」
「あーいいのいいの。どうせ来るのはトワの客だから、あたしは居なくてもいいのよ。それに、彼の方から行ってきたら?って言われたし。」
「なんだか、気を遣わせちゃったみたいだね。」
「あんた達は今日中に島へ帰るんでしょ?」
「う…うん。着くのは夜になるだろうけど…。」
「2人の方こそ、あんまり油を売ってる時間はなさそうだね。」
「船の時間、まだ間に合う。それより2人、一緒に居たい。」
「あら。嬉しいこと言ってくれるわね。」
ニアが微笑むのと同時に、パルフェは表情を曇らせる。
「特にニア…結婚したら、会う難しい。」
「そうね…。やらなきゃいけない事も、覚えなきゃいけない事も沢山あるから…しばらくは忙しくなると思うわ。」
「結婚したって事は…同じ家に住むの?」
「いいえ。それぞれの家で暮らすわ。」
「え…!?そ、そうなの…?」
あまり結婚というものに興味がないせいで、
「そういうものじゃないの?」
「街と故郷、違う。私の故郷、女性が男性の家住む。」
「僕も…それが普通だと思ってたけど…。」
貴族という立場のニアは、僕達平民とは結婚の概念そのものが違うのかもしれない。
「相手の家で暮らすなんて、息が詰まりそうだわ…。あたしは無理ね。」
「多分、それを承知の上で結婚するんだろうね。」
「…他人事みたいに言ってるけど、あんたは結婚しないの?」
「うーん…。今の所考えてないかな。」
「え?…好きな人が居るってさっき…」
「はぁ!?ちょっと!詳しく聞かせなさいよ!」
昔から恋話が好きだった彼女は、僕の好きな人に興味津々の様子だ。
「ご、ごめん…余計な事…」
「だ、大丈夫…シューのせいじゃないよ。」
「その人の事、好きなのに結婚はする気がない訳?」
「うん。もう死んじゃったから。」
「えっ…。」
「ご、ごめん…。」
「謝る事ないよ。話さなかった僕も悪いし。」
「その人、どんな人?」
「パ、パルフェ…。」
彼は僕に気を遣い、彼女の腕を掴んだ。
話す機会がなかったとはいえ、友人である彼等に何も言わなかった。そのことに少々責任を感じ、思い出せる範囲で彼女の事を話し始める。
「うーん…。一言で言うなら、放っておけない人かな?危ない事でも平気で突っ込むし、辛くても1人で抱え込むような人だったよ。」
「守りたかったんだね。フランはその人を。」
「うん。でも…彼女には心強い味方がいたんだ。僕の気持ちは伝えたし、僕がやれる事をやった。…だから悔いはないよ。」
「…あんたが恋をするなんて、よっぽど素敵な人だったのね。」
「そうだね。最初は少し気になるくらいだったけど、気が付いたら好きになってた…って感じかな。」
「会って話、してみたかった。」
「あ、ねぇパルフェ…そろそろ…。」
「船の時間?時間…経つの、早い…。」
「そろそろ僕も帰らないとだから、この辺りでお開きにしよっか。ニアの事は、僕が送るよ。」
「え、えぇ。ありがとう。」
店を出て、シューとパルフェの2人と別れの挨拶を交わす。そして、ニアと共に貴族街の方へ歩き始めた。
「ねぇフラン。」
「ん?何?」
「あんたの好きな人…もしかして、あの時一緒に逃げた吸血鬼?」
「…なんだ。ニアにはバレちゃったか。」
「あんたが法を破るなんて、よっぽどの事情があると思ってたけど…それなら納得だわ。」
「ごめん。事前に相談できなくて。」
ルナが城の牢屋に捕まった時、僕の記憶はまだ戻っていなかった。彼女に会ったのも偶然で、何となく心に引っかかったと言うだけで逃亡の手助けをした。彼女が好きだったという気持ちに気が付いたのも、つい最近の事だ。
「むしろ相談されなくて良かったわ。あたしだったら反対したもの。」
「まぁ…普通はそうだよね。」
「あんた1人で、上手くやれたとも思えないし…。心強い味方って言うのが、協力してくれた人とか?」
「…そんな所かな。」
「あんたの好きな人もそうだけど、あんた自身も見ててハラハラするわ。早く手網を握ってくれる相手がいてくれたら、あたしも安心できるのに。」
「そんな母親みたいな事言わないでよ…。」
「誰が母親ですって!?せめて姉くらいにしなさいよ!」
「ご、ごめんごめん!そんなに怒らないでよ…!」
「結婚する時は、ちゃんと招待状を寄越しなさいよね?」
「わ、わかったよ…。」
「わかればよろしい。」
「…ニアには敵わないな。」
なんでもお見通しの彼女に対し、これから先もずっと頭が上がらないのだろうな…と改めて思うのだった。
「フラン…!」
後を追いかけてきたシューが、僕の名前を呼んだ。息を切らしながら駆け寄り、彼と肩を並べる。
「ほ、本当に具合…悪くない?」
「うん。…ちょっと暑かったのかも。」
「もしかして…ニアと喧嘩でもしたの…?」
「…ううん。そうじゃなくて…。」
別人のように綺麗になったニアを見て、初めてルナに会った時の事を思い出したのだ。
彼女もあの日、白いドレスに似たワンピースを着ていた。運命なんてものは信じていないが、僕の心は…彼女を一目見た瞬間に囚われた。
胸が高鳴り、目が離せなくなる。息を吸う事も忘れて、時間が止まったような感覚に襲われる。
「ニアを見た時…僕が好きだった人に、初めて会った時と同じ感覚がしたんだ。」
「フランの好きな人…?」
「もう会えないけど…。彼女もいつか、あんな風に着飾ったりしたのかな…って。」
「じゃあ…ニアと何かあった訳じゃないんだね。」
「本当に、ちょっと外の空気を吸いたかっただけなんだ。そろそろ戻ろうか。せっかく来たんだから、式に参加しないと。」
「う、うん…!」
結婚式は恙無く執り行われ、心の中で静かに彼等の幸せを願った。
「結婚式、故郷と違う。新鮮。」
「パルフェの故郷では、どんな風にするの?」
式を終えた僕達は、街中にある小さなカフェで話に花を咲かせていた。風に乗って、近くの民家から料理の匂いが運ばれてくる。
「沢山、人呼ぶは同じ。料理食べたり踊ったり、とにかく賑やか。」
「へぇ~。それはすごく楽しそうだね。」
「食べるのはいいけど…踊りかぁ…。」
派手な事を好まない彼にとって、踊りというものに慣れていないようだ。
「僕は踊るの、結構好きだよ。昔友達に教えてもらったんだ。」
「そうなの…?あんまり…イメージないかも…。」
「じゃあ、ちょっと踊ってみようよ。」
「えっ…?」
「今の時間は人通りも少ないし、端の方だったら邪魔にもならないよ。行こうシュー!」
「えぇ!?ぼ、僕…!?」
彼の腕を引き、席を離れて街路樹の側に駆け寄る。彼の手をそっと握り、腰に手を添えた。
「じゃあ行くよー?1、2、3…。1、2、3…。」
「わ…わわ…!」
リズムを口ずさみながら、ゆっくりとステップを踏み出す。すっかり足元に気を取られている彼に向かって、僕は口を開いた。
「踊りって、自分達がこの世界の主役になったような気分にならない?」
「え?主役…?」
「僕の目の前にはシューがいて、シューの目の前には僕がいる。僕達は友達だけど、目の前にいるのが好きな人だったら…どう?」
「…た、確かに。今ここに…僕達しかいない…みたいな…。」
「でしょ?だから、僕は踊るの好きなんだ。2人の存在を確かめ合うような…この時間が。」
「あんた達…何やってるの?」
足を止めて声のした方を向くと、そこには普段着に着替えた後のニアが立っていた。
「わっ…!」
急に止まった反動でシューが前のめりにバランスを崩し、僕達はその場に倒れ込んだ。
ひと時の踊りを楽しんだ僕達は席に戻り、再び話し始める。
「あんたの踊りは舞踏会とかでやるやつじゃない。パルフェの故郷じゃ、舞踏会の踊りなんてしないでしょ?」
「楽しむ、同じ。でも、リズム違う。」
「ほらね?」
「でも、それなりに踊れてたでしょ?」
「すごく軽やか。踊り上手い。」
「ほらね!」
「一体何と張り合ってるのよ…。」
彼女は呆れた表情を浮かべながら、手元のカップに口をつけた。
「ねぇニア…。こんな所で…僕達と、油を売ってていいの…?」
「あーいいのいいの。どうせ来るのはトワの客だから、あたしは居なくてもいいのよ。それに、彼の方から行ってきたら?って言われたし。」
「なんだか、気を遣わせちゃったみたいだね。」
「あんた達は今日中に島へ帰るんでしょ?」
「う…うん。着くのは夜になるだろうけど…。」
「2人の方こそ、あんまり油を売ってる時間はなさそうだね。」
「船の時間、まだ間に合う。それより2人、一緒に居たい。」
「あら。嬉しいこと言ってくれるわね。」
ニアが微笑むのと同時に、パルフェは表情を曇らせる。
「特にニア…結婚したら、会う難しい。」
「そうね…。やらなきゃいけない事も、覚えなきゃいけない事も沢山あるから…しばらくは忙しくなると思うわ。」
「結婚したって事は…同じ家に住むの?」
「いいえ。それぞれの家で暮らすわ。」
「え…!?そ、そうなの…?」
あまり結婚というものに興味がないせいで、
「そういうものじゃないの?」
「街と故郷、違う。私の故郷、女性が男性の家住む。」
「僕も…それが普通だと思ってたけど…。」
貴族という立場のニアは、僕達平民とは結婚の概念そのものが違うのかもしれない。
「相手の家で暮らすなんて、息が詰まりそうだわ…。あたしは無理ね。」
「多分、それを承知の上で結婚するんだろうね。」
「…他人事みたいに言ってるけど、あんたは結婚しないの?」
「うーん…。今の所考えてないかな。」
「え?…好きな人が居るってさっき…」
「はぁ!?ちょっと!詳しく聞かせなさいよ!」
昔から恋話が好きだった彼女は、僕の好きな人に興味津々の様子だ。
「ご、ごめん…余計な事…」
「だ、大丈夫…シューのせいじゃないよ。」
「その人の事、好きなのに結婚はする気がない訳?」
「うん。もう死んじゃったから。」
「えっ…。」
「ご、ごめん…。」
「謝る事ないよ。話さなかった僕も悪いし。」
「その人、どんな人?」
「パ、パルフェ…。」
彼は僕に気を遣い、彼女の腕を掴んだ。
話す機会がなかったとはいえ、友人である彼等に何も言わなかった。そのことに少々責任を感じ、思い出せる範囲で彼女の事を話し始める。
「うーん…。一言で言うなら、放っておけない人かな?危ない事でも平気で突っ込むし、辛くても1人で抱え込むような人だったよ。」
「守りたかったんだね。フランはその人を。」
「うん。でも…彼女には心強い味方がいたんだ。僕の気持ちは伝えたし、僕がやれる事をやった。…だから悔いはないよ。」
「…あんたが恋をするなんて、よっぽど素敵な人だったのね。」
「そうだね。最初は少し気になるくらいだったけど、気が付いたら好きになってた…って感じかな。」
「会って話、してみたかった。」
「あ、ねぇパルフェ…そろそろ…。」
「船の時間?時間…経つの、早い…。」
「そろそろ僕も帰らないとだから、この辺りでお開きにしよっか。ニアの事は、僕が送るよ。」
「え、えぇ。ありがとう。」
店を出て、シューとパルフェの2人と別れの挨拶を交わす。そして、ニアと共に貴族街の方へ歩き始めた。
「ねぇフラン。」
「ん?何?」
「あんたの好きな人…もしかして、あの時一緒に逃げた吸血鬼?」
「…なんだ。ニアにはバレちゃったか。」
「あんたが法を破るなんて、よっぽどの事情があると思ってたけど…それなら納得だわ。」
「ごめん。事前に相談できなくて。」
ルナが城の牢屋に捕まった時、僕の記憶はまだ戻っていなかった。彼女に会ったのも偶然で、何となく心に引っかかったと言うだけで逃亡の手助けをした。彼女が好きだったという気持ちに気が付いたのも、つい最近の事だ。
「むしろ相談されなくて良かったわ。あたしだったら反対したもの。」
「まぁ…普通はそうだよね。」
「あんた1人で、上手くやれたとも思えないし…。心強い味方って言うのが、協力してくれた人とか?」
「…そんな所かな。」
「あんたの好きな人もそうだけど、あんた自身も見ててハラハラするわ。早く手網を握ってくれる相手がいてくれたら、あたしも安心できるのに。」
「そんな母親みたいな事言わないでよ…。」
「誰が母親ですって!?せめて姉くらいにしなさいよ!」
「ご、ごめんごめん!そんなに怒らないでよ…!」
「結婚する時は、ちゃんと招待状を寄越しなさいよね?」
「わ、わかったよ…。」
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