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第8章:迷走
第90話
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「全く...本を読むだけだと言うのに、ここまでする必要が?」
俺はブツブツと独り言を呟きながら、本棚から本を抜き取った。
昨日、ステラに手紙を書くフランに対し、もっと吸血鬼について勉強しろと助言してやった。しかしそれは、どうやら余計な一言だったらしい。
以前ここへ来た時、レジデンスの幹部が来たと騒がれてしまった。それを踏まえ、姿を変えてエーリの生徒のフリをする事になったのだ。
本を持って椅子に座り、ページをめくる。吸血鬼の歴史について書かれた本を、フランが理解出来るようにゆっくりと時間をかけて読み進めていく。
「隣、座ってもいいかな?」
見覚えのある男が、俺に話しかけてきた。イムーブル幹部の仲間の1人である、タクトワイライネだった。俺はフランだと気づかれぬよう、素っ気なく返事を返す。
「...どうぞ。」
「ありがとう。」
奴は隣の席に座り、持っていた本を読み始める。生徒の姿はまばらなうえに、沢山空いている席の中からここに座ったのは何故だろうか?本の内容よりも、奴の目的が気になって仕方がない。
「君、下級生?」
「え?えっと...」
「いやぁ...見ない顔だったから、そうかなと思って。でも、随分難しそうな本を読んでるんだね。」
「その...歴史に興味があって。」
「へぇ~珍しいね。良かったら、俺が教えてあげようか?その本、ついこの間読んだんだ。」
「い、いえ...お気持ちは嬉しいんですが...。」
「遠慮しなくてもいいよ。下級生を助けるのも、上級生の勤めだからね。」
出来る事なら奴と関わりたくは無かったが、あまりのしつこさに俺は我慢が出来なくなった。
「...ならば、貴様の部屋でじっくり話を聞かせてもらおうか?タクトワイライネ。」
「えっ?」
「黙って外へ出ろ。」
席を立ち、俺は図書室の外へ出た。しばらく廊下で待っていると、本を抱えた奴が慌てた様子で俺の元に駆け寄った。
「ね、ねぇ!君は一体...」
「ルドルフだ。話は貴様の部屋に言ってから話す。」
「え!?あ、うん...わかった。」
奴の部屋に入った所で、フランと身体を交代する。
「タックさんごめんね。その...騙すつもりはなかったんだけど...。」
「急に貴様って言われたからびっくりしたよ...。でもどうしてあんな所に?」
僕はここまでの経緯を、簡潔に説明した。
「なるほど...それでこの本を読んでたんだね。」
「あれ?その本...置いてきたはずじゃ...。」
「本を置いて出ていくから、慌てて借りてきたんだ。俺が借りた事にしておいたから、読み終わったら俺が預かるよ。」
「ありがとう…!そう言えば...さっき、この本読んだことあるって言ってなかった?」
「あーうん。結構前だけどね。でもちゃんと覚えてるよ。」
「その...よかったら、本の内容を簡単にでいいから教えてくれない?僕...こういう文字だらけの本を読むの苦手で...。」
「もちろんいいよ。その為に声をかけたからね。まさかフランとは思わなかったけど。」
「ありがとう。すごく助かるよ。」
テーブルに本を広げ、彼の部屋で即席の勉強会が開かれた。
吸血鬼は何百年も前に誕生し、人間の目を逃れながら細々と繁栄していった。度々人間と領土の取り合いになり、何度か滅ぼされかけた事もあったが、隠れて暮らしていた吸血鬼が子孫を繁栄させ、何百年も経った今でも繁栄し続けている。
吸血鬼の詳しい生態は明らかにされていないが、悪魔から授かった特別な血のおかげで、人間よりも長命であり、優れた身体能力を持った。また、悪魔との契約により、血を使用する事で光属性以外の魔法を行使する事が出来る。
「悪魔って言うのは...吸血鬼と何が違うの?」
「簡単に言えば...吸血鬼の生みの親だね。」
「そうなんだ...。今でも悪魔は存在するの?」
「どうだろう?ヴァン様なら...知ってるかもしれないけど。」
「ヴァン様?」
「うん。あの方の祖先は悪魔なんだ。ただ...家族が人間に襲われたって聞いた事があるから...もう残ってない可能性が高いけどね。」
「人間に...。」
「規模の大きかった争いは記録として残ってるけど、小さなものは書ききれない程あったと思うよ。」
「ありがとうタックさん。吸血鬼について、少しだけわかった気がするよ。」
「どういたしまして。また分からない事があったら聞きに来てよ。今日みたいに暇だったら、教えてあげられるだろうからね。」
「うん。そうするよ。」
数日後。僕は薬草を摘みに、ヴィエトルを訪れた。
「これはこれはフルク様。今日はどのような御用で?」
「薬草を集めに来ました。日暮れ前には帰る予定なので、どうぞ僕の事はお構いなく。」
「そうですか...。滞在されるのでしたら、是非我が家にお招きしたかったのですが...仕方ありませんね。またの機会にしましょう。」
「お気持ちだけで十分嬉しいです。ありがとうございます。」
「ところでフルク様。つかぬ事をお伺いしますが...ラギト様はお元気でしょうか?」
村長のその言葉に、僕は思わず動揺してしまった。
「え、えぇ。元気にしてますよ。」
「そうですか!ならいいんです。最近お見かけしないので、少々気になっていたのですよ。」
「すみません。僕そろそろ...」
「はっ...!申し訳ありません!私とした事がつい話し込んでしまい...。」
「また時間のある時にお伺いしますね。それでは失礼します。」
僕は軽く会釈をすると、その場から逃げるように森の中へと入っていった。
「ふぅ...。これだけあれば足りるよね?」
取ってきた薬草をレジデンスへ持ち帰り、机の上に大きく広げた。
「取りすぎだ。...まさか、俺へ対する嫌がらせじゃないだろうな?」
「え?あ、ごめん...。薬草を取るのが楽しくてつい...。」
「全く...これを全て薬にすると思うと、骨が折れそうだ。」
「骨が折れそう?どこか怪我でもしたの?」
開きっぱなしになっていた扉の外から、僕とルドルフの会話を聞き付けたラギト様が顔を覗かせた。
「ラ、ラギト様...!」
「大丈夫?僕も何か手伝おうか?」
「大丈夫です。骨が折れそうと言ったのはルドルフで...怪我とかではないので、手伝いは不要です。」
「そう?なら良かった。」
すると彼は、部屋の端に置かれた椅子に手をかけ、僕の方に身体を向けて腰を下ろした。
「な、何か僕に用事でしょうか...?」
「ううん。特に用事がある訳じゃないんだけど...。しばらくここで見ててもいいかな?」
「監視って事ですか...?」
「ち、違う違う...!ただ...その...まだ思うように身体が動かなくてね。...かと言って、ずっと寝ているのも退屈なんだ。」
「俺は退屈しのぎの玩具では...」
「ル、ルドルフ...!」
僕も幹部のような扱いを受けているとは言え、彼に対して生意気な態度は許されない。ルドルフの直球すぎる言葉を慌てて遮ると、彼は微笑みながら口を開いた。
「なら、薬草の整理は僕がするよ。それだったらここに居てもいいでしょ?」
「手伝うなら異論は無い。」
「交渉成立だね。」
僕は内心ハラハラしつつも、薬の調合を任せているルドルフに後を託す事にした。
「こんなに沢山、どこで取ってきたの?」
「貴様の大好きな故郷だ。」
「へぇ~ヴィエトルまで行ってきたんだ。村長さんは元気だった?」
「村長も同じ事を言っていた。奴は元気そうだったし、貴様も元気だと伝えた。」
「そっか。最近行けてないから、心配かけちゃったなぁ...。後で忙しいフリをして、手紙でも書くよ。」
会話が途切れ、沈黙が流れる。
「…フランは最近忙しそうだね。」
「それなりにな。」
「ヴェラの後釜だもんね。彼女は見えない所でよく働いていたから、忙しくて当然か...。体調を崩したりはしてない?」
「お陰様で、体調を崩す暇もない。それに、余計な事を考えずに済むから、俺様としては好都合だ。」
「余計な事って?」
「貴様に話すような事じゃない。」
「えー?そんな言い方されたら、余計に気になっちゃうよ。君の話し方を大目に見てるんだから、それくらい教えてくれ...」
「そんなに聞きたいなら話してやろう。貴様が連れてきた吸血鬼共に、あいつの兄を殺された話をな。」
「え...?」
「...皮肉なものだな。あの時貴様を殺していれば、自分の兄が死ぬ事もなかっただろうに。」
「ごめん...。余計な事を聞いたね。」
「謝罪も同情も不要だ。その作業が済んだら、部屋に戻れ。そこで大人しく、人間と吸血鬼の争いを無くす方法でも考えるんだな。」
それから奴は黙々と作業をこなし、大人しく自室へ戻って行った。
「ルドルフ…余計な事言わないでよ。」
「奴がペラペラとうるさいからだ。これで少しは、お前に話しかける事も少なくなるだろう。」
「…どうだろうね。」
「なんだ?残念か?」
「そ、そんな訳…!…僕達もそろそろ部屋に戻ろう。」
「まだ半分しか終わっていないぞ?俺はまだ余裕…」
「僕が疲れたの!続きはまた明日ね。」
僕はルドルフの制止を振り切り、廊下を歩き出した。
今にも泣きそうな彼の顔が、僕の目にこびりついて離れない。ルドルフが強い言い方をしたせいもあるが、いつも気丈に振舞っている彼があんな表情をすると思わなかった。
気持ちを切り替えるべく、部屋に戻ってステラ様へ手紙を書く事にした。
俺はブツブツと独り言を呟きながら、本棚から本を抜き取った。
昨日、ステラに手紙を書くフランに対し、もっと吸血鬼について勉強しろと助言してやった。しかしそれは、どうやら余計な一言だったらしい。
以前ここへ来た時、レジデンスの幹部が来たと騒がれてしまった。それを踏まえ、姿を変えてエーリの生徒のフリをする事になったのだ。
本を持って椅子に座り、ページをめくる。吸血鬼の歴史について書かれた本を、フランが理解出来るようにゆっくりと時間をかけて読み進めていく。
「隣、座ってもいいかな?」
見覚えのある男が、俺に話しかけてきた。イムーブル幹部の仲間の1人である、タクトワイライネだった。俺はフランだと気づかれぬよう、素っ気なく返事を返す。
「...どうぞ。」
「ありがとう。」
奴は隣の席に座り、持っていた本を読み始める。生徒の姿はまばらなうえに、沢山空いている席の中からここに座ったのは何故だろうか?本の内容よりも、奴の目的が気になって仕方がない。
「君、下級生?」
「え?えっと...」
「いやぁ...見ない顔だったから、そうかなと思って。でも、随分難しそうな本を読んでるんだね。」
「その...歴史に興味があって。」
「へぇ~珍しいね。良かったら、俺が教えてあげようか?その本、ついこの間読んだんだ。」
「い、いえ...お気持ちは嬉しいんですが...。」
「遠慮しなくてもいいよ。下級生を助けるのも、上級生の勤めだからね。」
出来る事なら奴と関わりたくは無かったが、あまりのしつこさに俺は我慢が出来なくなった。
「...ならば、貴様の部屋でじっくり話を聞かせてもらおうか?タクトワイライネ。」
「えっ?」
「黙って外へ出ろ。」
席を立ち、俺は図書室の外へ出た。しばらく廊下で待っていると、本を抱えた奴が慌てた様子で俺の元に駆け寄った。
「ね、ねぇ!君は一体...」
「ルドルフだ。話は貴様の部屋に言ってから話す。」
「え!?あ、うん...わかった。」
奴の部屋に入った所で、フランと身体を交代する。
「タックさんごめんね。その...騙すつもりはなかったんだけど...。」
「急に貴様って言われたからびっくりしたよ...。でもどうしてあんな所に?」
僕はここまでの経緯を、簡潔に説明した。
「なるほど...それでこの本を読んでたんだね。」
「あれ?その本...置いてきたはずじゃ...。」
「本を置いて出ていくから、慌てて借りてきたんだ。俺が借りた事にしておいたから、読み終わったら俺が預かるよ。」
「ありがとう…!そう言えば...さっき、この本読んだことあるって言ってなかった?」
「あーうん。結構前だけどね。でもちゃんと覚えてるよ。」
「その...よかったら、本の内容を簡単にでいいから教えてくれない?僕...こういう文字だらけの本を読むの苦手で...。」
「もちろんいいよ。その為に声をかけたからね。まさかフランとは思わなかったけど。」
「ありがとう。すごく助かるよ。」
テーブルに本を広げ、彼の部屋で即席の勉強会が開かれた。
吸血鬼は何百年も前に誕生し、人間の目を逃れながら細々と繁栄していった。度々人間と領土の取り合いになり、何度か滅ぼされかけた事もあったが、隠れて暮らしていた吸血鬼が子孫を繁栄させ、何百年も経った今でも繁栄し続けている。
吸血鬼の詳しい生態は明らかにされていないが、悪魔から授かった特別な血のおかげで、人間よりも長命であり、優れた身体能力を持った。また、悪魔との契約により、血を使用する事で光属性以外の魔法を行使する事が出来る。
「悪魔って言うのは...吸血鬼と何が違うの?」
「簡単に言えば...吸血鬼の生みの親だね。」
「そうなんだ...。今でも悪魔は存在するの?」
「どうだろう?ヴァン様なら...知ってるかもしれないけど。」
「ヴァン様?」
「うん。あの方の祖先は悪魔なんだ。ただ...家族が人間に襲われたって聞いた事があるから...もう残ってない可能性が高いけどね。」
「人間に...。」
「規模の大きかった争いは記録として残ってるけど、小さなものは書ききれない程あったと思うよ。」
「ありがとうタックさん。吸血鬼について、少しだけわかった気がするよ。」
「どういたしまして。また分からない事があったら聞きに来てよ。今日みたいに暇だったら、教えてあげられるだろうからね。」
「うん。そうするよ。」
数日後。僕は薬草を摘みに、ヴィエトルを訪れた。
「これはこれはフルク様。今日はどのような御用で?」
「薬草を集めに来ました。日暮れ前には帰る予定なので、どうぞ僕の事はお構いなく。」
「そうですか...。滞在されるのでしたら、是非我が家にお招きしたかったのですが...仕方ありませんね。またの機会にしましょう。」
「お気持ちだけで十分嬉しいです。ありがとうございます。」
「ところでフルク様。つかぬ事をお伺いしますが...ラギト様はお元気でしょうか?」
村長のその言葉に、僕は思わず動揺してしまった。
「え、えぇ。元気にしてますよ。」
「そうですか!ならいいんです。最近お見かけしないので、少々気になっていたのですよ。」
「すみません。僕そろそろ...」
「はっ...!申し訳ありません!私とした事がつい話し込んでしまい...。」
「また時間のある時にお伺いしますね。それでは失礼します。」
僕は軽く会釈をすると、その場から逃げるように森の中へと入っていった。
「ふぅ...。これだけあれば足りるよね?」
取ってきた薬草をレジデンスへ持ち帰り、机の上に大きく広げた。
「取りすぎだ。...まさか、俺へ対する嫌がらせじゃないだろうな?」
「え?あ、ごめん...。薬草を取るのが楽しくてつい...。」
「全く...これを全て薬にすると思うと、骨が折れそうだ。」
「骨が折れそう?どこか怪我でもしたの?」
開きっぱなしになっていた扉の外から、僕とルドルフの会話を聞き付けたラギト様が顔を覗かせた。
「ラ、ラギト様...!」
「大丈夫?僕も何か手伝おうか?」
「大丈夫です。骨が折れそうと言ったのはルドルフで...怪我とかではないので、手伝いは不要です。」
「そう?なら良かった。」
すると彼は、部屋の端に置かれた椅子に手をかけ、僕の方に身体を向けて腰を下ろした。
「な、何か僕に用事でしょうか...?」
「ううん。特に用事がある訳じゃないんだけど...。しばらくここで見ててもいいかな?」
「監視って事ですか...?」
「ち、違う違う...!ただ...その...まだ思うように身体が動かなくてね。...かと言って、ずっと寝ているのも退屈なんだ。」
「俺は退屈しのぎの玩具では...」
「ル、ルドルフ...!」
僕も幹部のような扱いを受けているとは言え、彼に対して生意気な態度は許されない。ルドルフの直球すぎる言葉を慌てて遮ると、彼は微笑みながら口を開いた。
「なら、薬草の整理は僕がするよ。それだったらここに居てもいいでしょ?」
「手伝うなら異論は無い。」
「交渉成立だね。」
僕は内心ハラハラしつつも、薬の調合を任せているルドルフに後を託す事にした。
「こんなに沢山、どこで取ってきたの?」
「貴様の大好きな故郷だ。」
「へぇ~ヴィエトルまで行ってきたんだ。村長さんは元気だった?」
「村長も同じ事を言っていた。奴は元気そうだったし、貴様も元気だと伝えた。」
「そっか。最近行けてないから、心配かけちゃったなぁ...。後で忙しいフリをして、手紙でも書くよ。」
会話が途切れ、沈黙が流れる。
「…フランは最近忙しそうだね。」
「それなりにな。」
「ヴェラの後釜だもんね。彼女は見えない所でよく働いていたから、忙しくて当然か...。体調を崩したりはしてない?」
「お陰様で、体調を崩す暇もない。それに、余計な事を考えずに済むから、俺様としては好都合だ。」
「余計な事って?」
「貴様に話すような事じゃない。」
「えー?そんな言い方されたら、余計に気になっちゃうよ。君の話し方を大目に見てるんだから、それくらい教えてくれ...」
「そんなに聞きたいなら話してやろう。貴様が連れてきた吸血鬼共に、あいつの兄を殺された話をな。」
「え...?」
「...皮肉なものだな。あの時貴様を殺していれば、自分の兄が死ぬ事もなかっただろうに。」
「ごめん...。余計な事を聞いたね。」
「謝罪も同情も不要だ。その作業が済んだら、部屋に戻れ。そこで大人しく、人間と吸血鬼の争いを無くす方法でも考えるんだな。」
それから奴は黙々と作業をこなし、大人しく自室へ戻って行った。
「ルドルフ…余計な事言わないでよ。」
「奴がペラペラとうるさいからだ。これで少しは、お前に話しかける事も少なくなるだろう。」
「…どうだろうね。」
「なんだ?残念か?」
「そ、そんな訳…!…僕達もそろそろ部屋に戻ろう。」
「まだ半分しか終わっていないぞ?俺はまだ余裕…」
「僕が疲れたの!続きはまた明日ね。」
僕はルドルフの制止を振り切り、廊下を歩き出した。
今にも泣きそうな彼の顔が、僕の目にこびりついて離れない。ルドルフが強い言い方をしたせいもあるが、いつも気丈に振舞っている彼があんな表情をすると思わなかった。
気持ちを切り替えるべく、部屋に戻ってステラ様へ手紙を書く事にした。
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