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第6章:忍び寄る闇
第67話
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ルナさんを総務本部へ送り届けた後、僕はレジデンスで幹部の仕事の手伝いをする事になった。
「ヴァン様。報告書をまとめてきました。」
「ご苦労。」
書類を差し出すと、彼はそれを掴んで僕の顔を見た。何かを訴えかけるような、そんな視線に僕は戸惑ってしまう。
「あの…何か?」
「ちょっと話したい事がある。座ってくれ。」
「は、はい。」
彼に促され、ソファーの上に腰を下ろした。
「ヴェラとは上手くやれているか?」
「はい。自分に出来る事を、精一杯やっているつもりです。」
「薬草を集めるだけの仕事…か。退屈だろう。」
「いいえ。これも仕事ですから。」
「そうか。ならばお前に新しい仕事を頼もう。」
「なんでしょうか?」
「レーガと一緒に、この依頼をやって欲しい。」
そう言うと、彼はテーブルの上に1枚の紙を置いた。
「な、何故僕が行くんですか?ラギト様は、リーシア様と一緒に行動するはずでは?」
「エレナとフィーには別の依頼を任せている。しばらくは戻ってこない。」
「それなら、ルシュ様に…」
「あいつはレーガと仕事をしたがらない。そもそも馬が合わないのだろうな。レーガがあんな調子では尚更だ。」
「ヴァン様は…」
「俺は忙しい。見ればわかるだろ?」
「…。」
ラギト様と話をした日から、彼とは一言も言葉を交わしていない。廊下ですれ違ったり、食事を作っている時に食堂で会った事はあるが、会釈をしてその場を切り抜けていた。
あんな話をした後で、面と向かって話をする気にはなれない。
「本当に僕でいいんですか?」
「お前の腕は信用している。」
「…ラギト様を、また殺そうとするかもしれませんよ?」
「それは仕方ないな。その殺意はレーガが招いた物だ。俺はどちらでも構わない。」
「わかりました。」
「あいつは先にヴィエトルへ向かっているはずだ。急で悪いが、早めに合流してくれ。」
依頼書を受け取り、僕はルドルフの転移魔法でヴィエトルへ向かった。
「フラン…!良かった。ちゃんと合流できて。」
広場の近くを歩いていると、ラギト様が僕の名前を呼びながら駆け寄ってきた。どう返事をするべきか悩んでいると、彼が続けて口を開いた。
「今回の依頼だけど、僕が下調べをしておいたよ。やっぱり以前より、水質が悪化してるみたいだね。」
報告書には、ヴィエトルの水質汚染について書かれていた。
村周辺に豪雨が降り注ぎ、その日を境に村の井戸や川の水質が悪化したらしい。今回の目的は、その原因を突き止め、改善する事だ。
「向こうの山の…6合目くらいかな?その辺に、この村の水源になってる湖があるんだ。水質汚染の原因は、水源で問題が起こってる事が多い。ここからそう遠くないし、これから2人で見に…」
「ラギト様ー!」
彼の言葉を遮るようにして、子供の声が聞こえてきた。すると、村の子供達が手を振りながらこちらに駆け寄ってくる。最後尾を走っていた子供が足を取られ、地面に倒れ込んでしまった。
「あっ…。」
慌てて駆け寄ろうとした時、僕の隣を風が通り過ぎた。
「大丈夫かい?」
通り過ぎたのは風ではなく、ものすごい速さで子供に駆け寄るラギト様だった。
「ちょっと擦りむいちゃったかな?よく泣かなかったね。偉い偉い。」
彼は子供の膝に付いた土を払い、子供の頭を優しく撫でた。
「ありがとうラギト様…。」
「君のお家はどこだい?僕が連れて行ってあげるよ。」
「あっち…。」
「うん。わかった。ごめんフラン。ちょっと待っててくれる?」
「あ、はい…。」
「ゆっくりで大丈夫だからね。」
彼は子供の手を引き、数人の子供を引き連れてその場から立ち去って行った。
しばらく経ってから戻って来た彼と共に、湖を目指して歩き始めた。
「あの…。」
「ん?なんだい?」
森を歩く間ずっと続いた沈黙に耐えられなくなった僕は、彼に言葉をかけた。
「さっきの子供は、ラギト様の知り合いですか?」
「ううん。知らない子だよ。」
「え、でも…名前を呼んで…」
「あぁ…。それは僕がこの村の出身だから、親から聞いたんだと思う。…とは言っても、僕の顔見知りは1人も残ってないけどね。」
彼がこの村の出身である事は以前にも聞いたが… 顔見知りがいない村で、名前が知られているというのはどういう事なのだろう?
僕は彼の言葉の意味が理解できなかった。
「僕からも質問していいかな?」
「は、はい…。」
「この前、ルナと2人でここへ何しに来てたの?」
「えっ…!?」
あの時、確かに僕は姿を変えていた。厳密には、ルドルフの魔法のおかげだが…全くの別人になり、名前まで偽っていたと言うのに、何故わかったのだろう。
「ルドルフが見た目を変えたんだろうけど、よく見れば魔法だってわかるよ。」
「気が付いていたのに、わざと知らないフリを…?」
「最初は気が付かなかったけど、ルドー…フィルランだっけ?咄嗟に考えたんだろうけど、ルドルフとフランの名前が全然隠せてなかったから、そこでわかったよ。ルナに至っては、逆さから読んだだけだしね。」
「う…。」
「何しに来たか、言いたくなければ無理にとは言わないよ。君の嫌がる事は、もうしたくないからね。」
「...そう思うなら聞かないで下さい。」
「…わかった。もうすぐ着くはずだから、もう少し頑張ろうか。」
彼の言葉通り、しばらく歩いた先に湖が見えてきた。
「普段はもっと透き通ってるはずだけど…雨のせいで濁ってるね。」
豪雨が降ったにしては、あまりにも汚れ過ぎているような気がした。湖の周りに草木が散乱し、川へと流れ出る場所に大量の枝が溜まっている。
さらに周囲を見回すと、斜面が崩れて山肌が見える箇所を見つけた。
「...ラン?」
「っ!」
あれこれ考え事をしていたせいで、彼に呼ばれている事に気付くのが遅れた。僕は慌てて返事を返す。
「な、なんですか?」
「フランはどう思う?」
「どう…と言うと?」
「考えてたんでしょ?これは豪雨だけのせいじゃないって。」
「...あそこ。山肌が見えています。もしかすると...土砂崩れがあったんじゃないでしょうか。」
「うん。僕もそう思ってた。豪雨って言っても、雨だけじゃここまで汚れないからね。」
僕の心を読んだのかと思える程、彼との考えが一致していた。その言葉を聞いて、僕は背筋が凍るような感覚を覚えた。
「土砂崩れなら、湖に沈んだ土砂を取り除かないと...か。ちょっと面倒だけど...汚染の解決までが僕らの仕事だからね。僕は湖の中を何とかするから、フランは周りを綺麗にしてくれるかい?」
「はい。わかりました。」
それから僕達は、手分けして湖の掃除を始めた。
ルドルフの協力で魔法で水中に浮かぶ草木を集めた後、僕がそれを抱えて茂みの奥へ投げ捨てる。地道な作業ではあるが、水質汚染に悩む村人の為に汗水垂らして働いた。
「フラーン。ちょっと来てくれるー?」
遠くの方から、ラギト様に呼ばれる声が聞こえてきた。
彼と顔を合わせるのはまだ気まづいが、共に仕事をするのだから話さない訳にもいかない。そう自分に言い聞かせながら、彼の元へ向かった。
「そろそろ日が暮れそうだから、続きは明日にしよう。」
「わかりました。」
「あのさ。フランは今晩、どこに泊まるかまだ決めてないよね?」
「宿に泊まります。」
「まだ部屋は取ってないでしょ?もし空いてなかったら?」
「...その時はレジデンスに帰ります。」
「わざわざ転移するのは面倒じゃない?」
「何故そんなに気にするんですか?」
「僕の家に来ない?大層なおもてなしは出来ないけど、食事くらいなら作れるよ。」
「あなたの家に行く気はありません。食事も自分で用意します。」
僕は彼に背を向け、村の方へ歩き出した。
「ま、待ってフラン...!」
彼は腕を掴み、僕の歩みを止めた。その彼の行動に、堪えていた衝動を抑えられなくなり、振り向きながら声を荒らげた。
「っ...!しつこいですよ!僕に構わな...」
「そ、そっちは山頂に行く道だよ?村はあっち。」
「あ...はい...。」
「また明日、よろしくね。」
そう言い残し、彼は一足先に村へと戻って行った。
少し距離を置いて彼の後を着いていくと、村の人と思われる男性が彼の近くに駆け寄った。
「ラギト様!いやぁ~お疲れ様でございました。その...水質汚染の件について、少々お話をお聞きしたいのですが...今、お時間の方はどうでしょうか?」
「構わないよ。」
「では、私の家へお越しください。お連れの方も是非ご一緒に!」
「行こうフラン。」
「えっ...いや、僕は...!」
「そう仰らずに...!大したおもてなしは出来ませんが...どうぞお茶でも飲んでいってください!」
彼に背中を押され、半ば強引に家へ招待された。
「ヴァン様。報告書をまとめてきました。」
「ご苦労。」
書類を差し出すと、彼はそれを掴んで僕の顔を見た。何かを訴えかけるような、そんな視線に僕は戸惑ってしまう。
「あの…何か?」
「ちょっと話したい事がある。座ってくれ。」
「は、はい。」
彼に促され、ソファーの上に腰を下ろした。
「ヴェラとは上手くやれているか?」
「はい。自分に出来る事を、精一杯やっているつもりです。」
「薬草を集めるだけの仕事…か。退屈だろう。」
「いいえ。これも仕事ですから。」
「そうか。ならばお前に新しい仕事を頼もう。」
「なんでしょうか?」
「レーガと一緒に、この依頼をやって欲しい。」
そう言うと、彼はテーブルの上に1枚の紙を置いた。
「な、何故僕が行くんですか?ラギト様は、リーシア様と一緒に行動するはずでは?」
「エレナとフィーには別の依頼を任せている。しばらくは戻ってこない。」
「それなら、ルシュ様に…」
「あいつはレーガと仕事をしたがらない。そもそも馬が合わないのだろうな。レーガがあんな調子では尚更だ。」
「ヴァン様は…」
「俺は忙しい。見ればわかるだろ?」
「…。」
ラギト様と話をした日から、彼とは一言も言葉を交わしていない。廊下ですれ違ったり、食事を作っている時に食堂で会った事はあるが、会釈をしてその場を切り抜けていた。
あんな話をした後で、面と向かって話をする気にはなれない。
「本当に僕でいいんですか?」
「お前の腕は信用している。」
「…ラギト様を、また殺そうとするかもしれませんよ?」
「それは仕方ないな。その殺意はレーガが招いた物だ。俺はどちらでも構わない。」
「わかりました。」
「あいつは先にヴィエトルへ向かっているはずだ。急で悪いが、早めに合流してくれ。」
依頼書を受け取り、僕はルドルフの転移魔法でヴィエトルへ向かった。
「フラン…!良かった。ちゃんと合流できて。」
広場の近くを歩いていると、ラギト様が僕の名前を呼びながら駆け寄ってきた。どう返事をするべきか悩んでいると、彼が続けて口を開いた。
「今回の依頼だけど、僕が下調べをしておいたよ。やっぱり以前より、水質が悪化してるみたいだね。」
報告書には、ヴィエトルの水質汚染について書かれていた。
村周辺に豪雨が降り注ぎ、その日を境に村の井戸や川の水質が悪化したらしい。今回の目的は、その原因を突き止め、改善する事だ。
「向こうの山の…6合目くらいかな?その辺に、この村の水源になってる湖があるんだ。水質汚染の原因は、水源で問題が起こってる事が多い。ここからそう遠くないし、これから2人で見に…」
「ラギト様ー!」
彼の言葉を遮るようにして、子供の声が聞こえてきた。すると、村の子供達が手を振りながらこちらに駆け寄ってくる。最後尾を走っていた子供が足を取られ、地面に倒れ込んでしまった。
「あっ…。」
慌てて駆け寄ろうとした時、僕の隣を風が通り過ぎた。
「大丈夫かい?」
通り過ぎたのは風ではなく、ものすごい速さで子供に駆け寄るラギト様だった。
「ちょっと擦りむいちゃったかな?よく泣かなかったね。偉い偉い。」
彼は子供の膝に付いた土を払い、子供の頭を優しく撫でた。
「ありがとうラギト様…。」
「君のお家はどこだい?僕が連れて行ってあげるよ。」
「あっち…。」
「うん。わかった。ごめんフラン。ちょっと待っててくれる?」
「あ、はい…。」
「ゆっくりで大丈夫だからね。」
彼は子供の手を引き、数人の子供を引き連れてその場から立ち去って行った。
しばらく経ってから戻って来た彼と共に、湖を目指して歩き始めた。
「あの…。」
「ん?なんだい?」
森を歩く間ずっと続いた沈黙に耐えられなくなった僕は、彼に言葉をかけた。
「さっきの子供は、ラギト様の知り合いですか?」
「ううん。知らない子だよ。」
「え、でも…名前を呼んで…」
「あぁ…。それは僕がこの村の出身だから、親から聞いたんだと思う。…とは言っても、僕の顔見知りは1人も残ってないけどね。」
彼がこの村の出身である事は以前にも聞いたが… 顔見知りがいない村で、名前が知られているというのはどういう事なのだろう?
僕は彼の言葉の意味が理解できなかった。
「僕からも質問していいかな?」
「は、はい…。」
「この前、ルナと2人でここへ何しに来てたの?」
「えっ…!?」
あの時、確かに僕は姿を変えていた。厳密には、ルドルフの魔法のおかげだが…全くの別人になり、名前まで偽っていたと言うのに、何故わかったのだろう。
「ルドルフが見た目を変えたんだろうけど、よく見れば魔法だってわかるよ。」
「気が付いていたのに、わざと知らないフリを…?」
「最初は気が付かなかったけど、ルドー…フィルランだっけ?咄嗟に考えたんだろうけど、ルドルフとフランの名前が全然隠せてなかったから、そこでわかったよ。ルナに至っては、逆さから読んだだけだしね。」
「う…。」
「何しに来たか、言いたくなければ無理にとは言わないよ。君の嫌がる事は、もうしたくないからね。」
「...そう思うなら聞かないで下さい。」
「…わかった。もうすぐ着くはずだから、もう少し頑張ろうか。」
彼の言葉通り、しばらく歩いた先に湖が見えてきた。
「普段はもっと透き通ってるはずだけど…雨のせいで濁ってるね。」
豪雨が降ったにしては、あまりにも汚れ過ぎているような気がした。湖の周りに草木が散乱し、川へと流れ出る場所に大量の枝が溜まっている。
さらに周囲を見回すと、斜面が崩れて山肌が見える箇所を見つけた。
「...ラン?」
「っ!」
あれこれ考え事をしていたせいで、彼に呼ばれている事に気付くのが遅れた。僕は慌てて返事を返す。
「な、なんですか?」
「フランはどう思う?」
「どう…と言うと?」
「考えてたんでしょ?これは豪雨だけのせいじゃないって。」
「...あそこ。山肌が見えています。もしかすると...土砂崩れがあったんじゃないでしょうか。」
「うん。僕もそう思ってた。豪雨って言っても、雨だけじゃここまで汚れないからね。」
僕の心を読んだのかと思える程、彼との考えが一致していた。その言葉を聞いて、僕は背筋が凍るような感覚を覚えた。
「土砂崩れなら、湖に沈んだ土砂を取り除かないと...か。ちょっと面倒だけど...汚染の解決までが僕らの仕事だからね。僕は湖の中を何とかするから、フランは周りを綺麗にしてくれるかい?」
「はい。わかりました。」
それから僕達は、手分けして湖の掃除を始めた。
ルドルフの協力で魔法で水中に浮かぶ草木を集めた後、僕がそれを抱えて茂みの奥へ投げ捨てる。地道な作業ではあるが、水質汚染に悩む村人の為に汗水垂らして働いた。
「フラーン。ちょっと来てくれるー?」
遠くの方から、ラギト様に呼ばれる声が聞こえてきた。
彼と顔を合わせるのはまだ気まづいが、共に仕事をするのだから話さない訳にもいかない。そう自分に言い聞かせながら、彼の元へ向かった。
「そろそろ日が暮れそうだから、続きは明日にしよう。」
「わかりました。」
「あのさ。フランは今晩、どこに泊まるかまだ決めてないよね?」
「宿に泊まります。」
「まだ部屋は取ってないでしょ?もし空いてなかったら?」
「...その時はレジデンスに帰ります。」
「わざわざ転移するのは面倒じゃない?」
「何故そんなに気にするんですか?」
「僕の家に来ない?大層なおもてなしは出来ないけど、食事くらいなら作れるよ。」
「あなたの家に行く気はありません。食事も自分で用意します。」
僕は彼に背を向け、村の方へ歩き出した。
「ま、待ってフラン...!」
彼は腕を掴み、僕の歩みを止めた。その彼の行動に、堪えていた衝動を抑えられなくなり、振り向きながら声を荒らげた。
「っ...!しつこいですよ!僕に構わな...」
「そ、そっちは山頂に行く道だよ?村はあっち。」
「あ...はい...。」
「また明日、よろしくね。」
そう言い残し、彼は一足先に村へと戻って行った。
少し距離を置いて彼の後を着いていくと、村の人と思われる男性が彼の近くに駆け寄った。
「ラギト様!いやぁ~お疲れ様でございました。その...水質汚染の件について、少々お話をお聞きしたいのですが...今、お時間の方はどうでしょうか?」
「構わないよ。」
「では、私の家へお越しください。お連れの方も是非ご一緒に!」
「行こうフラン。」
「えっ...いや、僕は...!」
「そう仰らずに...!大したおもてなしは出来ませんが...どうぞお茶でも飲んでいってください!」
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