エテルノ・レガーメ

りくあ

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第16章︰2人で

第152話

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「ん…?」

窓から差し込む陽の光の眩しさに、開いた目を細めた。部屋の中に風が吹き込み、頭上で白いカーテンがヒラヒラと揺れている。

「なんじゃ。もう起きたのか?」

ベッドの上で身体を起こすと、部屋の中央で椅子に座っている女の子の姿を見つけた。彼女はテーブルの上に置かれたカップを持ち上げ、優雅に紅茶を啜っている。肩にかかった長い真朱色の髪が、風に揺れてはらりと滑り落ちた。

「ネイラ…?なんで僕の部屋にいるの?」
「わらわがいたら、何か問題があるのか?」
「別に問題はないけど…いつからそこに?」
「昨日の晩、お主を寝かしつけた時からじゃ。」
「えぇ!?なら、1晩ここで過ごしたって事!?」
「そうじゃ。何故そのように驚いておる?」
「いやいや…自分の部屋で寝てよ!こんな所で寝たら、風邪ひいちゃうからね!?」
「なんと!わらわの事を心配してくれておるのか?可愛い事を言うではないか~。」

彼女は僕の元へ歩み寄り、伸ばした腕で僕の頭を撫でた。

「ちょ、ちょっと…!やめてよ~!」
「照れるでない~。わらわとお主の仲であろう?」

彼女は身体を乗り出し、ベッドの上に膝を乗せた。伸ばした腕で僕の両肩を掴むと、力を込めて僕を壁に押し付けた。

「昨日はあれ程、わらわの事を欲しておったではないか。血に飢えたお主の顔を思い出すだけで、背中がゾクゾクしてくるぞ?」
「そんな事した覚えはないよ///!は、離してよ…!そろそろ起き…」
「失礼しまー…」

入口の扉が突然開き、1人の青年が部屋の中へやって来た。千草色の長めの髪が印象的な彼は、取っ手に手をかけたまま、口を開いてこちらを凝視している。

「お、おはよう…ハイト…。」
「あー……ごめん。下でチェリムが呼んでたよ。…それを伝えに来ただけたから、どうぞ続けて。」
「な!?ちょっと待ってよ!…ねぇハイト!」

慌ててネイラの腕を振り払うと、バランスを崩して床に強く身体を打ち付けた。

「痛っ!?」

ベッドから転がり落ち、最悪の目覚めを迎えた。太陽が雲に隠れ、陽の光が差し込まない部屋の中が薄暗くなっている。

「さっきのは…夢かぁ…。なんて言うか…懐かしい感じの夢だったなぁ。」

見た夢の内容を思い出そうとするも、誰かと親しげに話していた事をぼんやりと思い出せる程度で、ハッキリとした事はわからなかった。

「おはようルカ。大丈夫?ベッドから落ちたみたいだけど…。」
「あ、おはようルナ。うん…痛かったけど平気。」
「今日は朝ご飯何にしよっか?お米にする?パンにする?」
「パンにしようかな。昨日はお米だったし。」
「なら支度して食堂いこ!ルカのご飯美味しいから楽しみなんだぁ~。」
「あはは。ルナは使い魔なのに、ご飯が好きだよね。」
「それを言うならルカだって……あぁー!ルカ!見て!アスルフロルの花が落っこちてるよ!?」
「えぇ!?」

部屋の端に置かれたガラス箱の布をめくると、アスルフロルの花弁が土の上に転がり落ちていた。外枠のガラスを外して花を拾い上げると、ついていた土を払ってテーブルの上に優しく置いた。

「アスルフロルって、花が咲いたら落ちるものだっけ…?」
「えっと…ちょっと待ってね!確認してくる!」

ルナが慌てて身体の中に姿を消すと、入れ替わるようにして扉を叩く音が聞こえてきた。

「邪魔するぞ。」
「え、あ…。いらっしゃいヴェラ。」
「そんな所に突っ立って何を…そ、それは!アスルフロルか?」
「あ、うん!今朝起きてみたら、花が落ちてたんだ。こんな風になるなんて思わなかったから、今ルナが確認しに行ってる所なんだけど…。」
「お前がこれを植えてから、それほど経っていないはずだろう?こんなに早く花が咲くとは思えないな…。」
「え、そうなの?」
「見ろ。ブルートもまだ苗木だと言うのに、すでに実をつけている。」
「あ、本当だ…!な、何か悪い影響を受けて、未熟のまま成長しちゃったとか…?」
「悪い影響…か。正直植物は専門外だが…一応見てやろう。」

彼女はガラスの箱の前にしゃがみ込むと、中の様子を伺い始めた。すると、身体の中へ戻っていたルナが再び姿を現し、持っていた本を机の上に広げた。

「アスルフロルの花が落ちるのは、成熟した証みたい。花を付けたまま枯れていくのが普通なんだけど…大きく成長し過ぎて成熟した花は、茎から花弁が落ちちゃうんだって。」
「そっか…。なら、未熟で落ちちゃったとかじゃないんだね。」
「ところでヴェラは何をしてるの?」
「あぁ…。ブルートの方も実がついてるみたいで、こんなに早く実るのは何か悪い影響があるんじゃないかと思って見ててくれてるんだ。」
「そうなんだね。うーん…確かに、ブルートは実をつけるまでに何年もかかるって書いた記憶が…。でも、色がピンクになるのは成熟した証拠だし…。」
「憶測ではあるが、考えられる理由はこれしかないだろうな。」
「え、本当?」

部屋の端にしゃがみ込んでいたヴェラが、その場に立ち上がってこちらに歩み寄って来た。

「箱の中に、大量の魔力が流れ込んでいた。恐らくそれが成長を早めるきっかけになったと思われる。」
「魔力が?ルカ何かした?」
「え?うーん…毎日箱に触って話しかけたりはしてたけど…。」
「触った所から、無意識に魔力を送っていた可能性があるな。これを利用すれば、何年もかかる時間を数日に短縮する事が出来る。」
「すごいよルカ!ガラスの箱を使えば育てる環境を調整出来るし、魔力を使って成長を早められるね!」
「じゃあまずは、これを使ってアネミーオを作ってみよう!」



その日の夜、部屋を訪れたフランと共にお茶を飲みながら談話を楽しんでいた。

「今朝、アスルフロルの花とブルートの実を収穫したんだ。それを使って薬を作ってみたんだけど…まだ効果を試してないからイマイチ実感がわかないんだよね。」

彼はいつもの様に、紅茶を飲みながら僕の話に耳を傾けていた。

「あ、それとさ。毎日アスルフロルとブルートに向かって何気なく話しかけてたら、そのおかげで時間の短縮になったみたい。後は薬が上手く出来てる事を祈りつつ、アスルフロルとブルートを量産出来る方法を探して…」

ーガチャン!

急に立ち上がった彼の脚がテーブルにぶつかり、カップが音を立てて転がり落ちた。

「フラン…!?急にどうし…」
「何故…お前がここに…!」
「えっ…?」

手で覆い隠された隙間から、彼の右目が青から赤へと変化しているのが見えた。

「俺様が寝ている間に、何故こいつの部屋にいるんだ!」
「お、落ち着いてフラン…!なんでかは僕もわからないけど…ただお茶を飲みに来てるだけだよ!」
「は?…茶を飲みにだと?」
「僕も最初は驚いたけど、きっと居心地が良かったんだと思う。最近は、毎日のように部屋に来てくれるんだ。」
「俺様の居ない間に、身体を勝手に動かすとは…舐めた真似を…。」
「それくらい、フランの好きにしてあげなよ!話が出来なくても、同じ身体を使ってる者通し、仲良く…」
「クレフティスのアジトに乗り込んで、連中を皆殺しにしたのは俺様じゃない。あいつは息をするように剣を振り、殺した連中に何の感情も持たない。元からそういう奴だ。馴れ合おうなどと、考えないのが身の為だぞ。」

彼は言葉を吐き捨てると、部屋から出ていってしまった。



数日が経ったある日、ヴェラが僕の部屋を訪れた。

「お前の作った薬で、重症患者の回復傾向が見られた。今の所、副作用も確認されていない。」
「やったねルカ!おめでとう!」
「ルナとミグが手伝ってくれたおかげだよ!僕の方こそ、ありがとう!」
「感傷に浸るのもいいが、アスルフロルとブルートを量産する方法は考えたのか?」
「それについてもバッチリ!ガラスの箱を考案してくれたガゼルに話をしてみたら、アスルフロルとブルートを育てる為の小屋を作るのはどうかって提案してもらったんだ。」
「ほう…小屋か。管理するには、箱よりも規模が大きくて大変だろうが…それを管理出来れば、1度に沢山作れるようになるという訳だな。」
「さすがにガゼルを連れて来る訳にはいかないから、僕が作る事になるけど…ディオース島に行って、作り方を勉強してくるよ!」
「ならばその間、私は鉢植えと土を用意しておこう。仕事の方も、私1人でなんとかする。」
「ありがとうヴェラ!助かるよ~。」
「お前が留守の間、私が上手く誤魔化しておくから、こちらの事は気にせず行ってこい。」
「うん。わかった!」

小屋を作れるようになる為に、しばらくの間レジデンスを離れる事になった。吸血鬼の力を抑えられている島に直接転移するのを避け、ノースガルム港から船に乗ってディオース島を目指した。



「お邪魔しまーす…」

島に辿り着いた僕は、真っ先にガゼルの家を訪ねた。

「ガゼル。誰か来……ルカ!」
「あ、ウナ!久しぶり。元気だっ…」
「ルカのバカ!」
「うわぁ!?」

勢いよくこちらに向かって来た彼女とぶつかり、地面に背中を打ち付けた。

「っ…てて…。」
「ウナ…ルカの事待ってたのに…。アリサと来るって約束…したのに…。」
「ご、ごめんウナ…。その…やらなきゃいけない事が、沢山あって…」
「ちょっとウナ…!今のは何の……え、ルカ?」
「アリサ…!」

泣きじゃくっていたウナが落ち着きを取り戻し、アリサとガゼルを交えて席に着いた。

「手紙読んだよ。なんか色々頑張ってるみたいだな。」
「うん。周りの人に助けてもらいながら、なんとかね。アリサはどう?ここの生活は慣れた?」
「まぁ…そうね。ガゼルの手伝いをしてる内に、色々作れるようになったわ。」
「ウナとフェリは、相変わらずシスターの仕事をしてる感じなの?」
「うん。特に変わった事ないよ。」
「そっか。後でフェリにも、挨拶しなきゃ。」
「挨拶なんて、あいつが帰って来てからでいーよ。それよりも、あんまりゆっくりもしてられないんだろ?小屋を作るなら、まずは材料集めからだな。」
「私も手伝うわ。」
「ありがとう2人共!」

教会へ向かったウナと別れ、3人で森の中を歩き始めた。手分けして木材をかき集め、材料を集めた所で1日を終えた。



「ルカくん。何か足りない物があったら、いつでも言ってね?」
「ありがとうフェリ!おやすみ。」

客間に案内された僕は、敷かれた布団の上で手足を大きく広げて寝そべった。こうして1人きりになるのは久しぶりで、部屋の静けさが寂しさを大きくするような気がした。

「ルナとミグはどうしてるかな…。前みたいに島に飛ばされて来た訳じゃないから、大丈夫だと思うけど…。」
「……っ!………たぁ…!」
「ん?誰の声だろう?」

部屋の窓を開けて外を見ると、砂浜に立っているアリサの姿を見つけた。

「おーい。アリサ~。」
「…カ?……に……るの?」
「うーん…波の音で聞こえにくいなぁ…。待っててー!今そっち行くからー!」

部屋を抜け出して海辺へ向かうと、砂の上に座り込んでいる彼女の元へ駆け寄った。

「ごめんねアリサ。待ってた?」
「疲れたから休憩してるだけよ。何の用?」

持っていたランタンを足元に置いて、彼女の隣に腰を下ろした。

「声が聞こえたから、何かと思って窓を開けたんだよ。そしたらアリサが居たから、何をしてるのか気になってね。さっきまで何をしてたの?」
「素振りよ。剣はないからただの木材だけどね。」
「訓練してたって事?今日くらい休んだらいいのに。疲れてないの?」
「この島に来てから毎日やってるわ。1日でもやらなかったら、腕が鈍るもの。」

彼女は海の方を眺めながら、そう口にした。

「そっか…アリサは偉いね。」
「な、何よ!急に…。」
「いつも何かに一生懸命で、目標に向かって真っ直ぐ努力してる。そういう所、僕も見習わなきゃ。」
「…あんただって十分頑張ってるじゃない。」
「え?」
「ギルドにいた頃は、私の方が強かったわ。でも今じゃ、銃の腕も魔法の扱いも知識の量もあんたには敵わない。努力でなんでもやれるようになったのは、そっち方でしょ?」
「あはは。アリサが褒めてくれるなんて嬉しいな。」
「別に褒めてないわよ!」
「えー?そうなの?」
「…もう寝るわ!いい加減疲れたし!」
「え、あ…ちょっと待ってよアリサ!一緒に帰ろうよー!」
 
先に歩き出した彼女の背中を追いかけていると、不思議と懐かしい気持ちになる気がした。



それから数日の間、ガゼルに小屋の作り方をみっちり教え込まれた。木材の組み方や釘打ちの仕方から始まり、最後の仕上げに至るまでの全行程を終えると、家の裏手に客間の半分程の大きさの小屋が出来上がった。

「お疲れさん。いい出来じゃないか。」
「本当?よかった~。」
「この出来なら、植物を育てるのには十分だろ。なんか分からない事があったら、今のうちに聞いとけよ?」
「うーん…そうだなぁ。もう少し、組み立てる作業を手際よくやれるようになりたいな。」
「そんなのは、色んなのを作ってるうちに慣れるさ。もうすぐ日も暮れるし、家に戻ろうぜ。」

家に戻って夕飯を済ませ、部屋でくつろいでいる所にウナとアリサがやって来た。ウナが2つの枕を抱え、アリサは薄めの毛布を手にしている。

「あれ?2人共どうしたの?」
「ウナ、今日はルカと寝る!」
「え!?なんでそんな急に!?」
「だって、小屋はもう完成したでしょ?明日なったら帰るってルカが言うから、アリサと3人なら寝ても良いいってフェリに言われたの!」
「それで…アリサも?」
「仕方なくよ!1晩くらい我慢するわ。」
「ねぇねぇ!寝る前にお話聞かせて!」
「お話かぁ…。それなら、この間読んだ童話の話をしよっか。」
「やったー!」
「ウナ。明日も早いでしょ?話を聞くなら、布団に入ってからにしなさい。」
「はーい!」

窓際に3つの枕を並べ、ウナを挟むようにして寝転がった。部屋の明かりを消してランタンに小さな明かりを灯すと、最近読んだ本の話を喋り始めた。

「…ルカ。ねぇ、ルカ。」
「それで…え、何?どうかした?アリサ。」
「ウナ、もう寝たわ。」

夢中で話をしていると、隣に横たわるウナから吐息の漏れる音が聞こえて来た。

「あっ…本当だ…。」
「この子、ほんと寝付きいいわね。羨ましいわ。」

アリサはめくれた毛布を掴むと、そっと彼女の胸元にかけた。

「アリサ、すっかりお姉さんだね。」
「はぁ…子供扱いするのは、あんたとクラーレくらいよ。」
「当たり前でしょ~?僕の妹なんだから。」
「…あっそ。」
「前もこんな風に、3人で寝た事あったよね。その時もアリサ、ウナに無理矢理誘われて仕方なく寝る事になってさ。」
「そうだったかしら?忘れたわ。」
「ウナの事、これからも面倒見てあげてね。」
「言われなくてもわかってるわよ。」
「それとさ…アリサ。」
「…まだ何かあるの?」
「今はまだ…アリサを狙う奴がいるかもしれないから、サトラテールには戻れないけど…。戻れる様になったら、僕がアリサを迎えに来るよ。」
「別に私はこのままでもいいわよ。…結構楽しいし。」
「アリサが毎日の訓練を怠らないのは、国家騎士に戻りたいと思ってるからでしょ?僕は、人間と吸血鬼が争わなくなる世の中を作りたい。それが実現したら、絶対アリサの事を迎えに来るからね?」
「はいはいわかったわよ。そういう事にしといてあげるから、さっさと寝なさい。」
「え~。何それ~。じゃあ、おやすみアリサ。」
「…おやすみ。ルカ…。」

僕達はそっと目を閉じ、眠りについた。
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