エテルノ・レガーメ

りくあ

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第12章︰出会いと別れの先

第103話

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「…。」

目を開くと、気持ちのいい青空が視界いっぱいに広がっている。ゆっくり身体を起こすと、草花が生い茂った広い草原の真ん中にいた。少し離れた所に湖があり、その脇に家が立っているのが見える。
立ち上がって、その家に向かって歩いて行くとその途中で1人の女の子と出会った。彼女は僕と同じ白髪で、瞳の色も僕と同じ紺青色をしている。
僕は彼女の名前を知っている。彼女もまた、僕の名前を知っている。

「ルカ。」
「…ルナ。」

僕達はお互いの名前を呼びあった。それぞれ、お互いの存在を確かめ合うように。



「…っ!」

再び目を開くと、室内の天井が視界に広がった。窓から差し込む光が、部屋の中を明るく照らしている。

「…夢?」

ゆっくり身体を起こすとそこは、レジデンスのルナの部屋ではなく、彼女の夢の中に存在する自分の部屋でもなかった。
ふと視線を落とすと、布団の上に置かれた自分の手を見て愕然とした。その手は可愛らしい女の子の手ではなく、明らかに男の手だとわかるものだった。慌てて布団から飛び出すと、壁にかけられた鏡を覗き込んだ。

「嘘…なんで…?どうして…!?」

そこに映っていたのは、ルナの姿ではなくルカの姿だった。彼女と身体が入れ替わってしまったのかと思っていたら、身体自体が彼女の物では無くなってしまっていたのだ。
僕はそのまま部屋を飛び出し、曖昧な記憶を頼りに別の部屋の扉を開いた。

「クラーレさん!」
「…ルカ!よかった…目が覚めたんだね。」

僕は彼の元に駆け寄ると、彼の肩を掴んだ。

「ルナは!?ルナはどこですか!?」
「え?ルナ…は…。」

彼は僕から目を逸らし、視線を下に落とした。

「ここ、ギルドですよね?僕…起きる前の記憶が曖昧で、よく覚えてなくて…。ルナはどこに…」
「落ち着いてルカ。まずは僕と話をしよう。…座って?」
「…はい。」

彼と共にソファーに座ると、彼は僕の手をそっと握りしめた。

「まずは、どこまで覚えているか話してみて?」
「えっと…。谷に落ちた後、ミグに背負われて暗い中を奥に進んでって…。ヴェラと合流した後は…建物の中に入っていって…。僕の身体を見つけて…。それから…」

僕は彼の手を強く握り返した。
僕の身体が装置の上に寝かされ、フランとルナが会話している所まで、僕はハッキリと覚えていた。おそらくその時、その場にいた全員で僕に身体を返す作業を行ったのだろう。
本当は全部わかっているのに、知らない振りをしたかった。今目の前で起こっている現実から、目を背けたかった。

「ルナは…どうして…。身体を返す方法を知ってて…何も言わなかったんだろう…。僕も知ってたら…こんな事にならなかったのに…。」

唇を強く噛み締めた。吸血鬼特有の鋭い歯で唇が切れ、血が流れ出した。
それに気付いたクラーレさんが、取り出したハンカチで僕の口元を拭った。

「僕も…ルナの立場だったら言わなかったと思うよ。」
「…どうしてですか?」
「ルカの事が大事だから。ルカを守りたいと思うからだよ。」
「そんなの…僕だって同じ気持ちで…」
「ならわかるでしょ?ルナが本当の事を隠してまで、ルカを元に戻そうとした気持ちが。」
「…。」
「僕でよければいつでも話を聞くよ。…ヴェラと話がしたかったら、ルカの部屋にある絵の中に入ってみると会えると思う。」
「わかりました…。」

僕は手を離し、その場に立ち上がって部屋を出ていった。



自分の部屋に戻って来ると、壁に飾られている絵の前に立った。ゆっくりと絵に触れると、身体が浮き上がりその中に吸い込まれて行った。
絵の中に吸い込まれた直後、その先にあった別の絵から突然飛び出し、前方に受け身をとって床の上で膝をついた。

「び、びっくりしたぁ…。」
「成長したわね。ルカ。」

そこで待っていたヴェラが、ソファーに座って腕と脚の両方を組んでいた。

「ヴェラ…。」
「話をしに来たんでしょ?座りなさい。」
「うん。」

向かいのソファーに腰を下ろし、彼女の目を真っ直ぐに見つめた。

「聞きたい事、なんでも聞きなさい。」
「ルナはどこにいるの?」
「そうだな…。今頃、土の中じゃないか?」
「嘘だ!ルナは死んでなんかいない!」
「どうしてそう思う。」
「夢の中で、ルナと会った。ルナは死んだんじゃない…僕の中にいるんだ。」
「自分にとって特別な存在を失った奴はみんなそう言う。現実から目を背ける為にな。」
「…。」
「他には?」
「身体を返す方法、ヴェラも知ってたんだよね?どうしてルナもヴェラも、知ってて隠したの?エーリとレジデンスにある本の内容を、僕に知られずにどうやって知ったの!?」
「1度にいくつも質問をするな…ややこしい。」
「…ヴェラも方法を知ってた?」
「知っていた。」
「どうして2人は、知ってて僕に隠したの?」
「お前に話していたら、反対するとわかっていたからだ。私達だけじゃない。ミグも承知の上だった。」
「……エーリとレジデンスにあった本は?いつ見つけたの?」
「そんな本、元から存在しない。」
「え…?ルナが王城で見つけた本は、上巻だったんでしょ?それなら必ず下巻が存在するはず…」
「それはルナがついた嘘だ。あの本は上巻などではない。あの1冊に身体を戻す方法が記されていた。ルナはあの時点でそれを知っていて、お前にその事実を隠した。レジデンスに戻る前、ルナと話をした時に私とミグは書かれていた内容を知った。」
「なら…3人ともわかってて嘘をついてたんだね…。僕だけ仲間はずれにして…。 」
「そうなるな。」
「っ…。」
「…これを受け取りなさい。」

彼女は、透明な宝石が埋め込まれたブレスレットと青い花の髪飾りをテーブルの上に置いた。

「これは…ルナの…。」
「ルナから預かってたわ。お前に渡してくれって。」

彼女はどんな想いでこれをヴェラに預けたのだろう。自分が死ぬとわかっていて、どれほど不安になったのか…僕には想像がつかなかった。彼女と過ごした思い出の1つ1つが頭の中に浮かび、胸が強く締め付けられた。

「フランは…どうなったの…?」
「あいつは私達を追っ手から逃がす為に囮になったわ。多分捕まってると思う。」
「なら助けに行かなきゃ…!」
「やめなさい。そんな事をしたら私達も捕まるわ。そもそもあいつは幹部を暗殺しようとしたのよ。どんな処分が下されるか…私にもわからない。」
「それなら尚更…」
「よく聞きなさいルカ。…そのブレスレットには、居場所がわかるように細工がしてあった。多分…私がそれを作った後に、幹部の誰かが手を加えたのね。」
「なんでそんな事を…?」
「あいつらがルナの行動を把握する為よ。おそらくルナを何かに利用しようとしていた…。それがなんなのか、私だけでは調べきれなかった。」
「ルナを利用…?」
「お前とルナはよく似ている。それに今のお前は人間ではなく吸血鬼だ。幹部の奴らはお前を捕まえて、ルナの代わりをさせようとするはずだ。」
「だからって…フランの事、見捨てられないよ…。」
「流石に殺しはしないはずよ。あとはフランの事を信じなさい。」
「…わかった。」
「ルナがクラーレから預かってたネックレスは、本人に返しておいたわ。それと、このブレスレットの細工は無くしておいた。…あの子の為にも、使ってやりなさい。」
「うん…。」

ブレスレットを腕に、髪飾りを胸元に身につけると再び絵の中に吸い込まれて部屋に戻っていった。



「あ、ルカくん!」

廊下を歩いていると、後ろからリアーナが声をかけてきた。彼女は、普段まとめている髪をおろし、肩から鞄を下げている。

「リアーナ…。」
「よかった~…。あたしの事、覚えててくれたんだね。」
「もちろんだよ。忘れるはずないでしょ?」
「ルカくん、あの時からほとんど変わってないね。」
「え?あー…そうかな?」
「攫われちゃった時はどうなるかと思ったけど、こうして無事に帰ってきてくれて本当によかった!」
「ありがとう。リアーナは…随分大人っぽくなったね。」
「そう?自分ではよくわからないや。」
「これからどこか出かけるの?」
「うん。イルムと買い物に行くの。」
「そっか…気をつけて行ってきてね。」
「うん!ルカくんは、ゆっくり身体を休めてね?」
「うん…ありがとう。」

彼女と別れると再び歩き出し、クラーレさんの部屋へ向かった。

「ヴェラから話を聞いた?」
「はい。」
「少しは落ち着いたみたいでよかった。」
「さっきはすみませんでした…。いきなり部屋に押しかけたりして…。」
「そんな事は気にしてないよ。急な事だっただろうから…混乱するのは当然だし…。」
「さっき…リアーナと会ったんですけど…。ラズさんやスレイ達は居ないんですか?」
「ラズとラヴィは仕事でちょっと離れてるだけだよ。スレイ達4人は、他の街に派遣してるんだ。」
「あー…そうなんですね。ルカとしてはまだ会った事なかったから、挨拶しようと思ったんですけど…。」
「そういえばそうだったね…。そんなに急がなくても、そのうち挨拶すれば…」
「その事なんですけど…」

僕は、先程ヴェラと会話した内容を彼に話した。

「ルナの代わりに、ルカを利用しようとしてるかもしれないの?」
「まだ、ヴェラがそう考えてるだけなんですけど…。あまりゆっくりしていられないと思って。」
「どうして?」
「ルナがここに来た事があるのを、レーガやライガが知ってるんです。僕が帰る場所と言ったら、ここくらいしかないから…。」
「なるほど…。なら、彼等の知らない場所にいた方が安全かもしれないね…。」
「僕、1つだけ思い付いた場所があるんです。けど…その為にはクラーレさんの協力が必要で…。」
「うん。僕に出来る事があるならなんでも協力するよ。」
「ありがとうございます…!」



「さぁルカくん!ここに座って~。」
「あ、ありがとうございますシェリアさん…!」

その日の夜、僕が帰ってきた事をお祝いする為の食事会が開かれた。テーブルの上に料理が並び、それを囲むようにギルドのメンバーが椅子に座っている。

「これ、シェリアさんが用意したんですか?」
「リアーナとイルムにも手伝ってもらったわよ?」
「言ってくれれば僕も手伝ったのに…」
「何を言ってるんだルカ。今日の主役はお前なんだぞ?」
「頑張って作ったから、いっぱい食べてね?」
「う、うん…!」
「さて…じゃあ食べようか。…ミラ様に感謝して、頂きます。」
「「頂きます。」」
「い、頂きます…!」

食事の前に、全員で目を閉じて手を合わせているこの光景が、ものすごく懐かしいものに感じた。

「あ、あの…!ルカくん!」

向かいの椅子に座っている少女が、緊張した面持ちで声をかけてきた。彼女とは会った事がないが、ルナから話を聞いた事があった。

「え?あ、えっと…イルムさん…だよね?挨拶が遅くなってごめんね…。」
「う、ううん!そんな事…」
「ルナから聞いたよ!一緒に買い物したの楽しかったって。」
「そっか…ルナが…。」

彼女は、悲しそうな表情で手元に視線を落とした。
クラーレさんの話では、僕とミグ、ルナの3人が兄弟という事になっている。ギルドのみんなに変に思われないように、僕とルナは双子で産まれ、見た目がそっくりだという事にしたらしい。
ミグとルナが旅に出た後(ギルドからレジデンスへ向かった時)、別の街で見つけた僕をギルドへ連れて帰る事にした。しかしその途中で2人は崖から転落してしまい、僕だけがここへ帰ってきた…という設定を作り上げた。
ここへ来てすぐにクラーレさんとヴェラが話し合って決めたらしいが、ギルドのみんなを騙しているようで、心が痛んだ。

「2人共…無事だといいね。」
「…うん。」
「さっきルカと話をしたんだけど、しばらくディオース島に行く事にしたんだ。」

隣に座っていたクラーレさんが話の流れを変えようと、違う話題を持ちかけた。

「え?ルカくんが?」
「はい…。少し…気持ちを整理する時間が欲しいなって思って…。ごめんなさい…わがまま言って。」
「そんな事ないわよ~。ウナに顔を見せてあげた方がいいものね。あの子も心配してたから。」
「フェリとガゼルも会いたがってると思うよ。丁度いい機会だし、島でゆっくりして来なよ!」
「兄さんも行くのか?」
「僕は港までね。ラヴィは忙しいだろうから、島まで乗せてくれる船を探さないといけないし。ルカ1人じゃ心配だから…」
「あ、あの…!私も、島に行ってみたいんですけど…ルカくんについて行ったら駄目ですか?」

向かいの席に座っているイルムが、顔の横で小さく手をあげた。

「僕は別に構わないけど…。」
「そういえば、イルムはディオース島に行った事なかったよね?」
「は、はい…!ガゼルさんとフェリさん、ウナちゃんと会ってみたいんです!」
「なら、何日か島で過ごしてくるといいよ。ラヴィの予定を聞いて、都合が合ったら迎えに行くから。」
「あ、ありがとうございます…!」
「急なんだけど、出発は明日でも大丈夫?」
「はい!大丈夫です…!」
「じゃあ明日、朝ごはんを食べたら出発しよっか。」
「わかりました!」

食事会を終えた後、部屋に戻った僕はヴェラに事情を説明した。

「そう。わかったわ。なら私は、その間に色々調べてみる。」
「無茶しないでね?」
「私を誰だと思っている?問題ないわ。」
「そ、そうだね…。」
「それよりも自分の身体を心配しなさい。」

彼女は僕の腕を掴むと、ブレスレットを指さした。埋め込まれた宝石が、鮮やかな赤色に変化している。

「…あ。」
「痛い方と痛くない方。選びなさい。」
「え?そりゃあ…痛くない方が…」
「なら首でいいわね。」
「えぇ!?血を吸うのはいいけど、首じゃなくて腕の方が…」
「ゆっくりしてたら、誰か来るかもしれないでしょう?」
「ここは絵の中なんだから大丈夫でしょ!?」
「いいから大人しくしてなさい!」
「ひぇ…!?」

されるがままに血を吸われ、明日の出発に備えて早めに身体を休める事にした。
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