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第10章︰エーリ学院〜上級クラス〜
第89話
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翌朝、集合場所になっている門の前にやって来ると、ツヴェルの隣にはユノが立っていた。
「あれ?ユノも行くの?」
「彼女も誘ったんです。以前、コルトに行ってみたいと話していたのを、ユイさんから聞いた事があったので。」
「雪に囲まれた街…興味ある。」
「では出発しましょうか。まずは、馬車を借りに行きましょう。」
私達は馬車を借りて、コルトを目指した。
「わー!綺麗ー!」
街中が真っ白な雪で覆われ、視界いっぱいに銀世界が広がっていた。しかし、街の中に人の姿は少なく、少々寂しい印象を受ける。
「想像してたよりも素敵…。」
「そうですか?雪しかない、寂しい街ですよ。」
「そんな事ないと思うけど…。」
「…依頼主の領主に会いに行きましょう。」
「あ、待ってよツヴェ……ルっ!?」
私は踏み出した足を滑らせ、体制を崩した。前を歩き出した彼がそれに気づき、前方に伸びた私の腕を掴んだ。
「あ、ありがとう…。」
「依頼の前に怪我をされたら困ります。…足元には気をつけてください。」
「…わかった。」
彼は腕を離すと、再び背を向けて歩き出した。
「これはこれは!お久しぶりですニール殿。」
領主の家を尋ねると、優しげな雰囲気の男性が私達を出迎えた。彼はツヴェルの顔を見るなり、両手を包み込んで握手を交わした。
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
「もちろんです!ニール殿も随分ご立派になられたようで…おや。そちらの方々は?」
「僕の友人です。エーリ学院に届いた依頼を見て、彼女達と祭りの手伝いに来ました。」
「なるほどそうでしたか!初めまして、領主のアルブムです。寒い中大変だったでしょう?どうぞ中にお入りください。何か温かい飲み物をご用意しますので。」
「あ、ありがとうございます。」
家の中に通され、暖かいココアが用意された。
「ココアだ…!ありがとうございます!」
「いただきます。」
「お2人は、コルトへ来るのは初めてですか?」
「はい!初めてです!」
「私もです。」
「そうでしたか。雪しかないような所ですが、静かで落ち着いていて寒ささえ慣れれば住み心地のよい場所です。祭りの準備は明日からですから、街の中を見て回ってはどうでしょうか?」
「是非見たいです。」
「なら僕が案内しますよ。…ご馳走様でした。」
「ココアとっても美味しかったです!ありがとうございました。」
「それは良かったです。何かあったらなんでも仰って下さい。」
街の中を歩いていると、大きな広場へやって来た。
「どこを見ても街が綺麗だね。」
「ん。」
「そんなに綺麗でしょうか?ただ寒いだけですよ。」
「ツヴェルはこの街の事、好きじゃないの?」
「そういうあなたは…イリスシティアの事、好きなんですか?」
「好きだよ!美味しい物が食べられるお店はいっぱいあるし、人が沢山いるから活気があるし、洋服を見たりするのも楽しいし…」
「この街は、店自体が少ないし人もほとんど出歩きません。ただ寒くて雪が降ると言うだけです。こんな街を、どうやって好きになれと言うんですか。」
「ココア。」
「え?ココア?」
「さっき飲んだココア。普段飲むより美味しかった。寒いからこそ、美味しく感じたんだと思う。」
「確かにそれはあるかもしれませんが…。」
「街に活気があるのはいい事だけど、落ち着かない。自然に囲まれて、静かな所は落ち着く。私はここが好き。」
「確かに本を読むには最適な環境です。寒い中を歩き回り、暖かい家に入った時の感動は、ここでしか味わえないでしょうし…。」
「…っくしゅ!」
「大丈夫?ルナ。」
「あ、うん…!大丈夫!」
「あれほど暖かくしろと言ったじゃないですか。」
「えー。これでも充分厚着だよ?」
「肝心な首元が空いてますよ…。これ、使ってください。」
彼は自分の首に巻いていたマフラーを外すと、私に差し出した。
「それじゃツヴェルが寒くなっちゃうよ!」
「大丈夫です。慣れてますから。」
「でも…!」
「つべこべ言わずつけてください。」
「わっ!?」
腕を引かれて彼の前に立たされると、私の首にマフラーを巻き始めた。彼の体温で温められていたマフラーが私の首を覆い、彼の匂いと共に暖かさが伝わってくる。
「あ、ありがとう…ツヴェル。」
「…他にはどこを見ますか?」
「また明日にする。」
「なら、宿屋に行きましょう。ここから階段を下り…」
「…お前、ツーヴェイか?」
階段を下りようとした彼の前方から、細身の男性が階段を上ってきた。
「……父上…。」
「え!ツヴェルのお父さん?」
「…そうです。」
「帰って来ていたのか。」
「依頼を受けて、先程こちらに着きました。」
「そうか。時間があるのなら家に寄りなさい。母さんも心配しているだろからな。」
「…わかりました。」
彼は私達に向かって軽く一礼し、横を通り過ぎて去って行った。
「ツヴェルのお父さん、すごく綺麗な服を着てたけど…。お役人さんとか?」
「まあ…似たようなものですね。宿屋に行く前に、家に寄ってもいいですか?」
「私は構わないよ。」
「私も。」
「では行きましょう。」
歩き出した彼の後ろをついて行くと、奥に進むにつれて家の造りが変わっている事に気付いた。
「この辺り、さっき見た家と違う感じだね。」
「貴族のお屋敷みたい。」
「ここは貴族区域ですから当然です。」
「え?貴族区域?」
彼は1軒の豪邸の前で立ち止まると、鉄の柵に手をかけた。
「も、もしかしてここがツヴェルの家…?」
「ええ。」
「ツヴェル…貴族だったんだね。」
「意外でしたか?」
「そういう訳じゃないけど…。」
「他の人と何も変わりませんよ。貴族など名ばかりです。」
庭を通り抜け、建物の中に足を踏み入れた。広い玄関を通り抜けて、カーペットが敷かれた廊下を歩き出した。
「ツヴェルが貴族って事は…ララも?」
「そうですよ。隣ですから。」
「そう言えば…ツヴェルは子供の頃、引っ越したってララから聞いたけど…。」
「イリスシティアにある叔父の家に、養子に出されたんです。」
「親が居るのに、どうして養子に?」
「…母に会えば、わかると思います。」
そして彼は、廊下の突き当たりにあった扉を開いた。白と青を基調としたシンプルな部屋で、大きなベッドの上に1人の女性が眠りについていた。
「僕の母です。」
「寝てるみたいだけど…。」
「もう何十年もこの状態です。」
「え…。」
「母が病気で寝たきりになって、僕を育てられる人が居なくなりました。それで父は、使用人に子育ては任せられないと言って、僕を養子に出したんです。」
「そうだったんだね…。ごめんツヴェル。」
「何故謝る必要が?僕は養子に出された事を、良かったと思っています。叔父の家に行かなければ、エーリにも通っていなかったでしょうし。」
「お母さん…早く良くなるといいね。」
「…はい。」
母を見つめる彼の表情は、どこか寂しそうで今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「母さんに顔を見せたか?」
「はい。」
客間に通された私達は、向かいのソファーに座っているツヴェルのお父さんと話をしていた。
「学校の方はどうだ。上手くやれているのか?」
「ええ。まあ。」
「レイシエ家のお嬢さんもエーリに通っているそうだな。彼女とはお会いしたのか?」
「はい。」
「…そうか。」
彼等の会話を黙って聞いていたが、親子とは思えない程冷たく、あっさりとしたものだった。父に対するツヴェルの受け答えは、私達と話をする時よりも堅苦しい印象を受けた。
「祭りの手伝いは明日からだそうだな。ここにいる間は、うちに泊まりなさい。」
「いえ。宿屋を借りるつもりで…」
「部屋は空いている。お前の部屋もそのままにしているから、好きに使いなさい。」
「……わかりました。」
「私は公務があるので失礼。なんのお構いも出来ませんが、どうぞごゆっくり。」
「あ、ありがとうございます…!」
その場から立ち去った父の背中を見送ると、彼も同じように立ち上がった。
「移動で疲れたでしょうから、部屋に行きましょう。」
「あ、うん…。」
彼は自分の部屋に入り、私とユノはその隣にある部屋を借りることになった。
「さすが貴族のお屋敷…広くて綺麗。」
「そうだね…。」
「ルナ、さっきから元気ないね。」
「あーうん…。ツヴェルとお父さんの会話を聞いてたら、なんか…親子なのに冷たいなって思って。」
「…普通の親子って何だろうね。」
「あ…。」
私は以前、ユイが話した事を思い出した。彼女達の父親は暴力を振るい、母親は他界している。彼女からしたら、ツヴェルの親は普通な方なのかもしれない。
「私、ちょっと外を歩いて来るね。」
「え?なら私も…」
「ルナは休んでて。風邪、ひいたら大変。」
「あ、うん…わかった…。」
彼女が部屋から出ていくと、静かになった部屋の中で暖炉の薪がパチパチと燃えている音が聞こえてきた。ふと窓の外を見ると、しんしんと白い雪が降り始めている。
「親子かぁ…。」
私には兄弟と呼べる人達は居ても、親と呼べる人は存在しない。
初めのうちは、親が居ない事に寂しさを感じていた。しかし、ツヴェルやユノの様に親がいても寂しさを感じる人達が居るという事を、身をもって知る事となった。
「あれ?ユノも行くの?」
「彼女も誘ったんです。以前、コルトに行ってみたいと話していたのを、ユイさんから聞いた事があったので。」
「雪に囲まれた街…興味ある。」
「では出発しましょうか。まずは、馬車を借りに行きましょう。」
私達は馬車を借りて、コルトを目指した。
「わー!綺麗ー!」
街中が真っ白な雪で覆われ、視界いっぱいに銀世界が広がっていた。しかし、街の中に人の姿は少なく、少々寂しい印象を受ける。
「想像してたよりも素敵…。」
「そうですか?雪しかない、寂しい街ですよ。」
「そんな事ないと思うけど…。」
「…依頼主の領主に会いに行きましょう。」
「あ、待ってよツヴェ……ルっ!?」
私は踏み出した足を滑らせ、体制を崩した。前を歩き出した彼がそれに気づき、前方に伸びた私の腕を掴んだ。
「あ、ありがとう…。」
「依頼の前に怪我をされたら困ります。…足元には気をつけてください。」
「…わかった。」
彼は腕を離すと、再び背を向けて歩き出した。
「これはこれは!お久しぶりですニール殿。」
領主の家を尋ねると、優しげな雰囲気の男性が私達を出迎えた。彼はツヴェルの顔を見るなり、両手を包み込んで握手を交わした。
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
「もちろんです!ニール殿も随分ご立派になられたようで…おや。そちらの方々は?」
「僕の友人です。エーリ学院に届いた依頼を見て、彼女達と祭りの手伝いに来ました。」
「なるほどそうでしたか!初めまして、領主のアルブムです。寒い中大変だったでしょう?どうぞ中にお入りください。何か温かい飲み物をご用意しますので。」
「あ、ありがとうございます。」
家の中に通され、暖かいココアが用意された。
「ココアだ…!ありがとうございます!」
「いただきます。」
「お2人は、コルトへ来るのは初めてですか?」
「はい!初めてです!」
「私もです。」
「そうでしたか。雪しかないような所ですが、静かで落ち着いていて寒ささえ慣れれば住み心地のよい場所です。祭りの準備は明日からですから、街の中を見て回ってはどうでしょうか?」
「是非見たいです。」
「なら僕が案内しますよ。…ご馳走様でした。」
「ココアとっても美味しかったです!ありがとうございました。」
「それは良かったです。何かあったらなんでも仰って下さい。」
街の中を歩いていると、大きな広場へやって来た。
「どこを見ても街が綺麗だね。」
「ん。」
「そんなに綺麗でしょうか?ただ寒いだけですよ。」
「ツヴェルはこの街の事、好きじゃないの?」
「そういうあなたは…イリスシティアの事、好きなんですか?」
「好きだよ!美味しい物が食べられるお店はいっぱいあるし、人が沢山いるから活気があるし、洋服を見たりするのも楽しいし…」
「この街は、店自体が少ないし人もほとんど出歩きません。ただ寒くて雪が降ると言うだけです。こんな街を、どうやって好きになれと言うんですか。」
「ココア。」
「え?ココア?」
「さっき飲んだココア。普段飲むより美味しかった。寒いからこそ、美味しく感じたんだと思う。」
「確かにそれはあるかもしれませんが…。」
「街に活気があるのはいい事だけど、落ち着かない。自然に囲まれて、静かな所は落ち着く。私はここが好き。」
「確かに本を読むには最適な環境です。寒い中を歩き回り、暖かい家に入った時の感動は、ここでしか味わえないでしょうし…。」
「…っくしゅ!」
「大丈夫?ルナ。」
「あ、うん…!大丈夫!」
「あれほど暖かくしろと言ったじゃないですか。」
「えー。これでも充分厚着だよ?」
「肝心な首元が空いてますよ…。これ、使ってください。」
彼は自分の首に巻いていたマフラーを外すと、私に差し出した。
「それじゃツヴェルが寒くなっちゃうよ!」
「大丈夫です。慣れてますから。」
「でも…!」
「つべこべ言わずつけてください。」
「わっ!?」
腕を引かれて彼の前に立たされると、私の首にマフラーを巻き始めた。彼の体温で温められていたマフラーが私の首を覆い、彼の匂いと共に暖かさが伝わってくる。
「あ、ありがとう…ツヴェル。」
「…他にはどこを見ますか?」
「また明日にする。」
「なら、宿屋に行きましょう。ここから階段を下り…」
「…お前、ツーヴェイか?」
階段を下りようとした彼の前方から、細身の男性が階段を上ってきた。
「……父上…。」
「え!ツヴェルのお父さん?」
「…そうです。」
「帰って来ていたのか。」
「依頼を受けて、先程こちらに着きました。」
「そうか。時間があるのなら家に寄りなさい。母さんも心配しているだろからな。」
「…わかりました。」
彼は私達に向かって軽く一礼し、横を通り過ぎて去って行った。
「ツヴェルのお父さん、すごく綺麗な服を着てたけど…。お役人さんとか?」
「まあ…似たようなものですね。宿屋に行く前に、家に寄ってもいいですか?」
「私は構わないよ。」
「私も。」
「では行きましょう。」
歩き出した彼の後ろをついて行くと、奥に進むにつれて家の造りが変わっている事に気付いた。
「この辺り、さっき見た家と違う感じだね。」
「貴族のお屋敷みたい。」
「ここは貴族区域ですから当然です。」
「え?貴族区域?」
彼は1軒の豪邸の前で立ち止まると、鉄の柵に手をかけた。
「も、もしかしてここがツヴェルの家…?」
「ええ。」
「ツヴェル…貴族だったんだね。」
「意外でしたか?」
「そういう訳じゃないけど…。」
「他の人と何も変わりませんよ。貴族など名ばかりです。」
庭を通り抜け、建物の中に足を踏み入れた。広い玄関を通り抜けて、カーペットが敷かれた廊下を歩き出した。
「ツヴェルが貴族って事は…ララも?」
「そうですよ。隣ですから。」
「そう言えば…ツヴェルは子供の頃、引っ越したってララから聞いたけど…。」
「イリスシティアにある叔父の家に、養子に出されたんです。」
「親が居るのに、どうして養子に?」
「…母に会えば、わかると思います。」
そして彼は、廊下の突き当たりにあった扉を開いた。白と青を基調としたシンプルな部屋で、大きなベッドの上に1人の女性が眠りについていた。
「僕の母です。」
「寝てるみたいだけど…。」
「もう何十年もこの状態です。」
「え…。」
「母が病気で寝たきりになって、僕を育てられる人が居なくなりました。それで父は、使用人に子育ては任せられないと言って、僕を養子に出したんです。」
「そうだったんだね…。ごめんツヴェル。」
「何故謝る必要が?僕は養子に出された事を、良かったと思っています。叔父の家に行かなければ、エーリにも通っていなかったでしょうし。」
「お母さん…早く良くなるといいね。」
「…はい。」
母を見つめる彼の表情は、どこか寂しそうで今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「母さんに顔を見せたか?」
「はい。」
客間に通された私達は、向かいのソファーに座っているツヴェルのお父さんと話をしていた。
「学校の方はどうだ。上手くやれているのか?」
「ええ。まあ。」
「レイシエ家のお嬢さんもエーリに通っているそうだな。彼女とはお会いしたのか?」
「はい。」
「…そうか。」
彼等の会話を黙って聞いていたが、親子とは思えない程冷たく、あっさりとしたものだった。父に対するツヴェルの受け答えは、私達と話をする時よりも堅苦しい印象を受けた。
「祭りの手伝いは明日からだそうだな。ここにいる間は、うちに泊まりなさい。」
「いえ。宿屋を借りるつもりで…」
「部屋は空いている。お前の部屋もそのままにしているから、好きに使いなさい。」
「……わかりました。」
「私は公務があるので失礼。なんのお構いも出来ませんが、どうぞごゆっくり。」
「あ、ありがとうございます…!」
その場から立ち去った父の背中を見送ると、彼も同じように立ち上がった。
「移動で疲れたでしょうから、部屋に行きましょう。」
「あ、うん…。」
彼は自分の部屋に入り、私とユノはその隣にある部屋を借りることになった。
「さすが貴族のお屋敷…広くて綺麗。」
「そうだね…。」
「ルナ、さっきから元気ないね。」
「あーうん…。ツヴェルとお父さんの会話を聞いてたら、なんか…親子なのに冷たいなって思って。」
「…普通の親子って何だろうね。」
「あ…。」
私は以前、ユイが話した事を思い出した。彼女達の父親は暴力を振るい、母親は他界している。彼女からしたら、ツヴェルの親は普通な方なのかもしれない。
「私、ちょっと外を歩いて来るね。」
「え?なら私も…」
「ルナは休んでて。風邪、ひいたら大変。」
「あ、うん…わかった…。」
彼女が部屋から出ていくと、静かになった部屋の中で暖炉の薪がパチパチと燃えている音が聞こえてきた。ふと窓の外を見ると、しんしんと白い雪が降り始めている。
「親子かぁ…。」
私には兄弟と呼べる人達は居ても、親と呼べる人は存在しない。
初めのうちは、親が居ない事に寂しさを感じていた。しかし、ツヴェルやユノの様に親がいても寂しさを感じる人達が居るという事を、身をもって知る事となった。
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