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第8章︰エーリ学院〜中級クラス〜【前編】
第71話
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「痛…っ!」
「あ、ごめん!痛かった?」
「ちょ、ちょっとね…。でも大丈夫!気にしないで続けて…!」
ルカにマッサージをしてもらうのは、この夢の中では何回目だろうか。そんな事を考えながら、普段使わない筋肉を使ってあちこち痛くなった身体を、ほぐしてもらっていた。
「結構ハードな事してたもんね。そりゃあ疲れるよ…。」
「普段しなさすぎるのかも…受け身取れないの、ヴェラに結構言われてたから気にしてたんだよね。」
「なんとなくのイメージだけど、剣とか使う人は受け身取れないと大変だろうけど、ルナだったらそこまで出来なくてもいいんじゃないかな…と思うよ?」
「ううん。ミグにも言われたし…自分の身くらい守れなきゃ…。」
「ま、まぁ…焦らず頑張ればいいよ!マッサージならいつでも出来るし!」
「ありがとうルカ。」
「一緒に頑張ろルナ。」
彼の言葉に元気をもらい、ますますやる気が出るような気がした。
「ところで…ミグの様子はどう…?」
「ちょっと前までは外に出て薬草を摘んでくれてたけど…。最近は、ほとんど部屋にこもってるみたい。」
「じゃあ…薬作るの、1人じゃ大変じゃない?」
「大変だけど、ミグにばっかり頼ってもいられないし。」
「なら、今日は私が薬を作るの手伝うよ!」
「え?でも…」
「私達、一緒に頑張るんでしょ?マッサージもしてもらったし!」
「ありがとうルナ。じゃあ、手伝ってもらおっかな!」
「うん!」
こうして私達は夢が覚めるまでの間、薬作りに没頭した。
「行くでールナ!」
「う、うん…!」
アレクに腕を掴まれ、前方に敷かれたマットめがけて投げ飛ばされた。宙で仰向けになり、着地する瞬間を狙って背中を丸めた。しかし、思いのほか勢いがよく、マットの上で背中を強く打ち付けた。その衝撃で身体が回転し、最終的にうつ伏せで床に倒れ込んだ。
「ルナ!大丈夫!?」
壁際で様子を見ていたユイが私の元に駆け寄り、彼女の腕を掴んでその場に立ち上がった。
「痛てて…。上手くいかなかったぁ…。」
「ご、ごめんなぁルナ!あまりに軽すぎて飛ばしすぎてしもた…!」
アレクがマットの端からこちらに走ってくると、顔の前で手の平を合わせて頭を下げた。
「ちょっとアレク!女子を投げる時は気をつけてって言ったでしょ!?」
「ご、ごめんユイ…。」
「アレクのせいじゃないよ!アレクが居なかったら、練習にならないんだし…そんなに責めないで。」
「でも…。」
「ほら!私は大丈夫だから!ね?」
「…わかったわよ。」
「俺ももっと投げるの上手なるわ!」
「ありがとうアレク!」
「アレクー。次は俺を投げてくれるー?」
「りょかーい!待ってな~!」
タックに呼ばれた彼は、もう1度私に向けて手を合わせると、元いた場所へ走って戻って行った。
「んー…。私ももう1回…」
「待ちなさいルナ。ちょっとこっち来て。」
「え?な、なんで?ちょ、ちょっと…ユイ!」
ユイに手を掴まれ、ホールから抜け出すと女子トイレの鏡の前にやって来た。
「どうしたの?ユイ。」
「何を焦ってるか知らないけど、最近ちょっと無理し過ぎなんじゃないの?」
「え?無理なんて…」
「背中、痣になってない?ちょっと見せて。」
「え!?だ、大丈夫だよ!」
「いいから見せなさい!」
ユイに強引に上着を脱がされると、赤くなった私の背中が鏡に映っていた。
「痣にまでなってないけど…真っ赤になってるじゃない。医務室に行って冷やした方がいいわね。」
「だ、大丈夫だよ…!痛くないし…」
「つべこめ言わないで行くわよ!」
またしてもユイに強引に手を引かれ、そのまま医務室に連れていかれてしまった。
「ルナちゃん、大丈夫?医務室に行ったって聞いたけど。」
「あーうん…受け身失敗した時にちょっとね…。」
授業を終えて帰る準備をしていると、フランが声をかけてきた。
「痣とか出来てなかった?」
「出来てないよ!ちょっと赤くなったくらいだから、全然大丈夫!」
「あら。赤くなってる時点で早めに治した方がいいわよ~?」
「え、そうなの?」
後ろの方からレミリーがやってきて、私達の会話にはまってきた。
「お姉様の塗り薬があるから塗ってあげるわ~。私の部屋に行きましょう?」
「あ、うん!ありがとうレミリー。」
「じゃあ僕も途中まで一緒に行こうかな。」
寮の廊下でフランと別れると、レミリーと共に階段を上って彼女の部屋へ向かった。扉を開けると、彼女らしい落ち着いた雰囲気の部屋が広がっていた。
「確か机の引き出しだったと思うんだけど~…。ベッドに座って待ってて~。」
「あ、うん!」
薄紫色の布団が敷かれたベッドに腰を下ろすと、窓辺に置かれた植物が青々としている様子が目に入った。
「レミリーは、植物を育てるのが好きなの?」
「ええ。その鉢植えは、お姉様がくれたのよ~。お水をあげて、日に日に成長してくのを見てると和むのよね~。」
「へぇ~…ルシュ様がくれたんだ…。」
「あ、あったわ。これよ~。」
彼女は瓶に入った緑色のクリームを持って私の隣に腰を下ろした。私は上着を脱いで彼女に背中を向けると、クリームを手に取った彼女の手が背中に触れた。
「ひぇ…!」
「あら、痛かった?」
「ううん!冷たかったからびっくりして…。」
「そうねぇ…まだ肌寒い季節だから、引き出しの中で冷えてたのかもしれないわね~。」
「背中、まだ赤い?」
「少し腫れてるわね。しばらくの間、1日1回は薬を塗った方がいいと思うわ~。」
「じゃあ、またレミリーの部屋に来てもいい?」
「薬を持っていった方が楽じゃない~?」
「ぬ、塗ってもらう人が居ないから…。わざわざユイとかララに頼むのもなんだか悪いし…あ、レミリーなら別にいいかなって思ってる訳じゃないよ!?」
「確かにそうだけど~…。ミグがいるじゃない。」
「あー…えっと…。」
「うふふ。しょうがないわね~私が塗ってあげるわ。彼も一応男だし…恥ずかしいわよね?」
「う、うん…そうなの!レミリーは、優しいから頼みやすいし…!」
「ならまた明日、一緒に帰りましょう?」
「うん!ありがとうレミリー!」
それからしばらくの間、レミリーの部屋で毎日薬を塗ってもらうようになった。
数日経ったある日、自分達でやる事を決めて行う実習で、私達は再び受け身の練習をする事にした。
「ルナちゃん…背中は大丈夫なの?もう少し休んでた方がいいんじゃ…」
「大丈夫大丈夫!レミリーに毎日薬塗ってもらったから、随分良くなったよ!」
アレクに投げてもらおうと順番待ちをしていると、後ろにいたララが心配そうに声をかけてきた。
「ルナ、大丈夫か?まだ背中治ってないんやろ?」
「ううん!大丈夫!もー、思いっきりやっちゃって!」
「お、思いっきりやったらどこまでも飛んでってしまいそうやわ…。ユイに怒られるのも嫌やし、程々に投げるわ!」
「じゃあ、それでお願い!よろしくねアレク。」
「ほんなら行くでー!」
アレクに投げ飛ばされると、マットの上で前方に回転して受身をとった。
「やった!成功し…」
無事回転を終えたと思ったら、そのままの勢いで前のめりになり、目の前に壁が迫ってきた。
「わ!?…っぶ!?」
硬い壁に顔面を強打しそうになった瞬間、柔らかい何かに顔をうずめた。身体が温かいものに包まれ、懐かしい匂いがした。顔をあげてみると、壁にもたれかかるようにしてミグが座っていた。彼の脚の間に挟まれて、私の背中に彼の腕が回されている。
「ミ、ミグ…なんで…?」
「…使い魔が主を守って悪いか?」
「え、ぃや…」
「ルナー!大丈夫かぁ!?」
「あ、アレ…」
後ろからアレクが走ってくるのを見たミグは、すぐさま私の足元に消えていってしまった。彼が消えた事で前に倒れ、壁におでこをぶつけた。
「いだ…っ!?」
「大丈夫やったか?」
「だ、大丈夫!ちょっとおでこぶつけただけだから…ほら!」
「はぁ~…よかったぁ。ミグに感謝やなぁ。」
「あ、うん…。」
「痛かったら早めに冷やすんやで?」
「うん!ありがとうアレク。」
「あ、ごめん!痛かった?」
「ちょ、ちょっとね…。でも大丈夫!気にしないで続けて…!」
ルカにマッサージをしてもらうのは、この夢の中では何回目だろうか。そんな事を考えながら、普段使わない筋肉を使ってあちこち痛くなった身体を、ほぐしてもらっていた。
「結構ハードな事してたもんね。そりゃあ疲れるよ…。」
「普段しなさすぎるのかも…受け身取れないの、ヴェラに結構言われてたから気にしてたんだよね。」
「なんとなくのイメージだけど、剣とか使う人は受け身取れないと大変だろうけど、ルナだったらそこまで出来なくてもいいんじゃないかな…と思うよ?」
「ううん。ミグにも言われたし…自分の身くらい守れなきゃ…。」
「ま、まぁ…焦らず頑張ればいいよ!マッサージならいつでも出来るし!」
「ありがとうルカ。」
「一緒に頑張ろルナ。」
彼の言葉に元気をもらい、ますますやる気が出るような気がした。
「ところで…ミグの様子はどう…?」
「ちょっと前までは外に出て薬草を摘んでくれてたけど…。最近は、ほとんど部屋にこもってるみたい。」
「じゃあ…薬作るの、1人じゃ大変じゃない?」
「大変だけど、ミグにばっかり頼ってもいられないし。」
「なら、今日は私が薬を作るの手伝うよ!」
「え?でも…」
「私達、一緒に頑張るんでしょ?マッサージもしてもらったし!」
「ありがとうルナ。じゃあ、手伝ってもらおっかな!」
「うん!」
こうして私達は夢が覚めるまでの間、薬作りに没頭した。
「行くでールナ!」
「う、うん…!」
アレクに腕を掴まれ、前方に敷かれたマットめがけて投げ飛ばされた。宙で仰向けになり、着地する瞬間を狙って背中を丸めた。しかし、思いのほか勢いがよく、マットの上で背中を強く打ち付けた。その衝撃で身体が回転し、最終的にうつ伏せで床に倒れ込んだ。
「ルナ!大丈夫!?」
壁際で様子を見ていたユイが私の元に駆け寄り、彼女の腕を掴んでその場に立ち上がった。
「痛てて…。上手くいかなかったぁ…。」
「ご、ごめんなぁルナ!あまりに軽すぎて飛ばしすぎてしもた…!」
アレクがマットの端からこちらに走ってくると、顔の前で手の平を合わせて頭を下げた。
「ちょっとアレク!女子を投げる時は気をつけてって言ったでしょ!?」
「ご、ごめんユイ…。」
「アレクのせいじゃないよ!アレクが居なかったら、練習にならないんだし…そんなに責めないで。」
「でも…。」
「ほら!私は大丈夫だから!ね?」
「…わかったわよ。」
「俺ももっと投げるの上手なるわ!」
「ありがとうアレク!」
「アレクー。次は俺を投げてくれるー?」
「りょかーい!待ってな~!」
タックに呼ばれた彼は、もう1度私に向けて手を合わせると、元いた場所へ走って戻って行った。
「んー…。私ももう1回…」
「待ちなさいルナ。ちょっとこっち来て。」
「え?な、なんで?ちょ、ちょっと…ユイ!」
ユイに手を掴まれ、ホールから抜け出すと女子トイレの鏡の前にやって来た。
「どうしたの?ユイ。」
「何を焦ってるか知らないけど、最近ちょっと無理し過ぎなんじゃないの?」
「え?無理なんて…」
「背中、痣になってない?ちょっと見せて。」
「え!?だ、大丈夫だよ!」
「いいから見せなさい!」
ユイに強引に上着を脱がされると、赤くなった私の背中が鏡に映っていた。
「痣にまでなってないけど…真っ赤になってるじゃない。医務室に行って冷やした方がいいわね。」
「だ、大丈夫だよ…!痛くないし…」
「つべこめ言わないで行くわよ!」
またしてもユイに強引に手を引かれ、そのまま医務室に連れていかれてしまった。
「ルナちゃん、大丈夫?医務室に行ったって聞いたけど。」
「あーうん…受け身失敗した時にちょっとね…。」
授業を終えて帰る準備をしていると、フランが声をかけてきた。
「痣とか出来てなかった?」
「出来てないよ!ちょっと赤くなったくらいだから、全然大丈夫!」
「あら。赤くなってる時点で早めに治した方がいいわよ~?」
「え、そうなの?」
後ろの方からレミリーがやってきて、私達の会話にはまってきた。
「お姉様の塗り薬があるから塗ってあげるわ~。私の部屋に行きましょう?」
「あ、うん!ありがとうレミリー。」
「じゃあ僕も途中まで一緒に行こうかな。」
寮の廊下でフランと別れると、レミリーと共に階段を上って彼女の部屋へ向かった。扉を開けると、彼女らしい落ち着いた雰囲気の部屋が広がっていた。
「確か机の引き出しだったと思うんだけど~…。ベッドに座って待ってて~。」
「あ、うん!」
薄紫色の布団が敷かれたベッドに腰を下ろすと、窓辺に置かれた植物が青々としている様子が目に入った。
「レミリーは、植物を育てるのが好きなの?」
「ええ。その鉢植えは、お姉様がくれたのよ~。お水をあげて、日に日に成長してくのを見てると和むのよね~。」
「へぇ~…ルシュ様がくれたんだ…。」
「あ、あったわ。これよ~。」
彼女は瓶に入った緑色のクリームを持って私の隣に腰を下ろした。私は上着を脱いで彼女に背中を向けると、クリームを手に取った彼女の手が背中に触れた。
「ひぇ…!」
「あら、痛かった?」
「ううん!冷たかったからびっくりして…。」
「そうねぇ…まだ肌寒い季節だから、引き出しの中で冷えてたのかもしれないわね~。」
「背中、まだ赤い?」
「少し腫れてるわね。しばらくの間、1日1回は薬を塗った方がいいと思うわ~。」
「じゃあ、またレミリーの部屋に来てもいい?」
「薬を持っていった方が楽じゃない~?」
「ぬ、塗ってもらう人が居ないから…。わざわざユイとかララに頼むのもなんだか悪いし…あ、レミリーなら別にいいかなって思ってる訳じゃないよ!?」
「確かにそうだけど~…。ミグがいるじゃない。」
「あー…えっと…。」
「うふふ。しょうがないわね~私が塗ってあげるわ。彼も一応男だし…恥ずかしいわよね?」
「う、うん…そうなの!レミリーは、優しいから頼みやすいし…!」
「ならまた明日、一緒に帰りましょう?」
「うん!ありがとうレミリー!」
それからしばらくの間、レミリーの部屋で毎日薬を塗ってもらうようになった。
数日経ったある日、自分達でやる事を決めて行う実習で、私達は再び受け身の練習をする事にした。
「ルナちゃん…背中は大丈夫なの?もう少し休んでた方がいいんじゃ…」
「大丈夫大丈夫!レミリーに毎日薬塗ってもらったから、随分良くなったよ!」
アレクに投げてもらおうと順番待ちをしていると、後ろにいたララが心配そうに声をかけてきた。
「ルナ、大丈夫か?まだ背中治ってないんやろ?」
「ううん!大丈夫!もー、思いっきりやっちゃって!」
「お、思いっきりやったらどこまでも飛んでってしまいそうやわ…。ユイに怒られるのも嫌やし、程々に投げるわ!」
「じゃあ、それでお願い!よろしくねアレク。」
「ほんなら行くでー!」
アレクに投げ飛ばされると、マットの上で前方に回転して受身をとった。
「やった!成功し…」
無事回転を終えたと思ったら、そのままの勢いで前のめりになり、目の前に壁が迫ってきた。
「わ!?…っぶ!?」
硬い壁に顔面を強打しそうになった瞬間、柔らかい何かに顔をうずめた。身体が温かいものに包まれ、懐かしい匂いがした。顔をあげてみると、壁にもたれかかるようにしてミグが座っていた。彼の脚の間に挟まれて、私の背中に彼の腕が回されている。
「ミ、ミグ…なんで…?」
「…使い魔が主を守って悪いか?」
「え、ぃや…」
「ルナー!大丈夫かぁ!?」
「あ、アレ…」
後ろからアレクが走ってくるのを見たミグは、すぐさま私の足元に消えていってしまった。彼が消えた事で前に倒れ、壁におでこをぶつけた。
「いだ…っ!?」
「大丈夫やったか?」
「だ、大丈夫!ちょっとおでこぶつけただけだから…ほら!」
「はぁ~…よかったぁ。ミグに感謝やなぁ。」
「あ、うん…。」
「痛かったら早めに冷やすんやで?」
「うん!ありがとうアレク。」
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