エテルノ・レガーメ

りくあ

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第4章︰ルカとルナ

第35話

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ギルドに戻った私達は、地下室へ向かうと袋の中から女性を抱え出した。

「ありがとうラズ。2人共、今日はもう休んでくれて構わないよ。」
「りょうかーい。」
「後はよろしくねマスター。」
「2人が戻るなら俺らも…。」
「待って。2人は僕と一緒に彼女の話を聞こう。吸血鬼を捕まえたのは、ルナちゃんの事を聞くためなんだ。」
「私の事を?」
「どうしてこんな危ない事を…!」
「本や資料だけじゃ限界あるでしょ?どうせ殺すなら色々聞き出してからと思ってね。」
「…。」

気絶していた彼女が目を覚まし、辺りを見渡していた。

「あ、気がついた?」
「誰ですか~?あなた。」
「なんか…さっきと雰囲気真逆じゃないか…?」
「僕の名前を聞いてどうするの?僕は、君の事を聞きたいんだ。」
「あら~…。私、捕まっちゃったのね~…。どうせ殺されちゃうなら話すわぁ…。私はレミリアマーリオよ~。」
「そう。君は吸血鬼…だよね?」
「ええそうよ~。だから捕まえたんでしょう~?」
「こいつ…危機意識はあるのか…?」
「じたばたしても助からないもの~。人間は吸血鬼を平気で殺す、残酷な生き物なのだし~。」
「それはこっちの台詞だと思うけど?吸血鬼は人間を血を吸って、平気で殺しているじゃないか。」
「人間って本当に弱い生き物よね~。ちょっと吸っただけでパタッと死んじゃうんだもの~。」
「っ…。」
「ルナ…。」
「…話を変えるよ。この子の事、君は何か知ってる?」
「いいえ。知らないわね~。」

彼女は首を傾げてしばらく考えた後、首を横に振った。

「で、でも、森では私の事襲って…!」
「それは、あなたが血の気の多い人間だと思ったからよ~。あら…よく見たらあなた…吸血鬼なのね?珍しいわね~血の気の多い吸血鬼だなんて~。」
「血の量が見るだけでわかるの?」
「なんとなくね~?あなたも吸血鬼ならわかるでしょう?本能的に。」 
「本能…?」
「それにしてもあなた…よく人間の中に紛れていながら生きていられるわね~。姉様くらいよ~人間にバレずに吸血鬼として生きていられるのは~。」
「お姉さんがいるの?」
「私がとっても慕っている吸血鬼なのよ~。」
「えっと…ルナちゃん。他に聞きたい事ある?」
「ええと…。お姉さんの名前は?」
「そこかよ…。」
「し、知ってる人かもしれないし…!」
「ルシュ様よ~。実際に姉じゃないんだけどぉ…姉のように慕ってるのよ~。」
「ルシュ…ってもしかしてヴェラの事!?」
「ちょっとあなた。下っ端の吸血鬼が幹部の方を呼び捨てに…しかも上の名前で呼ぶなんて…!礼儀がなってないわね。」
「え…でも…。」
「私達のような下っ端吸血鬼は、幹部の方の名前を呼ぶのも恐れ多い事よ。以後気をつけなさい。」
「ごめんなさい…私知らなくて…。」
「もうあなたとは話したくないわ。殺すなら好きにして~。」
「しばらくそっとしておくしかなさそうだね…。部屋に戻ろうか。」
「は、はい…。」



「吸血鬼には、上下関係があるって前にヴェラが言ってたよな?呼び方にも色々規律があるみたいだな。」
「私がいたのは…幹部の屋敷だったから、私も幹部なのかと思ってたけど、違ったみたい。」
「力の強さとか、生きた年数とかでランク付けされてるんだろうね…多分だけど。」
「下の名前を呼べないくらい厳しい制度なら、どうして私は幹部の屋敷にずっといたんだろう…。」
「これもまた…ヴェラに聞かないとわからなそうだな。」
「ヴェラに早く戻ってきてくれるように連絡してみるね。」
「僕はしばらく、あの吸血鬼から話を引き出してみるよ。まだ何か話すかもしれないし。」
「お願いします…。」

自室に戻った後、すぐベッドに横になった彼を見て、側に座った。

「傷…痛むの?」
「いや?なんとなく横になっただけ。」
「そっか…ならよかった。」
「そういや、ヴェラに連絡するって言ったけど、どうやってするんだ?」
「手紙を書いて飛ばすの。近くにいるなら超音波でも届くんだけど、どこにいるかわからないから…。」
「へ~手紙ねぇ…。って…超音波って…どっから出すんだ…?」
「高い声を出すだけだよ?多分、人には聞き取れない高さなんじゃないかな?そうやってやり取りしてる動物もたまにいるよ。」
「便利だな…吸血鬼…。」
「そ、そう…だね…。」
「悪い…好きで吸血鬼になったんじゃないのにな…。」
「ううん!それは…いいんだけど…。」
「さっきの吸血鬼…レミリアだっけ?あいつの言ってた事が気になるのか?」
「色々とね…。もっと…話聞けたら良かったんだけど…。」
「それも含めてヴェラを呼ぶんだろ?手紙書いたらどうだ?」
「そうだね!ちょっと書いてくる!」

数日後、ヴェラから手紙の返事が届いた。

「クラーレさん!ヴェラ、今日こっちに戻ってくるそうです!」
「それはよかった!なんだか、昨日の夜からレミリアの様子がおかしくてね…。」
「レミリアが…。あの…会ってみてもいいですか?」
「構わないけど…。」
「俺達もついて行くよ。」

地下の薄暗い空間の中で、彼女はぐったりしているようだった。

「レミリア…さん…。」
「またあなた?…話たくないと言ったのに…。」
「昨日はごめんなさい…。私、最近産まれたばかりの吸血鬼で…何も知らなくて…。」
「産まれたばかりの吸血鬼…。もしかして、あなたがルナ?」
「は、はい…!ルナソワレーヴェです。ル、ルシュ様…には、色々魔法を教えて頂いて…。」
「そう…あなたがルナだったのね…。噂に聞いていたわ。新人の吸血鬼が、幹部の方達に面倒見てもらってるってね。」
「私達は兄妹だって、言って頂いて…私は本当に兄妹だと思い込んでたから…。」
「事情はわかったわ。あなたの事を知らず、怒ったりしてごめんなさいね。」
「い、いえ…。」
「ところで、その話をする為だけにここに来たの~?」
「そ、そうだった…!調子が悪そうだって聞いて…もしかして、血が足りてないんじゃないのかな?って思って…。」
「そうね~…。昨日吸うはずだったのだけれど…捕まっちゃったから…。」
「そ、そう…ですよね…。あの…よかったら私の血を吸って下さい!」
「お、おい…ルナ!何言って…。」
「吸血鬼なら同性でも大丈夫だよね?今は血も余ってるし…。」
「捕まえておきながら、私の事を生かそうって言うの?」
「私は…吸血鬼だから…。それに、面倒みてくれた、ルシュ様の事を慕っているあなたを…見殺しにはしたくない。」
「そう…。ならそうさせてもらおうかしら。」
「だ、大丈夫なの?ルナちゃん…。」
「大丈夫です!人間の事は憎んでても…吸血鬼同士なら、殺す必要ないはずだし…。」
「無理はしないでね?」
「はい!2人は先に戻っててくれる?もしかしたら、部屋にヴェラが来るかもしれないし…。」
「…わかった。」



「あなたの血…美味しいわね~。」
「…それ、みんな言うんだけど…美味しいのと美味しくないのは何か違いがあるの?」
「うーん…私もよくわからないけど~…。血が混じりあってるような…一度に何種類もの血を味わってるような、そんな感じがするのよね~。」
「何種類もの…血…?」
「あなたの中に、別の何かも感じる…。」

別の何かと言われて、一瞬ドキリとした。

「…そ、そんな事あるはずが…。」
「そうよね~。さすがにあなたがそこまで出来るとは思わないし~。」
「ルナ!」
「ヴェラ…!」

地下室の階段を降りてヴェラがやってきた。その後ろから、部屋に向かったはずの2人も戻ってきた。

「姉様!どうしてこんな所に…!」
「レミリア…?お前こそどうしてそんな所に…。」
「やっぱりヴェラの知り合いだったんだね…。」
「色々聞きたいことがあるんだ。な?ルナ。」
「う、うん…。」

先程の疑問をヴェラに聞いてみると、思ってもみなかった返事が返ってきた。

「私は…実験の為にあの建物で育てられてた…ってこと?」
「そうだ。本来なら、産まれた吸血鬼は、レミリア達のような下っ端の吸血鬼が住む建物に移動させられる。けどお前は、かなりの能力を引き継いだ出来の良い吸血鬼だった。」
「それで…育ててたって事なんだね…。」
「レミリアは、どうしてここに?」
「お腹が空いて、森で狩りをしていたの~。そしたら、ルナを見つけて美味しそうだったからつい…。でもお仲間さんに、捕まっちゃったのよ~。」
「ルナちゃんの事、何か聞き出せないかと思って、僕が捕まえるように頼んだんだ。」
「そうか…。」
「そういや、調べに行ってたんだろ?何かわかったのか?」
「あぁ。そうだったな…。」
「ここだとあれだから…部屋に移動する?」
「いや。レミリア。悪いが、少し寝ていてくれるか?」
「姉様の頼みならもちろん喜んで~。」
「悪いな。」

彼女の魔法の力により、レミリアはその場で眠りについた。

「ほんとに寝た…。」
「私が魔法を解かない限り眠り続ける。これなら、ルカの話をしても大丈夫だろう。それで本題だが…入れ替わる方法を探したが、見つけられなかった。」
「そっか…。」
「あとは…本の続きだが、おそらく下っ端吸血鬼達が住んでいる“エーリ”という建物か、私達幹部が住む“レジデンス”のどちらかにあるはずだ。私1人ではとても探しきれないから…出来ればルナにも手伝って貰うのがいいんだが…。」
「吸血鬼達の所に…ルナを帰すって事?」
「ダメだ…そんなの!」
「ミグ…。」
「捕まってた所に戻るなんて…。危険だろ。」
「殺しはしないさ。大事に扱わなければいけないからな。」
「クラーレはそれでいいのか?ルカを危険にさらすことになるんだぞ?」
「僕だって…そんな危険な事させたくないよ…。けど、これはルナ自身の為だ。ルナに任せるよ。」
「っ…。」
「ミグ…!」

地下室から走って出ていった彼を追いかけた。しばらく走っていると、廊下の窓から裏庭の木の側に立っている彼を見つけた。

「こんな所にいた…探したよ?」
「…なんだよ。」
「ミグは…反対なんだよね?私が行くの。」 
「そうだよ…。でも、お前は行くんだろ?…わざわざ聞く必要ないだろ。」
「理由を聞きたくて…。」
「危険だからってさっき言っただろ。」
「私は吸血鬼だよ?本来いるべき所に戻るだけだよ。危険な事なんて…」
「俺にとってお前は…。仕えるべき主であり…親友の大切な人であり…一緒に仕事した仲間であり…ほっとけない妹でもあり…お前がいなかったら…俺は…。」
「ミグ…。」
「お前も一緒に、連れて行ける方法ならあるぞ。」

後ろから、ヴェラが後を追いかけてきた。

「え、ヴェラ…?」
「本当か!?」
「お前にそれなりの覚悟があればの話だ。」 
「まさか、ミグにも吸血鬼になれって言うんじゃ…!」
「それは無理だ。こいつには吸血鬼の才能はない。」
「じゃあどうすんだよ…。」
「使い魔として、ルナと契約すればいい。」
「人を使い魔になんてできるの!?」
「普通は人間が、吸血鬼の使い魔になんてなりたがらないだろ?今まで1人もそんなやつはいなかった。ただそれだけで、別になれないということは無い。」
「使い魔か…。」
「ただし、使い魔になったら、契約者が死ぬまでそいつに一生仕えなければならない。そして、契約者が死ねば使い魔も同じように死ぬ。」 
「そ、そんなルールがあったんだ…。」
「それと、契約した時点で契約者の用途にあった見た目に変わる可能性が高い。お前は人間ではなくなるという事だ。」
「わかった。なるよ使い魔に。」
「え、嘘!…本気なの!?」
「本気だけど?」
「そんなに簡単に決めていいの!?人間に戻れなくなるんだよ?私が死んだらミグも死ぬんだよ!?」
「ヴェラ…使い魔が死んだとしても、契約者は死なないよな?」
「あぁ。死なないよ。」
「ならいい。」
「よくない!私のせいでミグの人生変えるなんてそんなの…。」
「お前に俺の人生、そう簡単に変えられると思うか?俺が自分の意思でそうするんだ。」
「でも…。」
「俺の主はお前だけだ。ルナの側にいさせてくれ。」
「どうしてそこまで…。………ミグって、時々訳分からないよね…。」
「はぁ?なんだよそれ…。」
「紳士的だなと思ったら口悪いし…。大人だなと思ったら子供みたいな所もあるし…。計画的な時もあれば勝手に突っ走ってく時あるし…。」
「おい…ほぼ悪口じゃねーか…。」

彼の目を真っ直ぐ見つめた。彼もまた、私の目を真っ直ぐ見つめている。

「本当にいいの?」
「いいよ。」
「後悔しない?」
「しない。」
「本当に…」
「しつけーな!いいっつってるだろ!?」
「ヴェラ…こんなに口が悪くて、主人に反抗する人間でも使い魔になれる?」
「口は悪いが、しっかり仕えてくれる使い魔になると思うぞ。」
「ミグがそこまで言うなら…わかった。」
「じゃあヴェラ。頼む。」
「今すぐか?別れの挨拶をしたい奴は居ないのか?」
「ミグルド・シグルズは死んだ…。親父とテトにそう伝えるように、クラーレに頼んでくれればそれで充分だ。」
「わかった。なら、他の奴らに見えないように結界を張る。ルナはそこに、ミグはこっちに座って目を閉じていろ。」

言われた通りに芝生の上に腰を下ろすと、ミグと私は向かい合った。

「ミグ…。」
「大丈夫だ。俺は…この先お前とずっと一緒に居られるんだって思ったら、逆にほっとしてる。俺は人間じゃなくなるけど…お前を守りたいって気持ちはこの先何年経っても変わらない。」
「本当に…ミグって変な人間だね…。」
「吸血鬼の事が好きな人間もいるって事だ。覚えておけ。」 
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